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塾(じゅく、英: private school)とは、公的な学校システム(大学制度や学校制度)の外にある、私的な学校のことである[1]。
現在では、塾の中心的位置を占めるものは学習塾であり[1]、進学・受験準備のための受験塾と、学校授業の内容を補うことつまり補習を目的とした補習塾がある[1]。ほかにもさまざまなお稽古ごと、習い事の塾(そろばん塾[1]、書道塾、英語塾 等々)もある。この意味では近年では全く同じ活動をしていても「お教室」などとも言い「○○教室」たとえば「書道教室」「英語教室」「琴教室」などとも表現する。なお私的な学びの場というのは、日本に限らず世界各地に古代からあったわけだが、それについては末尾の#関連項目で扱い、ここでは日本の「塾」についてのみ扱う。
以下、歴史を遡り、歴史順に説明する。
- 「塾」はもともとは「門の両脇に設けられた部屋」を指す言葉で、その小部屋で家族や使用人にものを教えたことから、私的な教育の場を意味するようになった[1]。
- 学者や医者などの知識人が自宅で個人的に学問を教えたもので、既に日本では平安時代から大学寮などで教える学者が自宅で別途弟子を採ったものを、家塾と呼んだ。
- 主として江戸時代末期から、明治維新直後でまだ近代学校制度が整っていなかった時期にかけて、儒学から医学、兵学、蘭学など、学者が自宅に生徒・学生を集めて教えたもの。私塾ともいう。同時期に国学塾、漢学塾、洋学塾などがあった。今日の初等教育に当たる読み書き算盤を教えた寺子屋とは区別された。
- 上記のうち、幕末から明治初期にかけて設立された私塾の中には、その後大規模な私立学校へと発展し、日本の大学制度や学校制度に沿う形になり、津田塾、慶應義塾、東奥義塾のように大学や高校の名称としても「塾」を残したものもある。
- 歴史的な以上のものから派生して、今日、学校の外で進学準備や補習のために児童・生徒が通う学習塾を指し、他にも学校では授業時間の少ない内容を学習する書道塾、算盤塾、英語塾のことも指す。
- 現在、日本では一般に「塾」というと学習塾を指すことが多い、世界的に見ればその存在は珍しいが日本では子供が小・中・高に通う親たちを顧客としたビジネスが定着している。学習塾には、進学・受験のための受験塾と、学校の授業内容や補習を目的とした補習塾がある。⇒学習塾
- 子供や若者を対象にした上述の塾の歴史的な精神を引き継ぎ、有為の人材つまり社会の未来や特定の領域の未来をになってくれるような人材を育成するインフォーマルな教育を行う場にもしばしば「塾」の名前が用いられる。次代の商工業者、農業者、技術者の育成、引きこもりの支援、NPO等の人材開発などを目的とする。例えば、松下政経塾、一新塾、小沢一郎政治塾など。
- ^ “ソクラテス学派とは”. コトバンク. 2022年9月15日閲覧。