人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく

人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく
条約じょうやくの締約ていやく国こくと署名しょめい国こくを示しめした世界せかい地図ちず。締約ていやく国こくは紺色こんいろで示しめし、署名しょめい国こくは水色みずいろで示しめしている。
通称つうしょう・略称りゃくしょう	人身じんしん売買ばいばい禁止きんし条約じょうやく
署名しょめい	1949年ねん12月2日にち
署名しょめい場所ばしょ	ニューヨーク （国際こくさい連合れんごう総会そうかい決議けつぎ317（IV））
発効はっこう	1951年ねん7月がつ25日にち
締約ていやく国こく	82 （署名しょめい国こくは25）
主おもな内容ないよう	売春ばいしゅんとこれを目的もくてきとする人身じんしん売買ばいばいを禁止きんしする

人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく（じんしんばいばいおよびたにんのばいしゅんからのさくしゅのきんしにかんするじょうやく）は、売春ばいしゅんとこれを目的もくてきとする人身じんしん売買ばいばいを禁止きんしするために1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）12月2日にちに国際こくさい連合れんごう総会そうかい決議けつぎ317（IV）により採択さいたくされた国際こくさい人権じんけん条約じょうやくである。1951年ねん7月がつ25日にちに発効はっこうした。

略称りゃくしょうは人身じんしん売買ばいばい禁止きんし条約じょうやく。

条約じょうやく採択さいたくの歴史れきし的てき背景はいけい

当とう条約じょうやくの目的もくてきは

• 1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）に従来じゅうらいの人身じんしん売買ばいばい、性的せいてき搾取さくしゅに関かんする諸しょ条約じょうやく
• 1904年ねん（明治めいじ37年ねん）の「醜業しゅうぎょうヲ行くだりハシムル為ためノ婦女ふじょ売うり取締とりしまりニ関せきスル国際こくさい協定きょうてい」
• 1910年ねん（明治めいじ43年ねん）の「醜業しゅうぎょうヲ行くだりナワシムル為ためノ婦女ふじょ売買ばいばい禁止きんしニ関せきスル国際こくさい条約じょうやく」
• 国際こくさい連盟れんめいによって採択さいたくされた1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）の「婦人ふじん及児童じどうノ売買ばいばい禁止きんしニ関せきスル国際こくさい条約じょうやく」
• 1933年ねん（昭和しょうわ8）の「成年せいねん婦女子ふじょしの売買ばいばい禁止きんしに関かんする国際こくさい条約じょうやく」

これら5つの条約じょうやくを統合とうごうして包括ほうかつ的てきな条約じょうやくを制定せいていする試こころみに由来ゆらいし、その事実じじつが前文ぜんぶんに明記めいきされている。そして『売春ばいしゅん及およびこれに伴ともなう悪弊あくへいである人身じんしん売買ばいばいは、人ひとのしての尊厳そんげん及および価値かちに反はんし、かつ、個人こじん、家族かぞく及および社会しゃかいの福祉ふくしをそこなう』ことが冒頭ぼうとうに記しるされている。

条約じょうやくの概要がいよう

当とう条約じょうやくは第だい1条じょうで『売春ばいしゅんを目的もくてきとして他ほかの者ものを、その者ものの同意どういがあった場合ばあいにおいても、勧誘かんゆう、誘引ゆういんすること』と『本人ほんにんの同意どういがあっても、その売春ばいしゅんから搾取さくしゅすること』を禁きんじている。第だい2条じょうは売春ばいしゅん宿やどの経営けいえいを禁きんじ、第だい3条じょうはその未遂みすい行為こういも禁きんじている。第だい5条じょうは外国がいこく人じんの被害ひがい者しゃに自じ国民こくみんと同等どうとうの権利けんりを明記めいきし、第だい16条じょうは売春ばいしゅんの防止ぼうしとこの条約じょうやくの違反いはん行為こういの被害ひがい者しゃの更生こうせいと社会しゃかい的てき補導ほどうのための措置そちを奨励しょうれいし、第だい19条じょうは被害ひがい者しゃの送還そうかん及および保護ほごについて規定きていしている。第だい20条じょうでは求職きゅうしょく者しゃ、特とくに婦人ふじんと児童じどうが売春ばいしゅんの危険きけんに晒さらされないよう職業しょくぎょう紹介しょうかい事業じぎょうの監督かんとくのための手段しゅだんを講こうじることが明記めいきされ、さらに第だい22条じょうはこの条約じょうやくの解釈かいしゃくと適応てきおうに関かんして紛争ふんそうが生しょうじた場合ばあいには、いずれかの紛争ふんそう当事とうじ国こくの請求せいきゅうにより国際司法裁判所こくさいしほうさいばんしょに付託ふたくするものとすることが規定きていされる。

