ゼップ・ブラッター

ヨーゼフ・“ゼップ”・ブラッター Joseph "Sepp" Blatter
2015年ねん4月がつ
第だい8代だい 国際こくさいサッカー連盟れんめい会長かいちょう
任期にんき 1998年ねん6月がつ8日にち – 2015年ねん12月21日にち （2022年ねんまで参加さんか禁止きんし）
前任ぜんにん者しゃ	ジョアン・アヴェランジェ
後任こうにん者しゃ	イッサ・ハヤトウ（代行だいこう） ジャンニ・インファンティーノ
個人こじん情報じょうほう
生誕せいたん	Josef Blatter (1936-03-10) 1936年ねん3月がつ10日とおか（88歳さい） スイス、ヴァレー州しゅう、フィスプ郡ぐん
国籍こくせき	スイス
配偶はいぐう者しゃ	リリアン・ビナー バーバラ・ケザー (m. 1981⁠–⁠1991) グラジエラ・ビアンカ (m. 2002⁠–⁠2004)
非ひ婚こん配偶はいぐう者しゃ	イローナ・ボグスカ (1995 - 2002) リンダ・バーラス (2014 - )
子供こども	コリーヌ （娘むすめ）
住居じゅうきょ	チューリヒ
出身しゅっしん校こう	ローザンヌ大学だいがく
宗教しゅうきょう	カトリック教会きょうかい
署名しょめい

ヨーゼフ・“ゼップ”・ブラッター（Joseph "Sepp" Blatter, 1936年ねん3月がつ10日とおか - ）は、1998年ねんから2015年ねんまで国際こくさいサッカー連盟れんめい (FIFA) の第だい8代だい会長かいちょうを務つとめたスイスのサッカー経営けいえい者しゃ。2015年ねんFIFA汚職おしょく事件じけんへの関与かんよから、FIFA活動かつどうへの参加さんかを6年間ねんかん禁きんじられている。

人物じんぶつ

菅かん直人なおと首相しゅしょう（右みぎ）と

ブラッターはスイスのヴァレー州しゅうフィスプ郡ぐんで生うまれ、ヨーゼフ (Josef) という名なを与あたえられた。ブラッターはサンモリッツで勉学べんがくに勤いそしみ、1959年ねんにローザンヌ大学だいがくで経営けいえい学がくおよび経済けいざい学がくの学位がくいを取得しゅとくした。ブラッターは、地元じもと行政ぎょうせい区く (カントン)の観光かんこう委員いいん会かいの広報こうほう局長きょくちょうやスイスのアイスホッケー連盟れんめいの書記しょき長ちょうなどを含ふくむ様々さまざまな経歴けいれきを長ながく務つとめた。

ブラッターはロンジン社しゃのSports Timing and Relationsの理事りじであり、1972年ねんおよび1976年ねんのオリンピック大会たいかいの組織そしき運営うんえいに関与かんよしていた。

経営けいえい、広報こうほう、スポーツ行政ぎょうせいの経歴けいれきからブラッターは1981年ねんにFIFAの事務じむ総長そうちょうになり、1998年ねんの第だい51回かいFIFA総会そうかいにてこの組織そしきを1974年ねんより率ひきいていたジョアン・アヴェランジェの後継こうけい者しゃとして会長かいちょうに選出せんしゅつされた。 ブラッターは2002年ねん、2007年ねん、2011年ねん、2015年ねんと4度どにわたって再選さいせんを果はたした。前任ぜんにん者しゃのアヴェランジェと同様どうよう、ブラッターは様々さまざまなFIFAトーナメントの参加さんかチームの拡大かくだいを通つうじて、世界せかいのサッカーにおけるアフリカおよびアジア諸国しょこくの影響えいきょう力りょくを高たかめようとした。

ブラッターには、汚職おしょくおよび財政ざいせい的てき失態しったいの非難ひなんがついて回まわっていた。ブラッターの施策しさくはFIFAワールドカップにより生しょうじた収益しゅうえきの大幅おおはば拡大かくだいを監督かんとくしたものの、それはマーケティング会社かいしゃインターナショナル・スポーツ・アンド・レジャーの経営けいえい破綻はたんやFIFA大会たいかい開催かいさい決定けっていの入札にゅうさつプロセスにおける汚職おしょくに関かんする多数たすうの告訴こくそを伴ともなうものとなった。

