急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう

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急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう
急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう所見しょけんしめ骨髄こつづいえき矢印やじるしさきにかろうじてえる棒状ぼうじょうのものはアウエル小体こていばれるもので急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうられるものである。
概要がいよう
診療しんりょう 腫瘍しゅようがく, 血液けつえきがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 C92.0
ICD-9-CM 205
MedlinePlus 000542
Patient UK 急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう
MeSH D015470

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう、えい: acute myelogenous leukemia略称りゃくしょう:AML)は、白血病はっけつびょう一種いっしゅで、骨髄こつづいけい造血ぞうけつ細胞さいぼう悪性あくせい腫瘍しゅようし、分化ぶんか成熟せいじゅくのううしな疾患しっかんである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

正常せいじょう造血ぞうけつ細胞さいぼう造血ぞうけつみき細胞さいぼうから分化ぶんかはじめたきょく初期しょきにリンパけい骨髄こつづいけいの2系統けいとうかれ、それぞれ成熟せいじゅくしていく。この造血ぞうけつ細胞さいぼう腫瘍しゅようしたものが白血病はっけつびょうであり、そのなかでも細胞さいぼう成熟せいじゅくのううしなうものを急性きゅうせい白血病はっけつびょうぶ。さらに急性きゅうせい白血病はっけつびょうなか白血病はっけつびょう細胞さいぼう骨髄こつづいけいへの分化ぶんか傾向けいこうられるものを急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうという[1]骨髄こつづいけいへの分化ぶんかはや段階だんかいまり、正常せいじょう成熟せいじゅくすることはない。

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうでは白血病はっけつびょう細胞さいぼう分化ぶんか成熟せいじゅくのう異常いじょうたし、白血病はっけつびょう細胞さいぼう造血ぞうけつ細胞さいぼうようわか形態けいたいをとることから、だまともばれる。急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうはこのだま増殖ぞうしょくする疾患しっかんである。

白血病はっけつびょう細胞さいぼう正常せいじょう造血ぞうけつ細胞さいぼうくらべて増殖ぞうしょく細胞さいぼう分裂ぶんれつ)がはやいわけではなく、むしろ増殖ぞうしょく速度そくどおそ[2]正常せいじょう血球けっきゅう寿命じゅみょうち、造血ぞうけつ適切てきせつなコントロールをけているために一定いっていかずたもっている。しかし白血病はっけつびょう細胞さいぼうはコントロールをけることなく増殖ぞうしょくつづけるために無制限むせいげんかずし、骨髄こつづいちゅう正常せいじょう造血ぞうけつ細胞さいぼう圧倒あっとうして正常せいじょう造血ぞうけつ阻害そがいし、骨髄こつづいちゅうから末梢まっしょうへとあふれてくるのである[1][2]

白血病はっけつびょう細胞さいぼう増殖ぞうしょくして骨髄こつづい占拠せんきょしてしまうために正常せいじょう造血ぞうけつおこなえなくなり、赤血球せっけっきゅう白血球はっけっきゅう血小板けっしょうばん減少げんしょうするために出血しゅっけつえき感染かんせんしょう貧血ひんけつなどのしょ症状しょうじょうこす。また、末梢まっしょうにあふれ白血病はっけつびょう細胞さいぼうかく臓器ぞうき浸潤しんじゅんし、かく臓器ぞうき組織そしき破壊はかいすることでさまざまな症状しょうじょうこす[1]

慢性まんせい白血病はっけつびょう急性きゅうせい白血病はっけつびょう慢性まんせいした疾患しっかんではない。このりょうぐん発生はっせいじょ基本きほんてきことなり、急性きゅうせい白血病はっけつびょう慢性まんせいすることはないが、ぎゃく慢性まんせい白血病はっけつびょう急性きゅうせいすることはすくなからずある(急性きゅうせい転化てんか[1]

症状しょうじょう[編集へんしゅう]

受診じゅしんのきっかけとなる初期しょき症状しょうじょうとしては、

などがある。

健康けんこう診断しんだん数値すうち異常いじょう指摘してきされ、発見はっけんされる場合ばあいもまれにはある。早期そうき発見はっけんすれば当然とうぜん症状しょうじょう軽度けいどであり、診断しんだんまでの期間きかんおくれるほど白血病はっけつびょう細胞さいぼう増加ぞうかして初期しょき症状しょうじょうつよさがまし、脾臓ひぞう肝臓かんぞうやリンパぶしなどに浸潤しんじゅんして臓器ぞうきしゅだいをきたし、さまざまな症状しょうじょうあらわれるようになる[1]

診断しんだん[編集へんしゅう]

