取調とりしらべ

取調とりしらべ、取調とりしらべ、取とり調しらべ（とりしらべ、英えい: Interrogation）とは、主おもに刑事けいじ訴訟そしょう法ほう 198条じょう1項こう・2項こうに規定きていされる犯罪はんざい捜査そうさのために検察官けんさつかんや司法しほう警察けいさつ職員しょくいんが被疑ひぎ者しゃや参考さんこう人じんに対たいして出頭しゅっとうや供述きょうじゅつを求もとめる職務しょくむ上じょうの行為こういをいう^[1]^[2]^[3]。

同どう1項こう但書ただしがきにより、被疑ひぎ者しゃは逮捕たいほまたは勾留こうりゅうされている場合ばあいを除のぞいて、出頭しゅっとうを拒否きょひまたは途中とちゅう退席たいせきすることができる旨むねを規定きていしているため、実務じつむ上じょう、被疑ひぎ者しゃが逮捕たいほまたは勾留こうりゅうされている場合ばあいには取調とりしらべ室しつへの出頭しゅっとう義務ぎむおよび取調とりしらべ室しつでの滞留たいりゅう義務ぎむがあると解ほぐされており^[3]、最高裁さいこうさいも身体しんたいの拘束こうそくを受うけている被疑ひぎ者しゃに取調とりしらべのために出頭しゅっとうし、滞留たいりゅうする義務ぎむがあると解げすることが直ただちに被疑ひぎ者しゃからその意思いしに反はんして供述きょうじゅつすることを拒否きょひする自由じゆうを奪うばうことを意味いみするものでないことは明あきらかであるとしている^[4]。

同どう2項こうには、被疑ひぎ者しゃに対たいする取調とりしらべに際さいし、黙秘もくひ権けんを告知こくちしなければならない旨むねも規定きていされている。

同どう3項こう・4項こう・5項こうで、被疑ひぎ者しゃの供述きょうじゅつは調書ちょうしょに録ろく取とされ、その内容ないようを被疑ひぎ者しゃに閲覧えつらんさせ、または読よみ聞きかせて誤あやまりがないかどうかを問とい、被疑ひぎ者しゃが増減ぞうげん変更へんこうの申立もうしたてをしたときは、その供述きょうじゅつを調書ちょうしょに記載きさいし、被疑ひぎ者しゃに署名しょめい押印おういんを求もとめることができる旨むねも規定きていされている。同どう法ほう322条じょう1項こうにより、供述きょうじゅつ調書ちょうしょは後ごの公判こうはんで証拠しょうことされることが多おおい。

同どう法ほう223条じょう1項こうにより、捜査そうさ機関きかんは犯罪はんざいの捜査そうさに際さいして必要ひつようがあるときは、被害ひがい者しゃ、目撃もくげき者しゃ等とうの被疑ひぎ者しゃ以外いがいの第三者だいさんしゃの出頭しゅっとうを求もとめ、取調とりしらべをすることができる旨むねが規定きていされており、これを参考さんこう人じん取調とりしらべとよぶ。同どう法ほう321条じょう1項こう2号ごう・3号ごうにより、参考さんこう人じんの供述きょうじゅつは調書ちょうしょに録ろく取とされ、後ごの公判こうはんで証拠しょうことなることが多おおい。

同どう法ほう301条じょうの2により、自白じはく偏重へんちょう捜査そうさ・公判こうはん手続てつづきを改革かいかくするため、取調とりしらべ可視かし化か制度せいどが導入どうにゅうされ、裁判さいばん員いん裁判さいばん対象たいしょう事件じけんおよび検察官けんさつかんの独自どくじ捜査そうさ事件じけんについて、原則げんそくとして取調とりしらべの録音ろくおん・録画ろくがが義務ぎむづけられた。ただし、録音ろくおん・録画ろくがの対象たいしょうは逮捕たいほ・勾留こうりゅうされている被疑ひぎ者しゃについての取調とりしらべおよび弁解べんかい録ろく取手とって続つづけに限かぎられる^[3]。

なお、同どう法ほう43条じょう3項こう・4項こうに裁判所さいばんしょが決定けっていや命令めいれいを発はっするにあたって「事実じじつの取調とりしらべをすることができる」旨むねが、197条じょう1項こうに捜査そうさのために「必要ひつような取調とりしらべをすることができる」旨むねが、282条じょう1項こうに「公判こうはん期日きじつにおける取調とりしらべ」に関かんし、299条じょう1項こうに「証拠しょうこ書類しょるい又または証拠しょうこ物ぶつの取調とりしらべ」に関かんし、それぞれ規定きていされている（これら以外いがいの条文じょうぶんにも）など、刑事けいじ訴訟そしょう法ほうにおいて広ひろく「事実じじつや証拠しょうこの調査ちょうさ」といった意味いみで使用しようされている語句ごくでもある。