写真しゃしん測量そくりょうほう

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ブラジル、サンカルロスしゅう、ファゼンダ ド ピニャル本社ほんしゃ写真しゃしん測量そくりょう
ブラジル、サンカルロスしゅう、ファゼンダ ド ピニャル本社ほんしゃ写真しゃしん測量そくりょう

写真しゃしん測量そくりょうほう (しゃしんそくりょうほう えい: Photogrammetry) とは、写真しゃしん画像がぞうから対象たいしょうぶつ幾何きかがく特性とくせい方法ほうほうである。写真しゃしん測量そくりょうほう歴史れきし現代げんだい写真しゃしん技術ぎじゅつおなじくらいふるく、起源きげんは19世紀せいきなかばにさかのぼる。フォトグラメトリともばれるが、こちらは狭義きょうぎに、デジタルカメラとう多面ためんてき撮影さつえいした複数ふくすうデジタル写真しゃしんをコンピュータで画像がぞう解析かいせきし、3次元じげんコンピュータグラフィックスひとしるプロセスを言葉ことばとしてもちいられる。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

写真しゃしん測量そくりょうもっと単純たんじゅんれいとして、写真しゃしん画像がぞうめん平行へいこう平面へいめんじょう存在そんざいする2てんあいだ距離きょりもとめる場合ばあいがあげられる。写真しゃしん画像がぞう縮尺しゅくしゃくかっていれば、画像がぞうじょう距離きょり測定そくていし、実際じっさい距離きょり縮尺しゅくしゃくから逆算ぎゃくさんしてもとめることができる。

この技術ぎじゅつ高度こうどおう用例ようれいであるステレオ写真しゃしん測量そくりょう使つかうと、対象たいしょう物体ぶったいじょう存在そんざいする任意にんいてんさん次元じげん座標ざひょうられる。この場合ばあいは、2つ以上いじょうことなる位置いちから撮影さつえいした画像がぞう利用りようして測定そくていおこなわれる。まず、別々べつべつ位置いちから撮影さつえいした写真しゃしんうつっている共通きょうつうてん識別しきべつする。つぎに、それぞれの写真しゃしん撮影さつえいのカメラ位置いちから共通きょうつうてんへの視線しせん(または光線こうせん)がまじわるてんもとめ、それをたよりに対象たいしょうてんの3次元じげん座標ざひょう算出さんしゅつする。さらに高度こうどれいとして、測定そくてい対象たいしょうかんする先験的せんけんてき情報じょうほう(たとえば対象たいしょう対称たいしょう図形ずけいであるなど)を利用りようして、1箇所かしょからの撮影さつえいだけでさん次元じげん座標ざひょう手法しゅほうもある。

写真しゃしん測量そくりょうは、地形ちけい建築けんちく工学こうがく製造せいぞう品質ひんしつ管理かんり警察けいさつ捜査そうさ地質ちしつがくなど、さまざまな分野ぶんや利用りようされている。写真しゃしん測量そくりょう使つかえば、考古学こうこがくものだい規模きぼ複雑ふくざつ遺跡いせき全体ぜんたい容易ようい作成さくせいすることができ、気象きしょうがくもの実際じっさい気象きしょうデータを測定そくていできなくとも竜巻たつまき風速ふうそく算出さんしゅつすることができる。また、実写じっしゃコンピュータ生成せいせい画像がぞうわせた映画えいがポストプロダクションにも写真しゃしん測量そくりょう利用りようされている。この技術ぎじゅつ利用りようした映画えいがれいには『ファイト・クラブ』(DVDの特典とくてん映像えいぞう詳細しょうさい説明せつめいがある)がある。

通常つうじょう写真しゃしん測量そくりょうのアルゴリズムには、問題もんだい解法かいほうとして誤差ごさじょう最小さいしょうする最小さいしょう乗法じょうほうもちいられる。この最小さいしょうバンドル調整ちょうせい英語えいごばんともいい、レーベンベルグ・マルカートほう英語えいごばん使用しようして計算けいさんすることがおおい。

手法しゅほう[編集へんしゅう]

写真しゃしん測量そくりょうほうにおけるWiora のデータモデル[1].

写真しゃしん測量そくりょうは、光学こうがく投影とうえい幾何きかがくなど分野ぶんやにわたる手法しゅほう応用おうようする。みぎは、どのような情報じょうほう写真しゃしん測量そくりょう使用しようされ、また写真しゃしん測量そくりょうからられるかをしめしたデータモデルである。

3次元じげん座標ざひょう(3-D co-ordinates)は、3次元じげん空間くうかんないにおける対象たいしょうてん位置いち定義ていぎする。画像がぞう座標ざひょう(image co-ordinates)は、フィルムまたは撮影さつえいよう電子でんし機器ききじょう対象たいしょうてん位置いち定義ていぎする。また、カメラの外部がいぶ標定ひょうてい(exterior orientation)は空間くうかんにおけるカメラの位置いち撮影さつえい方法ほうほうを、内部ないぶ標定ひょうてい(inner orientation)は画像がぞう処理しょりにおける幾何きかがくてきパラメータを定義ていぎします。もっと重要じゅうようなパラメータはレンズの焦点しょうてん距離きょりであるが、レンズのゆがみをふくめることもある。さらに、追加ついか測定そくてい情報じょうほう(additional observations)が重要じゅうよう役割やくわりたす。空間くうかんじょう既知きちの2てんあいだ距離きょり、すなわち既知きち固定こていてんしめすスケールバーによって、基準きじゅんじゃくとの座標ざひょう関係かんけいさだめられる。

このデータモデルにしめされている4つの主要しゅよう変数へんすうはいずれも写真しゃしん測量そくりょうほう入力にゅうりょくにも出力しゅつりょくにもなりうる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]