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典型てんけい元素げんそ

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典型てんけい元素げんそ(てんけいげんそ、main group (block) element、typical element、representative element)とは、周期しゅうきひょうの1ぞく、2ぞくと13ぞくから18ぞく元素げんそだい12ぞく元素げんそについては後述こうじゅつする)で、すべての非金属ひきんぞく一部いちぶ金属きんぞくから構成こうせいされる元素げんそ区分くぶんである。これにたいして3ぞくから12ぞく元素げんそ遷移せんい元素げんそばれる。ただし、IUPACの2005ねん勧告かんこく[1]では典型てんけい元素げんそ(typical element)はだい2 - 3周期しゅうきだい1,2,13 - 17ぞく元素げんそかぎられており、水素すいそ原子げんしガス元素げんそだい4周期しゅうき以降いこう元素げんそ典型てんけい元素げんそふくまれない。旧来きゅうらい典型てんけい元素げんそちか分類ぶんるいとしては主要しゅようぞく元素げんそ(main group element)があるが、こちらにも水素すいそ原子げんしふくまれていない。

典型てんけい元素げんそsブロック元素げんそ(1 - 2ぞく)とpブロック元素げんそ(13 - 18ぞく)とから構成こうせいされ、(2ぞくとなりは13ぞくとすると)ぞく番号ばんごうえるにつれあたい電子でんしひとつずつえ、ぞくごとに固有こゆう化学かがくてき性質せいしつしめす。いいかえると、あたい電子でんしにより化学かがく結合けつごう特性とくせいまる(記事きじ電子でんし配置はいちくわしい)ため、あたい電子でんし構成こうせい同一どういつにするぞくごとに化学かがくてき性質せいしつ変化へんかすることになる。

性質せいしつ[ソースを編集へんしゅう]

典型てんけい元素げんそ性質せいしつぞくてきあるいは周期しゅうきてき変化へんかするがつぎのような特徴とくちょうつ。

  • ぞくごとに特有とくゆう性質せいしつしめす(特有とくゆう性質せいしつ呼応こおうして「アルカリ金属きんぞく」、「ハロゲン」など性質せいしつ由来ゆらいするぞく別名べつめいつ)。
  • オクテットそくしたが場合ばあいおおい(13ぞく結果けっかとしてしたがわないことがある)。
  • ぞくちいさいほどイオンになりやすく、おおきいほど(18ぞくのぞく)かげイオンになりやすい。
  • 単体たんたい周期しゅうきひょうみぎじょうだい2周期しゅうき17ぞく)ほど共有きょうゆう結合けつごうせい物質ぶっしつ性質せいしつつよく、左下ひだりしただい6周期しゅうき1ぞく)ほど金属きんぞくてき性質せいしつつよ
  • たん周期しゅうきぞく番号ばんごうをN(1 - 2ぞくはI - II、13 - 17ぞくはIII - VIIとする)とすると、最大さいだいせい酸化さんかすうは+Nをとり、最小さいしょうまけ酸化さんかすうは-(8-N)のをとる。これをアベック規則きそくen:Abegg's rule, Abegg's law of valence and countervalence)とぶ。

典型てんけい元素げんそぞく[ソースを編集へんしゅう]

