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急性白血病 - Wikipedia コンテンツにスキップ

急性きゅうせい白血病はっけつびょう

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急性きゅうせい白血病はっけつびょう(きゅうせいはっけつびょう)とは、造血ぞうけつみき細胞さいぼうまたは造血ぞうけつ前駆ぜんく細胞さいぼう自律じりつてき増殖ぞうしょくのう獲得かくとく分化ぶんか成熟せいじゅく障害しょうがいがおこり、腫瘍しゅようする病態びょうたいである。腫瘍しゅよう細胞さいぼう不死ふし細胞さいぼう寿命じゅみょう延長えんちょう)という特性とくせいをもち、正常せいじょう骨髄こつづい占拠せんきょして正常せいじょう造血ぞうけつ阻害そがい各種かくしゅ正常せいじょう血液けつえき細胞さいぼう減少げんしょうをおこす。末梢まっしょうでは白血球はっけっきゅうおさなわか細胞さいぼう白血病はっけつびょう細胞さいぼう増加ぞうかしたりするが、それは正常せいじょう機能きのうのない細胞さいぼうであるので、感染かんせん防御ぼうぎょ機構きこう破綻はたんする。

骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐんまったことなる病態びょうたいしめしている。腫瘍しゅよう細胞さいぼう不死ふしするのが特徴とくちょうであり、急性きゅうせい白血病はっけつびょうのような異常いじょう増殖ぞうしょくのうがない場合ばあいおお臨床りんしょう症状しょうじょうはほとんどなく、高齢こうれいしゃ治療ちりょう抵抗ていこうせい貧血ひんけつ指摘してきされることがおおい。

慢性まんせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう分化ぶんか成熟せいじゅく障害しょうがいがなく、白血球はっけっきゅうきれあなられないのが特徴とくちょうである。これらは分化ぶんか障害しょうがいたないというてん急性きゅうせい白血病はっけつびょう区別くべつされ、骨髄こつづい増殖ぞうしょくせい疾患しっかん分類ぶんるいされる(なおリンパせい白血病はっけつびょうにおける白血球はっけっきゅうきれあなというものは意識いしきされていない )。またリンパけい腫瘍しゅよう由来ゆらい細胞さいぼうもとづきWHO分類ぶんるいしたが分類ぶんるいされる、これらは内部ないぶリンク悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅくわしい。

症状しょうじょう[編集へんしゅう]

貧血ひんけつ発熱はつねつ出血しゅっけつ傾向けいこうもっと有名ゆうめい症状しょうじょうである。ほかにもこつつうきもしゅだい脾腫、リンパぶし腫脹しゅちょうこることもある。骨髄こつづい穿刺せんし骨髄こつづいせいけんという特殊とくしゅ検査けんさ診断しんだんされるので、うたがわしい病歴びょうれきにならないかぎ診断しんだんされないことがおおい。白血病はっけつびょうといわれるものは骨髄こつづいでの腫瘍しゅよう細胞さいぼう増殖ぞうしょく骨髄こつづいのバリアー機構きこう破綻はたんからようわか細胞さいぼう末梢まっしょうへの流出りゅうしゅつというのが特徴とくちょうであり悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ多発たはつせい骨髄腫こつづいしゅなどのになるが進行しんこうすると臓器ぞうき浸潤しんじゅんこすことがられている。肝臓かんぞう脾臓ひぞうずいまく精巣せいそう皮膚ひふ歯肉はにく骨膜こつまくへの浸潤しんじゅんおおい。

白血病はっけつびょうは「血液けつえきのガン」とばれているが、おおくのがん生活せいかつ習慣しゅうかん要因よういんとされているが、白血病はっけつびょう場合ばあい生活せいかつ習慣しゅうかんとの関係かんけいせいはほぼ皆無かいむで、遺伝子いでんし異常いじょう原因げんいんである。そのため、まれてすぐのあかぼうから高齢こうれいしゃまで幅広はばひろやまいである。がん同様どうよう若年じゃくねんそうほう進行しんこうはやいため、わかくしてくなるケースがおおい。

せい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

せい白血病はっけつびょう基本きほんてき急性きゅうせい白血病はっけつびょうちか病態びょうたいとなる。骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐん(MDS: myelodysplastic syndromes)が白血病はっけつびょうした場合ばあい慢性まんせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう急性きゅうせい転化てんか、そのがんこうがんざい使用しようした場合ばあいせいがん、これらは基本きほんてき急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう形態けいたいをとる。それが急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう(AML:Acute Myeloid Leukemia) であるかということには異論いろんはあるが急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょうであるということでコンセンサスがとれている。

歴史れきしてき定義ていぎ遷移せんい[編集へんしゅう]

2007ねん現在げんざい白血病はっけつびょう定義ていぎ過渡かとにある。そのため用語ようご混乱こんらんしているてん多々たたあるため、それらの歴史れきしてき遷移せんい理解りかいすることは非常ひじょう有効ゆうこうである。

