中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり 。辺 あたり MN と BC の長 なが さの比 ひ は 1:2 であり、2 つの辺 あたり は互 たが いに平行 へいこう である。
中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり (ちゅうてんれんけつていり、英 えい : midpoint theorem, midpoint connector theorem )とは、平面 へいめん 幾何 きか の定理 ていり の一 ひと つ。
三角形 さんかっけい の底辺 ていへん を除 のぞ く2 辺 へん のそれぞれの中点 ちゅうてん を結 むす んだ線分 せんぶん 「中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 」は、底辺 ていへん と平行 へいこう であり、長 なが さは底辺 ていへん の半分 はんぶん に等 ひと しい[ 1] [ 2] [ 3] 。また、相似 そうじ 比 ひ が1:2の相似 そうじ な三角形 さんかっけい ができる[ 2] [ 3] [ 4] 。
以下 いか において、∥ は 2 つの線分 せんぶん が平行 へいこう であることを表 あらわ す。
三角形 さんかっけい ABC について、辺 あたり AB の中点 ちゅうてん を M , 辺 あたり AC の中点 ちゅうてん を N とする。このとき、三角形 さんかっけい ABC の中点 ちゅうてん 連結 れんけつ MN は、底辺 ていへん BC と平行 へいこう であり、かつ 中点 ちゅうてん 連結 れんけつ MN の長 なが さを 2 倍 ばい すると、底辺 ていへん BC の長 なが さに等 ひと しくなることを示 しめ し、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり が成 な り立 た つことを証明 しょうめい する。
補助 ほじょ 点 てん Dは▱AMCDと▱MBCDを形成 けいせい する。
証明 しょうめい —
線分 せんぶん MN の延長 えんちょう 上 じょう に、補助 ほじょ 点 てん D をとって、 MN = ND とする。
ここで、MN = ND , AN = NC であり、四角形 しかっけい AMCD の対角線 たいかくせん は各々 おのおの の中点 ちゅうてん N で交 まじ わることから、平行四辺形 へいこうしへんけい AMCD が成立 せいりつ する。平行四辺形 へいこうしへんけい の定義 ていぎ より AM ∥ CD 、平行四辺形 へいこうしへんけい の対辺 たいへん の性質 せいしつ より AM = CD が明 あき らかになる。ところが、M は 辺 あたり AB の中点 ちゅうてん であることから AM = MB であることを用 もち いると、MB= CD となり、MB ∥ CD とから、一 いち 組 くみ の対辺 たいへん が平行 へいこう かつ等 とう 長 ちょう であることから 平行四辺形 へいこうしへんけい MBCD が成立 せいりつ する。平行四辺形 へいこうしへんけい の定義 ていぎ より、他方 たほう の辺 あたり の組 くみ についても互 たが いに平行 へいこう であること MD ∥ BC から MN ∥ BC が成 な り立 た つ。
また、平行四辺形 へいこうしへんけい MBCD の対辺 たいへん の性質 せいしつ から、 MD = BC が示 しめ され、補助 ほじょ 点 てん D の設定 せってい より、MN = ND より 2MN =BC が成 な り立 た つから、底辺 ていへん BC と、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ MN について中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり が示 しめ された。
