接つぎ木き

V字じに接つぎ木きし固定こていされたリンゴの木き

接つぎ木き（つぎき）とは、2個こ以上いじょうの植物しょくぶつ体からだを、人為じんい的てきに作つくった切断せつだん面めんで接着せっちゃくして、1つの個体こたいとすることである。このとき、上部じょうぶにする植物しょくぶつ体たいを穂ほ木き(接穂つぎほ、継つぎ穂ほ、ほぎ、つぎほ)、下部かぶにする植物しょくぶつ体たいを台木だいぎという。

通常つうじょう、遺伝いでん的てきに異ことなる部分ぶぶんから構成こうせいされている個体こたいを作つくる技術ぎじゅつとして用もちいられるが、穂ほ木きの増産ぞうさん・入いれ替かえ、根ねの病害虫びょうがいちゅう対策たいさく、狭せまい果樹かじゅ園えんでの受粉じゅふん、果樹かじゅ等とうの育種いくしゅ年限ねんげんの短縮たんしゅく化か、げっ歯は類るいなどから受うけた傷きずの治療ちりょう、接木つぎきキメラの育成いくせいなどの目的もくてきで行おこなわれる場合ばあいもある。

概説がいせつ

柑橘類かんきつるいの台木だいぎにデコポンを接つぎ木きした例れい（左ひだりは接つぎ木き後ごに新あらたな葉はが成長せいちょう、右みぎ上じょうは接つぎ木きに失敗しっぱいし枝えだが枯かれる）

接つぎ木きは、挿さし木きや取とり木きと同おなじく有用ゆうよう植物しょくぶつを枝えだ単位たんいで栄養えいよう生殖せいしょくさせる方法ほうほうである。他たの方法ほうほうと根本こんぽん的てきに異ことなるのは、目的もくてきとする植物しょくぶつの枝えだから根ねを出ださせるのではなく、別べつの植物しょくぶつの根ねの上うえに目的もくてきの植物しょくぶつの枝えだをつなぐことである。接つぎ穂ほと台木だいぎは近きん縁えんな方ほうが定着ていちゃくしやすいが、実際じっさいには同種どうしゅではない組合くみあわせもよく使つかわれる。うまくいけばつないだ部分ぶぶんで互たがいの組織そしきが癒合ゆごうし、一見いっけんは一ひとつの植物しょくぶつのような姿すがたで成長せいちょうする。勿論もちろん実際じっさいにはこの接触せっしょくさせた位置いちより上うえは目的もくてきの植物しょくぶつの枝えだから生長せいちょうしたものであり、それより下したは台木だいぎの植物しょくぶつのものであり、遺伝いでん的てきに異ことなっている。ただし、まれにこれらが混まじり合あってキメラや、更さらに遺伝子いでんしのやりとりが行おこなわれることもある（後述こうじゅつ）。接つぎ木きが成立せいりつする仕組しくみとして、細胞さいぼう壁かべを溶とかす酵素こうそセルラーゼが働はたらくと接つぎ木きがしやすくなることが確認かくにんされている。

接つぎ木きの目的もくてきは接つぎ穂ほとする植物しょくぶつの増殖ぞうしょくであることが多おおい。挿さし木きとは異ことなってはじめから根ねがあることが有利ゆうりな点てんとなる。欠点けってんは、台木だいぎとなる成長せいちょうした植物しょくぶつを準備じゅんびする必要ひつようがあるために、挿さし木きほど効率こうりつがよい繁殖はんしょくが出来できない。

接つぎ木きの目的もくてきとしては、このほかに接つぎ穂ほにする植物しょくぶつの根ねを台木だいぎの植物しょくぶつに置おき換かえることそのものである例れいもある。改良かいりょうされた農業のうぎょう品種ひんしゅは性質せいしつが弱よわい場合ばあいがままあり、例たとえば根ねの病害虫びょうがいちゅうに対たいして弱よわい場合ばあいもある。このようなとき、より強健きょうけんな野生やせい種しゅの根ねを台木だいぎにしてその品種ひんしゅを接つぎ木きするのが有効ゆうこうであることがある。更さらに特殊とくしゅな例れいでは、葉は緑みどり体たいを持もたなくなった品種ひんしゅを野生やせい種しゅの上うえに接ついで育そだてる、というサボテンの例れいもある。コニファーでは、根ね張はりの悪わるい品種ひんしゅの欠点けってんを補おぎなうために接つぎ木きでの繁殖はんしょくが行おこなわれることがある。

