北西ほくせい会社かいしゃ

北西ほくせい会社かいしゃ（ほくせいがいしゃ、ノース・ウェスト・カンパニー、英語えいご：North West Company）は、1779年ねんから1821年ねんまでの間あいだ存在そんざいした、モントリオールに本拠ほんきょを置おく毛皮けがわ交易こうえき会社かいしゃ。後のちにカナダ西部せいぶとなる地域ちいきで、ハドソン湾わん会社かいしゃと激はげしく商業しょうぎょう上じょうの競争きょうそうを繰くり広ひろげた。北西ほくせい会社かいしゃはカナダの西部せいぶや北部ほくぶの探検たんけんを成なし遂とげた一方いっぽう、ハドソン湾わん会社かいしゃとの間あいだには緊張きんちょうが高たかまり、小しょうぜりあいが頻発ひんぱつし交戦こうせん状態じょうたいにまで至いたったため、両社りょうしゃはイギリス政府せいふの圧力あつりょくで統合とうごうさせられ、北西ほくせい会社かいしゃがハドソン湾わん会社かいしゃに吸収きゅうしゅうされた。ハドソン湾わん会社かいしゃは現在げんざいでもカナダ最大さいだいの小売こうり企業きぎょうとして存続そんぞくしている。

創業そうぎょう

サイモン・マクタヴィッシュ

北西ほくせい会社かいしゃに言及げんきゅうした資料しりょうには、古ふるくは1770年ねんにさかのぼるものもあるが、北西ほくせい会社かいしゃの組織そしきに関かんする最もっとも古ふるい記録きろくは、1779年ねんに形成けいせいされた16人にんの株主かぶぬしによる会社かいしゃ組織そしきに関かんするものである。これは北きたアメリカ大陸あめりかたいりくの毛皮けがわ交易こうえきを独占どくせんするハドソン湾わん会社かいしゃによる抑圧よくあつを打破だはしようとする幾いく人にんかのモントリオール商人しょうにんたちが作つくったものであるが、当初とうしょは商人しょうにんたちの緩ゆるい集あつまりにすぎなかった。1783年ねん、商人しょうにんのベンジャミン・フロビッシャー（Benjamin Frobisher）、その兄弟きょうだいのジョゼフ・フロビッシャー、同おなじく商人しょうにんのサイモン・マクタヴィッシュ（Simon McTavish）、その他た投資とうし者しゃであるロバート・グラント（Robert Grant）、ニコラス・モントゥール（Nicholas Montour）、パトリック・スモール（Patrick Small）、ウィリアム・ホームズ（William Holmes）、ジョージ・マクベス（George McBeath）らによってモントリオールに北西ほくせい会社かいしゃが公式こうしきに設立せつりつされた。彼かれらは五大ごだい湖みずうみ以北いほくの寒さむい土地とちにはより良質りょうしつな毛皮けがわの動物どうぶつが非常ひじょうにたくさんいることを知しっており、オタワ川がわからジョージア湾わんに入はいり五ご大だい湖みずうみを横断おうだんしてマニトバ湖こ方面ほうめんへ至いたるという、利益りえきの大おおきな毛皮けがわ産地さんちへの経路けいろを活用かつようした。

1787年ねんにはグレゴリー・マクレオド・アンド・カンパニー（Gregory, McLeod and Co.）を合併がっぺいし、ロデリック・マッケンジー（Roderick Mackenzie）が加くわわった。その従兄弟いとこのアレクサンダー・マッケンジー（Alexander Mackenzie）も北西ほくせい会社かいしゃに加くわわり、奥地おくちに住すむ先住民せんじゅうみんの猟師りょうしたちと実際じっさいの毛皮けがわ取引とりひきを行おこなう冒険ぼうけん商人しょうにんたち（越冬えっとう組ぐみ、wintering partners と呼よばれる）の監督かんとくを行おこなった。スペリオル湖こ岸きしのミネソタ州しゅう東北とうほく端はしのグランド・ポーテージ（Grand Portage）が、これらの商人しょうにんたちと、モントリオールから船ふねで来くる北西ほくせい会社かいしゃの社員しゃいんが毛皮けがわ取引とりひきをする拠点きょてんになっていた。1803年ねんには毛皮けがわ取引とりひきの拠点きょてんは同おなじくスペリオル湖岸こがんでアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの国境こっきょうより北きたにあるフォート・ウィリアム（Fort William）に移うつった。北西ほくせい会社かいしゃの営業えいぎょう範囲はんいはサイモン・フレーザー（Simon Fraser）による西部せいぶ探検たんけんやデイヴィッド・トンプソン（David Thompson）による探検たんけん、アレクサンダー・マッケンジーによる探検たんけんによってアサバスカ湖こ周辺しゅうへんにまで拡大かくだいした。これらの探検たんけん家かはロッキー山脈さんみゃくの原野げんやを横断おうだんし、ついにはカナダ太平洋たいへいよう岸きしのジョージア海峡かいきょうにまで至いたった。

