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大塚おおつか雅まさ淑よし

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大塚おおつか 雅まさ淑よし（おおつか まさよし[1]、1976年ねん[2][3]（昭和しょうわ51年ねん）9月がつ10日とおか[1] - ）は、日本にっぽんの栃木とちぎ県けん芳賀はが郡ぐん益子ましこ町まちの「益子ましこ焼しょう」の陶芸とうげい家かである[4][2][3]。

同おなじく益子ましこ焼しょうの陶芸とうげい家かであった大塚おおつか健一けんいちの息子むすこであり、益子ましこ焼しょうの窯元かまもとである「健けん一いち窯かま」の2代目だいめ当主とうしゅである[1][2] [3][5][6][7]。

来歴らいれき

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1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）、健けん一いち窯かまの初代しょだい当主とうしゅである大塚おおつか健一けんいちの長男ちょうなんとして栃木とちぎ県けん芳賀はが郡ぐん益子ましこ町まちに生うまれる[2][3]。

物心ぶっしんが付ついた時ときには既すでに、益子ましこ焼しょうはいつも傍はたにあり、身近みぢかなものだった[3]。身体しんたいを動うごかすのがとても大好だいすきな子こどもだったが、その頃ころから既すでに自分じぶんが家業かぎょうを継つぐかもしれない、と思おもっていた[3]。

そして高校こうこうは母親ははおやの勧すすめで、陶芸とうげいの教育きょういく課程かていがあった[注釈ちゅうしゃく 1]栃木とちぎ県立けんりつ益子ましこ高校こうこう（現げん・栃木とちぎ県立けんりつ益子ましこ芳かおる星ぼし高等こうとう学校がっこう）[9]に進学しんがく。窯元かまもとの跡継あとつぎとしての第一歩だいいっぽを踏ふみ出だした[3][10]。

ところが高校こうこう時代じだいはサッカーに熱中ねっちゅうし、家業かぎょうを継つぐことへの意識いしきは今いまひとつであり、一時いちじは運動うんどう関係かんけいの道みちへ進すすむことも考かんがえていたという[1]。

そして高校こうこう卒業そつぎょう後ごの1997年ねん（平成へいせい9年ねん）、栃木とちぎ県けん窯業ようぎょう指導しどう所しょ（現げん・栃木とちぎ県けん産業さんぎょう技術ぎじゅつセンター 窯業ようぎょう技術ぎじゅつ支援しえんセンター）に入所にゅうしょ[11]。しかし、窯業ようぎょう指導しどう所しょにいた頃ころは、轆轤ろくろ挽ひきにもいまいち身みが入はいっていなかったという[1]。

それでも窯業ようぎょう指導しどう所しょで2年間ねんかん学まなび修了しゅうりょう。同時どうじに父ちち・健一けんいちに師事しじした[5][12][7][10][13][11]。

轆轤ろくろ挽ひきから改あらためて学まなんだ。しかし父ちち・健一けんいちからは「器うつわに厚あつみが無ない」ことを指摘してきされ、天てん日干ひぼしをしていた素焼すやき前まえの器うつわを台所だいどころに運はこばれ、暗あんに「駄目だめだ」と指摘してきされてしまったこともあった[1]。雅まさ淑よしが薄うすい器うつわにこだわり始はじめたのには訳わけがあり、益子ましこ陶器とうき市しで「益子ましこ焼しょうの器うつわは重おもいから」というお客きゃくさんの声こえが耳みみに入はいったからであった。悔くやしくて全部ぜんぶ壊こわして一いちから作つくり直なおしたが、それでも維持いじでも「薄うすい厚あつみの轆轤ろくろ挽ひき」は変かえなかった[1]。

土どの扱あつかいに慣なれた5年ねん後ごからは釉薬の調合ちょうごうもするようになった。朝あさから晩ばんまでひたすら仕事しごとに打うち込こむ職人しょくにん気質きしつであった厳きびしい父ちち・健一けんいちの指導しどうに耐たえ、日々ひびこつこつと土どに向むかう健けん一いちの姿勢しせいに教おしえられながら、作さく陶すえの仕事しごとにも慣なれ、仕事しごとに対たいして惰性だせいな日々ひびを送おくっていた時ときに、茨城いばらき県けん潮来いたこ市し生うまれで、東京とうきょう・明星大学めいせいだいがく日本にっぽん文化ぶんか学部がくぶ造形ぞうけい芸術げいじゅつ学科がっかで夢中むちゅうで陶芸とうげいを学まなび、笠間かさま焼しょうか益子ましこ焼しょうか、どちらかで陶芸とうげいの仕事しごとに就つきたい、と見学けんがくにやってきた奈緒子なおこと出会であった[14][15][15][16]。