よくある失敗しっぱいとしては、台木だいぎの方ほうから新芽しんめが出でた場合ばあい、こちらが元気げんきになっていつの間まにか接つぎ穂ほの方ほうがなくなってしまう、というのがある。たとえばライラックを植うえていたのに花はなが咲さくと何故なぜかイボタノキだった、というのがこれにあたる。

国際こくさい花はなと緑みどりの博覧はくらん会かいで展示てんじされたトマピーナも接つぎ木きにより作つくられた。

野菜やさいへの接つぎ木き栽培さいばいは、1927年ねんに兵庫ひょうご県けん明石あかし郡ぐん林崎はやさき村むら（現げん・明石あかし市し林崎はやさき町まち）の農家のうか、竹中たけなか長蔵ちょうぞうがスイカのつる割わり病びょう対策たいさくとして開発かいはつしたものが世界せかい初はつである。その後ご、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン等とう、様々さまざまな野菜やさいの接つぎ木き栽培さいばい技術ぎじゅつが開発かいはつされた。1987年ねんのモントリオール議定ぎてい書しょ採択さいたくにより、土壌どじょう消毒しょうどく剤ざいの臭におい化かメチルが使用しよう禁止きんしとなり、これに代かわる接つぎ木き栽培さいばいが求もとめられた。1990年ねんに板木はんぎ利隆としたかが「全農ぜんのう式しき幼よう苗なえ接つぎ木き苗なえ生産せいさんシステム」を開発かいはつし、これは現在げんざい、世界せかいでもっとも普及ふきゅうしているセル成型せいけい苗なえ利用りようの接つぎ木き法ほうである。

目的もくてきと実例じつれい

新しん品種ひんしゅの増殖ぞうしょく、保存ほぞんおよび収穫しゅうかくまでの期間きかんの短縮たんしゅく

• 果樹かじゅ一般いっぱん
  • 穂ほ木き：新しん品種ひんしゅ
  • 果樹かじゅの枝えだ変がわりや新しん品種ひんしゅは遺伝いでん的てきに固定こていしていないので、増殖ぞうしょくには接つぎ木きを利用りようする。

病害虫びょうがいちゅう被害ひがいの回避かいひ

• トマト
  • 台木だいぎ：病害びょうがい抵抗ていこう性せいをもつトマト、穂ほ木き：トマト　
  • 青あお枯かれ病びょうなどの回避かいひ
• スイカ
  • 台木だいぎ：ユウガオ・カボチャ・トウガン、穂ほ木き：スイカ
  • つる割われ病びょうなどの回避かいひ
• ブドウ
  • 台木だいぎ：フィロキセラ抵抗ていこう性せいをもつブドウ、穂ほ木き：ブドウ
  • フィロキセラによる害がいの回避かいひ

経済けいざい的てき価値かち（品質ひんしつ・収穫しゅうかく数すう）の向上こうじょう

• キュウリ
  • 台木だいぎ：カボチャ、穂ほ木き：キュウリ
  • ブルームレス（果実かじつ表面ひょうめんの白しろい粉こながない）キュウリを作つくる。
• バラ
  • 台木だいぎ：ノイバラ、穂ほ木き：バラ
  • 切きり花ばな本数ほんすうの増加ぞうか
• ナス
  • 台木だいぎ：アカナス、穂ほ木き：ナス