サイモン・マクタヴィッシュの支配しはい

アレクサンダー・マッケンジー

創業そうぎょう者しゃの一人ひとりベンジャミン・フロビッシャーが没ぼっすると、サイモン・マクタヴィッシュはフロビッシャーの兄あにジョゼフと取引とりひきを行おこない北西ほくせい会社かいしゃの乗のっ取とりを始はじめた。1787年ねん11月にマクタヴィッシュ・フロビッシャー・アンド・カンパニーが設立せつりつされ、北西ほくせい会社かいしゃの株式かぶしき20株かぶのうち11株かぶを手てにした。アレクサンダー・マッケンジーや、アメリカ人じんのピーター・ポンド（Peter Pond）、アレクサンダー・ヘンリー（Alexander Henry）も彼かれらの仲間なかまとなった。1795年ねん、および1802年ねんにもパートナーシップは再編さいへんされ、株かぶは分割ぶんかつされて現地げんちの冒険ぼうけん商人しょうにんたち（wintering partners）の取とり分ぶんがますます増ふえた。1792年ねん、マクタヴィッシュとジョン・フレイザー（John Fraser）はロンドンにマクタヴィッシュ・フレイザー・アンド・カンパニーを設立せつりつし、イギリスからモントリオールへの物資ぶっし輸入ゆにゅうとイギリスでの毛皮けがわ販売はんばいも手てがけ、ビジネスの垂直すいちょく統合とうごうに成功せいこうした。

北西ほくせい会社かいしゃはイングランド系けいやスコットランド系けいのケベック在住ざいじゅう者しゃが設立せつりつしたが、ケベックにはフランス系けい人じんも多おおく、マクタヴィッシュもジョゼフ・フロビッシャーもフランス系けい女性じょせいと結婚けっこんし、社内しゃないではフランス系けいの人々ひとびとがカナダ各地かくちにある交易こうえき拠点きょてんの建設けんせつ・経営けいえい・所有しょゆうを行おこない、先住民せんじゅうみんとの毛皮けがわ取引とりひきのために奥地おくちを旅たびしていた。

北西ほくせい会社かいしゃは北西ほくせい方向ほうこうはグレートベア湖みずうみ周辺しゅうへんへ、西にしへはロッキー山脈さんみゃくの反対はんたい側がわにまで営業えいぎょう範囲はんいを伸のばした。さらにイギリス東ひがしインド会社かいしゃが独占どくせんする清きよしとの貿易ぼうえきに食くい込こむため、アメリカ籍せきの船ふねを使つかって中国ちゅうごくと毛皮けがわを直接ちょくせつ取引とりひきする取とり組くみも進すすめたが、大おおきな利益りえきは得えられなかった。さらに1795年ねんにはジャック・ビュー（Jacques Vieau）がミルウォーキーに交易こうえき拠点きょてんを、キウォーニー（Kewaunee）、マニトワック（Manitowoc）、シボイガン（Sheboygan）に前哨ぜんしょうを置おくことでアメリカの北西ほくせい部ぶ領土りょうどへも進出しんしゅつした。ミルウォーキーにはじめて入植にゅうしょくした白人はくじんはビューであり、その娘むすめと結婚けっこんしたサロモン・ジュノー（Salomon Juneau）が街まちへと発展はってんさせた。1796年ねんには成長せいちょうする世界せかい市場いちばへの対応たいおうのため、また市場いちばで重要じゅうような役割やくわりを果はたす国際こくさい政治せいじへの対応たいおうのため、短みじかい期間きかんニューヨークに拠点きょてんを移うつした。しかし、北西ほくせい会社かいしゃのライバルであるハドソン湾わん会社かいしゃは良質りょうしつな毛皮けがわ産地さんちを多おおく含ふくむルパート・ランドでの独占どくせんを勅許ちょっきょで定さだめられており、北西ほくせい会社かいしゃはハドソン湾わん会社かいしゃとの競争きょうそうで著いちじるしい不利ふりにあった。北西ほくせい会社かいしゃはイギリス内ない閣かくに掛かけ合あってこの不利ふりな状況じょうきょうを改あらためてもらおうとし、最低さいていでも、先住民せんじゅうみんとの毛皮けがわの物々交換ぶつぶつこうかんに必要ひつような物資ぶっしや商品しょうひんを西部せいぶの交易こうえき拠点きょてんまで運はこぶための航行こうこう権けんは認みとめてもらおうとした。マクタヴィッシュはイギリス首相しゅしょうウィリアム・ピットのもとに陳情ちんじょうに赴おもむいたが、要求ようきゅうはすべて拒否きょひされた。