2015年ねん6月がつ2日にち、アメリカ政府せいふが贈収賄ぞうしゅうわいおよびマネーロンダリングを理由りゆうにFIFA役員やくいん数すう名めい（現職げんしょくと旧きゅう役員やくいん）とスポーツマーケティング会社かいしゃを起訴きそした6日にち後ご、ブラッターはFIFAの新しん会長かいちょうを選出せんしゅつするための選挙せんきょを呼よびかけ、自分じぶんはこの選挙せんきょに立候補りっこうほしないと発表はっぴょうしたが、後継こうけい者しゃ選出せんしゅつのためのFIFA特別とくべつ総会そうかいが開ひらかれるまでは自身じしんの会長かいちょう職しょくに留とまるとも発言はつげんした。2015年ねん9月がつ25日にち、ブラッターに対たいして「刑事けいじ上じょうの不正ふせい管理かんり（中略ちゅうりゃく）および不正ふせい流用りゅうよう」に関かんする刑事けいじ訴訟そしょうがスイス司法しほう長官ちょうかん事務所じむしょより発表はっぴょうされた。

2015年ねん10月がつ、ブラッター他た数すう名めいのFIFA幹部かんぶがこの調査ちょうさ期間きかん中ちゅうに停職ていしょくを下くだされ、独立どくりつしたFIFA倫理りんり委員いいん会かいが12月にブラッターを解任かいにん、ブラッターに今後こんご8年間ねんかんのFIFA活動かつどうへの参加さんかを禁止きんしした。2016年ねん2月がつ24日にち、FIFAの不服ふふく申立もうしたて委員いいん会かいは停職ていしょくを支持しじしたが、活動かつどう禁止きんし期間きかんを8年ねんから6年ねんに短縮たんしゅくした。2月がつ下旬げじゅんに臨時りんじのFIFA総会そうかいが開催かいさいされるまではイッサ・ハヤトウがFIFAの会長かいちょう代理だいりを務つとめ、FIFAの第だい9代だい会長かいちょうにはジャンニ・インファンティーノが選出せんしゅつされた。

FIFA

ブラッター（左ひだり）と当時とうじのFIFA会長かいちょうジョアン・アヴェランジェ。1982年ねん4月がつ。

1975年ねんより、FIFAでブラッターは最初さいしょはテクニカルディレクター (1975-1981) として働はたらき、その次つぎに事務じむ総長そうちょう (1981-1998) を務つとめて、1998年ねんにFIFA会長かいちょうに選出せんしゅつされた。2002年ねんにブラッターはFIFA会長かいちょうに再選さいせんされ、さらに4年ねん経たった2007年ねん5月がつ31日にちには、ブラッターを指名しめいしたのがFIFA会員かいいん207人にんのうち僅わずか66人にんだったにもかかわらず、反対はんたいされることなく再選さいせんを果はたした。

ブラッターとFIFAには、汚職おしょくの物議ぶつぎと疑惑ぎわくがしばしば付つきまとった。ブラッターの任期にんきには、財政ざいせい的てきな不正ふせい管理かんりの疑惑ぎわくと2022 FIFAワールドカップ入札にゅうさつのカタール開催かいさいに至いたった賄賂わいろ授受じゅじゅをめぐる論争ろんそうが見みられた。

ブラッターは物議ぶつぎを醸かもす声明せいめいが原因げんいんで、メディア、サッカー界かいの著名ちょめい人じんや選手せんしゅ達たちからの批判ひはんを浴あびている。これには、ジョン・テリーが不倫ふりん関係かんけいをしていたことに対たいしてラテンアメリカ諸国しょこくが称賛しょうさんしているという主張しゅちょうや、フィールド上じょうの人種じんしゅ差別さべつは握手あくしゅでうやむやにできるなどの主張しゅちょうが含ふくまれている。ブラッターはまた、2014 FIFAワールドカップのシード組くみ合あわせ会かいで、その前日ぜんじつに死去しきょした元もと南みなみアフリカの大統領だいとうりょうネルソン・マンデラへの「1分間ふんかんの黙祷もくとう」を11秒びょうで中断ちゅうだんしたことで批判ひはんを呼よんだ。オランダサッカー協会きょうかいのミシェル・ファン・プラーグ会長かいちょうは、ブラッターの行動こうどうを「言語道断ごんごどうだん」と断だんじて、2015年ねんにブラッターが再選さいせんされないことを望のぞむと表明ひょうめいした。