通常つうじょう症状しょうじょう段階だんかいになれば血液けつえき検査けんさにて貧血ひんけつ血小板けっしょうばん減少げんしょうみとめられ、病院びょういんにおける標準ひょうじゅんてき血液けつえき検査けんささえおこなえば健康けんこうじん末梢まっしょうではられないはずのだま出現しゅつげんしていることがおおく、血液けつえきちゅうだま出現しゅつげんしていれば専門医せんもんいでなくとも白血病はっけつびょううたがうのはさほどむずかしくはない。ただし、血液けつえきちゅうだま出現しゅつげんする疾患しっかん、あるいは骨髄こつづいだま正常せいじょうよりえる疾患しっかん急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうだけではなく、したがって2008ねんWHO分類ぶんるいでは骨髄こつづいちゅうだま割合わりあいが20%以上いじょう定義ていぎしている。急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうでは症状しょうじょうがでる段階だんかいまですすんでいると、すでに体内たいない白血病はっけつびょう細胞さいぼう総数そうすう膨大ぼうだいなものになっているので、血液けつえき内科ないか専門医せんもんい緊急きんきゅう受診じゅしんする必要ひつようがある。通常つうじょう診察しんさつ担当たんとうした医師いしがすぐさま血液けつえき専門医せんもんい紹介しょうかいおこな血液けつえき専門医せんもんいのいる病院びょういん緊急きんきゅう転院てんいんさせる。血液けつえき専門医せんもんい白血病はっけつびょううたがわれる場合ばあい、すぐに骨髄こつづい検査けんさおよび遺伝子いでんし検査けんさなどをおこない、診断しんだん確定かくていする[1]

やまいがた分類ぶんるい[編集へんしゅう]

骨髄こつづいなかには造血ぞうけつみき細胞さいぼうから種々しゅじゅ血球けっきゅう分化ぶんかしていく途中とちゅう細胞さいぼうがあり、それらのうちのどの段階だんかい細胞さいぼう腫瘍しゅようしたかによるFAB分類ぶんるい (French-American-British criteria) にもとづいてM0-M7のやまいがた、およびそれらのがた分類ぶんるいされる。FAB分類ぶんるい染色せんしょくもちいた顕微鏡けんびきょうてき観察かんさつもとづくものである。近年きんねん分子ぶんし遺伝いでんがくてき観点かんてんもとづいたWHO分類ぶんるいもちいられてきている(下記かき参照さんしょう)。

FAB分類ぶんるい[編集へんしゅう]

腫瘍しゅよう細胞さいぼう形態けいたい重視じゅうしし、それに細胞さいぼう化学かがく染色せんしょくペルオキシダーゼ染色せんしょくなど)をわせて判断はんだんする。近年きんねん細胞さいぼう表面ひょうめんマーカー診断しんだんもちいられるようになっているが、あくまで補助ほじょてきなものとかんがえるべきである。M0、M7以外いがいミエロペルオキシダーゼ (MPO) 陽性ようせいである。

M0 急性きゅうせい骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう分化ぶんかがた
もっと分化ぶんかなタイプであり、MPO陰性いんせい。CD13・CD33陽性ようせい全体ぜんたいの5%(成人せいじん)。
M1 急性きゅうせい骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう
だまが90%以上いじょう
M2 分化ぶんか傾向けいこう急性きゅうせい骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう
t(8;21)、(q22;q22)てん代表だいひょうてき遺伝子いでんし異常いじょう。t(8;21)のものは化学かがく療法りょうほう感受性かんじゅせいがきわめてたかい。成熟せいじゅく傾向けいこうのある顆粒かりゅうだまけい細胞さいぼうが10%以上いじょう存在そんざい。AMLのなかでは比較的ひかくてき良好りょうこう
M3 急性きゅうせいぜん骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう (APL)(ICD-10: C92.4)
ぜん骨髄こつづいだま腫瘍しゅようぜん骨髄こつづいだまは、血液けつえき凝固ぎょうこさせるトロンボプラスチンという物質ぶっしつトロンボプラスチン類似るいじさま物質ぶっしつ大量たいりょうつため、大量たいりょうのがんしたぜん骨髄こつづいだまこわされるさい大量たいりょうのトロンボプラスチン類似るいじさま物質ぶっしつちゅうし、激烈げきれつ播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ (DIC) をともなうことがおおいため、脳出血のうしゅっけつなどによる早期そうき死亡しぼうリスクがたかく、注意ちゅういようする。
血液けつえき検査けんさでは、白血球はっけっきゅうちゅうおおふくまれるミエロペルオキシダーゼ (MPO) が細胞さいぼう分裂ぶんれつ破壊はかい亢進こうしんにより高値たかねになる。白血球はっけっきゅうすう正常せいじょう場合ばあいおお参考さんこうにならないが、骨髄こつづい白血球はっけっきゅうぶんると、骨髄こつづい細胞さいぼうえすぎて形成けいせいこしていたり、アズール顆粒かりゅううトロンボプラスチン類似るいじさま物質ぶっしつぜん骨髄こつづいだま細胞さいぼうしつちゅうみとめたりする。また、アズール顆粒かりゅうあつまり融合ゆうごうするとアウエル小体こていばれるはりじょう構造こうぞう形成けいせいする。とく多量たりょうのアウエル小体こていぜん骨髄こつづいだまちゅうみとめる場合ばあいファゴット細胞さいぼう (faggot cell) とばれる。
染色せんしょくたい異常いじょうとして、15ばん染色せんしょくたいと17ばん染色せんしょくたい相互そうごてん(t(15;17)とあらわす)とばれる現象げんしょうみとめられる。t(15:17)(q22;q21)はPML-レチノインさんレセプター (RARαあるふぁ) 異常いじょうきたす。PML/RARαあるふぁ正常せいじょうRARとことなりコリプレッサー解離かいりしにくいが、ATRA投与とうよにより解離かいりし、転写てんしゃ進行しんこうし、APL細胞さいぼう分化ぶんか開始かいしする。
M4 急性きゅうせい骨髄こつづいたんたませい白血病はっけつびょう (AMMoL)
M4Eoではinv(16),t(16;16)てん代表だいひょうてき遺伝子いでんし異常いじょう化学かがく療法りょうほう感受性かんじゅせいたかい。
M5 急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょう (AMoL)
骨髄こつづいゆうかく細胞さいぼうちゅう単級たんきゅうけいが80%以上いじょうめる。特異とくいてきエステラーゼは陰性いんせいであるが、非特異ひとくいてきエステラーゼがつよ陽性ようせいとなることがおおい。11q23(MLL遺伝子いでんし)の異常いじょうともなうものがある。
M5a
たんだまたんたま細胞さいぼうの80%以上いじょうめる分化ぶんかがた場合ばあい。MPO陰性いんせいであることもある。
M5b
たんだまたんたま細胞さいぼうの80%未満みまんとき
M6 あか白血病はっけつびょう
骨髄こつづいゆうかく細胞さいぼうちゅうあかだまが50%以上いじょうあり、赤血球せっけっきゅうのぞいた細胞さいぼうちゅう骨髄こつづいだまが30%以上いじょうめるもの。
M7 急性きゅうせいきょかくだませい白血病はっけつびょう
白血病はっけつびょう細胞さいぼう小型こがた偽足ぎそくさま突起とっきつ。MPO陰性いんせいであるが、PPO、CD41、CD61陽性ようせいきわめて不良ふりょう

