吉野よしの文六ぶんろく

吉野よしの 文六ぶんろく（よしの ぶんろく、1918年ねん8月がつ8日にち - 2015年ねん3月29日にち）は、日本にっぽんの外交がいこう官かん。位階いかいは従したがえ三さん位い。

経歴けいれき

長野ながの県けん松本まつもと市し生うまれ。父ちちは弁護士べんごしであった。旧制きゅうせい松本まつもと中学ちゅうがく（長野県松本深志高等学校ながのけんまつもとふかしこうとうがっこう）、旧制きゅうせい松本まつもと高等こうとう学校がっこうを経へて、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ卒業そつぎょう。

1940年ねん高等こうとう文官ぶんかん試験しけん外交がいこう科かに合格ごうかくし、同大どうだい在学ざいがく中ちゅうの1941年ねんに外務省がいむしょう入省にゅうしょう。同期どうきに西堀にしぼり正弘まさひろ（国連こくれん大使たいし）、魚さかな本もと藤吉郎とうきちろう（駐ちゅうソ連それん大使たいし）、内田うちだ宏ひろし（駐ちゅう仏ふつ大使たいし）、奈良なら靖彦やすひこ（駐ちゅう加か大使たいし）、人見ひとみ鉄三郎てつさぶろう（駐ちゅうコスタリカ大使たいし）など。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかは在ざいドイツ日本国にっぽんこく大使館たいしかんに勤務きんむした。

1953年ねん在ざいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく日本国にっぽんこく大使館たいしかん一等いっとう書記官しょきかん、1967年ねん外務がいむ大臣だいじん官房かんぼう審議しんぎ官かん、1968年ねん駐米ちゅうべい公使こうし、1971年ねんアメリカ局長きょくちょう、1972年ねんOECD日本にっぽん政府せいふ代表だいひょう特命とくめい全権ぜんけん大使たいし、1975年ねん外務がいむ審議しんぎ官かん（経済けいざい担当たんとう）、1978年ねん駐ちゅう西にしドイツ大使たいしなどを歴任れきにんし、1982年ねん退官たいかん。

退官たいかん後ごは天下あまくだりで、1983年ねん経団連けいだんれん参与さんよ、1984年ねん国際こくさい経済けいざい研究所けんきゅうじょ理事りじ長ちょうに就ついた。1990年ねん、勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょうを受章じゅしょう。

アメリカ局長きょくちょう時代じだいは沖縄おきなわ返還へんかんの当事とうじ者しゃとして、アメリカとの沖縄おきなわ返還へんかん協定きょうていで土地とちの原状げんじょう回復かいふく費用ひようを日本にっぽんが負担ふたんする密約みつやくの存在そんざいを一貫いっかんして否認ひにんしたが、ホワイトハウスの文書ぶんしょ公開こうかいを受うけて初はじめて認みとめるに至いたった。2009年ねんには密約みつやくを巡めぐる情報じょうほう公開こうかい訴訟そしょうに、原告げんこくの求もとめに応おうじて初はじめて証人しょうにんとして出廷しゅっていした。

2015年ねん3月29日にちに肺炎はいえんのため96歳さいで死去しきょ。没後ぼつご従したがえ七なな位いから従したがえ三さん位いに進すすむ階かい。。

参考さんこう文献ぶんけん

• 往住嘉文よしふみ「世界せかいの潮しお 吉野よしの文六ぶんろく・元もと外務省がいむしょうアメリカ局長きょくちょう証言しょうげんの意味いみ―改あらためて問とわれる沖縄おきなわ返還へんかん協定きょうてい密約みつやく事件じけん」

岩波書店いわなみしょてん『世界せかい』2006年ねん4月がつ号ごう

• 西山にしやま太吉たきち『機密きみつを開示かいじせよ―裁さばかれる沖縄おきなわ密約みつやく』岩波書店いわなみしょてん、2010年ねん
• 佐藤さとう優ゆう『私わたしが最もっとも尊敬そんけいする外交がいこう官かん ナチス・ドイツの崩壊ほうかいを目撃もくげきした吉野よしの文六ぶんろく』講談社こうだんしゃ、2014年ねん
  • 『戦時せんじ下かの外交がいこう官かん ナチス・ドイツの崩壊ほうかいを目撃もくげきした吉野よしの文六ぶんろく』講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ、2021年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 大島おおしま浩ひろし
• 新関にいぜき欽哉きんや

先代せんだい 新設しんせつ

国際こくさい経済けいざい研究所けんきゅうじょ副ふく理事りじ長ちょう 1983年ねん - 1985年ねん

次代じだい 中平なかひら幸典ゆきのり

先代せんだい 牛うし場じょう信彦のぶひこ

国際こくさい経済けいざい研究所けんきゅうじょ理事りじ長ちょう 1985年ねん - 2001年ねん

次代じだい 荒船あらふね清彦きよひこ