それから数すう年ねんの後のち、ハドソン湾わん会社かいしゃによる抑圧よくあつを解決かいけつする方法ほうほうを未いまだ見出みだせずにいたマクタヴィッシュたちは賭かけに出でた。彼かれらはモントリオールからハドソン湾わん南部なんぶのジェームズ湾わんへ陸路りくろで向むかい、ハドソン湾わん沿ぞいを海うみから探検たんけんしようとしたのである。1803年ねん9月、陸路りくろを探検たんけんした一いち行ぎょうはジェームズ湾わん南部なんぶのカールトン島とう（Charlton Island、現在げんざいはヌナヴト準じゅん州しゅう）で自社じしゃ船舶せんぱくと合流ごうりゅうし、この一帯いったいを北西ほくせい会社かいしゃの領土りょうどであると主張しゅちょうした。ハドソン湾わん会社かいしゃは自社じしゃ領地りょうちで行おこなわれたこの大胆だいたんな行動こうどうに警戒けいかい心しんを高たかめた。マクタヴィッシュは交渉こうしょうによりハドソン湾わん会社かいしゃから合理ごうり的てきな妥協だきょうを引ひき出だせると見込みこんでいたが、逆ぎゃくにハドソン湾わん会社かいしゃからの報復ほうふくを受うけた。

ウィリアム・マクギリヴレイの経営けいえい

サイモン・マクタヴィッシュは一族いちぞくを会社かいしゃに登用とうようしたが、マクタヴィッシュにとっては縁故えんこより能力のうりょくのほうが重要じゅうようであった。彼かれの義理ぎりの兄弟きょうだいシャルル・シャボワーユ（Charles Chaboillez）はレッドリバー下流かりゅうの交易こうえき拠点きょてんを監督かんとくした。マクタヴィッシュはいとこ数すう人にんを雇やとい、さらに甥おいのウィリアム・マクギリヴレイ（William McGillivray）とダンカン・マクギリヴレイ（Duncan McGillivray）に仕事しごとを覚おぼえさせた。ウィリアム・マクギリヴレイはビジネスで慧眼けいがんを発揮はっきし、1788年ねんにピーター・ポンドが引退いんたいするとその持分もちぶんを取得しゅとくした。ウィリアム・マクギリヴレイはその直後ちょくご、グランド・ポーテージでの毎年まいとしの例会れいかいの席せきで叔父おじであるマクタヴィッシュをモントリオールの支配人しはいにんに復活ふっかつさせている。

マクタヴィッシュは攻撃こうげき的てきな実業じつぎょう家かで、ビジネスの世界せかいでの強者きょうしゃとはいつでも他人たにんの弱点じゃくてんを攻撃こうげきする備そなえがある者ものであるということを理解りかいしていたが、彼かれの野心やしんと権力けんりょくは会社かいしゃのパートナーたちとの不一致ふいっちを起おこし、数すう人にんが1970年代ねんだいのうちに北西ほくせい会社かいしゃを去さった。そのうちの数すう人にんは自分じぶんたちの会社かいしゃを興おこした。彼かれらが毛皮けがわの梱包こんぽうに使つかった商標しょうひょうからこの会社かいしゃは非公式ひこうしきに「XY会社かいしゃ」と呼よばれたが、1799年ねんより北西ほくせい会社かいしゃの営業えいぎょう地域ちいきで毛皮けがわの交換こうかんを開始かいしした。探険たんけん家か・政治せいじ家かとして成功せいこうしていたアレクサンダー・マッケンジーは1801年ねんにこの会社かいしゃに合流ごうりゅうしたため、勢力せいりょくは拡大かくだいした。両社りょうしゃの争あらそいはエスカレートし、グレートベア湖みずうみの北西ほくせい会社かいしゃ拠点きょてんの長ちょうはXY会社かいしゃの従業じゅうぎょう員いんとの争あらそいのさなか銃撃じゅうげきされるに至いたった。