なお、国内 こくない の中学校 ちゅうがっこう で用 もち いられている教科書 きょうかしょ の多 おお くで、図形 ずけい の相似 そうじ の単元 たんげん の中 なか で、三角形 さんかっけい ABC と 三角形 さんかっけい AMN が相似 そうじ であることを用 もち いた証明 しょうめい の記述 きじゅつ がある[ 5] 。これは、学習 がくしゅう 課程 かてい の便宜 べんぎ から、証明 しょうめい として用 もち いられている方法 ほうほう であり、相似 そうじ の性質 せいしつ を利用 りよう して示 しめ す特殊 とくしゅ な例 れい として扱 あつか われている。これは中学 ちゅうがく 数学 すうがく において、相似 そうじ な図形 ずけい に関 かん する知識 ちしき を、小学 しょうがく 算数 さんすう の拡大 かくだい ・縮小 しゅくしょう の操作 そうさ を通 とお して得 え られた、図形 ずけい の計量 けいりょう の知識 ちしき の一部 いちぶ と捉 とら え(半 なか ば公理 こうり として)証明 しょうめい なしで使用 しよう している事情 じじょう による。数学 すうがく 的 てき には、相似 そうじ な図形 ずけい の性質 せいしつ 、成立 せいりつ 条件 じょうけん を含 ふく め、あらゆる相似 そうじ に関 かん する定理 ていり はこの 中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり とその逆 ぎゃく 定理 ていり を繰 く り返 かえ し用 もち いることで導 みちび かれるものであるため、これでは循環 じゅんかん 論法 ろんぽう となって、教科書 きょうかしょ に証明 しょうめい として記載 きさい されている一連 いちれん の記述 きじゅつ は厳密 げんみつ には誤 あやま りである。
中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり は、三角形 さんかっけい の2つの性質 せいしつ を含 ふく んでいる。即 すなわ ち、
a. 三角形 さんかっけい の中点 ちゅうてん 連結 れんけつ は、底辺 ていへん と平行 へいこう の方向 ほうこう を持 も つ。
b. 三角形 さんかっけい の中点 ちゅうてん 連結 れんけつ は、底辺 ていへん の半分 はんぶん の長 なが さを持 も つ。
の両方 りょうほう をまとめて指 さ す定理 ていり である。従 したが ってその逆 ぎゃく は、それぞれの結論 けつろん と仮定 かてい の一部 いちぶ を入 い れ替 か えて、
a. 三角形 さんかっけい の底辺 ていへん を除 のぞ く一辺 いっぺん の中点 ちゅうてん から、残 のこ りの一 いち 辺 へん 上 じょう の点 てん に向 む けて、底辺 ていへん と平行 へいこう な方向 ほうこう に線分 せんぶん を引 ひ くと、残 のこ りの辺 あたり 上 じょう の点 てん は、その辺 あたり の中点 ちゅうてん となる。
b. 三角形 さんかっけい の底辺 ていへん を除 のぞ く一辺 いっぺん の中点 ちゅうてん から、残 のこ りの一 いち 辺 へん 上 じょう の点 てん に向 む けて、底辺 ていへん の半分 はんぶん の長 なが さの線分 せんぶん を引 ひ くと、残 のこ りの辺 あたり 上 じょう の点 てん は、その辺 あたり の中点 ちゅうてん となる。
となるが、このうち b. の内容 ないよう は、反例 はんれい を示 しめ すことで、容易 ようい に否定 ひてい 的 てき に証明 しょうめい される。このことから、一般 いっぱん に中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり の逆 ぎゃく と呼 よ ばれる定理 ていり は、a. の内容 ないよう であり、より簡単 かんたん に「三角形 さんかっけい の底辺 ていへん を除 のぞ く一辺 いっぺん の中点 ちゅうてん から、底辺 ていへん の平行 へいこう 線 せん を引 ひ くと、残 のこ りの辺 あたり の中点 ちゅうてん を通 とお る」と表現 ひょうげん される。この内容 ないよう は真 しん である。
三角形 さんかっけい ABC において、辺 あたり AB の中点 ちゅうてん M から引 ひ いた底辺 ていへん BC の平行 へいこう 線 せん と、残 のこ りの辺 あたり AC との交点 こうてん を N とするとき、点 てん N は辺 あたり AC の中点 ちゅうてん となることを示 しめ そう。
証明 しょうめい —
線分 せんぶん MN の延長 えんちょう 上 じょう に、MD = BC となる点 てん D をとる。四角形 しかっけい MBCD は、一 いち 組 くみ の対辺 たいへん MD, BC が平行 へいこう かつ等 とう 長 ちょう であることから、平行四辺形 へいこうしへんけい である。よって AB ∥ CD であり、また CD = MB と AM = MB とから AM = CD 。一 いち 組 くみ の対辺 たいへん AM, CD が平行 へいこう かつ等 とう 長 ちょう であることから、四角形 しかっけい AMCD は平行四辺形 へいこうしへんけい 。平行四辺形 へいこうしへんけい AMCD の対角線 たいかくせん は中点 ちゅうてん で交 まじ わることから、AN = NC 。