WHO分類ぶんるい[編集へんしゅう]

近年きんねんでは、血液けつえき腫瘍しゅよう疾患しっかんにおける病態びょうたい生理せいり分子ぶんしレベルでの解明かいめいしたがい、分類ぶんるいさい構成こうせいためされてきた。その結果けっか、2000ねんにはWHO造血ぞうけつ・リンパ組織そしき腫瘍しゅよう分類ぶんるい発表はっぴょうされ(だい3はん)、さらに2008ねん改訂かいていされた(だい4はん)[3]だい4はんにおいてはおおきく7つのカテゴリーに分類ぶんるいされている。

ほん記事きじは「急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう」であるが、ここではWHO分類ぶんるいじゅんじて「急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうおよび関連かんれん前駆ぜんく細胞さいぼうせい腫瘍しゅよう」にかんして記載きさいする。

特定とくてい遺伝子いでんし異常いじょうゆうするAML (AML with recurrent genetic abnormalities)
AML:t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1
FAB分類ぶんるいのM2のやく10%にみとめられる。骨髄こつづい肉腫にくしゅのようなしゅこぶ形成けいせいみとめる場合ばあい骨髄こつづいだま比率ひりつが20%を場合ばあいがあるが、変異へんい存在そんざい確認かくにんされればほんしょう診断しんだんされる。化学かがく療法りょうほうたいする反応はんのうせいい。
AML:inv(16)(p13.1q22) または t(16;16)(p13.1;q22):CBFB-MYH11
FAB分類ぶんるいでのM4Eoに相当そうとうする。化学かがく療法りょうほうたいする反応はんのうせいい。
APL:t(15;17)(q22;q21);PML-RARA
FAB分類ぶんるいのM3に相当そうとうする。治療ちりょうほうのAMLとことなる(後述こうじゅつ)。
PML以外いがい遺伝子いでんしとのてんこすRARA遺伝子いでんしてんゆうする症例しょうれいがある。APLとは形態けいたい治療ちりょう反応はんのうせいことなるため、「定型ていけいなRARA遺伝子いでんしてんゆうするAML」と診断しんだんされる。
AML:t(9;11)(p22;q23);MLLT3-MLL
ほとんどがM5の形態けいたいをとる。
だい3はんではMLLT3以外いがい遺伝子いでんしてんこすMLL遺伝子いでんしてんゆうするAMLをまとめて「11q23MLL異常いじょうともなうAML」として分類ぶんるいしていたが、MLLT3-MLL以外いがいてんゆうするAMLはわるいため、このてんゆうするAMLのみを独立どくりつして分類ぶんるいすることとなった。
MLLてんゆうするものでも、こうがんざいなどの治療ちりょう履歴りれきのある場合ばあい、あるいはMDS関連かんれん染色せんしょくたいゆうする症例しょうれいは、治療ちりょう関連かんれん骨髄こつづいせい腫瘍しゅよう、MDSに関連かんれんした変化へんかゆうするAML、にそれぞれ分類ぶんるいされる。
AML:t(6;9)(p23;34);DEK-NUP214
APLとM7以外いがいのすべての形態けいたいをとりうる。不良ふりょうである。
AML:inv(3)(q21q26.2)またはt(3;3)(q21;q26.2);RPN1-EVI1
APL以外いがいのすべての形態けいたいをとりうる。血球けっきゅう形成けいせいしるあきらである。不良ふりょうである。
AML (megakaryoblastic):t(1;22)(p13;q13);RBM15-MKL1
AML全体ぜんたいの1%以下いかのまれなタイプで、さらにDownしょうともなわない3さい未満みまん乳幼児にゅうようじおおいという特徴とくちょうがある。
FLT3KITなどの遺伝子いでんし変異へんいなどはこう頻度ひんどみとめられ不良ふりょう因子いんしとなるが、すべてのやまいがたのAML, MDSにみとめられうることから、独立どくりつした疾患しっかん分類ぶんるいとはなっていない。
NPM1CEBPA遺伝子いでんし変異へんい染色せんしょくたい正常せいじょうかくがたのAMLにこう頻度ひんどみとめられ、ある程度ていど形態けいたいてき臨床りんしょうてき特徴とくちょうしめすが、さらなる検討けんとうようするということで「暫定ざんていてきびょうがた」 (provisional entity) とされている。
