官職かんしょく要よう解かい

官職かんしょく要よう解かい（かんしょくようかい）は1902年ねんに、和田わだ英松ひでまつが刊行かんこうした日本にっぽんの前ぜん近代きんだいの官職かんしょくの沿革えんかくについて述のべた本ほんである。

和田わだは日本にっぽんの国史こくし・国文学こくぶんがくを学まなぶ上うえで官職かんしょく制度せいどの変遷へんせんとその内容ないようを知しる必要ひつようがあるにもかかわらず、適切てきせつな解説かいせつ書しょが無ない事ことから、1900年ねん以来いらい『国語こくご漢文かんぶん講義こうぎ録ろく』誌上しじょうで連載れんさいしていた「官職かんしょく講義こうぎ」を増補ぞうほ・修正しゅうせいする形かたちで1902年ねん9月がつに明治めいじ書院しょいんから刊行かんこうされた。

その後ご、和田わだは1911年ねんに唐名とうみょう索引さくいんを加くわえた増ぞう版ばんを出だし、更さらなる改訂かいていを考かんがえていたが、関東大震災かんとうだいしんさいによって多おおくの史料しりょうと改訂かいていの原稿げんこうを焼失しょうしつし断念だんねん、1925年ねんに最低限さいていげんの改訂かいてい・増補ぞうほを行おこなった修訂しゅうてい版ばんを刊行かんこうした。

和田わだの没後ぼつご1983年ねんに所ところ功いさお校訂こうていで、現代げんだい文ぶん表記ひょうきに改あらため補注ほちゅうにより一部いちぶ訂正ていせいし文庫ぶんこ刊行かんこうされた。

和田わだは『令れい義ぎ解かい』や『官職かんしょく秘ひ抄しょう』『職しょく原げん鈔』『百ひゃく寮りょう訓くん要よう抄しょう』『官制かんせい沿革えんかく略りゃく史し』などの先行せんこうする法制ほうせい・有職ゆうしょく書しょをはじめ、六ろく国史こくし以下いかの歴史れきし書しょ、『源氏物語げんじものがたり』『栄花物語えいがものがたり』『平家ひらか物語ものがたり』などの物語ものがたり文学ぶんがく、和歌集わかしゅうや公家くげ日記にっきなどを参考さんこうにして執筆しっぴつしており、本文ほんぶんは簡便かんべんなるも引用いんよう史料しりょうは豊富ほうふで、現在げんざいもなお用もちいられている。また、記述きじゅつの中心ちゅうしんは律令りつりょう官制かんせいをはじめとする平安へいあん時代じだいの官制かんせいであるが、古代こだいの官制かんせいや武家ぶけや神職しんしょく・僧侶そうりょの官制かんせいについても解説かいせつされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 和田わだ英松ひでまつ『修訂しゅうてい 官職かんしょく要よう解かい』明治めいじ書院しょいん、1926年ねん。doi:10.11501/1879908。https://dl.ndl.go.jp/pid/1879908/1/3。 
  • 和田わだ英松ひでまつ『新しん訂てい 官職かんしょく要よう解かい』、所ところ功いさお校訂こうてい、講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ、1983年ねん。ISBN 4061586211

関連かんれん項目こうもく

• 官職かんしょく秘ひ抄しょう
• 職しょく原げん抄しょう
• 百ひゃく寮りょう訓くん要よう抄しょう
• 大だい日本にっぽん史しの職しょく官かん志こころざし
• 職しょく官かん志こころざし（蒲生がもう秀實ひでみ 著ちょ）