出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
巫俗(ふぞく、ムーソク、무속)は、朝鮮のシャーマニズム(英: Korean shamanism)である[1]。ムーダン(ムダン)(巫堂、무당)というシャーマン(職業的宗教者)がクッ(굿)という神を憑依(ノリ)させ、お告げを行う祭儀を行う[2][3]。
戦前の資料によれば、ムーダンの男女比には地域性があり、男性が主流の地域もあれば、女性が多い地域もあった。また呼称についても済州島ではシンバンと呼ぶなど地域性がある。
朱子学が国教とされた李氏朝鮮時代はムーダンが賎民とされるなど蔑視されながらも、巫堂にはまり、国費で盛大な儀式を開催し、国家財政を圧迫させた閔妃によって重宝された真霊君が一大権力を手に入れた時期もある。非常に厚遇された真霊君には、どんなときでも国王・王妃と謁見する機会が与えられ、国家の大事が真霊君の助言を受けて決められることもあった。真霊君への賄賂で仕官の道が開けるとして、真霊君の家に金を持ってくる人間や、義兄弟になろうとする人間は後を絶たなかった。そのため、国は疲弊した[2][3]。その後は古い迷信として衰退した。しかし、戦後に韓国で国家主義的価値観とも連動し、巫俗こそが朝鮮固有の宗教であるという思想が生まれ、表舞台に近年しばしば取り上げられることとなってきている。
戦後のムーダンは女性が多く、降神巫と世襲巫がある。男性のムーダンはパクスともいう。クッには、個人の幸福を祈ったり、病気の治療、死者の供養、村の神様を祀るなど、様々な種類がある。
ウィキメディア・コモンズには、
巫俗に
関連するカテゴリがあります。