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そこせい生物せいぶつ

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そこせいから転送てんそう
水生すいせい生物せいぶつ生活せいかつがたうえからみずひょう生物せいぶつ(Neuston)、浮遊生物ふゆうせいぶつ(Plankton)、遊泳ゆうえい生物せいぶつ(Nekton)、そこせい生物せいぶつ(Benthos)。
様々さまざまそこせい生物せいぶつ
A variety of marine worms
Plate from Das Meer
by M. J. Schleiden (1804–1881)

そこせい生物せいぶつそこ生物せいぶつ、ていせいせいぶつ、えい: benthos)は、水生すいせい生物せいぶつ生活せいかつがたひとつである。

概要がいよう

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水域すいいき生息せいそくする生物せいぶつなかでもそこしつ生息せいそくする生物せいぶつ総称そうしょうである。この場合ばあいそこしつとは水域すいいきそこたる岩石がんせき砂地すなじどろからコンクリートなどの人工じんこう建造けんぞうぶつによって形成けいせいされているそこおよびそこに付着ふちゃくする海藻かいそうサンゴのような固着こちゃく生物せいぶつなどの生物せいぶつふく[1]。したがって、そこせい生物せいぶつは、水底みなそこいわすなどろにすむもの、およびそこに生活せいかつするサンゴや海藻かいそうなどにすむものをもふくむ。また、その表面ひょうめん徘徊はいかいするもの、表面ひょうめん固着こちゃくするもの、表面ひょうめんからもぐんで生活せいかつするものがふくまれる。それらの表面ひょうめんからはなれて生活せいかつするものは、ネクトンプランクトン分類ぶんるいされるが、実際じっさいにはその表面ひょうめんからあまはなれずに生活せいかつするものもあり(ネクトベントス、プランクトベントスともいう。)、それらはベントスにまとめられることもある。基質きしつなかもぐんでいるものをエンドベントス(英語えいご:Endobenthos)とい、みずかあなってくぐるものを潜行せんこうせい基質きしつ粒子りゅうしのすき利用りようするものを間隙かんげきせいという。かた基質きしつあなけてくぐるものを穿孔せんこうせいという。

日本にっぽんにおいて「そこせい生物せいぶつ」というかたりは「benthos」の訳語やくごとしてもちいられているが本来ほんらいベントスはネクトン (Nekton)、プランクトン (Plankton) に対応たいおうする生活せいかつがた分類ぶんるいひとつである[1]

体長たいちょうによる分類ぶんるい

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そこせい生物せいぶつふるい通過つうかするサイズによってさら以下いかとおりに分類ぶんるいされる[1][2]

ミクロベントス (Microbenthos)
< 0.42mm
メイオベントス (Meiobenthos)
0.42 ≦, < 0.5〜1mm
マクロベントス (Macrobenthos)
0.5〜1mm ≦

移動いどう能力のうりょくによる分類ぶんるい

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そこせい生物せいぶつはその移動いどう能力のうりょくによってさら以下いかとおりに分類ぶんるいされる[1]

付着ふちゃく生物せいぶつ (Sessile benthos)
岩石がんせきなどに付着ふちゃくしている。
移動いどうせい生物せいぶつ (Mobile benthos)
移動いどう能力のうりょくがある。

生息せいそく環境かんきょうによる分類ぶんるい

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かた基質きしつそこ
岩礁がんしょうそこ転石てんせき砂利じゃり
堆積たいせきぶつそこ
砂礫されきうみすなちゅうつぶすなほそすなすなどろ

有害ゆうがい物質ぶっしつのある生育せいいく環境かんきょうにおけるそこせい生物せいぶつ生育せいいく

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そこせい生物せいぶつ生育せいいくそこしつふくまれる重金属じゅうきんぞくとう有害ゆうがい物質ぶっしつとはまけ相関そうかん関係かんけいがあること定性的ていせいてきにはられているが、定量ていりょうてき把握はあくのためのデータ収集しゅうしゅうおこなわれている。

そこせい生物せいぶつ調査ちょうさ方法ほうほう

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そこせい生物せいぶつ定量ていりょう調査ちょうさ絶対ぜったい密度みつどとしてあらわすのが一般いっぱんてきである。

コドラートほう
方形ほうけいわく(コドラート)をもちいて移動いどう能力のうりょくすくない生物せいぶつ対象たいしょうにして調査ちょうさする方法ほうほう
コアサンプルほう
アクリルパイプやコアサンプラーによってつつじょうそこしつサンプルない捕捉ほそくされた生物せいぶつ調査ちょうさする方法ほうほうしお下帯したおびから深海しんかいまで利用りようされるほか、シャベルとうりにくいふかいところに生物せいぶつ捕捉ほそくにももちいられる。
トロールもう、かごもう、ドレッジ
絶対ぜったい密度みつどひく場合ばあい移動いどうせいたか場合ばあいもちいられる。
ヤビーポンプ
自転車じてんしゃポンプにている形状けいじょうのは一種いっしゅつつなかかげあつにし円筒えんとうじょうのは素早すばや嵌入かんにゅうさせる。短時間たんじかんにシャベルとうりにくいふかいところに到達とうたつでき、そこに生物せいぶつ捕捉ほそくにももちいられる。

そこせい生物せいぶつ役割やくわり

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二枚貝にまいがいるい水中すいちゅうのプランクトンや有機ゆうきかかにごものえさとすることで水質すいしつ浄化じょうか[3]を、ゴカイるいなどはそこどろべて排泄はいせつしたり、うごくことでそこどろあなけてみず交換こうかんうながしたり、分解ぶんかいしゃとしての役割やくわりたしている。また、さかなえさとして食物しょくもつ連鎖れんさ下位かいにあるものがおおい。

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ a b c d もり敬介けいすけ ちょ「ベントス」、いわおいさお松本まつもと忠夫ただお菊沢きくざわ喜八郎きはちろう日本にっぽん生態せいたい学会がっかい編集へんしゅうへん生態せいたいがく辞典じてん共立きょうりつ出版しゅっぱん、2003ねん、504-505ぺーじISBN 4320056027 
  2. ^ Robert P. Higgins and Hjalmer Thiel (1988). Introduction to the Study of Meiofauna. Smithonian Institution Press 
  3. ^ 漁業ぎょぎょう活動かつどうによる環境かんきょう保全ほぜん”. 水産庁すいさんちょう. 2019ねん10がつ23にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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