小熊こぐま捍

小熊こぐま 捍

人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	1885年ねん8月がつ24日にち 日本にっぽん 東京とうきょう府ふ赤坂あかさか区く
死没しぼつ	(1971-09-10) 1971年ねん9月がつ10日とおか（85歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東北とうほく帝国ていこく大学だいがく農のう科か大学だいがく農学のうがく科か
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	昆虫こんちゅう学がく、細胞さいぼう学がく、遺伝いでん学がく
学位がくい	農学のうがく博士はかせ
主おもな受賞じゅしょう歴れき	紫綬褒章しじゅほうしょう

小熊こぐま 捍（おぐま まもる、1885年ねん8月がつ24日にち - 1971年ねん9月がつ10日とおか）は、日本にっぽんの昆虫こんちゅう学者がくしゃ、遺伝いでん学者がくしゃ（農学のうがく博士はかせ）。

経歴けいれき

東京とうきょう府ふ出身しゅっしん。中学ちゅうがく時代じだいに松村まつむら松年しょうねんに刺激しげきを受うけ、1903年ねん、東京とうきょう府立ふりつ第だい一いち中学校ちゅうがっこう（現げん・東京とうきょう都立とりつ日比谷ひびや高等こうとう学校がっこう）から札幌さっぽろ農のう学校がっこうに進学しんがく。1911年ねん、東北とうほく帝国ていこく大学だいがく農のう科か大学だいがく農学のうがく科か（現げん・北海道大学ほっかいどうだいがく農学部のうがくぶ）を卒業そつぎょうし、農業のうぎょう生物せいぶつ学がく教室きょうしつ教員きょういんとなる。1922年ねんから2年間ねんかん、イギリス・ドイツ・ベルギーへと留学りゅうがく。1929年ねん、八田はった三郎さぶろう教授きょうじゅの定年ていねん退職たいしょくに伴ともない、北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく農学部のうがくぶ動物どうぶつ学がく昆虫こんちゅう学がく養蚕ようさん学がく第だい一いち講座こうざ教授きょうじゅとなる。翌よく1930年ねん、同どう大学だいがくに新設しんせつされた理学部りがくぶ動物どうぶつ学科がっか教授きょうじゅに移動いどうし、第だい一いち講座こうざの後任こうにんには犬飼いぬかい哲夫てつおが就任しゅうにんした。トンボの研究けんきゅうの権威けんいとして知しられた。北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく理学部りがくぶ長ちょう、北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく低温ていおん科学かがく研究所けんきゅうじょ長ちょう、北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく厚岸あっけし臨海りんかい実験じっけん所しょ施設しせつ長ちょう、北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく触媒しょくばい研究所けんきゅうじょ（現げん・北海道大学ほっかいどうだいがく触媒しょくばい科学かがく研究所けんきゅうじょ）施設しせつ長ちょう、国立こくりつ遺伝いでん学がく研究所けんきゅうじょ長ちょう（初代しょだい）、札幌さっぽろ新しん交響こうきょう楽団がくだん後援こうえん会長かいちょうなどの要職ようしょくを歴任れきにんした。1955年ねんに退官たいかん。1963年ねん紫綬褒章しじゅほうしょう受章じゅしょう。

昆虫こんちゅう学がく、細胞さいぼう学がく、遺伝いでん学がくの分野ぶんやで多おおくの業績ぎょうせきを残のこしたが、中なかでも「蜻蛉とんぼ複眼ふくがんの組織そしき学がく的てき研究けんきゅう」（1919年ねん）や、木原きはら均ひとし（北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく農学部のうがくぶ卒業そつぎょう、のちに京都きょうと大学だいがく教授きょうじゅ）と共同きょうどうで行おこなった「人類じんるいの染色せんしょく体たいに関かんする研究けんきゅう」（1922年ねん）は独創どくそう的てきな研究けんきゅうとして高たかく評価ひょうかされている。日本にっぽん軍ぐんに依頼いらいし、捕とらえられた中国ちゅうごく東北とうほく部ぶの抗日こうにち武装ぶそう活動かつどう家か（いわゆる匪賊ひぞく）の睾丸こうがんを入手にゅうしゅ、その染色せんしょく体たいを観察かんさつし、1937年ねん6月がつアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの科学かがく雑誌ざっしに論文ろんぶんを発表はっぴょうした。

さっぽろ・ふるさと文化ぶんか百ひゃく選せんに選定せんていされていた小熊こぐまの自宅じたく（フランク・ロイド・ライトの弟子でしであった田上たうえ義也よしやが1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）に設計せっけい）は札幌さっぽろ市し中央ちゅうおう区く南みなみ1条じょう西にし20丁目ちょうめにあったが、解体かいたい後ごの1998年ねん（平成へいせい10年ねん）に藻岩山もいわやまのふもとの中央ちゅうおう区く伏見ふしみ5丁目ちょうめへ移築いちくされ、観光かんこう名所めいしょ（2017年ねん11月まではろいず珈琲こーひー館かんが営業えいぎょう、2018年ねん4月がつ以降いこうはフライ・フィッシングプロショップのドリーバーデンが営業えいぎょう）になっている。山階やましな芳よし麿まろの指導しどう教官きょうかんとしても知しられる。有島ありしま武郎たけおや早川はやかわ三代治みよじと親交しんこうがあった。

主おもな著書ちょしょ

旧きゅう小熊こぐま邸てい（2015年ねん5月がつ）

• 「動物どうぶつ細胞さいぼう學がく實驗じっけん法ほう」『生物せいぶつ學がく實驗じっけん法ほう講座こうざ〔8〕動物どうぶつ組織そしき學がく實驗じっけん法ほう』建たて文ぶん館かん、1937年ねん-1938年ねん
• 『虫むしの進軍しんぐん』北方ほっぽう出版しゅっぱん社しゃ、1946年ねん10月がつ
• 『国立こくりつ遺伝いでん研究所けんきゅうじょ設立せつりつの急務きゅうむ 人的じんてき資源しげん・食料しょくりょう生産せいさん拡充かくじゅう・及および民族みんぞく強化きょうか問題もんだい解決かいけつの根本こんぽん方策ほうさく』自家じか出版しゅっぱん、1939年ねん
• 『桃もも栗ぐり三さん年ねん』内田うちだ老ろう鶴づる圃、1957年ねん、日本にっぽんエッセイスト・クラブ賞しょう受賞じゅしょう
• 『雀すずめの食堂しょくどう』講談社こうだんしゃ、1966年ねん