もともと、白血病はっけつびょうとは末梢まっしょうなか白血病はっけつびょう細胞さいぼういまでいうだま)が出現しゅつげんする病気びょうきとして定義ていぎされた。臨床りんしょう症状しょうじょう出現しゅつげんし、医療いりょう機関きかん受診じゅしん死亡しぼうするまでの期間きかん観察かんさつすると経過けいかはやぐんおそぐんがみられ急性きゅうせい白血病はっけつびょう慢性まんせい白血病はっけつびょう分類ぶんるいされるようになった(治療ちりょうほうがある現在げんざいではまずおこなわれない)。経過けいかはやぐんではだまいちじるしく増加ぞうかしているのにたいして、経過けいかがゆっくりとしたぐんでは成熟せいじゅくした白血球はっけっきゅう増加ぞうかしていることがわかってきた。そのため、急性きゅうせい白血病はっけつびょう分化ぶんか障害しょうがいがあり白血球はっけっきゅうきれあな存在そんざいするのにたいして慢性まんせい白血病はっけつびょうでは分化ぶんか障害しょうがいはなく末梢まっしょう様々さまざま分化ぶんか成熟せいじゅく過程かてい白血球はっけっきゅう出現しゅつげんする(すなわち白血球はっけっきゅうきれあな存在そんざいしない)と理解りかいされるようになった。末梢まっしょうだま成熟せいじゅく過程かていによって分類ぶんるいされるようになったのである。やがて、白血病はっけつびょうようわか白血病はっけつびょう細胞さいぼう骨髄こつづい増殖ぞうしょくする腫瘍しゅようせい疾患しっかんであるということがわかってきた。また白血球はっけっきゅうだけではなくほか血球けっきゅうでも同様どうよう病態びょうたいしょうじることがわかってきて骨髄こつづい増殖ぞうしょくせい疾患しっかんという概念がいねんまれた。

白血病はっけつびょう理解りかいするにおいてリンパ腫りんぱしゅ定義ていぎっていなければならない。リンパ腫りんぱしゅとは異常いじょうなリンパだまリンパぶしをはじめとするリンパ組織そしき増殖ぞうしょくしそこで腫脹しゅちょうする病気びょうきとして定義ていぎされた。そのため悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ腫瘍しゅよう細胞さいぼう末梢まっしょうなか出現しゅつげんすると白血病はっけつびょう古典こてんてき定義ていぎたしてしまい白血病はっけつびょうえてしまうこととなる。悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ白血病はっけつびょう区別くべつできなくなると非常ひじょうこまるので、そのような病態びょうたい悪性あくしょうリンパ腫りんぱしゅしろぶこととなった。定義ていぎじょうリンパ腫りんぱしゅしろしないかぎり、末梢まっしょう白血病はっけつびょう細胞さいぼうられることはない。リンパだまにはリンパぶしという器官きかんがあるため非常ひじょう病態びょうたい解釈かいしゃくむずかしい。骨髄こつづいでリンパだま異常いじょうこり、白血病はっけつびょうとなりリンパぶし浸潤しんじゅんしたのか、リンパぶし異常いじょうがおこりそれがしろ骨髄こつづい浸潤しんじゅんをしたのか区別くべつできなくなるのである。2000ねんのWHO分類ぶんるい以降いこうリンパせい白血病はっけつびょう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ無理むり区別くべつすることはないということとなっている。実際じっさい慢性まんせいリンパせい白血病はっけつびょうではリンパ腫りんぱしゅ先行せんこうしたものでそれがしろしたものにぎないとかんがえられている。WHO分類ぶんるいでもリンパせい白血病はっけつびょうリンパ腫りんぱしゅ本質ほんしつてきにはおなじもので両者りょうしゃ区別くべつおこな意義いぎはないとかんがえられている。しかし急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう症候しょうこうがくリンパ腫りんぱしゅよりも急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうちかいため、リンパせい白血病はっけつびょうすべリンパ腫りんぱしゅとしてあつかうというかんがかた臨床りんしょうにはれられない。そのため、古典こてんてきには急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう急性きゅうせい白血病はっけつびょうとしてまとめるという方法ほうほうがとられている。

もうひとつ、骨髄腫こつづいしゅという概念がいねんもある。これは形質けいしつ細胞さいぼう腫瘍しゅようしたものであるが、不思議ふしぎなことに骨髄こつづい腫瘍しゅようする。長命ちょうめい形質けいしつ細胞さいぼう骨髄こつづい循環じゅんかん適応てきおうしているので,骨髄こつづい増殖ぞうしょくしてもおかしくないともえる。一応いちおう、WHO分類ぶんるいではB細胞さいぼうせい腫瘍しゅよう分類ぶんるいはされている。

近年きんねんがんみき細胞さいぼう仮説かせつというものが注目ちゅうもくされているが、これは急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうにて考案こうあんされた仮説かせつである。

FAB分類ぶんるい[編集へんしゅう]

急性きゅうせい白血病はっけつびょうFAB分類ぶんるいWHO分類ぶんるいによって診断しんだん分類ぶんるいおこなわれる。FAB分類ぶんるい骨髄こつづい穿刺せんしによって治療ちりょう急性きゅうせい白血病はっけつびょう細胞さいぼうメイ・ギムザ染色せんしょくによる形態けいたいぞうとミエロペルオキシターゼ染色せんしょく(MPO)の陽性ようせいりつによって急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう分類ぶんるいされる。一般いっぱんには骨髄こつづいだま割合わりあいが30%以上いじょうだと急性きゅうせい白血病はっけつびょう診断しんだんされる。しかし、WHO分類ぶんるいでは20%以上いじょうとなっており骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐんとの境界きょうかいわりつつある。ミエロペルオキシダーゼ染色せんしょくは3%以上いじょう陽性ようせいりつ骨髄こつづいせい診断しんだんされ、それ以外いがいはリンパせい診断しんだんされる。