また、これとは別 べつ に、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり の2つの結論 けつろん の両方 りょうほう を仮定 かてい に盛 も り込 こ んだ「三角形 さんかっけい の、底辺 ていへん を除 のぞ く 2 辺 へん の上 うえ に端点 たんてん を持 も つ線分 せんぶん が、底辺 ていへん と平行 へいこう かつ長 なが さがその辺 あたり の半分 はんぶん となるとき、その線分 せんぶん の端点 たんてん は各 かく 辺 あたり の中点 ちゅうてん になる」の内容 ないよう も真 しん であり、これを中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり の逆 ぎゃく と呼 よ んで、定理 ていり の一 ひと つとして扱 あつか うことがある。
三角形 さんかっけい ABC において、辺 あたり AB 上 うえ の点 てん M と辺 あたり AC 上 うえ の点 てん N を結 むす ぶ線分 せんぶん MN が、底辺 ていへん BC と平行 へいこう で、かつ長 なが さが半分 はんぶん であるとき、線分 せんぶん MN は中点 ちゅうてん 連結 れんけつ となることを示 しめ そう。
証明 しょうめい —
底辺 ていへん BC の中点 ちゅうてん をL とすると、MN = BL かつ MN ∥ BL より、一 いち 組 くみ の対辺 たいへん が平行 へいこう かつ等 とう 長 ちょう であるから、四角形 しかっけい MBLN は平行四辺形 へいこうしへんけい 。平行四辺形 へいこうしへんけい の定義 ていぎ から、MB ∥ LN 。すると中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり の逆 ぎゃく (前述 ぜんじゅつ )より、点 てん N は AC の中点 ちゅうてん 。さらに MN ∥ BC より、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり の逆 ぎゃく (前述 ぜんじゅつ )より、点 てん M は AB の中点 ちゅうてん 。このことから、線分 せんぶん MN は三角形 さんかっけい ABC の中点 ちゅうてん 連結 れんけつ であることが示 しめ された。
台形 だいけい では、脚 あし の中点 ちゅうてん を結 むす ぶ線分 せんぶん を「中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 」と呼 よ び、三角形 さんかっけい の場合 ばあい と同様 どうよう 、方向 ほうこう は底辺 ていへん と平行 へいこう になるが、長 なが さは底辺 ていへん の相加平均 そうかへいきん となる。
台形 だいけい ABCD (BC ∥ DA ) において、脚 あし AB ,CD の中点 ちゅうてん をそれぞれM ,N とするとき、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ MN が底辺 ていへん BC や DA と平行 へいこう で、その長 なが さの 2倍 ばい が底辺 ていへん BC と DA の和 わ に等 ひと しい[ 6] 。
底辺 ていへん BC を延長 えんちょう し、直線 ちょくせん AN との交点 こうてん をE とすると、点 てん N の設定 せってい からND = NC , BC ∥ DA の錯角 さっかく より∠NDA =∠NCE , 対頂角 たいちょうかく より∠AND =∠ENC ,これより一 いち 組 くみ の辺 あたり とその両 りょう 端 はし の角 かく がそれぞれ等 ひと しいことが示 しめ されたので、△NDA ≡△NCE 、合同 ごうどう な図形 ずけい の対応 たいおう する辺 あたり でDA = CE 、また、AN = EN 即 すなわ ち点 てん N は線分 せんぶん AE の中点 ちゅうてん であることがわかる。線分 せんぶん MN が△ABE の中点 ちゅうてん 連結 れんけつ であることから、中点 ちゅうてん 連結 れんけつ 定理 ていり を用 もち いてMN ∥ BE , 2MN = BE 即 すなわ ち、2MN = BC + DA