ブラッターは、ソウルでの2006FIFAワールドカップや同年どうねんフランクフルトでのFIFAコンフェデレーションズカップで公然こうぜんと野次やじられており、2011年ねんには彼かれの故郷こきょうウィスプや、2012年ねんロンドンオリンピック女子じょしサッカーのメダル授与じゅよ式しき、2013年ねんのコンフェデレーションズカップ試合しあいの開会かいかいでもブーイングを飛とばされた。抗議こうぎを避さけるため、2014 FIFAワールドカップではスピーチが行おこなわれなかった。

1998年ねんの選挙せんきょ

詳細しょうさいは「:en:51st FIFA Congress」を参照さんしょう

UEFA会長かいちょうレナート・ヨハンソンを上回うわまわったゼップ・ブラッターの1998年ねんFIFA会長かいちょう選挙せんきょは、多おおくの物議ぶつぎがある中なかで実施じっしされた。

勝敗しょうはいを決きめたのは、アフリカにおけるワールドカップ開催かいさいの見返みかえりのアフリカ票ひょうだった。FIFA会長かいちょう選挙せんきょではあらゆる国くにが平等びょうどうに一票いっぴょうを持もつシステムであるため、ブラッターは弱小じゃくしょう国こくの関係かんけい者しゃに資金しきんをばらまき、自みずからの陣営じんえいに取とり込こむ戦術せんじゅつを採とったとされている。

2002年ねんのブラッターの立候補りっこうほは財政ざいせい的てき不正ふせい行為こういと裏うら取引とりひきの噂うわさで持もちきりとなり、イギリスの報道ほうどうが出だした第三者だいさんしゃによる贈収賄ぞうしゅうわいの直接ちょくせつ告発こくはつ（アフリカサッカー連盟れんめい副ふく会長かいちょうにしてソマリアサッカー連盟れんめい会長かいちょうのファラ・アドが語かたったところでは、1998年ねんにブラッターに投票とうひょうする見返みかえりに100,000ドルが提供ていきょうされた。）で最高潮さいこうちょうに達たっした。

2006 FIFAワールドカップ

2006FIFAワールドカップでは、ポルトガル対たいオランダの決勝けっしょうトーナメント試合しあいで主審しゅしんのワレンチン・イワノフがイエローカード16枚まいとレッドカード4枚まい提示ていじという物議ぶつぎの記録きろくが見みられ、ブラッターがこの件けんについてイワノフは審判しんぱんとしての采配さいはいが下手へたなことについて自分じぶんにイエローカードを出だすべきだと発言はつげんすると、ブラッターは主審しゅしんの審判しんぱん行為こういを非難ひなんしたと言いわれた。後のちに、ブラッターは自分じぶんの言葉ことばを後悔こうかいしていると主張しゅちょうし、イワノフに公式こうしきに謝罪しゃざいすることを約束やくそくした。

しかし、この謝罪しゃざいは決けっして行おこなわれることなく、この主審しゅしんは以降いこうの試合しあい審判しんぱんから外はずされた。

チューリヒ駅えきでのブラッター。2013年ねん11月

クラブチームでの海外かいがい選手せんしゅ「上限じょうげん」表明ひょうめい

ブラッターは、サッカークラブが一いち度どに出場しゅつじょう可能かのうな外国がいこく人じん選手せんしゅの数かずに関かんする欧州おうしゅう連合れんごうの雇用法こようほうを変かえようとして2007年ねんと2008年ねんに批判ひはんされた。 ブラッターの計画けいかくは外国がいこく人じん選手せんしゅの上限じょうげん枠わくを5人にんと設定せっていし、チームと同一どういつ国籍こくせきの選手せんしゅが6人にんというものだった。これは自国じこくリーグでプレーする国内こくない選手せんしゅをより多おおく持もつことになり、ひいては各国かっこくの代表だいひょうチームの強化きょうかにつながると、ブラッターは信しんじていた。

ブラッターはサッカーの主要しゅような問題もんだいの1つとしてイングランドプレミアリーグにしばしば言及げんきゅうし、それをトップチームにおける外国がいこく人じん選手せんしゅ、外国がいこく人じんコーチ、外国がいこく人じんオーナーの影響えいきょう例れいとして挙あげた。