骨髄こつづい形成けいせい関連かんれんした変化へんかゆうするAML (AML with myelodysplasia-related changes; AML/MRC)
系統けいとう形態けいたいてき形成けいせいをもつAML
骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐん (MDS) またはMDS/MPDの既往きおうをもつAML
MDS関連かんれん染色せんしょくたい異常いじょうをもつAML
治療ちりょう関連かんれん白血病はっけつびょう形成けいせいともなうことがおおいが、このカテゴリーにはれない。
治療ちりょう関連かんれん骨髄こつづいせい腫瘍しゅよう
MDS, MDS/MPN, AMLのどの形態けいたいであっても、該当がいとう既往きおうがあるものはこのカテゴリーに統合とうごうされている。ただしCMLなどの骨髄こつづい増殖ぞうしょくせい疾患しっかん急性きゅうせい転化てんかは、それにたいする化学かがく療法りょうほう既往きおうがあったとしてもこのカテゴリーにはれない。
分類ぶんるい不能ふのう急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう
特定とくてい遺伝子いでんし異常いじょうあきらかになっていない、また治療ちりょう既往きおう骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐんとの関連かんれんがはっきりしないAMLがこのカテゴリーになる。形態けいたいがく組織そしき化学かがく免疫めんえき表現ひょうげんがたぼそ分類ぶんるいされる(つまりFAB分類ぶんるい同様どうよう)。
さい分化ぶんかがたAML
FAB分類ぶんるいのM0に相当そうとうする。
分化ぶんかがたAML
FAB分類ぶんるいのM1に相当そうとうする。
分化ぶんかがたAML
FAB分類ぶんるいのM2に相当そうとうする。
急性きゅうせい骨髄こつづいたんたませい白血病はっけつびょう
FAB分類ぶんるいのM4に相当そうとうする。
急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょう
FAB分類ぶんるいのM5に相当そうとうする。
急性きゅうせいあか白血病はっけつびょう
FAB分類ぶんるいのM6に相当そうとうする。急激きゅうげき転帰てんきをとることがおおく、わるい。
急性きゅうせいきょかくだませい白血病はっけつびょう
FAB分類ぶんるいのM7に相当そうとうする。ただしt(1;22)(p13;q13)をゆうするもの、およびDown症候群しょうこうぐん関連かんれん白血病はっけつびょうふくまない。不良ふりょうである。
急性きゅうせいこう塩基えんきだませい白血病はっけつびょう
きわめてまれな疾患しっかん。このため報告ほうこくすうすくないが、がいして不良ふりょうである。
骨髄こつづい線維せんいしょうともな急性きゅうせいひろし骨髄こつづいしょう (Acute panmyeloidosis with myelofiblosis; APMF)
「MDS関連かんれん染色せんしょくたい異常いじょうをもつAML」に合致がっちしない、骨髄こつづい線維せんいだま増加ぞうかともな急性きゅうせい骨髄こつづい増殖ぞうしょくせい疾患しっかん
骨髄こつづい肉腫にくしゅ (Myeloid sarcoma)
骨髄こつづいだまずいがいしゅこぶ形成けいせいする疾患しっかん一般いっぱんてきなAMLのずいがい浸潤しんじゅんは、組織そしき構造こうぞうおかされないかぎふくまない。
Downしょうともな骨髄こつづい増殖ぞうしょくしょう (Myeloid ploliferations related to Down syndrome)
DownしょうはDownしょうではない小児しょうにくらべて白血病はっけつびょう発症はっしょうしやすい、AMLの比率ひりつおお[註 1]、GATA1遺伝子いでんし変異へんいゆうすることがおおい、などの特徴とくちょうがあり、疾患しっかん分類ぶんるいとして独立どくりつしている。
一過いっかせい異常いじょう骨髄こつづい増殖ぞうしょくしょう (Transient abnormal myelopoiesis)
Downしょうともな骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう
球形きゅうけいしつ細胞さいぼうさまじゅじょう細胞さいぼう腫瘍しゅよう (Blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm; BPDCN)
形質けいしつ細胞さいぼうさまじゅじょう細胞さいぼう前駆ぜんく細胞さいぼう悪性あくしょうした疾患しっかん