北西ほくせい会社かいしゃがライバル企業きぎょうと激はげしく競争きょうそうを行おこなっていた1804年ねん7月がつ6日にち、サイモン・マクタヴィッシュは世よを去さり、ウィリアム・マクギリヴレイが新しん社長しゃちょうとなり、XY会社かいしゃとの5年ねんにわたる抗こう争そうに終止符しゅうしふを打うつべく行動こうどうした。同年どうねん11月がつ、XY会社かいしゃとの合意ごういを成立せいりつさせ、旧きゅう北西ほくせい会社かいしゃのパートナーが新しん会社かいしゃの75%を、旧きゅうXY会社かいしゃのパートナーが25%を所有しょゆうすることになった（アレクサンダー・マッケンジーはこのパートナーシップから除外じょがいされた）。

ウィリアム・マクギリヴレイのもと、1800年代ねんだいには営業えいぎょう地域ちいきを拡大かくだいし会社かいしゃは大おおきく伸のびた。しかしハドソン湾わん会社かいしゃとの競争きょうそうは以前いぜん激はげしく、利りざやも縮小しゅくしょうしていった。北西ほくせい会社かいしゃのニューヨーク支店してんはジョン・ジェイコブ・アスターと協力きょうりょくし、アメリカ船籍せんせきの船ふねを所有しょゆうし運用うんようすることで、イギリス東ひがしインド会社かいしゃの独占どくせんを回避かいひして中国ちゅうごく市場いちばへ毛皮けがわを輸出ゆしゅつした。しかしアスターは、かつてのサイモン・マクタヴィッシュ同様どうよう攻撃こうげき的てきな性格せいかくで、ウィリアム・マクギリヴレイとの間あいだでは東洋とうよう貿易ぼうえきの方針ほうしんや、まだ誰だれも領有りょうゆうを宣言せんげんしていなかったオレゴン・カントリーのコロンビア川がわ流域りゅういきへの勢力せいりょく拡大かくだいなどについて激はげしく対立たいりつした。

毛皮けがわ交易こうえきの曲まがり角かどと紛争ふんそう

1806年ねん、ナポレオン・ボナパルトによる大陸たいりく封鎖ふうさ令れいでバルト海ばるとかいとイギリスとの間あいだの経済けいざい封鎖ふうさが行おこなわれた。さらにイギリスとアメリカとの対立たいりつも激化げきかし、1809年ねんには非ひ国交こっこう法ほう（Non-Intercourse Act）がアメリカで成立せいりつし米べい英えい間あいだの交易こうえきも停止ていしした。これによりカナダの毛皮けがわ交易こうえきの環境かんきょうが大おおきく変化へんかした。当時とうじ、イギリスは木材もくざいのほとんどをバルト海ばるとかい沿岸えんがん諸国しょこく、およびアメリカ東海岸ひがしかいがんのニューハンプシャー州しゅうとマサチューセッツ州しゅうに頼たよっていた。イギリスはカナダ植民しょくみん地ちに木材もくざいを求もとめ、特とくに船ふねのマストに使つかうマツ材ざいを輸入ゆにゅうした。こうして、カナダの最大さいだいの輸出ゆしゅつ品ひんが毛皮けがわから木材もくざい・木製品もくせいひんへと劇的げきてきに変化へんかしてしまった。しかしなお重量じゅうりょうの割わりに金額きんがくの大おおきな毛皮けがわは利益りえきの大おおきな商品しょうひんであり、カナダ商人しょうにんが英国えいこくに送金そうきんする際さいにも不足ふそくがちの貨幣かへいの代かわりに毛皮けがわが使つかわれたほどだった。

セブン・オークスの戦たたかい

1810年ねんには毛皮けがわ動物どうぶつ（特とくにビーバー）の乱獲らんかくが毛皮けがわ産業さんぎょうに打撃だげきを与あたえた。スーセントマリーの交易こうえき拠点きょてんも米べい英えい戦争せんそうでのアメリカ軍ぐんの攻撃こうげきで破壊はかいされ、経営けいえい危機ききの北西ほくせい会社かいしゃにはさらに深刻しんこくな打撃だげきとなった。こうした危機ききにより北西ほくせい会社かいしゃの競争きょうそうはさらに激はげしくなった。

