小砂こいさご焼しょう

小砂こいさご焼しょう（こいさごやき）は栃木とちぎ県けん那須なす郡ぐん那珂川なかがわ町まちで焼やかれる陶器とうき。

概要がいよう

江戸えど時代じだい末期まっき、小砂こいさごの地ちで陶土とうどが見みつかり、作さく陶すえが始はじまったという。藩主はんしゅ徳川とくがわ斉昭なりあきが那珂湊なかみなと反射はんしゃ炉ろを建造けんぞうするため、レンガを焼やく陶土とうどを探さがしたのがきっかけとも、1830年ねん（天保てんぽう元年がんねん）に斉昭なりあきがこの陶土とうどを発見はっけんし、水戸みと藩はん営御用よう製せい陶すえ所しょの原料げんりょうとして使つかわれたのが興おこりともいう。初代しょだい半平はんぺん（斎藤さいとう栄三郎えいさぶろう）は越中えっちゅう富山とやまから来きた焼やき物もの職人しょくにんで、志鳥しとり村むら（現げん那須なす烏山うざん市し）で作さく陶すえをしていたが、小砂こいさご村むらの庄屋しょうや藤田ふじた家かに招まねかれ、登のぼり窯かまを築きずいた。初代しょだい半平はんぺんは後のちに藤田ふじた家かと親子おやこの契ちぎりを結むすび、名なを改あらためて土地とちを譲ゆずり受うけ、窯かまを移うつしたという。後のちに小しょう砂すなの大金おおかね彦三郎ひこさぶろうも自みずから陶すえ窯かまを築きずいた。

独特どくとくの金色きんいろを帯おびた黄色おうしょくの金かね結晶けっしょうやほんのりとした桃色ももいろの辰たつ砂すなが有名ゆうめいであり、素朴そぼくな中なかにどこか優雅ゆうがさを感かんじさせると評ひょうされる。

2015年ねん、6代目だいめ藤田ふじた真一しんいちによって、半平はんぺんの登のぼり窯かま跡地あとちに碑いしぶみが設置せっちされた。