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国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい

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自立じりつ法人ほうじんスイス法律ほうりつ国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい(こくさいサッカーひょうぎかい、International Football Association Board)は、サッカーのルール(サッカー競技きょうぎ規則きそく)の制定せいていなど、サッカーにかかわる重要じゅうよう事項じこう決定けっていする機関きかん略称りゃくしょうIFAB。IFABで決定けっていされた規則きそくは、FIFAに所属しょぞくする協会きょうかいすべての国際こくさい試合しあいおよび国内こくない試合しあい適用てきようされる[1]。IFABの本部ほんぶは、国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)本部ほんぶおなスイスチューリッヒ在所ざいしょする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい(IFAB)はサッカーのルール(競技きょうぎ規則きそくめる世界せかい唯一ゆいいつ意思いし決定けってい機関きかんである。IFABは、公式こうしき言語げんごとして英語えいごフランス語ふらんすご、ドイツ、スペインげている(もとになるのは英語えいご)。IFABの目的もくてきは、競技きょうぎ規則きそく保護ほご編纂へんさん改正かいせいし、国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)傘下さんかぜん世界せかいのサッカーにおいて一貫いっかんせいをもって適用てきようされ、適切てきせつかんされ、その結果けっかサッカー規則正きそくただしく、確実かくじつにプレーされるようにすることである。さらに、2017ねん3がつ、IFABは、公平こうへい公正こうせい普遍ふへんせいおよ多様たようせい受容じゅよう、そして技術ぎじゅつ革新かくしんけながら、世界中せかいじゅうのあらゆるサッカーの試合しあいがよりいものになるようつづ競技きょうぎ規則きそく発展はってんさせていくと発表はっぴょうした[2]。IFABは、毎年まいとし、2がつか3がつおこな年次ねんじ総会そうかい(AGM)において、ルール改正かいせい討議とうぎし、出席しゅっせきしゃの3/4以上いじょう賛成さんせい場合ばあい(IFAB構成こうせいメンバー:FIFA4ひょう、イギリス(以下いかえい本土ほんど協会きょうかいかくひょうけいひょうちゅうひょう以上いじょう)、ルールを改正かいせいする。えい本土ほんどサッカー4協会きょうかいふくめFIFA加盟かめいサッカー協会きょうかいおよかく大陸たいりくサッカー連盟れんめいは、ルール改正かいせい提案ていあんなどサッカーにかんする重要じゅうよう事項じこうについて次回じかい年次ねんじ総会そうかい(AGM)前年ぜんねんの11月1にちまでに書面しょめん年次ねんじ総会そうかい主催しゅさい協会きょうかいただし、年次ねんじ総会そうかい主催しゅさい協会きょうかいえい本土ほんど4協会きょうかいのいずれか)のIFAB事務じむ局長きょくちょう提出ていしゅつする[1]。また、一般いっぱんのファンも、IFABのメールアドレスあて[ちゅう 1]意見いけん質問しつもんおくることができる[2]

1882ねん12月5にちに、マンチェスターひらかれたイングランドサッカー協会きょうかい(FA)の会合かいごうスコットランドサッカー協会きょうかい (SFA)、 ウェールズサッカー協会きょうかい (FAW)、アイルランドサッカー協会きょうかい (IFA) が招待しょうたいされ、これらイギリス本土ほんど4協会きょうかいによってIFABが設立せつりつされた。だいかいのIFAB総会そうかいは、1886ねん6がつ2にちにロンドンで開催かいさいされ、以降いこう毎年まいとし1IFAB総会そうかいひらかれている。その1913ねん国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)加入かにゅうした[1]現在げんざいはFIFAから4にん、イギリス(以降いこうえい本土ほんど4協会きょうかい(イングランド、スコットランド、ウェールズ、きたアイルランド)からかく1人ひとり代表だいひょうおくられて構成こうせいされている[1]。なお、現在げんざいアイルランドとう北東ほくとうにあるイギリスのきたアイルランドアイルランドとう南部なんぶアイルランド共和きょうわこくべつくにであり、それぞれの協会きょうかいつ(きたアイルランドはアイリッシュ・フットボール・アソシエーション、アイルランド共和きょうわこくフットボール・アソシエーション・オブ・アイルランド)。

