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取調とりしらべ受忍じゅにん義務ぎむ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

取調とりしらべ受忍じゅにん義務ぎむ(とりしらべじゅにんぎむ)とは、被疑ひぎしゃ取調とりしらおうじるべき法的ほうてき義務ぎむをいう。

日本にっぽんにおける取調とりしらべ受忍じゅにん義務ぎむ

[編集へんしゅう]

身柄みがら拘束こうそくされていない被疑ひぎしゃについての調しら受認じゅにん義務ぎむ否定ひていされることについてはあらそいがい。しかし、身柄みがら拘束こうそくされている被疑ひぎしゃについて、このような義務ぎむ法律ほうりつじょう存在そんざいするかかについてはあらそいがある。おおむ検察けんさつ警察けいさつ実務じつむ取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむみとめているが、学説がくせつ種々しゅじゅかれている状態じょうたいである。判例はんれいでもおおむ取調とりしらべ受忍じゅにん義務ぎむみとめている(最高裁判所さいこうさいばんしょだい法廷ほうてい平成へいせい11ねん3がつ24にち判決はんけつ)。

取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ肯定こうていせつ
肯定こうていせつもっと有力ゆうりょく根拠こんきょは、刑事けいじ訴訟そしょうほう198じょう1こうが「検察官けんさつかん検察けんさつ事務じむかんまた司法しほう警察けいさつ職員しょくいんは、犯罪はんざい捜査そうさをするについて必要ひつようがあるときは、被疑ひぎしゃ出頭しゅっとうもとめ、これを調しらべることができる。ただし、被疑ひぎしゃは、逮捕たいほまた勾留こうりゅうされている場合ばあいのぞいては、出頭しゅっとうこばみ、また出頭しゅっとうなんでも退去たいきょすることができる。」と規定きていしているてんにある。
条文じょうぶん但書ただしがき反対はんたい解釈かいしゃくすれば、身柄みがら拘束こうそくされている被疑ひぎしゃは「出頭しゅっとうこばみ、また出頭しゅっとうなんでも退去たいきょすることができない」とめるためである。
取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ否定ひていせつ
いや定説ていせつにはいくつかのバリエーションがあるが、おおむね、憲法けんぽうだい38じょうだい1こう包括ほうかつてき黙秘もくひけんみとめていることと取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ肯定こうていすることは整合せいごうしないてん逮捕たいほ勾留こうりゅうといった身柄みがら拘束こうそく取調とりしらべ目的もくてきとするものではないてんなどを論拠ろんきょとするてん共通きょうつうしている。
出頭しゅっとう滞留たいりゅう義務ぎむ肯定こうていせつ
取調とりしらべおうじる義務ぎむはないが、もとめられれば取調とりしらべしつ出頭しゅっとう滞留たいりゅうする義務ぎむはあるという出頭しゅっとう滞留たいりゅう義務ぎむ肯定こうていせつという見解けんかいがある。取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ肯定こうていせつ論拠ろんきょとする刑事けいじ訴訟そしょうほう198じょう1こうただししょ反対はんたい解釈かいしゃくみとめつつ、どうじょう出頭しゅっとう退去たいきょ自由じゆうがないことをうのみで取調とりしらべおうじる義務ぎむはないとすることで、取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ肯定こうていせつ論拠ろんきょうしなわせようとする見解けんかいである。
取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ肯定こうていせつからは、一種いっしゅ否定ひていせつ分類ぶんるいされ、取調とりしらべ受認じゅにん義務ぎむ否定ひていせつからは出頭しゅっとう滞留たいりゅう義務ぎむみとめるてん肯定こうていせつ分類ぶんるいされる一種いっしゅおにてき学説がくせつといえる。