ワールドカップの開催かいさい地ち選考せんこう

左ひだりからバラク・オバマ、ブラッター、ジャック・ワーナー。2018/2022 FIFAワールドカップ開催かいさい地ち決定けってい投票とうひょうで2022年ねん大会たいかいをカタール開催かいさいにしたFIFAは「間あいだ違ちがった決定けってい」を下くだした、とアメリカのオバマ大統領だいとうりょうは発言はつげんした。

ヨーロッパが確実かくじつに2018 FIFAワールドカップ開催かいさい地ちになるよう、ブラッターは「UEFAのミシェル・プラティニ会長かいちょう（当時とうじ）との非公式ひこうしきな契約けいやくを交かわした」と報ほうじられ、もしも欧州おうしゅう以外いがいの入札にゅうさつが2018年ねんから辞退じたいしなかったら「非ひ欧州おうしゅうの国々くにぐにはFIFA最高さいこう権力けんりょく者しゃの後うしろ盾たてを一切いっさい得えられずに頓挫とんざしてしまい、次回じかい大会たいかい (2022) の真面目まじめな候補者こうほしゃに挙あげられる可能かのう性せいも無なくなるだろう」と報道ほうどうされた。

2009年ねん3月がつ、13か国こくに及およぶ11件けんの候補こうほ入札にゅうさつが提出ていしゅつされメキシコとインドネシアは辞退じたいした。残のこりの入札にゅうさつ9件けんののうち5件けん（韓国かんこく、カタール、日本にっぽん、オーストラリア、アメリカ）は2022 FIFAワールドカップのみで、他たは全すべて2018と2022の両方りょうほうで入札にゅうさつしていた。

しかし、2018ワールドカップへの入札にゅうさつが全すべてヨーロッパ諸国しょこくからであるのは、直前ちょくぜん2回かいの決勝けっしょうトーナメントを開催かいさいした大陸たいりく連盟れんめい所属しょぞくの国々くにぐにには開催かいさいする資格しかくがないとFIFA規則きそくが言明げんめいしていたためで、イングランド、ロシア、オランダ＆ベルギー共同きょうどう、スペイン＆ポルトガル共同きょうどうの候補こうほは、2018年ねん大会たいかいだけを余儀よぎなくされた。

技術ぎじゅつ的てき補助ほじょ

2010年ねん6月がつ27日にちのイングランド対たいドイツ戦せんで物議ぶつぎとなったフランク・ランパードによる幻まぼろしのゴールが起おきた後のち、機運きうんが深ふかまったゴールライン・テクノロジーまたはビデオ再生さいせい（現在げんざいのビデオ・アシスタント・レフェリー）の導入どうにゅうを許可きょかしないブラッターの拒否きょひ態度たいどに批判ひはんが高たかまった。

2日にち後ご、ブラッターはイングランド対たいドイツ戦せんおよびメキシコ対たいアルゼンチン戦せんにおける「明白めいはくな誤審ごしん」を咎とがめ、イングランドサッカー協会きょうかいとメキシコサッカー連盟れんめい（誤審ごしんに直接ちょくせつ関係かんけいする2つの組織そしき）に謝罪しゃざいすると述のべた。実際じっさいには、ランパードがドイツに対たいして得点とくてんしメキシコ戦せんでのテベスのゴールがオフサイド・ポジションから得点とくてんされたことを認みとめた。

「このワールドカップでの経験けいけんを経へて、ゴールライン・テクノロジーを再さい検討けんとうしないわけにはいかないのは明白めいはくです。（中略ちゅうりゃく）高こうレベルの審判しんぱん員いんに改善かいぜんする方法ほうほうに関かんする新あたらしいモデルを11月に発表はっぴょうします。（中略ちゅうりゃく）私わたしたちが取とり組くんでいる事ことをこれ以上いじょうは開示かいじできませんが、何なにかを変かえていく必要ひつようがあります」とブラッターは付つけ加くわえた。