植物しょくぶつ体たいの矮化

• リンゴ
  • 台木だいぎ：JM系けい挿さし木き台木だいぎ・マルバカイドウに接ついだM系けい中ちゅう間あいだ台木だいぎ、穂ほ木き：リンゴ
  • 樹木じゅもくの高たかさを低ひくくして（矮化）、収穫しゅうかくなどの作業さぎょうを行おこないやすくする。
• ナシ
  • 台木だいぎ：マンシュウマメナシ・ホクシマメナシ（Pyrus betulifolia）、マルバカイドウなど、穂ほ木き：ナシ
  • 樹木じゅもくの高たかさを低ひくくして（矮化）、収穫しゅうかくなどの作業さぎょうを行おこないやすくする。
• カンキツ
  • 台木だいぎ：柑橘かんきつの台木だいぎは半はん矮性わいせい台木だいぎであるカラタチを通常つうじょうはもちいるが、樹勢じゅせいが強つよい品種ひんしゅはさらなる矮化を目的もくてきにヒリュウを台木だいぎに使用しようする場合ばあいがある。穂ほ木き：青島ちんたお温州うんしゅう、今村いまむら温州うんしゅう、大津おおつ四よん号ごうなど
  • 樹木じゅもくの高たかさを低ひくくして（矮化）、収穫しゅうかくなどの作業さぎょうを行おこないやすくし、結果けっか母はは枝えだを弱よわくし、果実かじつ肥大ひだいを抑制よくせいさせ、隔年かくねん結果けっかを防ふせぐ。糖度とうども向上こうじょうする。
• モモ
  • 台木だいぎ：ニワウメ・ユスラウメなど、穂ほ木き：モモ
  • 樹木じゅもくの高たかさを低ひくくして（矮化）、収穫しゅうかくなどの作業さぎょうを行おこないやすくする。
  • 品種ひんしゅによって台木だいぎとの相性あいしょう差さが激はげしく、相性あいしょうの悪わるい品種ひんしゅでは数すう年ねん後ごに枯死こししたり果実かじつに苦味にがみが出でる事例じれいがあるため一部いちぶ産地さんちで普及ふきゅうするにとどまる。
• カキ
  • 台木だいぎ：豊楽ほうらく台だい・静せいカ台だいなど、穂ほ木き：カキ
  • 樹木じゅもくの高たかさを低ひくくして（矮化）、収穫しゅうかくなどの作業さぎょうを行おこないやすくする。
  • 矮性わいせい台木だいぎ品種ひんしゅは最近さいきん開発かいはつされたばかりのため、まだ普及ふきゅうしていない。

光合成こうごうせいのできない変異へんい種しゅの生命せいめい維持いじ

• サボテン
  • 台木だいぎ：ドラゴンフルーツ(ヒモサボテン属ぞく。園芸えんげいにおける品種ひんしゅ名めい：百ひゃく連れん閣かくもしくは三角柱さんかくちゅう)・三さん角袖かくそで・龍りゅう神木しんぼく・袖ヶ浦そでがうら・キリン団扇うちわ・杢もくキリン・鬼面きめん角かく・臥龍がりょう・紅べに団扇うちわなど、穂ほ木き：緋牡丹ひぼたん、山吹やまぶきなどの葉は緑みどり体たいを失うしなった色変いろがわり品種ひんしゅ。他たでも斑入ふいりでしかも斑まだらの部分ぶぶんの割合わりあいが特とくに多おおい場合ばあい、接つぎ木きが必須ひっすとなることがある。
  • サボテンの他ほかの品種ひんしゅも、成長せいちょうの促進そくしん、開花かいか頻度ひんどの改善かいぜんのほか、根ね腐ぐされや感染かんせん症しょうを起おこし始はじめた株かぶの壊死えし回避かいひなどを意図いとしてしばしば接つぎ木きされる。サボテンは日本にっぽんの湿潤しつじゅん環境かんきょうが生育せいいくに厳きびしい種たねも少すくなくなく、そうした難物なんぶつは接つぎ木きでなければ栽培さいばい不可ふかともいわれた。一方いっぽうでサボテンでの接つぎ木きは観賞かんしょう価値かちへの影響えいきょうも大おおきく、台木だいぎの有無うむや大おおきさが市場いちば価値かちを左右さゆうしたり、他ほかにも成長せいちょうが早はやい台木だいぎは寿命じゅみょうが短みじかい物ものが多おおいなどの問題もんだいから独特どくとくの発展はってんを生しょうじた。

