うなり

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うなから転送てんそう

うなりうなり)とは、


物理ぶつりがくにおけるうなり英語えいご: beat)とは、振動しんどうすう(または周波数しゅうはすう)がわずかにことなる2つのなみ干渉かんしょうして、振幅しんぷくがゆっくり周期しゅうきてきわる合成ごうせいしょうずる現象げんしょう[1]

たとえば、ピッチがわずかにことなるふたつの音波おんぱっているとき、各々おのおの基音きおん周波数しゅうはすう相当そうとうする周期しゅうきおと強弱きょうじゃくかれる。このときふたつのおとはひとつのおとであるようにこえるが、ピッチがある程度ていどまではなれると両者りょうしゃべつおととしてこえる。

数学すうがくてき説明せつめい[編集へんしゅう]

もっと簡単かんたん場合ばあいとして、つよさも位相いそうひとしいふたつのサイン合成ごうせいかんがえる。かく振動しんどうすうωおめが[ちゅう 1]中心ちゅうしんに、前後ぜんごはば 2αだけかく振動しんどうすうがずれたふたつのおと sin (ωおめが-αあるふぁ)t と sin (ωおめが+αあるふぁ)tt時間じかん)を合成ごうせいすると、合成ごうせいおんつぎのようになる(しき変形へんけい三角さんかく関数かんすう参照さんしょう)。

この結果けっか合成ごうせいおんかく振動しんどうすうωおめがおと振幅しんぷくが、かく振動しんどうすう 2αで変動へんどうするような波形はけいとなる[ちゅう 2]

れい[編集へんしゅう]

たとえば、周波数しゅうはすうが440 Hzへるつおとたいし、人間にんげんにはひとつひとつの音圧おんあつ変化へんかをききわけることはできない。しかし、438 Hzへるつと442 Hzへるつのうなりの周波数しゅうはすうは4 Hzへるつ(1秒間びょうかんに4かい)であるので容易よういにききわけることができる。

うえではあか周波数しゅうはすう110 Hzへるつなみみどり周波数しゅうはすう104 Hzへるつなみあおかさわせたなみであり6 Hzへるつのうなりがられる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ここでは数式すうしきやすくなるようにかく振動しんどうすうωおめが使つかったが、周波数しゅうはすうfかく振動しんどうすうωおめが = 2πぱいf関係かんけいがあるので、周波数しゅうはすうかんがえてもおなじである。
  2. ^ cos の因子いんしせいでもまけでも振幅しんぷくとしてはおな効果こうかしめすことに注意ちゅうい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 徳岡とくおか善助ぜんすけ へん物理ぶつりがく概論がいろん した学術がくじゅつ図書としょ出版しゅっぱんしゃ、1988ねん、31ぺーじISBN 4-87361-022-2 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Serway, R. A., Vuille, C. College Physics. Volume 1, Ninth Edition, Cengage Learning, 2011, p. 499.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]