2011年ねんFIFA会長かいちょう選挙せんきょ

詳細しょうさいは「:en:61st FIFA Congress」を参照さんしょう

ブラッター（右みぎ）と 選手せんしゅのルイス・アルベルト・スアレス。2011年ねんのコパ・アメリカ杯はいにて

2011年ねんに、FIFA会長かいちょうの選挙せんきょ予定よていが組くまれると、ブラッターは同どう選挙せんきょにおいて4期き連続れんぞくを目指めざす現職げんしょく候補こうほとなった。2011年ねん3月がつ29日にちにChangeFIFAという組織そしきが、元もとチリのディフェンダーで3年ねん連続れんぞくの南米なんべいサッカー年間ねんかん最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅであるエリアス・フィゲロアが会長かいちょう候補こうほとして擁立ようりつし、各国かっこく連盟れんめいにフィゲロアを指名しめいするよう要請ようせいした。しかし、その後ごフィゲロアが「こんな短期間たんきかんのうちに」「これほど突出とっしゅつした大おおきな仕事しごとや重要じゅうよう性せいに値あたいする」事案じあんを自分じぶんは扱あつかえないと語かたり、候補こうほ指名しめいを受うけないことに決きめた。

チューリッヒでの第だい61回かいFIFA総会そうかいで投票とうひょうが実施じっしされた。唯一ゆいいつの対抗たいこう候補者こうほしゃだったカタールのモハメド・ビン・ハマムが、投票とうひょう直前ちょくぜんの5月がつ28日にちに会長かいちょう選挙せんきょから辞退じたいした。

ビン・ハマムも1998年ねんと2002年ねんの会長かいちょう選挙せんきょ運動うんどうでブラッターを支持しじしていたが、FIFA実行じっこう委員いいん会かい (現げん:FIFA評議ひょうぎ会かい)内部ないぶの問題もんだいについて自分じぶんとブラッターが仲違なかたがいしたことを認みとめた。ビン・ハマムとCONCACAFのジャック・ワーナーに対たいして贈収賄ぞうしゅうわい容疑ようぎを調査ちょうさしたFIFA倫理りんり委員いいん会かいは、証拠しょうこがないため、ブラッターが贈収賄ぞうしゅうわいに関かんして知しりつつ何なにもしなかったという容疑ようぎの調査ちょうさが（ブラッターに）及およぶことはないと発表はっぴょうした。

国際こくさいオリンピック委員いいん会かい (IOC) がアフリカサッカー連盟れんめい会長かいちょうのイッサ・ハヤトウに対たいする汚職おしょく疑惑ぎわくを調査ちょうさすると発表はっぴょうした後のち、FIFAは「主婦しゅふのように」財政ざいせいを管理かんりしているとブラッターは主張しゅちょうし、IOCを批判ひはんした。

他たの候補者こうほしゃがおらず、来きたる会長かいちょう選挙せんきょでブラッターは反対はんたいされることもなく、203票ひょう中ちゅう186票ひょう獲得かくとくで第だい4期きに再選さいせんを果はたした。選挙せんきょ運動うんどう中ちゅう、もしも2011年ねんに再選さいせんされるのなら、ブラッターは次つぎから会長かいちょうに立候補りっこうほしないと明言めいげんした。他たの対抗たいこう候補者こうほしゃ全員ぜんいんが取とり止とめたり辞退じたいした事実じじつがあるにもかかわらず、2011年ねんの選挙せんきょを延期えんきせずにFIFA会長かいちょうとしての自分じぶんの任期にんきを2015年ねんまで延長えんちょうさせたことで、ブラッターは批判ひはんを受うけた。

財政ざいせい不正ふせい管理かんりの告発こくはつ

部署ぶしょ内部ないぶでは、ブラッターの代行だいこうをするFIFA事務じむ局長きょくちょうで以前いぜんは腹心ふくしんの部下ぶかだったマイケル・ゼン＝ラフィネンは、組織そしき内ないにおける財務ざいむ不正ふせい管理かんりの陳述ちんじゅつを概説がいせつする30ページに及およぶ調査ちょうさ書しょを作成さくせいした。この調査ちょうさ書しょには、FIFAのマーケティングを担当たんとうするインターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー (ISL) の経営けいえい破綻はたんによりブラッターの管理かんり下かで最大さいだい1億おくドルの損失そんしつが発生はっせいしたと述のべられていた。

この陳述ちんじゅつはレナート・ヨハンソンによって裏付うらづけられ、調査ちょうさ書しょがスイス当局とうきょくの手てに渡わたると、局員きょくいんらがブラッターのあらゆる不正ふせい行為こういを白日はくじつの下したに晒さらし、FIFAは全ぜん費用ひようを支払しはらわなければならなくなった。会員かいいんが機密きみつ保持ほじ契約けいやくを破やぶったとの理由りゆうで、FIFAの内部ないぶ調査ちょうさはブラッターによって中止ちゅうしされた。この疑惑ぎわくめいた行動こうどうでブラッターは、2002 FIFAワールドカップ（日にち韓かん共催きょうさい大会たいかい）の直前ちょくぜんにゼン＝ラフィネンを更迭こうてつしている。

