山本やまもと竹たけ雲くも

山本やまもと 竹たけ雲くも （やまもと ちくうん、男性だんせい、文政ぶんせい2年ねん（1819年ねん） – 明治めいじ21年ねん（1888年ねん）4月がつ27日にち）は、明治めいじ期きの日本にっぽんの篆刻てんこく家か・茶人ちゃじんである。

名なは戈ほこまたは勇いさむ、字じは中立ちゅうりつ、竹たけ雲くもは号ごうで堂どう号ごうに深ふか竹ちく軒のき、夢ゆめ硯すずり堂どうなどがある。備前びぜん児島こじま郡ぐん味あじ野地のじ区く（現げん・倉敷くらしき市し児島こじま）の人ひと。

略伝りゃくでん

備前びぜん児島こじま郡ぐんの裕福ゆうふくな家いえに生うまれ、煎茶せんちゃが盛さかんだった高松たかまつに遊あそぶ。その後ごに京都きょうとに出でて御池おいけ柳やなぎ馬場ばばに住すんだ。篠崎しのざき小竹こだけの門下もんかで儒学じゅがくを学まなぶ。花卉かき画がをよくし、煎茶せんちゃに通つうじた。篆刻てんこくは高松たかまつにいるとき細川ほそかわ林谷はやしだにに学まなび、各地かくちで売うれ印しるして生計せいけいを立たてている。文ぶん房ぼう趣味しゅみに詳くわしく煎茶せんちゃ器きの鑑定かんていもした。

江馬えま天たかし江こう、谷たに如意にょい、山中やまなか静しず逸いっ、浅井あさい柳塘りゅうとう、熊谷くまがい鳩居堂きゅうきょどう、山中さんちゅう箺皇堂どうらと交友こうゆうした。また三条さんじょう梨なし堂どう、松方まつかた海うみ東ひがし、杉すぎ聴雨、長ちょう三洲さんしゅうなど当時とうじの名流めいりゅうの印章いんしょうを多おおく刻こくしている。

福井ふくいには度々どど遊歴ゆうれきし吉川よしかわ帰き峰ほう・片山かたやま桃もも州しゅう・五十嵐いがらし香かおり圃・岡崎おかざき鷺さぎ州しゅう・久津見くつみ晴嵐せいらんなどの門弟もんていがいる。足羽山あすわやまにはその流派りゅうは「文ぶん房ぼう流りゅう」の記念きねん碑ひがある。

東山ひがしやま清水しみず稚児ちごヶ池ちで入水じゅすい。池いけの畔ほとりには羽織はおりがたたまれ丁寧ていねいに下駄げたが揃そろえてあり、一いち煎せんじ点たてたらしく煎茶せんちゃ道具どうぐが並ならべられていた。京都きょうと南禅寺なんぜんじ天授てんじゅ庵あんに墓所はかしょがある。

著作ちょさく

• 『消夏しょうか偶興』

出典しゅってん

• 中井なかい敬所けいしょ『日本にっぽん印しるし人伝ひとづて』（収録しゅうろく『日本にっぽんの篆刻てんこく』中田なかた勇次郎ゆうじろう 、二玄社にげんしゃ、1966年ねん）
• 三村みつむら竹ちく清きよし「二に三さんの篆刻てんこく家かの話はなし」『三村みつむら竹ちく清きよし集しゅう5』青あお裳も堂どう＜日本にっぽん書誌しょし学がく体系たいけい23＞
• 成田山なりたやま書道しょどう美術館びじゅつかん監修かんしゅう『近代きんだい文人ぶんじんのいとなみ』淡あわ交社、2006年ねん。

関連かんれん項目こうもく

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