川島かわしま維知

川島かわしま 維知（かわしま これとも、1917年ねん〈大正たいしょう6年ねん〉5月がつ - 2006年ねん〈平成へいせい18年ねん〉6月21日にち）は、昭和しょうわ期きに活躍かつやくした郷土きょうど史し家いえ。邑楽おうら館林たてばやし地方ちほうの郷土きょうど史し、伝説でんせつを記録きろくする多おおくの著作ちょさくを残のこした。栃木とちぎ県けん足利あしかが市し出身しゅっしん。

経歴けいれき

1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）9月がつ群馬ぐんま県けん館林たてばやし町まち役場やくばに就職しゅうしょく、戦中せんちゅうは兵役へいえきに従事じゅうじ後ご、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）9月がつに館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん館長かんちょうに就任しゅうにん。1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）4月がつに同どう図書館としょかん参事さんじ、同どう7月がつに館林たてばやし市し教育きょういく委員いいん会かい事務じむ局きょく参事さんじ。館林たてばやし市し史し編集へんしゅう委員いいん、邑楽おうら町まち誌し編纂へんさん委員いいん会かい参与さんよ、群馬ぐんま県けん百ひゃく年ねん史し執筆しっぴつ委員いいんなどを歴任れきにんし、1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）8月がつ退職たいしょく。その後ご1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）3月がつまで嘱託しょくたくとして、群馬ぐんま県けん史し編へんさん室しつ（1975年ねん10月がつより）、邑楽おうら町まち誌し編纂へんさん室しつ（1977年とし4月がつより）などに勤務きんむし、群馬ぐんま県けん史し編へんさん調査ちょうさ委員いいんもつとめた。また民間みんかんの活動かつどうにおいても、福田ふくだ啓あきら作さくが立たち上あげた館林たてばやし文化ぶんか史談しだん会かいで常任じょうにん幹事かんじを担当たんとうしたほか、館林たてばやし地方ちほう史し研究けんきゅう会かい会長かいちょうなどを務つとめた。

人物じんぶつ

• 様々さまざまな公的こうてきな職しょくと並行へいこうして、神社じんじゃの神職しんしょくなども務つとめた。
• 福田ふくだ啓あきら作さくの晩年ばんねん、史談しだん会かいの例会れいかい中ちゅうに福田ふくだが倒たおれたことがあり、以後いご福田ふくだは例会れいかいに出でることも少すくなくなった。川島かわしまはその後ごもずっと福田ふくだに会合かいごうの連絡れんらくを送おくり続つづけたが、一度いちど福田ふくだの家いえに見舞みまいに行いった際さい、「最近さいきんは会合かいごうの連絡れんらくもくれなくなって…」と恨うらみ言ごとを言いわれたという。川島かわしまは、福田ふくだの周囲しゅういの人ひとたちが福田ふくだの体調たいちょうを案あんじて情報じょうほうを流ながさないようにしていた心労しんろうを悟さとり、以後いごは会合かいごうの連絡れんらくを送おくらないようにした。
• 川島かわしまが執筆しっぴつを担当たんとうした『新編しんぺん物語ものがたり藩はん史し 第だい3巻かん　関東かんとう地方ちほうの諸しょ藩はん』の「館林たてばやし藩はん」にて、戊辰戦争ぼしんせんそうにおける館林たてばやし藩はんの行動こうどうを、雄略天皇ゆうりゃくてんのう陵りょう修補しゅうほと並ならぶ「二に大だい事業じぎょう」と位置いちづけ、「幕まく軍ぐんの脱走だっそう兵へい」が「総そう野のの間あいだに充満じゅうまん、暴徒ぼうとまた四方しほうに起おこった」中ちゅう、館林たてばやし藩はんは「官軍かんぐん祖式そじき信頼しんらいの指揮しき下かに入はいり」、各地かくちを転戦てんせん。「薩長さっちょう諸しょ藩はんとともに賊徒ぞくとを追おって」会津あいづを落おとし、別べつの一いち隊たいは仙台せんだい方面ほうめんで「旗はた巻まき峠とうげの賊ぞく」（仙台せんだい藩はんのことか）を破やぶり「奥羽おううの平定へいてい」に貢献こうけんした、と評価ひょうかしている。