かくぞく性質せいしつ詳細しょうさい記事きじ だい1ぞく元素げんそ - だい18ぞく元素げんそくわしい(記事きじへのリンクはつぎひょうの1れつ

IUPAC命名めいめいほう元素げんそぞくめい たん周期しゅうきひょうぞくめい ちょう周期しゅうきひょうぞくめい 別名べつめい 元素げんそ
だい1ぞく元素げんそ Iぞく IAぞく アルカリ金属きんぞく 1H, 3Li, 11Na, 19K, 37Rb, 55Cs, 87Fr
だい2ぞく元素げんそ IIぞく IIAぞく アルカリるい金属きんぞく 4Be, 12Mg, 20Ca, 38Sr, 56Ba, 88Ra
遷移せんい元素げんそ
だい12ぞく元素げんそ IIぞく IIBぞく とくになし(あえて亜鉛あえんぞくばれることもある) 30Zn, 48Cd, 80Hg, 112Cn
だい13ぞく元素げんそ IIIぞく IIIBぞく るい金属きんぞくホウ素ほうそぞくばれることもある) 5B, 13Al, 31Ga, 49In, 81Tl
だい14ぞく元素げんそ IVぞく IVBぞく とくになし(あえて炭素たんそぞくばれることもある) 6C, 14Si, 32Ge, 50Sn, 82Pb, 114Fl
だい15ぞく元素げんそ Vぞく VBぞく とくになし(ニクトゲンまたは窒素ちっそぞくばれることもある) 7N, 15P, 33As, 51Sb, 83Bi
だい16ぞく元素げんそ VIぞく VIBぞく カルコゲン(酸素さんそぞくばれることもある) 8O, 16S, 34Se, 52Te, 84Po, 116Lv
だい17ぞく元素げんそ VIIぞく VIIBぞく ハロゲン 9F, 17Cl, 35Br, 53I, 85At
だい18ぞく元素げんそ   0ぞく ガス 2He, 10Ne, 18Ar, 36Kr , 54Xe, 86Rn

だい12ぞく元素げんそ亜鉛あえんぞく[ソースを編集へんしゅう]

12(2B)ぞく遷移せんい元素げんそとした周期しゅうきひょうれい

教科書きょうかしょ論文ろんぶんによって12ぞく典型てんけい元素げんそとしたり遷移せんい元素げんそとしたり、あるいはおな教科書きょうかしょなかで12ぞくたい双方そうほう表現ひょうげん使つかわれたりする場合ばあいがある[2]国際こくさい純正じゅんせい応用おうよう化学かがく連合れんごう(IUPAC)のGold bookにおける「transition element」(遷移せんい元素げんそ)の定義ていぎは、2023ねん時点じてんでも「完全かんぜんたされていない(閉殻していない)d軌道きどう元素げんそ、あるいは完全かんぜんたされていないd軌道きどうったイオンを生成せいせいする元素げんそ」となっており[3]、この定義ていぎしたがえばだい12ぞく元素げんそ遷移せんい元素げんそにはふくまれないことになる。なお、このGold bookの定義ていぎは(以前いぜんの)Red bookを参照さんしょうしているのだが、じつはそのの2005ねん勧告かんこくでは[1]「the elements of groups 3–12 are the d-block elements. These elements are also commonly referred to as the transition elements, though the elements of group 12 are not always included」と、だい12ぞく元素げんそ遷移せんい元素げんそふくまれることとなっている(ただし「いつもふくまれるとはかぎらない」とのただづけではある)。このように、だい12ぞくあつかいにかんしては現状げんじょうらぎがあるといえる。

脚注きゃくちゅう[ソースを編集へんしゅう]

  1. ^ a b Connelly, N. G.; Damhus, T.; Hartshorn, R. M. (2005). Nomenclature of Inorganic Chemistry, IUPAC Recommendations 2005. RSC Publishing. ISBN 978-0854044382 
  2. ^ 英語えいご Jensen, William B. (2003). “The Place of Zinc, Cadmium, and Mercury in the Periodic Table”. Journal of Chemical Education 80 (8): 952–561. doi:10.1021/ed080p952. http://www.uv.es/~borrasj/ingenieria_web/temas/tema_1/lecturas_comp/p952.pdf. 
  3. ^ 英語えいご transition element IUPAC. Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book"). Compiled by A. D. McNaught and A. Wilkinson. Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997). XML on-line corrected version: http://goldbook.iupac.org (2006-) created by M. Nic, J. Jirat, B. Kosata; updates compiled by A. Jenkins. ISBN 0-9678550-9-8. doi:10.1351/goldbook.T06456.

関連かんれん項目こうもく[ソースを編集へんしゅう]