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きゅうそう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
狩野派の英一蝶作とされる九相図。小野小町を描く。
狩野かのえいいちちょうさくとされるきゅうそう小野小町おののこまちえがく。

きゅうそう(くそうず、きゅうそう)とは、屋外おくがいにうちてられた死体したいちていく経過けいかきゅう段階だんかいにわけてえがいた仏教ぶっきょう絵画かいがである。

名前なまえとおり、死体したい変遷へんせんきゅう場面ばめんにわけてえがくもので、死後しごまもないものにはじまり、次第しだいくさっていきにくし、ししとりらされ、ここのにはばらばらの白骨はっこつないし埋葬まいそうされた様子ようすえがかれる。ここのつの死体したいまえに、生前せいぜん姿すがたくわえてじゅう場面ばめんえがくものもある。きゅうそう場面ばめん作品さくひんごとにことなり、きゅうそうかんいている経典きょうてんでも一定いっていではない。

概説がいせつ

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大智たいちろん』『訶止かん』などでは以下いかのようなものである。

  1. 脹相(ちょうそう) - 死体したい腐敗ふはいによるガスの発生はっせい内部ないぶから膨張ぼうちょうする。
  2. 壊相(えそう) - 死体したい腐乱ふらんすす皮膚ひふやぶこわれはじめる。
  3. ぬりしょう(けちずそう) - 死体したい腐敗ふはいによる損壊そんかいがさらにすすみ、溶解ようかいした脂肪しぼう血液けつえき体液たいえき体外たいがいにじみだす。
  4. うみただれしょう(のうらんそう) - 死体したい自体じたい腐敗ふはいにより溶解ようかいする。
  5. あお瘀相(しょうおそう) - 死体したい青黒あおぐろくなる。
  6. 噉相(たんそう) - 死体したいむしがわき、鳥獣ちょうじゅうらされる。
  7. しょう(さんそう) - 以上いじょう結果けっか死体したい部位ぶい散乱さんらんする。
  8. 骨相こっそう(こつそう) - 血肉けつにく皮脂ひしがなくなりこつだけになる。
  9. やきしょう(しょうそう) - ほねかれはいだけになる。

死体したい変貌へんぼう様子ようす観想かんそうすることをきゅうそうかんきゅうそうかん)というが、これは修行しゅぎょうそうさとりのさまたげとなる煩悩ぼんのうはらい、現世げんせい肉体にくたい不浄ふじょうなもの・無常むじょうなものとるための修行しゅぎょうである。きゅうそうかん経典きょうてんは、奈良なら時代じだいには日本にっぽんつたわっていたとされ、これらの絵画かいが鎌倉かまくら時代ときよから江戸えど時代じだいにかけて製作せいさくされた。大陸たいりくでも、新疆しんきょうウイグル自治じちアフガニスタン死屍しし観想かんそう図像ずぞう発見はっけんされており、中国ちゅうごくでもとうみなみそう時代じだい死屍しし観想かんそう伝統でんとうがみられ、とうだいにはきゅうそう壁画へきが存在そんざい示唆しさする漢詩かんしもある。

現存げんそんするきゅうそう

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ただし、閲覧えつらん拝観はいかん可能かのうであっても時期じきかぎられるものがおおい。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 山本やまもと聡美さとみ西山にしやま美香みかきゅうそう資料しりょう集成しゅうせい : 死体したい美術びじゅつ文学ぶんがく岩田いわた書院しょいん、2009ねんISBN 9784872945461NCID BA89605592国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000010087986 

関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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