タブロイド

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大衆たいしゅうから転送てんそう
国際こくさいてき新聞しんぶんばんがた比較ひかく

タブロイドえい: Tabloid)とは、新聞しんぶんはんがたのひとつである。元々もともとこのサイズを採用さいようしていた新聞しんぶんがセンセーショナルな事件じけん報道ほうどうゴシップ報道ほうどうなどにちかられる大衆たいしゅうであったことから、てんじて大衆たいしゅう報道ほうどうスタイルをかたりとしてももちいられる。タブロイド判たぶろいどばんともばれる[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

英国えいこく各紙かくしタブロイド判たぶろいどばんがたした高級こうきゅうこんじる)

国際こくさいてきにはおよそ285×400ミリメートル (mm) (11¼×15¾インチ) 前後ぜんこうはんがたタブロイド判たぶろいどばんしょうし、大型おおがた新聞しんぶんばんがたであるブロードシートばん (375×600mm) やノルディッシュばん (400×570mm) にちなみ、「ハーフ=ブロードシート」(Half-broadsheet) 、「ノルディック・ハーフ」(Nordic half) などとしょうする場合ばあいもある。

ハーフ・ベルリナーばん (235×315mm前後ぜんこう) を広義こうぎタブロイド判たぶろいどばんふくめる場合ばあいられる。

日本にっぽんでは、おも輪転りんてん印刷いんさつもちいるロール国内こくないローカルサイズにもとづくはんがたである「ブランケットばん」(406×545mm) の半分はんぶんにあたる273×406mmを「タブロイド判たぶろいどばん」としょうしている。また、1950ねん施行しこうされた公職こうしょく選挙せんきょほうでは、選挙せんきょ運動うんどうのために使用しようするポスターは「タプロイドがたながよんじゅういちセンチメートル、はばじゅうはちセンチメートル)をえてはならない。」と規定きていされていた。

歴史れきし[編集へんしゅう]

1880年代ねんだい後半こうはんに、ロンドンアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく本社ほんしゃ製薬せいやく会社かいしゃであるバロウズ・ウェルカム・アンド・カンパニーが、それまで一般いっぱんてきだった粉薬こぐすり圧縮あっしゅく整形せいけいして服用ふくよう容易よういにした固形こけい製剤せいざい錠剤じょうざい (tablet) を開発かいはつし、「タブロイド」(Tabloid) の商品しょうひんめい発売はつばいした。

「タブロイド」錠剤じょうざいはイギリスでひろ普及ふきゅうしたことから、1914ねんえいソッピースしゃ生産せいさんした小型こがた複葉ふくようスポーツ飛行機ひこうきが「ソッピース・タブロイド」と命名めいめいされるなど、20世紀せいきはじめにかけて小型こがたのものをしめ言葉ことばとして「タブロイド」が流行りゅうこうとなり、紙面しめんなど内容ないようをまとめて簡略かんりゃくしたみじか報道ほうどう記事きじも「タブロイド」としょうされた。

レッドトップス・タブロイド[編集へんしゅう]

1896ねん、イギリスで最初さいしょ大衆たいしゅうとして『デイリー・メール』が創刊そうかんされたが、同紙どうしは1970年代ねんだいまでブロードシートばん採用さいようした。新聞しんぶんばんがたとしての「タブロイド判たぶろいどばん」が登場とうじょうしたのは1918ねんで、大衆たいしゅうザ・サン』『デイリー・スター』『デイリー・ミラー』などにひろ採用さいようされた。

タブロイド判たぶろいどばん採用さいようしたイギリスのこれらの新聞しんぶんは、題字だいじあかいことにちなんで「レッドトップス」(Red tops) ともばれ、犯罪はんざいやスポーツ、せいゴシップ記事きじなどを、虚報きょほうまじえて扇情せんじょうてき報道ほうどうすることで部数ぶすう獲得かくとくする編集へんしゅうスタイルを現代げんだいいたるまでつらぬき、名誉めいよ棄損きそんうったえられるケースもすくなくない。結果けっかとしてイギリスでは、これらの報道ほうどう機関きかん報道ほうどう姿勢しせいしめ言葉ことばとして「タブロイド・プレス」(Tabloid press) のかたり定着ていちゃくした。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでも1920ねん前後ぜんごタブロイド判たぶろいどばん採用さいようした『デイリーニューズ』『ニューヨーク・デイリー・ミラー』『ニューヨーク・イヴニング・グラフィック』の各紙かくし誕生たんじょうし、当時とうじ大手おおてメディアが醜聞しゅうぶんかんがけていた犯罪はんざい報道ほうどうせい、ゴシップ記事きじきそって掲載けいさいしたが、アメリカでは扇情せんじょうてき過熱かねつ報道ほうどう次第しだいかげをひそめた。