2012ねんから2014ねん1がつ13にちまでにIFABは改革かいかくおこなった(ただし、IFAB構成こうせい協会きょうかいはFIFAとえい本土ほんど4協会きょうかいのまま)。2013ねん3がつ2にちだい127かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で、サッカーかい専門せんもんからなるテクニカル諮問しもん委員いいんかい(Technical Advisory Panel)およびサッカー諮問しもん委員いいんかい(Football Advisory Panel)をもうけた。これらの諮問しもん委員いいんかいは、諮問しもんプロセスを改善かいぜんし、競技きょうぎ規則きそく発展はってんけてより積極せっきょくてきなアプローチを醸成じょうせいすることを目的もくてきとしている[1][2]。2014ねん1がつ13にちに、IFABそのものとその機関きかん目的もくてき組織そしきおよ責任せきにんについてさだめた定款ていかん承認しょうにんし、IFABの事務じむ局長きょくちょうをトップにすえた運営うんえい事務じむきょく導入どうにゅうし、透明とうめいせいたかめるとともに民主みんしゅてきかつ現代げんだいてき運営うんえい目指めざすこととした。スイスの法律ほうりつのもとで自立じりつ法人ほうじんとなり、IFAB本部ほんぶ国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)本部ほんぶおなスイスチューリッヒいた[1]

2012ねん7がつ5にちスイスチューリッヒのFIFA本部ほんぶおこなわれたIFAB特別とくべつ会議かいぎで、満場一致まんじょういっちで「ホークアイ(Hawk-Eye)システム」と「ゴールレフ(GoalRef)」の両方りょうほうのゴール機械きかい判定はんてい技術ぎじゅつゴールライン・テクノロジー採用さいよう)とうめ、史上しじょうはじめて、サッカーのルールに機械きかい判定はんてい技術ぎじゅつ正式せいしき導入どうにゅうした。以降いこう、2018ねん3がつ3にちにスイスのチューリヒでIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)でビデオ・アシスタント・レフェリー制度せいどのサッカーのルールへ正式せいしき導入どうにゅう決定けってい[3]など、機械きかい判定はんてい技術ぎじゅつがサッカーのルールに導入どうにゅうされつづけている。

2016ねん3がつIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で改正かいせいされたサッカー競技きょうぎ規則きそく2016/2017以降いこうは、IFABが直接ちょくせつルール(競技きょうぎ規則きそくとう)を英語えいごばん正式せいしき原本げんぽん)、フランス語ふらんすごばん、ドイツばんおよびスペインばん冊子さっし(ルールブック。競技きょうぎ規則きそくほん)を発行はっこうしている(日本にっぽんでは、日本にっぽんサッカー協会きょうかい正式せいしき英語えいごばん毎年まいとし改正かいせい部分ぶぶんふくめて日本語にほんご翻訳ほんやく表現ひょうげん見直みなおしながら日本語にほんごばん出版しゅっぱん[4]。 2016年度ねんどまでは、IFABの承認しょうにんなしでは、大陸たいりく連盟れんめい加盟かめい協会きょうかいは、サッカーのいかなる競技きょうぎ規則きそく変更へんこう禁止きんし(16さい未満みまん選手せんしゅ女子じょし・35さい以上いじょう年長ねんちょうしゃのみの試合しあいおよ障害しょうがいしゃ試合しあいのぞく)としてきた[5]。2017ねん3がつ3にちサッカー競技きょうぎ規則きそく2017/2018)にイギリス首都しゅとロンドン開催かいさいされただい131かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)において、さらなるサッカーの普及ふきゅう発展はってんためつぎのような重大じゅうだい改正かいせい承認しょうにんされた[2]