だまがペルオキシダーゼ染色せんしょく陰性いんせい、エステラーゼ染色せんしょく陰性いんせい場合ばあいは、急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう診断しんだんされる。だまがペルオキシダーゼ染色せんしょく陽性ようせい、エステラーゼ染色せんしょく陰性いんせい場合ばあい急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう診断しんだんされる。だまがペルオキシダーゼ染色せんしょく陽性ようせい、エステラーゼ染色せんしょく陽性ようせい場合ばあい急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょう診断しんだんされる。白血球はっけっきゅう細胞さいぼうアズール顆粒かりゅうアウエル小体こてい豊富ほうふっている場合ばあい急性きゅうせいぜん骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう診断しんだんされる。実際じっさいのFAB分類ぶんるいではさらにこまかく診断しんだんできるが2007ねん現在げんざい医療いりょう水準すいじゅんではこれ以上いじょう診断しんだんをしたところで治療ちりょうほうおおきなしょうじない。

M0 微分びぶんがた骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

分化ぶんか成熟せいじゅく傾向けいこうがなく、ひかりあらわペルオキシダーゼは陰性いんせい(3%未満みまん)だが、電子でんし顕微鏡けんびきょうペルオキシダーゼ染色せんしょくでは陽性ようせいあるいはCD33、CD13の骨髄こつづいせいマーカー陽性ようせいとなる。

M1 分化ぶんかがた骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

成熟せいじゅく傾向けいこうがない骨髄こつづいだませいであり骨髄こつづいペルオキシダーゼ陽性ようせいだま3%以上いじょうである。だまあかだま以外いがい細胞さいぼうの90%以上いじょうめる。だまあかだま以外いがいが90%以上いじょうめる。

M2 分化ぶんかがた骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

成熟せいじゅく傾向けいこうがある骨髄こつづいだませいであり、骨髄こつづいにおいて骨髄こつづいだまぜん骨髄こつづいだま割合わりあいが50%以上いじょうである。t(8;21)(q22;q22) AML1/ETO融合ゆうごう遺伝子いでんし特徴とくちょうてきである。アウエル小体こていられることがある。

M3 ぜん骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせいぜん骨髄こつづいだませい白血病はっけつびょう(APL)として区別くべつされる。だい部分ぶぶん形成けいせいつよぜん骨髄こつづいだまである。t(15;17)(q22;q12) PML/RARαあるふぁ融合ゆうごう遺伝子いでんし特徴とくちょうてきである。アウエル小体こていとそれがたばになったファゴット細胞さいぼう特徴とくちょうてきである。

M4 骨髄こつづいたんたませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせい骨髄こつづいたんたませい白血病はっけつびょう(AMMoL)ともいわれる。骨髄こつづいけいたんたまけい細胞さいぼう混在こんざいしている。

M5 たんたませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょう(AMoL)ともいわれる。分化ぶんかがた分化ぶんかがた細分さいぶんされる。ちゅう尿にょうちゅうのリゾチーム活性かっせい増加ぞうかすること、白血病はっけつびょう細胞さいぼうかくむがあり、かわ疹、歯肉はにく腫脹しゅちょうこりやすいということ以外いがいのAMLとのとくにない。M5a(分化ぶんかがた)ではたんたまけいの80%以上いじょうたんだまで、M5b(分化ぶんかがた)では分化ぶんか傾向けいこうがみられるという細分さいぶんるいもある。CD13、CD33、CD14が陽性ようせいでありNaFに阻害そがいされる非特異ひとくいてきエステラーゼ染色せんしょく陽性ようせいである。

M6 あか白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

あかだまけい細胞さいぼうが50%以上いじょうきょあかだま細胞さいぼう形成けいせいなどがみられる。あかだま区別くべつしにくいときはPAS染色せんしょくおこなうとわかりやすい。骨髄こつづいだまあかだま以外いがいの30%以上いじょうある場合ばあいはM6として、30%未満みまんである場合ばあい骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐんとして区別くべつしている。

M7 きょかくだませい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせいきょかくだませい白血病はっけつびょうともいう。L2との鑑別かんべつ問題もんだいとなる。でんあらわ血小板けっしょうばんペルオキシダーゼ染色せんしょくおこなったり、CD41といった表面ひょうめん抗原こうげん区別くべつする。

L1[編集へんしゅう]

小児しょうにがたのALLである。近年きんねん表面ひょうめん抗原こうげんをもちいてWHO分類ぶんるい、すなわち形態けいたいより由来ゆらい細胞さいぼう(B細胞さいぼうせいやT細胞さいぼうせい)で分類ぶんるいされることがおおくあまり使つかわなくなってきた。均一きんいつせいかくがた規則きそくせいかく小体こていすくなくN/Cだいであるのが特徴とくちょうである。B細胞さいぼうせいであることがおおいがT細胞さいぼうせい存在そんざいする。

L2[編集へんしゅう]

成人せいじんがたのALLである。近年きんねん表面ひょうめん抗原こうげんをもちいてWHO分類ぶんるい、すなわち形態けいたいより由来ゆらい細胞さいぼう(B細胞さいぼうせいやT細胞さいぼうせい)で分類ぶんるいされることがおおくあまり使つかわなくなってきた。均一きんいつせいかくがた不規則ふきそくせいかく小体こていおおくN/Cしょうであるのが特徴とくちょうである。B細胞さいぼうせいであることがおおいがT細胞さいぼうせい存在そんざいする。