ハドソン湾わん会社かいしゃの株主かぶぬしだった第だい5代だいセルカーク伯爵はくしゃくトーマス・ダグラスは、他たの株主かぶぬしたちを説得せっとくしてハドソン湾わん会社かいしゃの領地りょうち（ルパート・ランド）のうち現在げんざいのマニトバ州しゅうなどに当あたるレッド川かわ流域りゅういきの30万まん平方へいほうkmを譲与じょうよさせ農業のうぎょう植民しょくみん地ちを作つくろうとしたが、これも北西ほくせい会社かいしゃの終末しゅうまつにつながった。北西ほくせい会社かいしゃや、北西ほくせい会社かいしゃで働はたらいていたメティ（スコットランド系けいやフランス系けい白人はくじん男性だんせいとオジブワ、クリーなど先住民せんじゅうみん女性じょせいとの間あいだの子孫しそんたち）らはレッドリバー植民しょくみん地ちの農地のうち開発かいはつに反対はんたいし、さらに食糧難しょくりょうなんに陥おちいったレッドリバー植民しょくみん地ちが発はっしたペミカン輸出ゆしゅつ禁止きんし宣言せんげんで北西ほくせい会社かいしゃもメティたちも食糧しょくりょう不足ふそくになった。1816年ねんにはハドソン湾わん会社かいしゃと北西ほくせい会社かいしゃ・メティ連合れんごう軍ぐんとの間あいだでセブン・オークスの戦たたかいが起おこり、北西ほくせい会社かいしゃ側がわは1人ひとりの犠牲ぎせいを出だしたもののハドソン湾わん会社かいしゃ側がわに22人にんの死者ししゃを出だす打撃だげきを与あたえた。これを受うけてセルカーク伯爵はくしゃくは北西ほくせい会社かいしゃ社長しゃちょうウィリアム・マクギリヴレイや北西ほくせい会社かいしゃの所有しょゆう者しゃら数すう人にんを逮捕たいほしフォート・ウィリアムスの前哨ぜんしょうを占領せんりょうし、裁判さいばんでセブン・オークスでの犠牲ぎせい者しゃに対たいする責任せきにんを追及ついきゅうした。

ハドソン湾わん会社かいしゃへの吸収きゅうしゅう合併がっぺい

北西ほくせい会社かいしゃからは出資しゅっし者しゃのうち所有しょゆう権けんの大おおきく豊ゆたかな者ものが将来しょうらいを案あんじて去さり始はじめ、さらに結束けっそくを強化きょうかする役割やくわりを果はたしていたサイモン・マクタヴィッシュ時代じだいの縁故えんこ主義しゅぎも腐敗ふはいし、会社かいしゃの経費けいひや士気しきを損そこない始はじめた。

1820年ねんには北西ほくせい会社かいしゃはビーバーの毛皮けがわ一いち枚まいに価値かちの等ひとしい通貨つうかを発行はっこうしていた。しかし会社かいしゃの存続そんぞくが怪あやしくなり、株主かぶぬしたちは毛皮けがわ会社かいしゃ同士どうしの敵対てきたいをやめるべしというイギリス軍事ぐんじ・植民しょくみん地ち大臣だいじん 第だい3代だいバサースト伯爵はくしゃくヘンリー・バサーストの命令めいれいに従したがい、犬猿けんえんの仲なかのハドソン湾わん会社かいしゃとの合併がっぺいに合意ごういせざるを得えなくなった。1821年ねん7月がつ、イギリス領りょう北きたアメリカにおける毛皮けがわ交易こうえきの新法しんぽうを議会ぎかいで通過つうかさせたイギリス政府せいふによる更さらなる圧力あつりょくの下した、ハドソン湾わん会社かいしゃとの合併がっぺい合意ごういへの調印ちょういんが行おこなわれ、北西ほくせい会社かいしゃは40年ねん余あまりの歴史れきしを閉とじた。合併がっぺい時点じてんで新しんハドソン湾わん会社かいしゃは北西ほくせい会社かいしゃに属ぞくしていた前哨ぜんしょう97ケ所かしょとハドソン湾わん会社かいしゃに属ぞくしていた前哨ぜんしょう76ケ所かしょを保有ほゆうしていた。

関連かんれん項目こうもく

• 北きたアメリカの毛皮けがわ交易こうえき
• ハドソン湾わん会社かいしゃ

外部がいぶリンク

• Fort Frances Museum & Cultural Centre Fort Frances, Ontario: Celebrating Community