  1. 各国かっこくのサッカーにそれぞれに有益ゆうえきになることは、各国かっこくサッカー協会きょうかいこそがっている。したがって、各国かっこく協会きょうかい(および大陸たいりく連盟れんめい、FIFA)がその責任せきにんした、“それぞれの独自どくじ競技きょうぎ規則きそくただし、IFABによってみとめられた修正しゅうせい(「競技きょうぎ規則きそく修正しゅうせい参照さんしょう)の範囲はんいで)”をより弾力だんりょくてき変更へんこうできるようにした(れい:トップレベルの試合しあいのぞき、交代こうたい最大さいだいすうを5にんとするひとし[2]
  2. ユース、年長ねんちょうしゃさわがいしゃおよびグラスルーツ(もっと底辺ていへんのレベル)のサッカーにおいて、警告けいこく(YC)にわり一時いちじてき退場たいじょう(シンビン)を導入どうにゅうする[2]
  3. 以前いぜんよりグラスルーツのサッカーでみとめてきたさい交代こうたい試合しあいちゅう一度いちど交代こうたいしてベンチにがった選手せんしゅふたた交代こうたいしてその試合しあい出場しゅつじょうする)をユース、年長ねんちょうしゃおよびさわがいしゃのサッカーでもみとめる[2]

これらやその重要じゅうよう改正かいせい詳細しょうさいは、IFABの冊子さっし競技きょうぎ規則きそく修正しゅうせい」に記載きさいされている(日本にっぽん日本にっぽんサッカー協会きょうかい翻訳ほんやく発行はっこうしているサッカー競技きょうぎ規則きそく日本語にほんごばんない[2][5]

開催かいさい会議かいぎとルール改正かいせい手続てつづとう[編集へんしゅう]

国際こくさいサッカー評議ひょうぎかいたん年度ねんどに、11月の年次ねんじ事務じむ会議かいぎAnnual Business Meeting (ABM)と翌年よくねん2がつか3がつ年次ねんじ総会そうかいAnnual General Meeting (AGM)のわせて2かい会議かいぎどういち協会きょうかいで2ともおこなう。原則げんそくとしてイギリス本土ほんど4協会きょうかい以下いかえい本土ほんど4協会きょうかい)のいずれかで輪番りんばん開催かいさいする[1]。IFAB改革かいかく一環いっかんで、2013ねん3がつ2にちだい127かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で、サッカーかい専門せんもんからなるテクニカル諮問しもん委員いいんかい(Technical Advisory Panel)およびサッカー諮問しもん委員いいんかい(Football Advisory Panel)をもうけた[1]。また、サッカールールの試行しこう監視かんしするテクニカルしょう委員いいんかい(TSC = Technical Subcommittee)がある[4]

年次ねんじ事務じむ会議かいぎ(ABM)[編集へんしゅう]

年次ねんじ事務じむ会議かいぎ(ABM)は、年次ねんじ総会そうかい(AGM)の準備じゅんびのための会議かいぎであり、11月に開催かいさいされる。かく大陸たいりく連盟れんめいおよかくサッカー協会きょうかいから提出ていしゅつされた競技きょうぎ規則きそくかんする試行しこう要求ようきゅうなど一般いっぱんてき事務じむ事項じこう審議しんぎ検討けんとうし、試験しけん試行しこう承認しょうにんすることができるが、競技きょうぎ規則きそく(ルール)改正かいせい出来できない。

年次ねんじ総会そうかい(AGM)[編集へんしゅう]