手法しゅほうの種類しゅるい

枝えだ接はぎ（切接きりつぎ・腹はら接はぎ・割わり接はぎ）

芽めを持もった枝えだを穂ほ木きにして接つぐ。穂ほ木きと接触せっしょくする台木だいぎの面めんの切きり方かたで3方法ほうほうに分わけられる。切接きりつぎは、台木だいぎ上端じょうたんから側面そくめんを切きり下さげてできた形成けいせい層そう断面だんめんの間あいだに穂ほ木きを挿入そうにゅうする接はぎ方かた。腹はら接はぎは、台木だいぎ途中とちゅうから側面そくめんを切きり下さげてできた形成けいせい層そう断面だんめんの間あいだに穂ほ木きを挿入そうにゅうする接はぎ方かたで、やり直なおし可能かのう。割わり接はぎは、台木だいぎ上端じょうたんから中央ちゅうおうを切きり下さげてできた形成けいせい層そう断面だんめんの間あいだに穂ほ木きを挿入そうにゅうする接はぎ方かた。

芽接めつぎ

台木だいぎの樹皮じゅひを剥はぎ、そこに芽めを接つぐ。成功せいこう・失敗しっぱいが早はやく判定はんていでき、やり直なおしも可能かのう。

根ね接はぎ

台木だいぎの根ねを穂ほ木きに接つぐ。樹勢じゅせい回復かいふくのため用もちいられることもある。

呼よび接はぎ

穂ほ木きを元もとの植物しょくぶつから切きり離はなさない状態じょうたいで接つぐ方法ほうほう。台木だいぎと穂ほ木きを削そぎ、両者りょうしゃの形成けいせい層そうを密着みっちゃくさせ、活着かっちゃくを確認かくにんした後のちで、穂ほ木下きのした部ぶを切きり除のぞく。

きゅうりの苗なえの接木つぎきの部分ぶぶん。左ひだりが台木だいぎ(かぼちゃの一種いっしゅ)、右みぎがきゅうり。

高こう接はぎ

高こう接はぎは穂ほ木きの状態じょうたいとは関係かんけいなく、台木だいぎに接つぐ位置いちで分わけた呼よび方かた。植物しょくぶつの高たかい位置いちで接つぐ方法ほうほう。枝えだ接はぎ・芽接めつぎなどで行おこなわれる。

刺さし接はぎ

サボテン科かで用もちいられる高こう接はぎの一種いっしゅで、木この葉はサボテンを台木だいぎにする場合ばあい台木だいぎ先端せんたんを尖とがらせて、玉たまサボテンなどの穂ほ木きに刺さして接つぐ方法ほうほうがある。

実生みしょう接はぎ

サボテン科かで用もちいられる。発芽はつがしてすぐのサボテンを穂ほ木きにする。

直なおし接はぎ

サボテン科かで用もちいられる。三角柱さんかくちゅうなど短命たんめいな台木だいぎから穂ほ木きを切きり取とり、竜りゅう神木しんぼくなど永久えいきゅう台木だいぎに再度さいど接つぎ木きする、あるいは病気びょうき等とうに侵おかされた台木だいぎを捨すてて穂ほ木きを移うつす。

接はぎ下おろし

サボテン科かで用もちいられる。接つぎ穂ほが適当てきとうな大おおきさに育そだったところで台木だいぎを切除せつじょする。植うえている状態じょうたいでは見みえない程度ていどに台木だいぎを短みじかく残のこす、台木だいぎの根ねを生しょうじる中心ちゅうしん軸じく部ぶのみ残のこす（髄ずい下おろし）、台木だいぎの組織そしきを完全かんぜんに取とり除のぞき自じ根ねの発生はっせいを促うながす本来ほんらい的てきな接はぎ下おろしなど、何なに種類しゅるいかのパターンがあり後者こうしゃほど難むずかし度たびと純度じゅんどが高たかい。

なお、接つぎ木きではないが破片はへんの挿さし木きから発芽はつがさせて殖ふやした苗なえなど、根株ねかぶ側がわの見目みめが悪わるいものも接つぎ下おろしと同様どうように切きり取とって植うえ直なおすことがある。

その他た

2020年ねん8月がつ7日にちの科学かがく雑誌ざっし『Science』に、近きん縁えんの種たねで行おこなわれていた接つぎ木きを遠縁とおえんの種たねでも可能かのうとする接つぎ木きとしてタバコ属ぞくを中継なかつぎの接つぎ木きとする方法ほうほうが報告ほうこくされた。