各国かっこくの加盟かめい状じょう況きょう

2012年ねん現在げんざいの加盟かめい国こくは82カ国かこくで、署名しょめい国こくは25カ国かこくである。署名しょめい国こくの内うちアメリカ、イギリスを含ふくむ13カ国かこくが未み批准ひじゅんの状態じょうたいにある。日本にっぽんは戦前せんぜんに本ほん条約じょうやくの前身ぜんしんである従来じゅうらいの人身じんしん売買ばいばい、性的せいてき搾取さくしゅに関かんする諸しょ条約じょうやく、「醜業しゅうぎょうヲ行くだりハシムル為ためノ婦女ふじょ売うり取締とりしまりニ関せきスル国際こくさい協定きょうてい」、「醜業しゅうぎょうヲ行くだりナワシムル為ためノ婦女ふじょ売買ばいばい禁止きんしニ関せきスル国際こくさい条約じょうやく」「婦人ふじん及児童じどうノ売買ばいばい禁止きんしニ関せきスル国際こくさい条約じょうやく」の3条約じょうやくに1925年ねんまでに批准ひじゅんしており、本ほん条約じょうやくにも1958年ねん4月がつ11日にちの国会こっかい承認しょうにんを経へて、同年どうねん5月がつ1日にちに加入かにゅうし、同年どうねん7月がつ30日にちに効力こうりょくが発生はっせいしている。

関連かんれん項目こうもく

• 売春ばいしゅん防止ぼうし法ほう
• 売春ばいしゅん
• 人身じんしん売買ばいばい
• 児童じどう買春ばいしゅん
• 性的せいてき奴隷どれい
• 婦人ふじん補導ほどう院いん
• 婦人ふじん保護ほご施設しせつ
• 婦人ふじん及児童じどうノ売買ばいばい禁止きんしニ関せきスル国際こくさい条約じょうやく
• 奴隷どれい制度せいど廃止はいし国際こくさいデー

関連かんれん資料しりょう

• 「1373　第だい18巻かん　人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく（日にち・英えい・仏ふつ・中なか・露ろ・西にし）1950・3・21（1951・7・25）」『条約じょうやく集しゅう 第だい36集しゅう 第だい1-27巻かん 第だい27集しゅう 追おい補ほ』。国会図書館こっかいとしょかん図書館としょかん送信そうしん対象たいしょう。
• 「人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく」『多数たすう国こく間あいだ条約じょうやく集しゅう』550号ごう、外務省がいむしょう条約じょうやく局きょく、1959年ねん、1019頁ぺーじ。国会図書館こっかいとしょかん図書館としょかん送信そうしん対象たいしょう。
• 「（十じゅう一いち）人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく」『婦人ふじん参政さんせい関係かんけい資料集しりょうしゅう』、婦ふ選せん会館かいかん、50頁ぺーじ-。国会図書館こっかいとしょかん図書館としょかん送信そうしん対象たいしょう。
• 「人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく」『月刊げっかん婦人ふじん展望てんぼう』(通巻つうかん第だい246号ごう)、市川いちかわ房枝ふさえ記念きねん会かい出版しゅっぱん部ぶ、1975年ねん10月がつ、44-47頁ぺーじ。国会図書館こっかいとしょかん図書館としょかん送信そうしん対象たいしょう。

外部がいぶリンク

• 人身じんしん売買ばいばい及および他人たにんの売春ばいしゅんからの搾取さくしゅの禁止きんしに関かんする条約じょうやく (邦訳ほうやく) (ミネソタ大学だいがく人権じんけん図書館としょかん)
• 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん東京とうきょうオリンピック・パラリンピック競技きょうぎ大会たいかい 組織そしき委員いいん会かい平成へいせい29年度ねんど事業じぎょう計画けいかく書しょ - (資料しりょう1-1) 5-6頁ぺーじ、15頁ぺーじ