ABMの翌年よくねん毎年まいとし2がつまつごろ(2がつか3がつ)に開催かいさいされる年次ねんじ総会そうかい(AGM)において、ルール改正かいせい討議とうぎし、出席しゅっせきしゃの3/4以上いじょう賛成さんせい場合ばあい(FIFA4ひょうえい本土ほんど協会きょうかいかくひょうけいひょうちゅうひょう以上いじょう)、ルールが改正かいせいされる。 つまり、ルール改正かいせいにはFIFAの4ひょうえい本土ほんど協会きょうかいかく1ひょうけい8ひょうのうち6ひょう以上いじょう必要ひつようであり、FIFAだけでもえい本土ほんど協会きょうかいだけでもめられないようになっている[1]年次ねんじ総会そうかい(AGM)は、2がつまたは3がつに、輪番りんばんえい本土ほんど4協会きょうかいのいずれかで開催かいさいされるが、FIFAワールドカップ開催かいさいねんは、FIFAが決定けっていしたおこなう(通常つうじょうスイスチューリッヒ)。2008ねん以前いぜんは、FIFAワールドカップ開催かいさいこくで、年次ねんじ総会そうかい(AGM)を開催かいさいするのが慣習かんしゅうだった[6]近年きんねん、6がつか7がつ特別とくべつ会議かいぎひらかれ、2がつか3がつ年次ねんじ総会そうかいでも結論けつろんなかった内容ないようなどについて検討けんとうされ、指示しじ方向ほうこうせい(通達つうたつ)をあらためてしめすようになっている。

改正かいせい、「しん競技きょうぎ規則きそく(しんルール)」は5がつまつまでにFIFAからFIFA加盟かめい各国かっこくのサッカー協会きょうかい通達つうたつされ、6月1にちからぜん世界せかい施行しこうされる。国際こくさい試合しあいは6がつ1にちから施行しこうしなければならない。ただし、6月1にちまでにそのとしのシーズンが終了しゅうりょうしていない大陸たいりく連盟れんめいおよ加盟かめい協会きょうかいは、その施行しこうつぎのシーズン開始かいしまで延期えんきできる。日本にっぽんでは例年れいねん6がつ1にち以降いこうのしかるべきおそくとも8がつちゅうには施行しこうしている[1]。 6月1にち以前いぜんに、シーズンを開始かいしする場合ばあいは、IFABの改正かいせいかんする通達つうたつ直後ちょくご施行しこうすることができる[5]。つまり、毎年まいとし、サッカーのルールはこまかく変更へんこうされており、審判しんぱんいん毎年まいとし更新こうしん講習こうしゅうかいける必要ひつようがある(けなかった場合ばあい審判しんぱん資格しかく失効しっこうする)。その指示しじ方向ほうこうせい(通達つうたつ)は6がつか7がつ特別とくべつ会議かいぎて、あらためて情報じょうほうとしてつたえられる。

先述せんじゅつとおり、えい本土ほんど4協会きょうかいふくめFIFA加盟かめい協会きょうかいおよかく大陸たいりく連盟れんめいは、競技きょうぎ規則きそく改正かいせい提案ていあん競技きょうぎ規則きそく試行しこう要求ようきゅうなどサッカーにかんする重要じゅうよう事項じこうについて次回じかい年次ねんじ総会そうかい(AGM)前年ぜんねんの11月1にちまでに書面しょめん年次ねんじ総会そうかい主催しゅさい協会きょうかいただし、年次ねんじ総会そうかい主催しゅさい協会きょうかいえい本土ほんど4協会きょうかいのいずれか)のIFAB事務じむ局長きょくちょう提出ていしゅつする(ただ書面しょめん提出ていしゅつため日程にっていてき余裕よゆうかんがえて提出ていしゅつする必要ひつようがある)[1]。また、一般いっぱんのファンも、IFABのメールアドレスあて[ちゅう 1]意見いけん質問しつもんおくることができる[2]

2つの諮問しもん委員いいんかい[編集へんしゅう]