そして雅まさ淑よしは菜緒なお子この轆轤ろくろ使づかいを見みて「自分じぶんよりも上手うまい」と衝撃しょうげきを受うけた。一方いっぽうの菜緒なお子こも益子ましこ焼しょうの魅力みりょくに惹ひかれ、たびたび益子ましこを、健けん一いち窯かまを訪おとずれるようになり、2004年ねん（平成へいせい16年ねん）に菜緒なお子こも父ちち・健一けんいちに師事しじし[12][15][7]、その1年ねん後ごの2005年ねん（平成へいせい17年ねん）に2人ふたりは結婚けっこんした[10]。

父ちち・健一けんいちが作つくる伝統でんとう的てきな益子ましこ焼しょうに反発はんぱつし、「今いままでと同おなじ事ごとをやっていても駄目だめだ」と[1]、今いままでの益子ましこ焼しょうとは異ことなる、父親ちちおやとは異ことなる器うつわを作つくろうともがいていた雅まさ淑よしであったが、陶芸とうげいについてなんでも語かたり合あえて、互たがいの作品さくひんを評価ひょうかし合あえる相手あいてと出会であい結婚けっこんしたことで、雅まさ淑よしの、陶芸とうげいに、そして益子ましこ焼しょうに対たいする考かんがえ方かたが変かわっていった[10]。菜緒なお子こが作つくる、益子ましこの土どを使つかったぽってりとした器うつわに、益子ましこ焼しょうの伝統でんとう釉薬である糠ぬか白しろ、柿かき釉、糠ぬか青磁せいじ、飴あめ釉を使つかい彩いろどったモダンな作品さくひん[7][16][17]を観みていくうちに、改あらためて「益子ましこ焼しょう」の良よさに気きが付ついていった[18]。

そして2014年ねん（平成へいせい26年ねん）3月26日にち、伝統でんとう継承けいしょう者しゃの若返わかがえりを図はかるために、実じつに18年ねんぶりに試験しけんが実施じっしされ、5名めいのうちの1人ひとりとして、大塚おおつか信夫しのぶ（象嵌ぞうがんてん）、大塚おおつか一弘かずひろ（清きよし窯かま）、萩原はぎはら芳典よしのり（萩原はぎはら製せい陶すえ所しょ）、小峰こみね一浩かずひろ（小峰こみね窯かま）と共ともに、国くにから益子ましこ焼しょう伝統でんとう工芸こうげい士しに認定にんていされた[19][20][21]。またこの5名めいは栃木とちぎ県けんの「益子ましこ焼しょう伝統でんとう工芸こうげい士し」にも認定にんていされた[22]。