L3[編集へんしゅう]

EBウイルス関連かんれんのあるバーキットリンパ腫りんぱしゅしろしたものとかんがえられている。細胞さいぼうしつひろく、そら形成けいせいしるあきらである。

WHO分類ぶんるい[編集へんしゅう]

2000ねんにWHO分類ぶんるいができ、さらに2008ねんあたらしいWHO分類ぶんるいだい4はん発行はっこうされた。

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

染色せんしょくたいてんともな再発さいはつがた
t(8:21)をともなうAML
FAB分類ぶんるいのM2のうちの一部いちぶである。いとわれている。
APL
FAB分類ぶんるいのM3である。分化ぶんか誘導ゆうどう療法りょうほう使用しよう可能かのうでありもっとがよい。t(15:17)が特徴とくちょうである。
骨髄こつづいちゅうこうさんだま増加ぞうかともなうAML
M4Eoとばれたものである。
11q23変異へんいともなうAML
骨髄こつづい形成けいせい関連かんれんするもの
骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐんからAMLとなったものである。
治療ちりょう関連かんれんするもの
こうがんざい投与とうよによっててきにAMLとなったものである。使用しよう薬剤やくざいによって染色せんしょくたい異常いじょう一定いっていのパターンがられている。
その
皮肉ひにくなことに、FAB分類ぶんるい分類ぶんるいされるほとんどのものがその相当そうとうする。

急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

WHO分類ぶんるいでは形態けいたいがくてき分類ぶんるいではなく、細胞さいぼう由来ゆらいによって分類ぶんるいするようになった。従来じゅうらいのL1、L2はどちらもB細胞さいぼうけいおおいのが特徴とくちょうであった。2004ねん現在げんざいではこのように分類ぶんるいあらたまっても治療ちりょう直結ちょっけつするエビデンスはとぼしい。むしろリンパだませいリンパ腫りんぱしゅとの区別くべつやとフィラデルフィア染色せんしょくたい有無うむほう治療ちりょう直結ちょっけつする。WHO分類ぶんるいは2004ねん現在げんざいでは急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょうをリンパけい腫瘍しゅようという概念がいねんふくめたこと重要じゅうようであって治療ちりょうには直結ちょっけつしない。

前駆ぜんくB細胞さいぼうせい急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう
これに分類ぶんるいされることがおおい。
前駆ぜんくT細胞さいぼうせい急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう
成人せいじんT細胞さいぼう白血病はっけつびょうとの鑑別かんべつ重要じゅうようとなっている。
バーキット細胞さいぼう白血病はっけつびょう
EBウイルスによるリンパ腫りんぱしゅしろしたものである。成熟せいじゅくしたB細胞さいぼうせい急性きゅうせいリンパ腫りんぱしゅともいう。

系統けいとう不明ふめい急性きゅうせい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせい白血病はっけつびょう白血病はっけつびょう細胞さいぼうだま)の性質せいしつによって骨髄こつづいせいとリンパせい大別たいべつされるが、ごくわずかにどちらにも分類ぶんるいできないものがある。 系統けいとう不明ふめい急性きゅうせい白血病はっけつびょう症例しょうれいすくなすぎて発症はっしょうりつなどの疫学えきがく病態びょうたい治療ちりょうほうなどデータ不足ふそく不明ふめい部分ぶぶんおお白血病はっけつびょうであるが、一般いっぱんわるいとされる[1]

  • 急性きゅうせい分化ぶんか白血病はっけつびょうあるいは系統けいとう明確めいかく急性きゅうせい白血病はっけつびょう Acute undifferentiated leukemia (AUえーゆーL) 白血病はっけつびょう細胞さいぼうだま)にはリンパけいのマーカー(CD3やCD19など)も骨髄こつづいけいあかしであるミエロペルオキシターゼの発現はつげんもない。きょかくだまけいのマーカーもその特異とくいマーカーも発現はつげんしておらず、CD34あるいはCD38マーカーなどみき細胞さいぼうのマーカーはあらわれており、もっとも分化ぶんかの(AML-M0よりもさらに分化ぶんか骨髄こつづいけい・リンパけいのどちらにも分化ぶんか傾向けいこうがない)白血病はっけつびょう細胞さいぼう出現しゅつげんする[1]
  • 混合こんごう形質けいしつせい急性きゅうせい白血病はっけつびょう mixed phenotype acute leukemias (MPAL) MPALにはさらに2種類しゅるいあり、ひとつの白血病はっけつびょう細胞さいぼうにリンパけい骨髄こつづいけいのそれぞれのマーカーが同時どうじ発現はつげんしているものと、リンパけい白血病はっけつびょう細胞さいぼう集団しゅうだん骨髄こつづいけい白血病はっけつびょう細胞さいぼう集団しゅうだんの2系統けいとう細胞さいぼう集団しゅうだん同時どうじあらわれるものがある。なお、この混合こんごう形質けいしつせい急性きゅうせい白血病はっけつびょうにはt(8;21)(q22,q22)をゆうするAMLのようにすでに2008ねんWHO分類ぶんるいでカテゴリー分類ぶんるいされているものはふくめない[1]