2012年ねん4月がつ、ワールドカップのテレビ利権りけんの有利ゆうりな契約けいやくに関連かんれんしてISSM（スポーツ医科いか学がく研究けんきゅう機関きかん）やISLが無名むめいのFIFA役員やくいんに支払しはらった「かなりの合計ごうけい金額きんがく」の件けんやその後ご2001年ねんのISLの経営けいえい破綻はたんに関かんして、ブラッターが認識にんしきしていなかったと「想定そうていするのは難むずかしい」とする報告ほうこく書しょを欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいが公表こうひょうした。欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいの報告ほうこく書しょはストラスブールにある欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいの47加盟かめい国こくからの評議ひょうぎ員いん300人にん以上いじょうにより検討けんとうされる予定よていである。

2018W杯はいと2022W杯はいの開催かいさい地ち授与じゅよ

ロシアが2018年ねん大会たいかい開催かいさいを授与じゅよされた時とき、イングランドは「約束やくそくされた」票ひょうのうち2つしか獲得かくとくできず、イギリスの報道ほうどう機関きかんでは物議ぶつぎが起おこった。この物議ぶつぎはイングランドが自分じぶん自身じしんを「見苦みぐるしい敗者はいしゃ」であると示しめした形かたちとなり、ブラッターによって却下きゃっかされた。2022年ねん大会たいかいのカタール開催かいさいの授与じゅよも物議ぶつぎの余地よちがあった。同国どうこくにおける同性愛どうせいあいの違法いほう扱あつかいが、ブラッターの「ゲイのファンは性行為せいこういを控ひかえるべきだ」という冗談じょうだんにつながり、これが引退いんたいしたバスケットボール選手せんしゅのジョン・アマエチとLGBT権利けんり団体だんたいからの批判ひはんをもたらした。

2013 FIFA倫理りんり委員いいん会かいの調査ちょうさ

2013年ねん4月がつ29日にち、FIFA倫理りんり委員いいん会かいは2001年ねんに経営けいえい破綻はたんした元もとマーケティングパートナー組織そしきインターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー (ISL) からのFIFA役員やくいんへの違法いほうな支払しはらいの告発こくはつに関かんする調査ちょうさを完了かんりょうし、その報告ほうこく書しょを公表こうひょうした。

FIFA会長かいちょうゼップ・ブラッターは不正ふせい行為こうい（の関与かんよ疑惑ぎわく）が晴はれたものの、前任ぜんにん者しゃのブラジル人じんジョアン・アヴェランジェはスキャンダルでFIFAの名誉めいよ会長かいちょうを辞任じにんした。これはアヴェランジェと共ともに元もとFIFA実行じっこう委員いいん会かいのメンバーであるリカルド・テラ・テイシェイラとニコラス・レオスが、1992年ねんから2000年ねん5月がつにかけて違法いほうな支払しはらいを授受じゅじゅしたことが判明はんめいしたためである。

ブラッターは声明せいめいの中なかで、この報告ほうこく書しょは「ブラッター会長かいちょうの行動こうどうがいかなる倫理りんり規則きそくに照てらしても不正ふせい行為こういとして分類ぶんるいしえないないことを裏付うらづけている」ことに「十分じゅうぶん満足まんぞくしている」とした。 ブラッターは、「（自分じぶんが）提案ていあんしたガバナンス改革かいかく方針ほうしんのおかげで、現在げんざいのFIFAがこうした問題もんだいを再ふたたび起おこさせないようにするメカニズムおよび手法しゅほうを備そなえていることは間違まちがいない」と付つけ加くわえたが、一方いっぽうで、このスキャンダルが「（FIFAの）評判ひょうばんに計はかり知しれない損害そんがいを与あたえた」ことを認みとめた。

サッカー発祥はっしょうの物議ぶつぎ

2014年ねん6月がつ、中国ちゅうごくの博物館はくぶつかんに「中国ちゅうごくはサッカー発祥はっしょうの地ち」とする認定にんてい証しょうをおくっていたことが物議ぶつぎになった。