そして2016年ねん（平成へいせい28年ねん）1月がつ26日にちに、父ちち・健一けんいちが逝去せいきょした[23][24]。

そして現在げんざい「健けん一いち窯かま」2代目だいめとして、自分じぶんの作つくりたい器うつわを作つくる妻つま・菜緒なお子こに敬意けいいを払はらいながら、なおかつ自分じぶんの作つくりたい益子ましこ焼しょうの伝統でんとうを忘わすれず、かつ核心かくしんな作品さくひんに挑戦ちょうせんしながら[3]、その一方いっぽうで夫婦ふうふ揃そろって益子ましこ焼しょうコラボTてぃーシャツ企画きかくに参加さんかしながら[15][25]、年とし二に回かいの個展こてんや展示てんじ会かいでの実演じつえんや [26]デパートの催事さいじやSNSなどの宣伝せんでん活動かつどうを通とおして「益子ましこ焼しょうの良よさ」を広ひろめている[7][27]。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 現在げんざいの栃木とちぎ県立けんりつ益子ましこ芳かおる星ぼし高等こうとう学校がっこうにも陶芸とうげいが学まなべる「デザインコース」がある[8]。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h 「下野げや新聞しんぶん」2010年ねん（平成へいせい22年ねん）2月がつ21日にち付づけ 24面めん「益子ましこに吹ふく風ふう 県内けんないの若手わかて陶芸とうげい家かたち ２１」「大塚おおつか雅まさ淑よし（おおつかかずひろ）さん」「釉薬が溶とけ合あう面白おもしろさ」
  2. ^ a b c d “大塚おおつか 雅まさ淑よし”. 【陶すえ庫こ】公式こうしきウェブサイト. 2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d e f g h “匠たくみを訪たずねて～益子ましこ焼しょう 飽あきない益子ましこ焼しょうを作つくり続つづける行動こうどう力りょく｜青山あおやまスクエアで匠たくみコーナーに出展しゅってん中ちゅうの大塚おおつか雅まさ淑よしさんを訪たずねました。”. 伝統でんとう工芸こうげい 青山あおやまスクエア (2018年ねん5月がつ18日にち). 2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  4. ^ とちぎの技わざ・匠たくみ,栃木とちぎ県立けんりつ博物館はくぶつかん 2018, p. 38-39,96.
  5. ^ a b “大塚おおつか雅まさ淑よし｜作家さっか・窯元かまもと・販売はんばい店てん紹介しょうかい”. 益子ましこWEB陶器とうき市し. 2023年ねん5月がつ26日にち閲覧えつらん。
  6. ^ 健けん一いち窯かま｜益子ましこ焼しょうの展示てんじ・販売はんばい店てん一覧いちらん｜Mashiko-DB.net　2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  7. ^ a b c d e “春はるのクラフトマーケット　益子ましこのうつわ”. マニア区く (2022年ねん3月がつ11日にち). 2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  8. ^ “教育きょういく課程かてい・コースなど”. 栃木とちぎ県立けんりつ益子ましこ芳かおる星ぼし高等こうとう学校がっこう. 2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  9. ^ “教育きょういく課程かてい・コースなど”. 学校がっこう沿革えんかく. 2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  10. ^ a b c d 関根せきね由子ゆうこ,論ろん創そう社しゃ 2017, p. 126.
  11. ^ a b とちぎの技わざ・匠たくみ,栃木とちぎ県立けんりつ博物館はくぶつかん 2018, p. 39.
  12. ^ a b “【入荷にゅうか情報じょうほう】益子ましこ焼しょう 健けん一いち窯かま”. 和食わしょく器きのお店みせ Soil浅草あさくさ. 2023年ねん5月がつ26日にち閲覧えつらん。
  13. ^ 関根せきね由子ゆうこ,論ろん創そう社しゃ 2017, p. 147.
  14. ^ 大塚おおつか 菜緒なお子こ (@naoko_otsuka04) - Instagram
  15. ^ a b c d “【ARAI PRINTING】大塚おおつか菜緒なお子こ①　Lサイズ_Tてぃーシャツ”. 益子ましこWEB陶器とうき市し. 2023年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
  16. ^ a b “【大塚おおつか菜緒なお子こさん】　窓まどから見みえる益子ましこの風景ふうけい　大塚おおつか菜緒なお子こさんのトリの置おき物もの”. アンジェ 気きままな暮くらしの向むこう側がわ 日々ひびのコラム. 2023年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
  17. ^ “大塚おおつか菜緒なお子こ hirari皿さら 大だい 茶ちゃ”. SLOW MARKET　スローマーケット　器うつわと雑貨ざっかと美味おいしいもののお店みせ. 2023年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
  18. ^ 関根せきね由子ゆうこ,論ろん創そう社しゃ 2017, p. 126-130.
  19. ^ 「下野げや新聞しんぶん」2014年ねん（平成へいせい26年ねん）3月がつ27日にち付づけ 25面めん「益子ましこ焼しょう 18年ねんぶり認定にんてい」「伝統でんとう工芸こうげい士し 新あらたに5人にん」「３０～５０代だい、若わかさに期待きたい」
  20. ^ 「読売新聞よみうりしんぶん」2014年ねん3月がつ27日にち付づけ 34面めん 栃木とちぎ版ばん2面めん「益子ましこ焼しょう工芸こうげい士しに5人にん 18年ねんぶり認定にんてい 「新あたらしい伝統でんとう作つくる」=栃木とちぎ」
  21. ^ “益子ましこ焼しょう　認定にんてい伝統でんとう工芸こうげい士し”. 日本にっぽんの伝統でんとう工芸こうげい士し. 2023年ねん9月がつ21日にち閲覧えつらん。
  22. ^ “栃木とちぎ県けん伝統でんとう工芸こうげい士し認定にんてい者しゃ一覧いちらん”. とちぎの伝統でんとう工芸こうげい品ひん. 2023年ねん6月がつ11日にち閲覧えつらん。、PDFファイルダウンロードで閲覧えつらん。
  23. ^ “益子ましこ町まち　陶芸とうげい家か「大塚おおつか 健一けんいち　遺作いさく展てん」を訪おとずれた。　2016/2/6”. 栃木とちぎぶらぶら再さい発見はっけん　２ｎｄ (2016年ねん2月がつ9日にち). 2023年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
  24. ^ 大塚おおつか雅まさ淑よし [@masayoshi__otsuka] (2016年ねん2月がつ6日にち). "この度たび1月がつ26日にちに…". Instagramより2023年ねん9月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  25. ^ “【ARAI PRINTING】大塚おおつか雅まさ淑よし①　Lサイズ_Tてぃーシャツ”. 益子ましこWEB陶器とうき市し. 2023年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
  26. ^ “益子ましこ焼しょう伝統でんとう工芸こうげい士し 大塚おおつか雅まさ淑よし展てん”. 伝統でんとう工芸こうげい 青山あおやまスクエア (2019年ねん5月がつ). 2023年ねん6月がつ1日にち閲覧えつらん。
  27. ^ 関根せきね由子ゆうこ,論ろん創そう社しゃ 2017, p. 130.

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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Instagram記事きじ

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