先進せんしんEHF通信つうしん衛星えいせい

先進せんしんEHF通信つうしん衛星えいせいAEHF(Advanced Extremely High Frequency)衛星えいせいはアメリカ空軍くうぐんが整備せいびを進すすめている新型しんがたの軍用ぐんよう通信つうしん衛星えいせいシステムである。

概要がいよう

アメリカ軍ぐんの軍用ぐんよう通信つうしん衛星えいせいとして1990年代ねんだいからミルスター衛星えいせい（en:Milstar）が運用うんようされてきたが、本ほん衛星えいせいシステムはそれを更新こうしんするものである。静止せいし衛星えいせいであり、通信つうしん能力のうりょくも大幅おおはばな向上こうじょうが図はかられている。軌道きどう運用うんよう4機きのほか、地上ちじょう予備よび機きも準備じゅんびされる。ロッキードマーチン社しゃのA2100M衛星えいせいバスを使用しようしており、衛星えいせい寿命じゅみょうは14年ねん。1999年ねんから開発かいはつが開始かいしされた。2008年ねんに初はつ打うち上あげを予定よていしていたが延期えんきされ、2010年ねん8月がつ14日にちに1号機ごうきAEHF-1が打上うちあげられた。しかし、液体えきたいアポジエンジン噴射ふんしゃ時じにトラブルが発生はっせいして静止せいし軌道きどう投入とうにゅうに失敗しっぱいしたため、XR-5ホールスラスタなど別べつの小型こがた推進すいしんシステムを使つかって1年ねん以上いじょうかけて軌道きどうの上昇じょうしょうが行おこなわれ、2011年ねん10月がつ24日にちに静止せいし軌道きどうへ到着とうちゃくした。使用しようした液体えきたいアポジエンジンはIHI製せいのBT-4であったが、調査ちょうさの結果けっかこのエンジンには異常いじょうはなく、燃料ねんりょうの供給きょうきゅう系統けいとうの異常いじょうであった。

通信つうしんシステムは、陸りく・海うみ・空そらに所在しょざいする各かくユニットとの交信こうしんが想定そうていされており、EHF帯たい（ミリ波は）を使用しようする。通信つうしん速度そくどは1ユーザーあたり最大さいだい8.192 Mbit/s、低ていビットレートでも75から2400bit/sを確保かくほするようにしている。

核かく攻撃こうげきに伴ともなう電磁波でんじは擾乱じょうらん（電磁でんじパルス）などへの抗こう堪こらえ性せいも向上こうじょうしており、電子でんし妨害ぼうがいへの対抗たいこう性せい向上こうじょうや通信つうしんの被ひ探知たんち性せい低下ていかも行おこなわれている。

2号機ごうきのAHEF-2は2012年ねん5月がつ4日にちに、3号機ごうきのAHEF-3は2013年ねん9月がつ17日にちにアトラスVロケットで打上うちあげられた。

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