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座標ざひょう

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座標ざひょうけいから転送てんそう

幾何きかがくにおいて、座標ざひょう(ざひょう)とは、てん位置いち指定していするためにあたえられるかずくみ (coordinates)、あるいはそのかくかず (coordinate) のことであり、そのくみからてん位置いちさだめる方法ほうほうあたえるものが座標ざひょうけい(ざひょうけい、えい: coordinate system)である。たとえば、世界せかい地図ちずにある緯度いど経度けいどのようなもの。座標ざひょうけい座標ざひょうあたえられれば、てんはただひとつにさだまる。

座標ざひょうてんによりさだまる関数かんすうくみであって、ひとつの空間くうかん複数ふくすう座標ざひょうけい重複じゅうふくして定義ていぎされていることがある。たとえば、多様たようたいかくてんちかくでユークリッド空間くうかん同様どうよう座標ざひょうけいけられているが、ほとんどの場合ばあいひとつの座標ざひょうけい座標ざひょうだけをかんがえていたのではすべてのてん特定とくていすることができない。このような場合ばあいは、たくさんの座標ざひょうけいけて、おもなる部分ぶぶんでのえの方法ほうほうしるした地図ちずちょう(アトラス、atlas)を用意よういすることもある。

地球ちきゅうじょう位置いちあらわ地理ちり座標ざひょうや、地球ちきゅう衛星えいせいであるつきでの位置いちあらわ月面げつめん座標ざひょう天体てんたいたいして天球てんきゅうじょう位置いちあらわ天球てんきゅう座標ざひょうがある。

座標ざひょうけい[編集へんしゅう]

3次元じげん直交ちょっこう座標ざひょうけい

座標ざひょう表現ひょうげん方法ほうほう一意いちいではなく、原点げんてん座標軸ざひょうじくかたによりなんとおりでも表現ひょうげん可能かのうである。

原点げんてん座標軸ざひょうじくなどをさだめれば、任意にんい座標ざひょうは、ただひとつのてんしめす。しかしぎゃく座標ざひょうけいによっては、任意にんいてんにただひとつの座標ざひょうあたえることはできない。たとえば極座標きょくざひょうけいでは原点げんてんがいくつもの座標ざひょう表現ひょうげんができる。このようにさだめれば座標ざひょうつくれるシステムのことを座標ざひょうけい (system of coordinates) とぶ。

座標ざひょうけい種類しゅるいとしては、以下いかれいなどがある。

3DCGでは、あつかっている空間くうかん全体ぜんたい座標ざひょうけいをワールド座標ざひょうけい (world coordinate system) あるいはグローバル座標ざひょうけい (global coordinate system) とび、そのなかにある個別こべつ物体ぶったい(オブジェクト)それぞれにローカル座標ざひょうけい (local coordinate system) あるいはボディ座標ざひょうけい (body coordinate system) を設定せっていすることによって、全体ぜんたい空間くうかんなかでのそれぞれのオブジェクトの変化へんかあつかいやすくするのが一般いっぱんてきである。たとえば人間にんげんはしるシーンでは、うであしうごきは身体しんたい重心じゅうしん原点げんてんとするローカル座標ざひょうけいなかでの座標ざひょう変化へんかとして、身体しんたい移動いどうはワールド座標ざひょうけいなかでの身体しんたい重心じゅうしん位置いち変化へんかとして、あらわせる。

座標ざひょう変換へんかん[編集へんしゅう]

ことなる座標ざひょうけいあいだには座標ざひょう変換へんかんするための関数かんすう定義ていぎできる。このことを座標ざひょう変換へんかんぶ。ぎゃく座標ざひょう変換へんかんあたえることによってことなる座標ざひょうけい定義ていぎすることもできる。座標ざひょう変換へんかんには平行へいこう移動いどう回転かいてんなどがある。

起源きげん[編集へんしゅう]