2015 FIFA会長かいちょう選挙せんきょ、論争ろんそうと辞任じにん

詳細しょうさいは「2015年ねんFIFA汚職おしょく事件じけん」を参照さんしょう

アジアサッカー連盟れんめいのサルマン・ビン・イブラヒム・アル=ハリファ会長かいちょうおよびイラン・イスラム共和きょうわ国こくサッカー連盟れんめいのアリ・カファシアン会長かいちょうとの記者きしゃ会見かいけんにいるブラッター。

2015年ねんにFIFA会長かいちょうの選挙せんきょが予定よていされると、ここでブラッターが再ふたたび現職げんしょく候補こうほとなり、5期き連続れんぞくを目指めざした。選挙せんきょではアリ・ビン・フセイン王子おうじがブラッターの対抗たいこう馬ばだった。

2015年ねん5月がつ29日にち、チューリッヒでの第だい65回かいFIFA総会そうかいで投票とうひょうが行おこなわれた。どちらの候補こうほも1回かい目めでは必要ひつような3分ぶんの2以上いじょうの票ひょうを獲得かくとくできず、ブラッター133票ひょうでアリ王子おうじ73票ひょうだった。FIFA規則きそくによると、候補者こうほしゃ2人にんによる2回かい目めが行おこなわれるべきで勝利しょうり条件じょうけんは単たんに過半数かはんすう票ひょうで十分じゅうぶんだった。だが、2回かい目めの投票とうひょうが始はじまる前まえにアリ王子おうじが辞退じたいを発表はっぴょうし、未み投票とうひょうでブラッターが勝利しょうりを手てにした。

2015年ねん6月がつ2日にち、突然とつぜんFIFAはチューリッヒ本部ほんぶにて記者きしゃ会見かいけんを行おこない、そこでブラッターは進行しんこう中ちゅうの汚職おしょくスキャンダルの渦中かちゅうのため、FIFA会長かいちょうの地位ちいを降おりると発表はっぴょうした。

記者きしゃ会見かいけんでブラッターは、「自分じぶんの職務しょくむを全員ぜんいんが支持しじしているようには思おもえない」と語かたり、後継こうけい者しゃを選出せんしゅつするために臨時りんじ総会そうかいを「できるだけ早はやく」予定よていすると発表はっぴょうした。ブラッターは、臨時りんじ総会そうかい（2015年ねん12月から2016年ねん3月がつまでに開催かいさいされる可能かのう性せいが高たかい）で後継こうけい者しゃが選出せんしゅつされるまで、自分じぶんは会長かいちょう職しょくに留とまると発表はっぴょうした。ブラッターは「FIFAの会員かいいんからは委任いにんを受うけているが、ファン、選手せんしゅ、クラブ、FIFAの我々われわれと同おなじようにサッカーを愛あいする人々ひとびと、を含ふくむサッカー界かい全体ぜんたいから委任いにんを受うけたとは感かんじていない」と言葉ことばを続つづけた。

その後ごの6月がつ26日にち、ブラッターが「私わたしは辞任じにんしていない、自分じぶんの任務にんむを臨時りんじ総会そうかいに委ゆだねた」と発言はつげんしたことが（ガーディアン紙かみに）引用いんよう掲載けいさいされた時とき、ブラッターはこの降板こうばん約束やくそくを反故ほごにするつもりかもしれないとの憶測おくそくを呼よんだ。これは、2015年ねん6月がつ2日にちに発はっせられたブラッターのコメントと矛盾むじゅんがあるように思おもわれた。さらに「スポンサーを含ふくめ、FIFAや私わたしの従業じゅうぎょう員いんからプレッシャーを取とり除のぞくために」降おりたと発言はつげんしたことも引用いんようされた。報告ほうこく記事きじは、ブラッターが「臨時りんじ総会そうかい」で辞任じにんすると思おもわれると推測すいそくしたが、状況じょうきょうは不明瞭ふめいりょうだった。

9月25日にち、スイスの調査官ちょうさかんはUEFA会長かいちょうのミシェル・プラティニへの支払しはらいに関連かんれんしてブラッターを調査ちょうさしていると発表はっぴょうした。ブラッターとプラティニは支払しはらいに関かんする一切いっさいの不正ふせいを否定ひていしたが、FIFAの主要しゅようスポンサーであるコカ・コーラ、ビザ・インク、マクドナルド、バドワイザー社しゃはFIFAの利益りえきのために自みずから辞任じにんするよう要求ようきゅうする声明せいめいを発表はっぴょうした。