備考びこう

• 花はな成なりホルモン（フロリゲン）の生成せいせいについての研究けんきゅうで、接つぎ木きを用もちいた実験じっけんが広ひろく知しられている。
• 接つぎ木きによる周縁しゅうえんキメラの作成さくせい。2種類しゅるいのトマト属ぞく（Lycopersicon、現在げんざいはナス属ぞくSolanumに分類ぶんるいされる）植物しょくぶつを材料ざいりょうに使つかって接つぎ木きした後のち、接つぎ木きの接合せつごう面めんを横切よこぎる形かたちで切断せつだんした。その切断せつだん面めんから生しょうじた新芽しんめは周縁しゅうえんキメラであることが確認かくにんされた。
• 有毒ゆうどく植物しょくぶつを台木だいぎとし食用しょくよう植物しょくぶつを穂ほ木きとする接つぎ木きは、チョウセンアサガオとナスの組くみ合あわせにおいて食中毒しょくちゅうどく例れいの報告ほうこくがある。有毒ゆうどく成分せいぶんの移動いどうに関かんしては研究けんきゅう結果けっかを待まつ必要ひつようがあるが、このような組くみ合あわせの接つぎ木きは避さけるべきであると考かんがえられる。

接木つぎき雑種ざっしゅ

詳細しょうさいは「接木つぎきキメラ」を参照さんしょう

接木つぎき雑種ざっしゅ（つぎきざっしゅ）とは、異ことなる品種ひんしゅの作物さくもつを接つぎ木きした結果けっか、変異へんいなどにより、生しょうじた新種しんしゅ。栄養えいよう雑種ざっしゅ（えいようざっしゅ） ともいう。

古代こだいギリシア人じんは接つぎ木きによって果実かじつの香かおりや色いろを改良かいりょうするよう試こころみた。ソ連それんのルイセンコは接木つぎきのみで雑種ざっしゅができると主張しゅちょうし、遺伝いでん的てきな性質せいしつまでも変化へんかさせるという学説がくせつを流布るふした。スターリン、ソ連それん政府せいふのお墨付すみつきによって絶対ぜったい的てきな学説がくせつとされたが、科学かがく的てきな実証じっしょう性せいのない学説がくせつであったため、その後ご、接木つぎきによって新あたらしい品種ひんしゅはできないとされた。

ルイセンコ理論りろんが否定ひていされた後のちも、接つぎ木きによって、新あたらしい品種ひんしゅをつくろうとする農業のうぎょう生産せいさん者しゃの取とり組くみは独自どくじにすすめられた。2009年ねんには、佐賀さが県けん武たけ雄市ゆういちの生産せいさん者しゃが温州うんしゅうミカンの木きにレモンの苗木なえぎを接つぎ木きすることで、味あじが甘あまく形かたちが丸まるいレモンをつくることに成功せいこうしている。現代げんだいの正確せいかくなDNA分析ぶんせきによって確認かくにんされている 接木つぎき雑種ざっしゅとしてトウガラシとピーマンの接つぎ木きで生うまれた「ピートン」がある。「サイエンス」の2009年ねん5月1日にち号ごうには、ドイツのマックス・プランク研究所けんきゅうじょの研究けんきゅう者しゃが接つぎ木きで細胞さいぼう間あいだの遺伝いでん物質ぶっしつの交換こうかんが生しょうじることを示唆しさする論文ろんぶんが発表はっぴょうされた。

関連かんれん項目こうもく

• 坂上さかがみ頼よりゆき泰やすし　接つぎ木きの技法ぎほうを発明はつめいした。豊臣とよとみ秀吉ひでよしより木き接せっ太夫たゆうの称号しょうごうを与あたえられる。
• 大津おおつ祐ゆう男おとこ　みかん農家のうか。接つぎ木き名人めいじんと呼よばれた。
• Inosculation(接合せつごう) - 人間にんげんがかかわらず自然しぜん環境かんきょうで行おこなわれた接つぎ木き
• 斉ひとし民みん要よう術じゅつ - 6世紀せいき前半ぜんはんの書物しょもつで接つぎ木きについて書かかれている。
• Tree of 40 Fruit - 研究けんきゅう者しゃのアート作品さくひん。挿さし木きで40種しゅの果実かじつが収穫しゅうかくできるようにしている。