小児しょうに急性きゅうせい白血病はっけつびょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう

小児しょうに急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょうおおむね80%以上いじょう治癒ちゆされるとされている。成人せいじんはつ症例しょうれいくらべてフィラデルフィア染色せんしょくたい変異へんいやT細胞さいぼうせい急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう頻度ひんどすくないからとかんがえられている。JPLSGらによってプロトコールの開発かいはつがされている。ALLの診断しんだん骨髄こつづい標本ひょうほんによってエステラーゼ染色せんしょく陰性いんせい、ペルオキシダーゼ染色せんしょく陰性いんせいのリンパだまぜんゆうかく細胞さいぼうの25%以上いじょうみとめられるときに診断しんだんされる。B細胞さいぼうせいである場合ばあい表面ひょうめんマーカーがCD19、HLA-DR陽性ようせい場合ばあいおおく、この場合ばあいはpre-Bcellを由来ゆらいとしたcommon ALLとされる。詳細しょうさい下図したずにまとめる。

B細胞さいぼうけい表面ひょうめんマーカー
CD19またはCD7aまたはCD22のうちすくなくとも2つの抗原こうげん発現はつげんしている場合ばあいはB細胞さいぼうけい診断しんだんする。
カテゴリー 表面ひょうめんマーカー
pro-B ALL のB細胞さいぼうせいマーカーをゆうさない(HLA-DR,TdT,CD34のみ)
common ALL 上記じょうきくわえCD10
pre-B ALL pro-B/common ALLのマーカーにくわえてcytoplasmic IgM
mature ALL cytoplasmic/surface κかっぱあるいはλらむだ
T細胞さいぼうけい表面ひょうめんマーカー
cytoplasmic CD3がみとめられるとT細胞さいぼうけい診断しんだんする。
カテゴリー 表面ひょうめんマーカー
pro-T ALL CD7(通常つうじょうTdT,CD34,CD38をともなう)
pre-T ALL 上記じょうきくわえCD5 and/or CD2 and/or CD8
cortial ALL すべてのT cellマーカーにくわえCD1a
mature ALL すべてのT cellマーカーにくわえmembrane CD3(CD1aは陰性いんせい

重症じゅうしょう年齢ねんれい末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう、PSL投与とうよ末梢まっしょうだますうによって決定けっていされる。初期しょき評価ひょうかはB細胞さいぼうせい、T細胞さいぼうせいともに同様どうようおこない、PSLを7日間にちかん投与とうよしたのちday8の末梢まっしょうだますうによって、SR(標準ひょうじゅん危険きけんぐん)、HR(中間なかま危険きけんぐん)、HEX(こう危険きけんぐん)、HEX-SCT(こう危険きけんぐん造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょくようする)にけられる。

初期しょきリスク分類ぶんるい
末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう 1~6さい 7~9さい 10~とし
~20,000 SR HR HR
20,000~50,000 HR HR HR
50,000~100,000 HR HR HEX
100,000~ HEX HEX HEX

初期しょき評価ひょうかんだらけい静脈じょうみゃくてきにプレドニゾロンの投与とうよおこないday8における末梢まっしょうだますうによってリスク分類ぶんるいおこなう。この場合ばあいT細胞さいぼうせいとnonT細胞さいぼうせい評価ひょうかことなる。これはプレドニゾロンの反応はんのうせい評価ひょうかするということである。

nonTcell
初期しょきリスク 末梢まっしょうだますう0~999 末梢まっしょうだますう1000~
SR SR HEX
HR HR HEX
HEX HEX HEX-SCT
Tcell
初期しょきリスク 末梢まっしょうだますう0~999 末梢まっしょうだますう1000~
すべ HEX HEX-SCT

またとくにT-ALLの場合ばあい中枢ちゅうすう神経しんけい病変びょうへん評価ひょうか重要じゅうようとなる。

中枢ちゅうすう神経しんけいけい浸潤しんじゅん診断しんだん基準きじゅん
  ずいえき所見しょけん
CNS-1 ずいえきちゅうたまなし
CNS-2 WBC<5/µLかつだまあり
CNS-3 WBC<5/µLかつだまあり、またはWBC<5/µLで中枢ちゅうすう神経症しんけいしょうじょう画像がぞう所見しょけんがある場合ばあい

またT-ALLではday8にてHEXである場合ばあいぜん年齢ねんれいにおいて12Gyのぜんのう照射しょうしゃおこなうことがおおい。プロトコールにしたがって寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう強化きょうか療法りょうほう維持いじ療法りょうほうおこなう。小児しょうにALLにおける寛解かんかい定義ていぎはG-CSF投与とうよなしでこうちゅうだまが500/µL以上いじょう血小板けっしょうばん8まん以上いじょう輸血ゆけつ依存いぞんせい末梢まっしょう白血病はっけつびょう細胞さいぼうみとめないという状態じょうたい白血病はっけつびょうによる臨床りんしょう症状しょうじょう臨床りんしょう所見しょけん消失しょうしつし、骨髄こつづいにおいてだまが5%以下いかでありあきらかな白血病はっけつびょう細胞さいぼう形態けいたいみとめられないときである。

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう骨髄こつづいにおいてちょんゆうかく細胞さいぼうすうの20%以上いじょう骨髄こつづいだま、もしくはt(8:21)(q22;q22)、inv(16)(p13;q22)、t(16;16)(p13;q22)の染色せんしょくたい異常いじょうみとめられたとき小児しょうにでは急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう定義ていぎされる。寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう2で完全かんぜん寛解かんかいとなったのちにリスク分類ぶんるいがされる。