治療ちりょう[編集へんしゅう]

治療ちりょうこうがんざいもちいた強力きょうりょく化学かがく療法りょうほう主体しゅたいとなる。このためこうがんざい臓器ぞうき毒性どくせい合併症がっぺいしょうえられるかを、年齢ねんれい全身ぜんしん状態じょうたい合併症がっぺいしょう有無うむとその程度ていどなどから評価ひょうかして治療ちりょう内容ないよう決定けっていする。 治療ちりょう寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう寛解かんかい療法りょうほうからなる。全身ぜんしん存在そんざいする白血病はっけつびょう細胞さいぼう化学かがく療法りょうほう減少げんしょうさせ、顕微鏡けんびきょう検査けんさ白血病はっけつびょう細胞さいぼうみとめられない状態じょうたい(これを寛解かんかいという)に到達とうたつさせるのが寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうである。しかしこの段階だんかいでは白血病はっけつびょう細胞さいぼう残存ざんそんしている(これを微小びしょう残存ざんそん病変びょうへん(minimal residual disease:MRD)という)ので、さらに化学かがく療法りょうほうおこな残存ざんそんしている白血病はっけつびょう細胞さいぼう全滅ぜんめつ(Total cell killばれる)をはかる。これが寛解かんかい療法りょうほうである。実際じっさいには寛解かんかい療法りょうほうはある一定いってい以上いじょう継続けいぞくしても再発さいはつりつはそれ以上いじょう減少げんしょうすることはなく、治療ちりょうともな有害ゆうがい事象じしょうほうおおきくなるので、寛解かんかい療法りょうほう回数かいすうは4かいまでとなる。完全かんぜん寛解かんかい状態じょうたいが5ねんつづけば再発さいはつ可能かのうせいひく治癒ちゆとみなしてよいとされている[1]。なお急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょうでは有用ゆうよう維持いじ療法りょうほうは、AMLでは有用ゆうようせいしめされていない。

強力きょうりょく治療ちりょう可能かのう初発しょはつAML(APL以外いがい[編集へんしゅう]

寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう[編集へんしゅう]

  • アントラサイクリンけいのダウノルビシン(こう用量ようりょう)またはイダルビシン3日間にちかん標準ひょうじゅんりょうシタラビン7日間にちかん投与とうよ併用へいよう[4] - これらの薬剤やくざい増量ぞうりょうまたはざい追加ついかは、治療ちりょう成績せいせき向上こうじょうせず有害ゆうがい事象じしょうおおくなる[5][6][7]ため推奨すいしょうされない。1かい寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうでは寛解かんかいいたらない場合ばあいおな治療ちりょうほうをもう1かいおこなう。

寛解かんかい療法りょうほう[編集へんしゅう]

  • 大量たいりょうシタラビン療法りょうほう - AML:t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1とAML:inv(16)(p13.1q22) または t(16;16)(p13.1;q22):CBFB-MYH11では、下記かき治療ちりょう方法ほうほうよりも成績せいせき[8]ので標準ひょうじゅんてき治療ちりょうほうとなる。ただし感染かんせんしょう有害ゆうがい事象じしょうおおい。
  • 標準ひょうじゅんりょうシタラビン + アントラサイクリンけい(ミトキサントロン・ダウノマイシン・アクラルビシン)+ αあるふぁエトポシドビンクリスチンビンデシン) - 上記じょうき以外いがいのAMLで標準ひょうじゅんてきとなる。これは大量たいりょうシタラビン療法りょうほう比較ひかくして成績せいせきがなかった[8][9]ことによる。

強力きょうりょく治療ちりょうができない初発しょはつAML(APL以外いがい)[編集へんしゅう]

全身ぜんしん状態じょうたい不良ふりょう場合ばあい治療ちりょう関連かんれん危険きけんたかいため、症状しょうじょう緩和かんわつとめるという選択せんたくもある。

寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう[編集へんしゅう]

以下いか治療ちりょうほう選択せんたくされうる。

  • 標準ひょうじゅんりょうダウノルビシン + 標準ひょうじゅんりょうシタラビン
  • 標準ひょうじゅんりょうダウノルビシン + エノシタビン
  • てい用量ようりょうシタラビン + (G-CSF + アクラルビシン) (CAG療法りょうほう)

寛解かんかい療法りょうほう[編集へんしゅう]

  • シタラビン + アントラサイクリンけい(ミトキサントロン・ダウノマイシン・アクラルビシン)+ αあるふぁ(エトポシドビンクリスチンビンデシン) - 状況じょうきょうおうじて減量げんりょうする。60さい以上いじょうでは大量たいりょうシタラビン療法りょうほう有用ゆうようではない[10]

再発さいはつ難治なんじAML(APL以外いがい)[編集へんしゅう]