2013ねん3がつ2にちだい127かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で結成けっせいされた。サッカーかい専門せんもんにより構成こうせいされ、IFABの競技きょうぎ規則きそくかんする業務ぎょうむ援助えんじょする。メンバーは、かく大陸たいりく連盟れんめいやサッカー関連かんれん機関きかんからのもと選手せんしゅ監督かんとくおよ審判しんぱんいんなどからなる。「テクニカル諮問しもん委員いいんかい(Technical Advisory Panel)」は審判しんぱん技術ぎじゅつ細部さいぶ規則きそく改正かいせいがレフェリングにあた影響えいきょう評価ひょうかする。「サッカー諮問しもん委員いいんかい(Football Advisory Panel)」が選手せんしゅ監督かんとくからの視点してん提供ていきょうする。これらの諮問しもん委員いいんかいは、諮問しもんプロセスを改善かいぜんし、競技きょうぎ規則きそく発展はってんけてより積極せっきょくてきなアプローチを醸成じょうせいすることを目的もくてきとしている[1][2][4]

テクニカルしょう委員いいんかい[編集へんしゅう]

FIFA、えい本土ほんど4協会きょうかい、IFAB の専門せんもんにより構成こうせいされ、競技きょうぎ規則きそく改正かいせい可能かのうせいについて検討けんとうし、年次ねんじ総会そうかい(AGM)や年次ねんじ事務じむ会議かいぎ(ABM)で承認しょうにんされた競技きょうぎ規則きそく試行しこう監視かんし担当たんとうする[4]

歴史れきし[編集へんしゅう]

サッカールール決定けってい機関きかんとなった経緯けいい[編集へんしゅう]

国際こくさいサッカー評議ひょうぎかいがサッカーのルールを決定けっていするようになった経緯けいいつぎとおりである[6][1]

1863ねん10がつ26にちイングランドサッカー協会きょうかい(FA)とロンドンの12(11とする資料しりょうもある)のクラブが会議かいぎひらき、同年どうねん12がつ8にちまでに6かいのミーティングをもって、統一とういつルールを作成さくせいし、近代きんだいサッカー(現在げんざいのサッカー)誕生たんじょうした。

サッカーはすぐにイングランドからイギリス各地かくちひろまり、1872ねんには世界せかいはつの「公式こうしき国際こくさい試合しあい」(イングランドたいスコットランド)がおこなわれた(ちなみに非公式ひこうしきではあるが、1870ねん両者りょうしゃあいだ世界せかいはつ国際こくさい試合しあいおこなわれた。その、この試合しあいふくめ5にわたり、両者りょうしゃあいだ非公式ひこうしき国際こくさい試合しあいおこなわれた)。サッカー協会きょうかい次々つぎつぎ誕生たんじょうした。1873ねんにスコットランド、1876ねんにはウェールズ、1880ねんにはアイルランドにサッカー協会きょうかい設立せつりつされた。

しかし1882ねんに、このえい本土ほんど4協会きょうかい毎年まいとし王者おうじゃめる大会たいかい(英国えいこく選手権せんしゅけん(ホーム・インターナショナル))[7]開催かいさいするためはなったとき、たがいのルールが微妙びみょうちがうことがわかった。そのため、ルールを調整ちょうせいし、確定かくていする協議きょうぎかいとして国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい(IFAB)を発足ほっそくさせることにした。だいかいのIFAB総会そうかいは、1886ねん6がつ2にちにロンドンで開催かいさいされた。 以後いご、IFABは毎年まいとし1総会そうかいでルール改正かいせい検討けんとうすることになった。

フランスやオランダを中心ちゅうしんとした欧州おうしゅう大陸たいりく国々くにぐにによってFIFAが設立せつりつされたのは1904ねん。IFAB設立せつりつの18ねん近代きんだいサッカー誕生たんじょうからだと41ねんのことだった。FIFA設立せつりつ当初とうしょえい本土ほんど4協会きょうかいはFIFAに参加さんかしなかったが(1906ねんFIFA加盟かめい)、ルールについてはIFABの決定けっていにFIFAがしたがうことになった。