分類ぶんるい 内容ないよう
こうリスクぐん(HR) monosomy 7、5q-、t(16;21)(p11;q22),Ph1,FLT3-itd陽性ようせいまたは寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう1終了しゅうりょう骨髄こつづいだますう≧5%,またはずいがい浸潤しんじゅん残存ざんそんみとめるとき。
ちゅうリスクぐん(IR) HRもLRの基準きじゅんたさないもの。
ていリスクぐん t(8:21)(q22;q22)またはinv(16)(p13;q22)またはt(16;16)(p13;q22)陽性ようせいかつ寛解かんかい療法りょうほう1ののち骨髄こつづいだま<5%、かつずいがい浸潤しんじゅんなし

小児しょうに急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう完全かんぜん寛解かんかい定義ていぎG-CSF投与とうよ48時間じかん以上いじょう経過けいかしてこうちゅうだまが500/µL以上いじょうであり、血小板けっしょうばん輸血ゆけつなく血小板けっしょうばん75,000/µL以上いじょう末梢まっしょうだまみとめない状態じょうたいであり、白血病はっけつびょうによる臨床りんしょう症状しょうじょう消失しょうしつし、ずいえき浸潤しんじゅんふくめた臓器ぞうき浸潤しんじゅん消失しょうしつ細胞さいぼう密度みつど成形せいけいせいちかく、3系統けいとう前駆ぜんく細胞さいぼう適度てきど増殖ぞうしょくしており、骨髄こつづいだまぜんゆうかく細胞さいぼうすうの5%未満みまんでありアウエル小体こていみとめない、これらすべてをたしたときである。

表面ひょうめん抗原こうげん遺伝子いでんし検査けんさ[編集へんしゅう]

近年きんねん細胞さいぼう表面ひょうめん免疫めんえき染色せんしょく染色せんしょくたい検査けんさ遺伝子いでんし検査けんさでFAB分類ぶんるい診断しんだんおこなうこともおおい。CD45白血球はっけっきゅう共通きょうつう抗原こうげん)の発現はつげんりつ白血病はっけつびょう細胞さいぼう比率ひりつひく場合ばあいでも検査けんさができるようになった。

造血ぞうけつみき細胞さいぼうしめ抗原こうげん[編集へんしゅう]

CD34
これはみき細胞さいぼうであることをしめしているとかんがえられている。がんみき細胞さいぼうにも発現はつげんしている。

顆粒かりゅうだましめ抗原こうげん[編集へんしゅう]

CD13
ほとんどすべてのAMLで陽性ようせいとなる。ときにリンパけいでも陽性ようせいとなる。
CD33
ようわか骨髄こつづいけい陽性ようせいとなる。ほとんどのAMLで陽性ようせいとなる。
CD11b
分化ぶんか傾向けいこうのあるAMLで陽性ようせいとなる。

Bcellをしめ抗原こうげん[編集へんしゅう]

CD10
おおくのB-ALLで陽性ようせいとなる。ときにT-ALLでも陽性ようせいとなる。
CD19
ほとんどのB-ALLで陽性ようせいとなる。
CD20
B-ALLで陽性ようせい、common ALLでは陰性いんせいのこともある。
Slg
一部いちぶのB-ALLで陽性ようせいとなる。

Tcellをしめ抗原こうげん[編集へんしゅう]

CD2
だい部分ぶぶんのT-ALLで陽性ようせいとなる。AMLでも陽性ようせいとなることがある。
CD3
T-ALLでの陽性ようせいりつたかくはないが特異とくい非常ひじょうたかい。
CD5
T-ALLのおおくで陽性ようせいとなる。
CD7
T-ALLのおおくで陽性ようせいときにAMLでも陽性ようせいとなる。

きょかくだましめ抗原こうげん[編集へんしゅう]

CD41
CD61

フローサイトメトリーによる解析かいせき[編集へんしゅう]

治療ちりょう[編集へんしゅう]

急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう治療ちりょう[編集へんしゅう]

治療ちりょう方針ほうしんはAPLかAPL以外いがいのAMLかでおおきくことなる。年齢ねんれい50さい以下いかパフォーマンスステータスが0~2、inv(16),t(8:21),t(15:17),de novo AMLは良好りょうこうぐんであり、46XY,-Yは中間なかまぐんふくごうがた染色せんしょくたい異常いじょう不良ふりょうぐんである。治療ちりょう急性きゅうせい白血病はっけつびょうだいいち選択せんたく化学かがく療法りょうほうであるが不良ふりょうぐん化学かがく療法りょうほうでの治癒ちゆ期待きたいできず、造血ぞうけつみき細胞さいぼう移植いしょく骨髄こつづい移植いしょく検討けんとうされる。これらの治療ちりょう適応てきおうせまく、一般いっぱんには50さい以下いかでHLAの一致いっちしたドナーがいる場合ばあい適応てきおうがあるとわれている。近年きんねん分子ぶんし標的ひょうてきやくこうCD33抗体こうたいであるゲムツズマブなどをもちいることもある。化学かがく療法りょうほうでは寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう寛解かんかい療法りょうほうかれる。寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう完全かんぜん寛解かんかい(CR)をみちびくための治療ちりょうほうである。完全かんぜん寛解かんかいとは体内たいない白血病はっけつびょう細胞さいぼうが10の10じょう未満みまん発症はっしょうは12じょう以上いじょうある)となることで骨髄こつづい末梢まっしょうちゅう白血病はっけつびょう細胞さいぼうがほとんど消失しょうしつし、正常せいじょう造血ぞうけつのう回復かいふくした状態じょうたいのことをいう。白血病はっけつびょう細胞さいぼう完全かんぜん消失しょうしつしたわけではないのでこのままでは再発さいはつが必発であるので、寛解かんかい療法りょうほうおこなう。寛解かんかい療法りょうほうには寛解かんかい導入どうにゅう直後ちょくごおこな地固じがた療法りょうほう間欠かんけつてき強力きょうりょくおこな維持いじ療法りょうほうがある。