座標ざひょうという概念がいねんはじめにかんがしたのは哲学てつがくしゃであり数学すうがくしゃでもあるフランスのルネ・デカルトといわれている。ただし、かれ著書ちょしょ幾何きかがく』では問題もんだいおうじて基準きじゅんとなる直線ちょくせん適宜てきぎ設定せっていしており、現在げんざいのような固定こていした座標軸ざひょうじく設定せっていする表現ひょうげんもちいられていない。なお、かれ病気びょうき療養りょうようちゅう寝転ねころがりながら天井てんじょういたていてこれをおもいついたという逸話いつわもあるがそれが本当ほんとうかどうかはさだかではない。

座標ざひょう」の由来ゆらいである"co-ordinate"の用語ようごはじめにもちいたのはドイツの哲学てつがくしゃ数学すうがくしゃゴットフリート・ライプニッツであり、現在げんざい直交ちょっこう座標ざひょうけい表記ひょうきもライプニッツのものに由来ゆらいする。日本語にほんごで「座標ざひょう」のかたりはじめにもちいたのは藤沢ふじさわとし喜太郎きたろうであるが、当時とうじ表記ひょうきは「すわしるべ」であり、のちにはやし鶴一つるいちらによって現在げんざいの「座標ざひょう」にあらためられた[1]

地理ちり座標ざひょう[編集へんしゅう]

地理ちり座標ざひょう(または地図ちず座標ざひょう)は地球ちきゅうじょう位置いちあらわ座標ざひょうをいう。2次元じげんでは緯度いど経度けいどあらわし、3次元じげんではこれに標高ひょうこうくわえるのが一般いっぱんてきである。くわしくは測地そくちけい参照さんしょう。なお、都市とし府県ふけん程度ていどない位置いちは、地球ちきゅう表面ひょうめん近似きんじてき平面へいめんであるとみなすことができるので、あらかじめ設定せっていした座標ざひょう原点げんてんから南北なんぼくなんメートル、東西とうざいなんメートルのてんとしてあらわすのが実用じつようてきである。国土こくど地理ちりいんさだめた平面へいめん直角ちょっかく座標ざひょうけい[1]は、このかんがえにもとづき、地球ちきゅう楕円だえんたい表面ひょうめんガウス・クリューゲル図法ずほうにより平面へいめんじょう等角とうかく写像しゃぞうして、日本にっぽんないに19箇所かしょ座標ざひょう原点げんてんき、各々おのおの座標ざひょう原点げんてんからのx座標ざひょうきたきにせいみなみきにまけ)、y座標ざひょうひがしきにせい西向にしむきにまけ)のあたえるものである[2]

天球てんきゅう座標ざひょう[編集へんしゅう]

天体てんたいじょうほしなどの位置いちを、地球ちきゅうから見上みあげる天球てんきゅう配置はいちされているものとしてあらわ座標ざひょうをいう。各種かくしゅ座標ざひょうけいがあるが、くわしくは天球てんきゅう座標ざひょうけい参照さんしょう。なお、あくまで天球てんきゅうじょうでの位置いちあらわすものであり、地球ちきゅうからほしへの距離きょりあらわすものではない。

いろ座標ざひょうによる指定してい[編集へんしゅう]

いろ複数ふくすう通常つうじょう3つないし4つ)の数値すうち要素ようそわせで指定していすることができる。たとえばマンセルひょうしょくけいでは、色相しきそう明度めいどいろどりによる。RGBにおいてはあか成分せいぶん (R)・みどり成分せいぶん (G)・あお成分せいぶん (B) による。くわしくはいろ空間くうかん参照さんしょう

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 片野かたの善一郎ぜんいちろう数学すうがく用語ようご記号きごうものがたり』はなぼう、2003ねん、pp.116–117.
  2. ^ 日本にっぽん測地そくち座標ざひょうけい
    日本にっぽん測地そくち座標ざひょうけい- 国土こくど地理ちりいん at the Wayback Machine (archived 2009-12-28)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]