俗ぞく別当べっとう

俗ぞく別当べっとう（ぞくべっとう）とは、俗人ぞくじん身分みぶんのままで寺院じいん統轄とうかつの責任せきにん者しゃである別当べっとうを務つとめる者もの。

概要がいよう

最澄さいちょうが弘ひろし仁ひとし9年ねん（818年ねん）に朝廷ちょうていに献上けんじょうした『山家やまや学生がくせい式しき』の中なかに盗賊とうぞくや戒律かいりつ違反いはんを防ふせぐため、延暦寺えんりゃくじに公卿くぎょうの俗ぞく別当べっとうの設置せっちを求もとめ、5年ねん後ごの弘ひろ仁じん14年ねん3月がつ3日にち（823年ねん4月がつ17日にち）に藤原ふじわら三さん守もりと大伴おおとも国道こくどうが延暦寺えんりゃくじの俗ぞく別当べっとうに任にんぜられた。承うけたまわ和わ6年ねん（839年ねん）には東寺とうじにも設置せっちされ、以後いご東大寺とうだいじ・興福寺こうふくじ・法隆寺ほうりゅうじ・金剛峯寺こんごうぶじ・西大寺さいだいじなどに公卿くぎょうの俗ぞく別当べっとうが設置せっちされた。時代じだいが下くだると、地域ちいきの有力ゆうりょく者しゃが地元じもとの寺院じいんの俗ぞく別当べっとうを務つとめる事例じれいも登場とうじょうした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 大野おおの達之たつゆき助すけ「俗ぞく別当べっとう」（『国史こくし大だい辞典じてん 8』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1987年ねん） ISBN 978-4-642-00508-1）
• 平岡ひらおか定じょう海うみ「俗ぞく別当べっとう」（『平安へいあん時代じだい史し事典じてん』（角川書店かどかわしょてん、1994年ねん） ISBN 978-4-040-31700-7）

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• 功徳くどく使し