著書ちょしょ

• 『館林たてばやし市し誌し 歴史れきし篇へん』 - 館林たてばやし市し誌し編集へんしゅう委員いいん会かい 編へん、館林たてばやし市し、1969年ねん
• 『田山たやま花袋かたい 館林たてばやし双書そうしょ1巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1970年ねん
• 『足尾あしお鉱毒こうどく事件じけん 館林たてばやし双書そうしょ2巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1971年ねん
• 『館林たてばやしの花はな・草くさ・虫むし／田山たやま花袋かたい 館林たてばやし双書そうしょ3巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1973年ねん
• 『大出おおいで日記にっき 館林たてばやし双書そうしょ4巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1974年ねん
• 『ふるさとの歴史れきしと伝説でんせつ 館林たてばやし双書そうしょ5巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1975年ねん
• 『館林たてばやし郷土きょうど史し事典じてん 館林たてばやし双書そうしょ7巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1976年ねん
• 『館林たてばやし懐古かいこ』 - 館林たてばやし地方ちほう史し研究けんきゅう会かい、1976年ねん
• 「館林たてばやし藩はん」 - 『新編しんぺん物語ものがたり藩はん史し　第だい3巻かん　関東かんとう地方ちほうの諸しょ藩はん』P185〜P214、新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1976年ねん
• 『野辺のべ鑑あきら／田中たなか正造しょうぞう書簡しょかん 館林たてばやし双書そうしょ8巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1978年ねん
• 『写真しゃしん集しゅう明治めいじ大正たいしょう昭和しょうわ館林たてばやし：ふるさとの想おもい出で』 - 国書刊行会こくしょかんこうかい、1978年ねん
• 『邑楽おうら町まち誌し 上じょう,下した』 - 邑楽おうら町まち誌し編纂へんさん室しつ編へん、邑楽おうら町まち、1983年ねん
• 『館林たてばやし・邑楽おうらの民話みんわと伝説でんせつ』 - 聚海書林しょりん、1985年ねん
• 『偉人いじん大谷おおや休きゅう泊はく』 - 編集へんしゅう主幹しゅかんを担当たんとう、大谷おおや休きゅう泊はく遺徳いとく顕彰けんしょう会かい編へん、大谷おおや休きゅう泊はく遺徳いとく顕彰けんしょう会かい、1986年ねん
• 『館林たてばやしの社寺しゃじ 館林たてばやし双書そうしょ15巻かん』 - 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1986年ねん
• 『図説ずせつ館かん林りん・邑楽おうらの歴史れきし』 - 川島かわしま正一しょういちとの共著きょうちょ、あかぎ出版しゅっぱん、1987年ねん
• 『館林たてばやしの伝説でんせつ 館林たてばやし双書そうしょ16巻かん』 - 館林たてばやし市し教育きょういく委員いいん会かい, 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1988年ねん
• 『館林たてばやし地名ちめい散歩さんぽ』 - 聚海書林しょりん、1990年ねん
• 『まんが明和めいわ町まちの歴史れきし：町制ちょうせい施行しこう１周年しゅうねん記念きねん』 - 総そう監修かんしゅうを担当たんとう、山田やまだえいし漫画まんが、明和めいわ町まち企画きかく課か編へん、上毛新聞社じょうもうしんぶんしゃ出版しゅっぱん局きょく、2000年ねん

参考さんこう文献ぶんけん

• 川島かわしま維知『ふるさとの歴史れきしと伝説でんせつ 館林たてばやし双書そうしょ5巻かん』館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1975年ねん、311頁ぺーじ。 
• 福田ふくだ啓あきら作さく『館林たてばやしの話はなし』国書刊行会こくしょかんこうかい、1980年ねん、120-121頁ぺーじ。 
• 川島かわしま維知『館林たてばやしの社寺しゃじ 館林たてばやし双書そうしょ15巻かん』館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1986年ねん、309頁ぺーじ。 
• 川島かわしま維知『館林たてばやしの伝説でんせつ 館林たてばやし双書そうしょ16巻かん』館林たてばやし市し教育きょういく委員いいん会かい, 館林たてばやし市立しりつ図書館としょかん、1988年ねん、282頁ぺーじ。 
• 「訃報ふほう 館林たてばやし市し 川島かわじま維知氏し」『上うえ毛げ新聞しんぶん』2006年ねん6月がつ23日にち。
• 川島かわしま維知「館林たてばやし藩はん」（『新編しんぺん物語ものがたり藩はん史し　第だい3巻かん　関東かんとう地方ちほうの諸しょ藩はん』P185〜P214、新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1976年ねん）