出生しゅっしょう地ち

出生しゅっしょう地ち（しゅっしょうち、しゅっせいち、英えい: place of birthまたは英えい: birthplace）とは、人ひとの出生しゅっしょうした場所ばしょ。出生しゅっしょう地ちは法的ほうてき文書ぶんしょにおいて、人名じんめいおよび生年月日せいねんがっぴとともに、人ひとを一意いちいに識別しきべつするためにしばしば用もちいられる。出生しゅっしょう地ちとして国くにや州しゅうなどを用もちいるか市町村しちょうそんを用もちいるかの慣習かんしゅうは国くにによって異ことなるが、自国じこく生うまれの国民こくみんについては市町村しちょうそんや州しゅうを用もちい、外国がいこく生うまれの場合ばあいは国くにを用もちいることが多おおい。

旅券りょけんについては、出生しゅっしょう地ちとして国くにを用もちいる場合ばあい、出生しゅっしょう当時とうじではなく現時点げんじてんにおいて出生しゅっしょうの場所ばしょに主権しゅけんを有ゆうする国くにが原則げんそくとして用もちいられる。出生しゅっしょう地ちは新生児しんせいじの親おやの居住きょじゅう地ちと同一どういつであるとは限かぎらない。 もし子こが異ことなる地ちの病院びょういんで出生しゅっしょうすれば、その地ちが出生しゅっしょう地ちとなる。多おおくの国くににおいて、新生児しんせいじは出生しゅっしょう地ちにおいて登録とうろくすることが義務付ぎむづけられてもいる。

いくつかの国くにでは出生しゅっしょう地ちにあまり、または全まったく重おもきをおかず、本人ほんにん確認かくにんの用途ようとでは異ことなる地理ちり的てき要素ようそを用もちいる。たとえばスウェーデンは1947年ねん以来いらい、födelsehemortという概念がいねんを用もちいている。この概念がいねんにおいては母親ははおやのドミサイルが出生しゅっしょう地ちとして登録とうろくされる。すなわち産院さんいんの場所ばしょや物理ぶつり的てきな出生しゅっしょうの場所ばしょは重要じゅうようでないとみなされている。

同様どうようにスイスでは起源きげん地ちの概念がいねんを用もちいる。スイス人じんから生うまれた子こは名字みょうじを同おなじくする親おやの起源きげん地ちを自動的じどうてきに割わり当あてられるので、子こは母ははまたは父ちちの起源きげん地ちを継承けいしょうする。スイス人じんと外国がいこく人じんの間あいだに生うまれた子この場合ばあいはスイス人じん親おやの起源きげん地ちを継承けいしょうする。スイスの旅券りょけんおよびIDカードには、所持しょじ人じんの出生しゅっしょう地ちではなく起源きげん地ちが記載きさいされている。日本にっぽんの本籍ほんせきも類似るいじの概念がいねんである。

主おもに米州べいしゅうのいくつかの国くにでは出生しゅっしょう地ちが子この国籍こくせきを決定けっていする（出生しゅっしょう地ち主義しゅぎ, jus soli）。米州べいしゅう以外いがいのほぼ全すべての国くにでは、出生しゅっしょう地ちではなく親おやの国籍こくせきに基もとづいて国籍こくせきが決定けっていされる（血統けっとう主義しゅぎ, jus sanguinis）。

航空機こうくうき内うちまたは船ふね内うちで生うまれた子こについては複雑ふくざつであり、関係かんけい各国かっこくの法律ほうりつ、すなわち船籍せんせき国こく・航空機こうくうき登録とうろく国こく、親おやの国籍こくせき、領水りょうすいまたは領空りょうくう内うちでの出生しゅっしょうの場合ばあいにはその国くにの法律ほうりつによって出生しゅっしょう地ちが定さだまる。

行政ぎょうせい上じょうの書式しょしきには申請しんせい人じんの出生しゅっしょう国こくを求もとめるものがある。この場合ばあいは出生しゅっしょう地ちを問とわれているのか出生しゅっしょう時じの国籍こくせきを問とわれているのかを確認かくにんすることが重要じゅうようである。例たとえば外国がいこくにおいて生うまれ出生しゅっしょうの時ときに米国べいこく市民しみん権けんを取得しゅとくした米国べいこく市民しみんは、出生しゅっしょう時じの国籍こくせきは米国べいこくであるが出生しゅっしょう地ちは実際じっさいの出生しゅっしょうの場所ばしょである。

脚注きゃくちゅう

• 8 FAM 403.4 Place of Birth