基本きほん戦略せんりゃくは、サルベージ療法りょうほうによって再度さいど寛解かんかい導入どうにゅうし、寛解かんかい導入どうにゅうどう程度ていど、あるいはそれ以上いじょう強度きょうど寛解かんかい療法りょうほうおこない、最終さいしゅうてき同種どうしゅ造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくおこなうことである。標準ひょうじゅんてき治療ちりょうほう確立かくりつされているわけではないが、以下いか治療ちりょうほうがあげられる。

晩期ばんき再発さいはつ(初回しょかい寛解かんかいから1ねん以上いじょう経過けいかしてからの再発さいはつ)[編集へんしゅう]

  • 初発しょはつ寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうさい施行しこう
  • A-Triple V療法りょうほう
  • MEC療法りょうほう (ミトキサントロン + エトポシド + ちゅう用量ようりょうシタラビン)

など

早期そうき再発さいはつ(初回しょかい寛解かんかいから再発さいはつまで1ねん未満みまん)[編集へんしゅう]

こう用量ようりょうシタラビンを中心ちゅうしんとした治療ちりょうほうまたは新規しんき薬剤やくざい

  • S-HAM療法りょうほう (ミトキサントロン + こう用量ようりょうシタラビン)
  • FLAGM療法りょうほう (ミトキサントロン + フルダラビン + こう用量ようりょうシタラビン + G-CSF) - フルダラビンをシタラビンの4あいだまえ投与とうよすると、シタラビンのこう白血病はっけつびょう作用さよう増強ぞうきょうされることを利用りようしたもの。ただし日本にっぽんでは2014ねん現在げんざい、フルダラビンはAMLの保険ほけん適用てきようがない。
  • ゲムツズマブ オゾガマイシン - こうCD33モノクローナル抗体こうたい毒素どくそのカリケアマイシンが結合けつごうした薬剤やくざい
  • Volasertib - 現在げんざい臨床りんしょう試験しけんちゅうPlk阻害そがいやく

初発しょはつAPL[編集へんしゅう]

寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう[編集へんしゅう]

APLがのAMLと区別くべつされる最大さいだい特徴とくちょうオールトランスレチノインさん(ATRA)による分化ぶんか誘導ゆうどう療法りょうほう有効ゆうこうなことである。この薬剤やくざい登場とうじょうによりAPLはAMLのなかでもっと良好りょうこうぐんとなった。しかしAPLはせん亢進こうしんともなじゅうあつし播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ症候群しょうこうぐん合併がっぺいするためすみやかに治療ちりょう開始かいしする必要ひつようがある[11]。またATRA治療ちりょうちゅうにAPL分化ぶんか症候群しょうこうぐん[註 2]ばれる急激きゅうげき白血球はっけっきゅう増加ぞうか発熱はつねつ浮腫ふしゅARDSよう呼吸こきゅう不全ふぜん腎不全じんふぜん心不全しんふぜんしょうじることがあるため、治療ちりょうには注意ちゅういようする。レチノインさん症候群しょうこうぐん発症はっしょうした場合ばあいはATRAをきゅうくす副腎ふくじん皮質ひしつホルモン投与とうよする。なお、ATRA治療ちりょうちゅうは、絶対ぜったいトラネキサムさん投与とうよしてはならない(参考さんこう記事きじ)。

原則げんそくとしてアントラサイクリンけい標準ひょうじゅんりょうシタラビンとATRAを併用へいようする。白血球はっけっきゅうすう・APLともにすくない場合ばあいはATRA単独たんどくでもよい[12]が、この場合ばあいでも白血球はっけっきゅうすう増加ぞうかした場合ばあいにはアントラサイクリンけい標準ひょうじゅんりょうシタラビンを追加ついかする。

寛解かんかい療法りょうほう[編集へんしゅう]

アントラサイクリン + 標準ひょうじゅんりょうシタラビン (+ エトボシド)[註 3]を3コースおこなう。 上記じょうき治療ちりょうにPCR検査けんさでPML-RARAが陰性いんせいであれば、経過けいか観察かんさつでよい(追加ついかざい併用へいよう化学かがく療法りょうほう成績せいせき改善かいぜんせず、有害ゆうがい事象じしょうおおいため)[12]

再発さいはつAPL[編集へんしゅう]

さんにより再度さいど寛解かんかいいたることがおお[1]ので、さん + アントラサイクリンによる治療ちりょうだいいち選択せんたくとなる。ただしさん致死ちしてき不整脈ふせいみゃくこす危険きけんがあるなどの副作用ふくさようおおい。またつづさんふく化学かがく療法りょうほう寛解かんかい療法りょうほうとしておこなうが、再発さいはつおお[13]ため、PCR検査けんさでPML-RARAが陰性いんせいであれば自己じこ造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくおこなう。陽性ようせいであれば同種どうしゅ造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょく考慮こうりょする。 さん使用しようできない場合ばあいは、ゲムツズマブオゾガマイシンやタミバロテンがもちいられる。

造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょく[編集へんしゅう]