non APL
IDR(イダルビシン)とAra-C(シタラビン)が寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうでは標準ひょうじゅんてきである。
APL
寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうとしてはATRAによる分化ぶんか誘導ゆうどう療法りょうほうもちいられる。オールトランスレチノインさんとDNR(アントラサイクリン)の併用へいよう寛解かんかいはDNR単独たんどく療法りょうほう維持いじ療法りょうほうとしてはATRAとこうがんざい併用へいようおこなわれる場合ばあいおおい。APLでは播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ症候群しょうこうぐんこしやすく、レチノインさん症候群しょうこうぐんという治療ちりょうちゅう合併症がっぺいしょうもある。はい水腫すいしゅのような病態びょうたいになるのでその場合ばあいはステロイドパルスをおこなう。

急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう治療ちりょう[編集へんしゅう]

小児しょうにのALLは比較的ひかくてき良好りょうこうである。標準ひょうじゅん療法りょうほう確立かくりつしていない。再発さいはつずいまく白血病はっけつびょうとなることがおおく、予防よぼうてきにメトトレキセートをずいない投与とうよすることもある。その場合ばあい血液けつえきがたことなっても適合てきごうすることがあるため、まれった血液けつえきがたわることもある。

化学かがく療法りょうほう副作用ふくさよう[編集へんしゅう]

化学かがく療法りょうほうもちいる副作用ふくさようとしては悪心あくしん嘔吐おうと食欲しょくよく不振ふしん下痢げりといった消化しょうか症状しょうじょう骨髄こつづい抑制よくせい程度ていどはあるもののすべてのこうがんざい存在そんざいする。特徴とくちょうてきなものとしてはシクロホスファミド(エンドキサン)の出血しゅっけつせい膀胱ぼうこうえん、メトトレキセート(メソトレキセート)の口内こうないえん、アントラサイクリンけいたとえば、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、アドリアマイシン心筋しんきん障害しょうがいブレオマイシンはい線維せんいしょう、ビンアルカロイドけいたとえば、ビンクリスチン(オンコビン)の腸閉塞ちょうへいそく末梢まっしょう神経しんけい障害しょうがい、L-アスパラキナーゼの凝固ぎょうこ因子いんし低下ていかなどが有名ゆうめいである。

治療ちりょう効果こうか判定はんてい[編集へんしゅう]

悪性あくせい血液けつえき疾患しっかんにおいて急性きゅうせい白血病はっけつびょう非常ひじょう特殊とくしゅである。それは国際こくさい因子いんしというものが存在そんざいしないことである。たとえば悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅのaggressive typeでは国際こくさい因子いんしIPI、濾胞せいリンパ腫りんぱしゅではFLIPI、多発たはつせい骨髄腫こつづいしゅではISSというものが存在そんざいする。急性きゅうせい白血病はっけつびょうでは因子いんしという言葉ことばがあるが国際こくさい因子いんし存在そんざいしない。これは化学かがく療法りょうほうのやりかた統一とういつされていないこと、移植いしょくくわわるとちがうこと、年齢ねんれいによって治療ちりょうことなることが理由りゆうとされている。

固形こけいがんことなり、骨髄こつづいおか白血病はっけつびょうはサイズによる治療ちりょう効果こうか判定はんていむずかしい。もちろん臓器ぞうき浸潤しんじゅんまみえればそれは治療ちりょう効果こうか判定はんてい使つかえるがそれ以上いじょう血液けつえきぞう重視じゅうしする。いくつかの用語ようごがありこれを整理せいりする。

完全かんぜん寛解かんかい(CR)
すべての標的ひょうてき病変びょうへん消失しょうしつをしめす。4週間しゅうかん確認かくにんできる。
部分ぶぶん寛解かんかい(PR)
30%以上いじょう縮小しゅくしょうである。4週間しゅうかん確認かくにんできる。
進行しんこう(PD)
20%以上いじょう増大ぞうだい
安定あんてい(SD)
PR、PDの基準きじゅんたないもの。