コンパクト・タブロイド[編集へんしゅう]

20世紀せいき後半こうはんになると、紙面しめん改革かいかくはじめた欧米おうべい高級こうきゅうが、通勤つうきんちゅうにもみやすい小型こがたはんがたとしてタブロイド判たぶろいどばん着目ちゃくもくした。1970年代ねんだいにイギリスの『デイリー・メール』と『デイリー・エクスプレス』がブロードシートばんからタブロイド判たぶろいどばん移行いこうし、『デイリー・メール』は旧来きゅうらいのレッドトップスのイメージから脱却だっきゃく企図きとしてあたらしいはんがたに「コンパクトばん」(Compact) の名称めいしょう提唱ていしょうした。

小型こがたはんがた現代げんだいてき特徴とくちょうてき紙面しめんづくりに有利ゆうりで、イギリスでは2007ねん以降いこうに『スコッツマン』や『タイムズ』などが相次あいついでタブロイド判たぶろいどばん移行いこうし、紙面しめんデザインを刷新さっしんした。アメリカでも『ニューヨーク・ポスト』『フィラデルフィア・デイリー・ニュース』『ボストン・ヘラルド』などがタブロイド判たぶろいどばん移行いこうしたが、「地下鉄ちかてつばん」や「地方ちほうばん」だけをタブロイド判たぶろいどばんにしているしゃもある。

タブロイド判たぶろいどばんちいささをけ、イギリスの『ガーディアン』やフランスの『ル・モンド』など、タブロイド判たぶろいどばんよりいちまわおおきいベルリナーばん紙面しめん小型こがた実現じつげんするしゃえている。

日本にっぽん全紙ぜんしタブロイド[編集へんしゅう]

1947ねん昭和しょうわ22ねん)、学童がくどうよう教科書きょうかしょ用紙ようし不足ふそく深刻しんこくしたため、同年どうねん3がつ9にち日本にっぽん新聞しんぶん協会きょうかい所属しょぞくの116しゃしゅう2かいがつ)の新聞しんぶんタブロイド判たぶろいどばん発行はっこうすることとした。この措置そち同年どうねん5がつまでつづけられた[2]

タブロイド判たぶろいどばん新聞しんぶん[編集へんしゅう]

イギリス[編集へんしゅう]

レッドトップス[編集へんしゅう]

コンパクト[編集へんしゅう]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

台湾たいわん[編集へんしゅう]

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

北朝鮮きたちょうせん[編集へんしゅう]

  • The Pyongyang Times - 英字えいじ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ タブロイド判たぶろいどばんとはどういうものでしょうか?”. JAGAT (2014ねん8がつ17にち). 2023ねん11月21にち閲覧えつらん
  2. ^ 世相せそう風俗ふうぞく観察かんさつかい増補ぞうほ新版しんぱん 現代げんだい世相せそう風俗ふうぞく年表ねんぴょう 昭和しょうわ20ねん(1945)-平成へいせい20ねん(2008)』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2003ねん11月7にち、19ぺーじISBN 9784309225043 
  3. ^ 八王子はちおうじ日野ひの町田まちだ相模原さがみはら地域ちいき情報じょうほう 「ショッパー」 (2022ねん2がつ9にち). “ショッパー 媒体ばいたい資料しりょう”. 八王子はちおうじ日野ひの町田まちだ相模原さがみはら地域ちいき情報じょうほう 「ショッパー」. 2022ねん12月24にち閲覧えつらん
  4. ^ 株式会社かぶしきがいしゃ東京とうきょう新聞しんぶんショッパーしゃ株式かぶしき取得しゅとく子会社こがいしゃ)にかんするおらせ”. 地域ちいき新聞しんぶんしゃ. 2022ねん12月25にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]