1913ねんに、ようやくIFABのメンバーにFIFAがくわえられた[8]。このとき、えい本土ほんど4協会きょうかいとFIFAは、それぞれ2ひょう投票とうひょうけんをもつこととされた。そしてルール改正かいせい必要ひつようなのは、全体ぜんたいの5ぶんの4、すなわち10ひょうのうち8ひょうということとなった。つまり、えい本土ほんど4協会きょうかいがそろって賛成さんせいすれば、FIFAが反対はんたいしてもルール改正かいせいできるというかたちだった。

世界せかい大戦たいせんた45ねんの1958ねんに、IFABは構成こうせいメンバーはそのままで、投票とうひょうけんえい本土ほんど4協会きょうかいかく協会きょうかい1ひょうずつとし、FIFAには4ひょうあたえた。そしてルール改正かいせいには、全体ぜんたいの4ぶんの3、すなわちぜん8ひょうのうち6ひょう必要ひつようとした。

この改正かいせいにより、ルールの改正かいせいは、えい本土ほんど4協会きょうかいだけでも、FIFAだけでもめられなくなった。

改革かいかくおよ法人ほうじんとう[編集へんしゅう]

2012ねん7がつ5にちスイスチューリッヒのFIFA本部ほんぶおこなわれたIFAB特別とくべつ会議かいぎで、満場一致まんじょういっちで「ホークアイ(Hawk-Eye)システム」と「ゴールレフ(GoalRef)」の両方りょうほうのゴール機械きかい判定はんてい技術ぎじゅつゴールライン・テクノロジー(GLT)採用さいよう)とうめ、史上しじょうはじめて、サッカーのルールに機械きかい判定はんてい技術ぎじゅつ正式せいしき導入どうにゅうした。

2012ねんから2014ねん1がつ13にちまでにIFABは改革かいかくおこなった。2013ねん3がつ2にちだい127かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で、サッカーかい専門せんもんからなるサッカー諮問しもん委員いいんかい(Football Advisory Panel)およびテクニカル諮問しもん委員いいんかい(Technical Advisory Panel)をもうけた。2014ねん1がつ13にちに、IFABそのものとその機関きかん目的もくてき組織そしきおよ責任せきにんについてさだめた定款ていかん承認しょうにんし、IFABの事務じむ局長きょくちょうをトップにすえた運営うんえい事務じむきょく導入どうにゅうした。スイスの法律ほうりつのもとで自立じりつ法人ほうじんとなり、IFAB本部ほんぶ国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)本部ほんぶおなスイスチューリッヒいた[1]

2015ねん2がつごろ改正かいせいされたサッカー競技きょうぎ規則きそく2015/2016までは、IFABが制定せいていしたルール(競技きょうぎ規則きそくとう)をFIFAが冊子さっしとして発行はっこうしていたが、2016ねん3がつIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)で改正かいせいされたサッカー競技きょうぎ規則きそく2016/2017以降いこうは、IFABが直接ちょくせつルール(競技きょうぎ規則きそくとう)の英語えいごばん正式せいしき原本げんぽん)、フランス語ふらんすごばん、ドイツばんおよびスペインばん冊子さっし(ルールブック。競技きょうぎ規則きそくほん)を発行はっこうしている。文章ぶんしょう表現ひょうげん解釈かいしゃく疑問ぎもんしょうじた場合ばあいは、英語えいごばん競技きょうぎ規則きそくもとづくものとされている(日本にっぽんでは、英語えいごばん毎年まいとし改正かいせい部分ぶぶんふくめて日本語にほんご翻訳ほんやく表現ひょうげん見直みなおしながら日本語にほんごばん出版しゅっぱん[9]