白血病はっけつびょう寛解かんかい条件じょうけん骨髄こつづいだまが5%以下いかになること、末梢まっしょうちゅうだまみとめないこと、造血ぞうけつ機能きのう回復かいふくすることという3つの条件じょうけんが4週間しゅうかん以上いじょうつづくことである。化学かがく療法りょうほうでこの条件じょうけんにもっていくものを寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほう非常ひじょうつよ化学かがく療法りょうほう)という。この寛解かんかい形態けいたいがくてき寛解かんかいであり白血病はっけつびょう細胞さいぼうが10の10じょう未満みまんとなることである(発症はっしょうは12じょう以上いじょうある)。がん細胞さいぼう残存ざんそんするのでこのまま放置ほうちすれば確実かくじつにPDとなる。そこで地固じがた療法りょうほう維持いじ療法りょうほう強化きょうか療法りょうほうという寛解かんかい療法りょうほう追加ついかすることとなる。地固じがた療法りょうほう寛解かんかい療法りょうほうおなじくらい強力きょうりょく化学かがく療法りょうほうであり、寛解かんかいをさらに確実かくじつなものとするために寛解かんかい療法りょうほう直後ちょくごおこなうものである。形態けいたいがくてき寛解かんかいよりもさらに白血病はっけつびょう細胞さいぼうすくなくならねばならないので形態けいたいてき検査けんさではからないことがおおい。G-banding、あいだかくFishほうRT-PCRによって測定そくていをする。これによって10の6じょうまで減少げんしょうすることを分子ぶんしてき寛解かんかいという。維持いじ療法りょうほう強化きょうか療法りょうほう寛解かんかい期間きかんすこしでもながくするために外来がいらいおこな治療ちりょうである。また急性きゅうせい増悪ぞうあくした場合ばあいおこな救援きゅうえん療法りょうほうというものも存在そんざいする。通常つうじょう寛解かんかい導入どうにゅう療法りょうほうでは効果こうか不十分ふじゅうぶんかんがえられるときおこな治療ちりょうであり、強力きょうりょくだが副作用ふくさようつよい。

AMLの因子いんし[編集へんしゅう]

APLをのぞくAMLで適応てきおう可能かのうなスコアリングである

2てんとカウントされるもの
だまのMPO陽性ようせいりつ50%以上いじょう、50さい以下いか末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう20,000/µL以下いか
1てんとカウントされるもの
M0、M6、M7以外いがい、パフォーマンスステータス2以下いか寛解かんかい導入どうにゅう回数かいすう1かい染色せんしょくたい異常いじょうinv(16),t(8:21)

以上いじょうをカウントし8~10が良好りょうこうぐん、5~7がちゅうあいだぐん、0~4が不良ふりょうぐんとなる。

小児しょうにALLの因子いんし[編集へんしゅう]

小児しょうにALLは非常ひじょうがよく完全かんぜん寛解かんかいりつ80~90%であり、5ねん生存せいぞんりつは70~80%である。一応いちおう不良ふりょう因子いんしというものが存在そんざいし、年齢ねんれいが2さい以下いか、または10さい以上いじょう男児だんじであること、ALLでないこと、末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう20,000/µL以上いじょうフィラデルフィア染色せんしょくたいがあるという場合ばあいわるいとわれている。

成人せいじんALLの因子いんし[編集へんしゅう]

30さい未満みまん末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう30,000/µL未満みまんフィラデルフィア染色せんしょくたい決定けってい因子いんしとされている。 low riskは30さい未満みまん末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう30,000/µL未満みまん、intermediate riskは30さい未満みまんまたは末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう30,000/µL未満みまん、high riskは30さい以上いじょう末梢まっしょう白血球はっけっきゅうすう30,000/µL以上いじょうフィラデルフィア染色せんしょくたいである。小児しょうにことなりわるく、完全かんぜん寛解かんかいりつは60~80%であり5ねん生存せいぞんりつは20~35%である。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c 押味おしみ『WHO分類ぶんるいだい4はんによる白血病はっけつびょう・リンパけい腫瘍しゅよう病態びょうたいがく』p153-159

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 押味おしみ和夫かずお 監修かんしゅう 木崎きざき昌弘まさひろ,田丸たまる淳一じゅんいち編著へんちょ『WHO分類ぶんるいだい4はんによる白血病はっけつびょう・リンパけい腫瘍しゅよう病態びょうたいがく中外ちゅうがい医学いがくしゃ、2009ねんISBN 978-4-498-12525-4
  • しん病態びょうたい生理せいりできった内科ないかがく 血液けつえき疾患しっかん ISBN 9784871634076
  • クリニカルアイ 血液けつえき造血ぞうけつ ISBN 9784872118087
  • 標準ひょうじゅん血液けつえきびょうがく ISBN 4260109782
  • がん診療しんりょうレジデントマニュアル ISBN 9784260003100
  • Bennett JM, Catovsky D, Daniel MT, Flandrin G, Galton DA, Gralnick HR, Sultan C. "Proposals for the classification of the acute leukaemias. French-American-British (FAB) co-operative group." British Journal of Haematology. 1976 Aug; 33(4):451-8.
  • Bennett JM, Catovsky D, Daniel MT, Flandrin G, Galton DA, Gralnick HR, Sultan C. "Proposed revised criteria for the classification of acute myeloid leukemia. A report of the French-American-British Cooperative Group." Annals of Internal Medicine. 1985 Oct; 103(4):620-5.
  • Bennett JM, Catovsky D, Daniel MT, Flandrin G, Galton DA, Gralnick HR, Sultan C. "Proposals for the classification of chronic (mature) B and T lymphoid leukaemias. French-American-British (FAB) Cooperative Group." Journal of Clinical Pathology. 1989 Jun; 42(6):567-84.
  • Bennett JM, Catovsky D, Daniel MT, Flandrin G, Galton DA, Gralnick HR, Sultan C. "Proposal for the recognition of minimally differentiated acute myeloid leukaemia (AML-MO)" British Journal of Haematology. 1991 Jul; 78(3):325-9.

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]