2015年ねん10月がつ8日にち、ブラッターはFIFAから90日間にちかんの職務しょくむ停止ていしに処しょされ、プラティニに対たいする支払しはらいの調査ちょうさが行おこなわれた。FIFAは声明せいめいの中なかで「これら決定けっていの根拠こんきょは、倫理りんり委員いいん会かいの調査ちょうさ室しつにより実施じっしされた調査ちょうさにある」と語かたった。12月21日にち、FIFA倫理りんり委員いいん会かいはブラッターとプラティニの両りょう名なを8年間ねんかんサッカーに携たずさわる事ことから禁止きんしとした。2016年ねん2月がつに、FIFA不服ふふく申立もうしたて委員いいん会かいは停職ていしょくを支持しじしたが、活動かつどう禁止きんし期間きかんが8年ねんから6年ねんに短縮たんしゅくとなった。

性的せいてき暴行ぼうこうの告発こくはつ

2017年ねん11月、アメリカ女子じょしサッカーのゴールキーパーを務つとめるホープ・ソロが2013年ねんのFIFAバロンドール授与じゅよ式しきにてブラッターを性的せいてき暴行ぼうこうで告発こくはつした。ポルトガルの新聞しんぶんExpressoとのインタビューで、ソロは（自分じぶんとブラッターの）二人ふたりが一緒いっしょにアビー・ワンバックに賞しょうを贈おくる直前ちょくぜん「セップ・ブラッターが私わたしのお尻しりをつかんだ」と語かたった。ソロが言いうには、「自分じぶんはショックで完全かんぜんに狼狽うろたえてしまった。チームメイトに彼女かのじょのキャリア最大さいだいの賞しょうを贈おくり、その瞬間しゅんかんに彼女かのじょとおいするため、私わたしはすぐに自分じぶん自身じしんを正気しょうきに戻もどす必要ひつようがあったので、私わたしは完全かんぜんにアビーに焦点しょうてんを移うつしました」とのことである。ブラッターの広報こうほう担当たんとうThomas Renggliは、「この訴うったえは馬鹿ばかげている」と語かたった。

名誉めいよ

詳細しょうさいは「:en:List of honours received by Sepp Blatter」を参照さんしょう

ブラッターは複数ふくすうの国くに、スポーツ運営うんえい組織そしき、Special Interest Group、大学だいがく、都市としから数すう多おおくの賞しょう、メダル、名誉めいよ学位がくい、市民しみん権けんを授与じゅよされている。例たとえば日本にっぽんも、2009年ねんに民主党みんしゅとう政権せいけんが旭日大綬章あさひだいじゅしょうの叙勲じょくんをブラッターに与あたえている。

デ・モントフォート大学だいがくが出だしたブラッターの名誉めいよ学位がくいは、以前いぜんは彼かれの倫理りんり的てき行為こういが認みとめられていたためのもので、同どう機関きかんによって2015年ねん10月がつに取とり消けされた。

私生活しせいかつ

ブラッターの最初さいしょの妻つまはリリアン・ビナーだった。この夫婦ふうふは娘むすめコリーヌをもうけて、その後ごすぐに離婚りこんした。1981年ねん、ブラッターはFIFAの事務じむ総長そうちょうとして自分じぶんの前任ぜんにん者しゃであったヘルムート・ケザーの娘むすめバーバラ・ケザーと結婚けっこん。彼かれらの結婚けっこんはバーバラが手術しゅじゅつ後ごの合併症がっぺいしょうで亡なくなるまで10年間ねんかん続つづいた。1995年ねん、ブラッターは娘むすめのコリーヌの友人ゆうじんイローナ・ボグスカと交際こうさいを始はじめ、2002年ねんに別わかれたと報道ほうどうされた。

2002年ねん12月23日にちにブラッターは3回かい目めの結婚けっこんをして、その相手あいては娘むすめの友人ゆうじんグラジエラ・ビアンカだった。彼かれらは2004年ねんに離婚りこんした。2014年ねん以降いこう、彼かれはリンダ・バーラスと同棲どうせい関係かんけいにある。

ブラッターはカトリック教徒きょうととして育そだてられた。

関連かんれん項目こうもく

• 『ユナイテッド・パッションズ』-ブラッター役やくとしてティム・ロスが主演しゅえんした2014年ねんの映画えいが。

外部がいぶリンク

• FIFA President's page on official website of FIFA