2016年度ねんどまでは、IFABの承認しょうにんなしに、大陸たいりく連盟れんめい加盟かめい協会きょうかいは、サッカーのいかなる競技きょうぎ規則きそく変更へんこう禁止きんしただし、16さい未満みまん選手せんしゅ女子じょし・35さい以上いじょう年長ねんちょうしゃのみの試合しあいおよ障害しょうがいしゃ試合しあい加盟かめい協会きょうかい合意ごういがあれば、ピッチ(サッカーのフィールド)のおおきさ、ボールのおおきさ、ゴールのおおきさ、試合しあい時間じかん交代こうたいとうをIFABの承認しょうにんなしに修正しゅうせいできる。これ以外いがい修正しゅうせいはIFABの承認しょうにん必要ひつよう)としてきた[5]

2017ねん3がつ3にちだい131かいIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)において、各国かっこく協会きょうかい(および大陸たいりく連盟れんめい、FIFA)がその責任せきにんした、“独自どくじ競技きょうぎ規則きそくただし、IFABによってみとめられた修正しゅうせい(「競技きょうぎ規則きそく修正しゅうせい参照さんしょう)の範囲はんいで)”をより弾力だんりょくてき変更へんこうできるようにした(先述せんじゅつ)。

2018ねん3がつ3にちのIFAB年次ねんじ総会そうかい(AGM)でビデオ副審ふくしん(VAR=ビデオ・アシスタントレフェリー)制度せいどのサッカーのルールへ正式せいしき導入どうにゅう決定けっていした[10]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ a b lawenquiriesアットマークtheifab.com ちゅう:アットマークは@にえる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい(IFAB)の役割やくわり組織そしき会議かいぎとルール改正かいせい手続てつづき・歴史れきしとう-FIFA公式こうしきHP2018ねん3がつ22にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j サッカー競技きょうぎ規則きそく2017/18-日本にっぽんサッカー協会きょうかい公式こうしきHP
  3. ^ ビデオ判定はんていを「サッカーのルール」にむことを可決かけつ。ロシアWはいでも使用しよう”. フットボールチャンネル (2018ねん3がつ3にち). 2018ねん3がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d サッカー競技きょうぎ規則きそく2016/2017日本語にほんごばん
  5. ^ a b c d 競技きょうぎ規則きそく解釈かいしゃく審判しんぱんいんのためのガイドラインP138~P142 国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい(IFAB)の規約きやく-1993ねん2がつ承認しょうにん
  6. ^ a b 大住おおすみ良之よしゆき (2009ねん2がつ27にち). 連載れんさい企画きかく:「日本にっぽんサッカー世界せかいへの挑戦ちょうせん」69.サッカーのルールはどのようにつくられているか”. NIKKEI NET (日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ). オリジナルの2009ねん3がつ13にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090313050500/http://sports.nikkei.co.jp/soccer/column/osumi.aspx?n=MMSPca000027022009 
  7. ^ 松岡まつおかかんちょ『ワールドカップの国際こくさい政治せいじがく』P104
  8. ^ No.181 より面白おもしろく、ルールも進歩しんぽ”. サッカーのはなしをしよう 大住おおすみ良之よしゆきオフィシャルアーカイブサイト (1997ねん2がつ24にち). 2012ねん5がつ18にち閲覧えつらん
  9. ^ サッカー競技きょうぎ規則きそく2015/2016日本語にほんごばん、サッカー競技きょうぎ規則きそく2016/2017日本語にほんごばん
  10. ^ ビデオ判定はんていを「サッカーのルール」にむことを可決かけつ。ロシアWはいでも使用しよう”. フットボールチャンネル (2018ねん3がつ3にち). 2018ねん3がつ4にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい
ルール
国際こくさいサッカー評議ひょうぎかい構成こうせい連盟れんめいおよ協会きょうかい公式こうしき
イギリス本土ほんど4協会きょうかいのぞくFIFA加盟かめい協会きょうかいおよかく大陸たいりく連盟れんめい公式こうしき