造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくでは、致死ちしりょうをはるかにえた大量たいりょうこうがんざい放射線ほうしゃせん[註 4]によって白血病はっけつびょうみき細胞さいぼうふくめて病的びょうてき細胞さいぼう一気いっきこそぎ死滅しめつさせることを目指めざす(ぜん処置しょちという)。しかし、この強力きょうりょく治療ちりょうによって正常せいじょう造血ぞうけつ細胞さいぼう死滅しめつするので患者かんじゃ造血ぞうけつ能力のうりょく完全かんぜんうしない、そのままでは患者かんじゃ確実かくじつ死亡しぼうする。そのためにHLAかた一致いっちした健康けんこうじん正常せいじょう造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくして健康けんこう造血ぞうけつシステムを再建さいけんする必要ひつようがある[14]

しかしこの方法ほうほう通常つうじょう移植いしょくぜん処置しょち)はあまりに強力きょうりょくなため、体力たいりょくとぼしい患者かんじゃ高齢こうれいしゃ治療ちりょうえられない。そのためミニ移植いしょくという手段しゅだんもある。ミニ移植いしょくではぜん処置しょちこうがんざい投与とうよ放射線ほうしゃせん治療ちりょうはあまり強力きょうりょくにはしない。そのために白血病はっけつびょうみき細胞さいぼう一部いちぶのこ可能かのうせいたかいが、移植いしょくした正常せいじょう造血ぞうけつシステムによる免疫めんえきによってのこった白血病はっけつびょうみき細胞さいぼう根絶こんぜつされることを期待きたいする。ただし、ミニ移植いしょくでもかなり強力きょうりょく治療ちりょうにはちがいないので、すべての患者かんじゃ適応てきおうになるわけではない[15]

分子ぶんし標的ひょうてき治療ちりょうやく[編集へんしゅう]

以下いか分子ぶんし標的ひょうてき治療ちりょうやく開発かいはつ研究けんきゅうすすめられており、上記じょうき化学かがく療法りょうほうとの併用へいよう治療ちりょう検討けんとうされている。FLT3阻害そがいやくであるギルテリチニブとキザルチニブは再発さいはつまたは難治なんじのFLT3-ITD変異へんい陽性ようせいれいたいして認可にんかされている。

FLT3阻害そがいやく[編集へんしゅう]

細胞さいぼう増殖ぞうしょく促進そくしん受容じゅよう体型たいけいチロシンキナーゼである「FLT3:FMS-like tyrosine kinase 3遺伝子いでんし」の阻害そがいざいとして、FLT3遺伝子いでんし変異へんい陽性ようせいAMLにたいする薬剤やくざいとして以下いかがある。

  • ミドスタウリン(midosutaurin):FLT3-ITD/FLT3-TKDのいずれの場合ばあいにおいて適応てきおうとされ、DNR+AraCに併用へいよう療法りょうほうとしてもちいられる。
  • キザルチニブ(quizartinib):FLT3-ITDの場合ばあいにおいて適応てきおうとされ、たんざいもちいられる。
  • ギルテリチニブ(gilteritinib):FLT3/AXL阻害そがいざい

IDH阻害そがいやく[編集へんしゅう]

「イソクエン酸くえんさん脱水だっすいもと酵素こうそ:IDH」のIDH1/IDH2遺伝子いでんし変異へんい陽性ようせいAMLにたいする薬剤やくざいとして以下いかがある

  • エナシデニブ(enasidenib):IDH2遺伝子いでんし変異へんいたいしてたか選択せんたくせいがある。AML細胞さいぼうこうちゅうだまへの分化ぶんか効果こうかもある。
  • イボシデニブ(ivosidenib):IDH1遺伝子いでんし変異へんいたいしてたか選択せんたくせいがある。AML細胞さいぼうこうちゅうだまへの分化ぶんか効果こうかもある。

BCL2阻害そがいやく[編集へんしゅう]

DOT1L阻害そがいやく[編集へんしゅう]

BET阻害そがいやく[編集へんしゅう]

疫学えきがく[編集へんしゅう]

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう発症はっしょうりつ年間ねんかん人口じんこう10まんにんあたり3-4にんかんがえられている[16][17]ので年間ねんかん人口じんこう10まんにんあたり500にんきょう罹患りかん[註 5]するがん全体ぜんたいなかではまれながんである[18]。しかし、のがんは青年せいねんしゃではほとんど罹患りかんしないので青年せいねんしゃのがんのなかでは急性きゅうせい骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょうはもっとも頻度ひんどたかく、また青年せいねんしゃ死亡しぼうのなかで急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうによる死亡しぼう事故死じこしについでおお[19]

とはいえ急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう若年じゃくねんしゃ発症はっしょうするものの、高齢こうれいしゃ発症はっしょうりつはよりたかいため、人口じんこう高齢こうれいとともに発症はっしょうりつ増加ぞうかしている[16][17]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

註釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ Downしょうではない小児しょうに比率ひりつがAML:ALL=1:4なのにたいし、Downしょうでは1.2:1
  2. ^ 以前いぜんはレチノインさん症候群しょうこうぐんばれていたが、さんによる分化ぶんか誘導ゆうどう療法りょうほうでもしょうじるため、あまり使つかわれなくなった
  3. ^ エトポシドは2コースのみ
  4. ^ 施設しせつ状況じょうきょうによってことなるが、標準ひょうじゅんてきぜん処置しょちでは放射線ほうしゃせんを2Gy×6かいけい12Gyと同時どうじこうがんざいのシクロホスファミドを120mg/体重たいじゅう1kgあたりを投与とうよ、あるいはブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgを投与とうよするが-出典しゅってん豊嶋とよしま造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょく』p.60-63、放射線ほうしゃせん6Gyだけでも致死ちしりょうわれ-出典しゅってんがんサポート情報じょうほうセンターブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgも致死ちしりょうをはるかにえている。放射線ほうしゃせんりょうこうがんざいりょうやすほど再発さいはつ可能かのうせいひくくなるが治療ちりょう関連かんれんえる。-出典しゅってん豊嶋とよしま造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょく』p.60-63
  5. ^ 罹患りかん発症はっしょうちがもので、その病気びょうきにかかったら症状しょうじょうくとも罹患りかん病気びょうきにかかって症状しょうじょうたら発症はっしょうである。ただし、急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうでは罹患りかんりつ発症はっしょうりつにはおおきなはないのでここでは明確めいかくには区別くべつしていない。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h 白血病はっけつびょう分類ぶんるい 国立こくりつがん研究けんきゅうセンター がん情報じょうほうサービス 一般いっぱんほう閲覧えつらん:2019.04.23
  2. ^ a b 浅野あさのさんりん血液けつえきびょうがく』p300
  3. ^ Vardiman JW (2009). “The 2008 revision of the World Health Organization (WHO) classification of myeloid neoplasms and acute leukemia: rationale and important changes.”. Blood 114 (5): 937-951. doi:10.1182/blood-2009-03-209262. PMID 19357394. 
  4. ^ Fernandez HF (2009). “Anthracycline dose intensification in acute myeloid leukemia.”. N Engl J Med 361 (13): 1249-1259. doi:10.1056/NEJMoa0904544.. PMID 19776406. 
  5. ^ Bishop JF (1990). “Etoposide in acute nonlymphocytic leukemia. Australian Leukemia Study Group.”. Blood 75 (1): 27-32. PMID 2403818. 
  6. ^ Bishop JF (1996). “A randomized study of high-dose cytarabine in induction in acute myeloid leukemia.”. Blood 87 (5): 1710-1717. PMID 8634416. 
  7. ^ Weick JK (1996). “A randomized investigation of high-dose versus standard-dose cytosine arabinoside with daunorubicin in patients with previously untreated acute myeloid leukemia: a Southwest Oncology Group study.”. Blood 88 (8): 2841-2851. PMID 8874180. 
  8. ^ a b Miyawaki S (2011). “A randomized comparison of 4 courses of standard-dose multiagent chemotherapy versus 3 courses of high-dose cytarabine alone in postremission therapy for acute myeloid leukemia in adults: the JALSG AML201 Study.”. blood 117 (8): 2366-2372. doi:10.1182/blood-2010-07-295279. PMID 21190996. 
  9. ^ Bloomfield CD (1998). “Frequency of prolonged remission duration after high-dose cytarabine intensification in acute myeloid leukemia varies by cytogenetic subtype.”. Cancer Res. 58 (18): 4173-4179. PMID 9751631. 
  10. ^ Mayer RJ (1994). “Intensive postremission chemotherapy in adults with acute myeloid leukemia. Cancer and Leukemia Group B.”. N Engl J Med 331 (14): 896-903. PMID 8078551. 
  11. ^ Di Bona E (2000). “Early haemorrhagic morbidity and mortality during remission induction with or without all-trans retinoic acid in acute promyelocytic leukaemia.”. Br J Hematol. 108 (4): 689-695. PMID 10792270. 
  12. ^ a b Asou N (2000). “A randomized study with or without intensified maintenance chemotherapy in patients with acute promyelocytic leukemia who have become negative for PML-RARalpha transcript after consolidation therapy: the Japan Adult Leukemia Study Group (JALSG) APL97 study.”. Blood 110 (1): 59-66. PMID 17374742. 
  13. ^ Soignet SL (2001). “United States multicenter study of arsenic trioxide in relapsed acute promyelocytic leukemia.”. J Clin Oncol 19 (18): 3852-3860. PMID 11559723. 
  14. ^ 造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくとは 更新こうしん確認かくにん:2017ねん12月07にち 国立こくりつがん研究けんきゅうセンター 閲覧えつらん:2019.04.23
  15. ^ http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCI/mini_transplant.html 国立こくりつがん研究けんきゅうセンター・造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくミニ移植いしょく] 2011.06.09閲覧えつらん[リンク]
  16. ^ a b 杉本すぎもと内科ないかがく』p.1651
  17. ^ a b 小川おがわ内科ないかがくしょ』p.118
  18. ^ 最新さいしんがん統計とうけい 更新こうしん確認かくにん:2019ねん01がつ21にち 国立こくりつがん研究けんきゅうセンター がん登録とうろく統計とうけい
  19. ^ 愛知あいちけんがんセンター・白血病はっけつびょう発生はっせいりつ 2011.04.27閲覧えつらん[リンク]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

書籍しょせき