戦闘帽せんとうぼう

戦闘帽せんとうぼう（せんとうぼう）とは、軍隊ぐんたいの軍服ぐんぷくにおける制帽せいぼうの一種いっしゅとして採用さいようされることの多おおい略りゃく帽ぼうの一いち形式けいしきであり、作業さぎょう帽ぼうの一種いっしゅでもある。略字りゃくじを用もちいて戦せん斗と帽ぼうと記述きじゅつする場合ばあいもある。

日本にっぽんにおいては近代きんだい史上しじょうの経緯けいいから、烏帽子えぼしにも似にた形状けいじょうを呈ていする旧きゅう日本にっぽん軍ぐん様式ようしきの略りゃく帽ぼうのことをこの呼称こしょうで呼よぶ場合ばあいが多おおく、本ほん項こうでは主おもにこの日本にっぽんの戦闘せんとう帽ぼうについて記述きじゅつしている。

概要がいよう

軍服ぐんぷくにおける本来ほんらいの制帽せいぼうが官かん帽ぼうやケピ帽ぼう、シャコー帽ぼう等ひとしの、装飾そうしょく的てき要素ようその強つよい複雑ふくざつな造形ぞうけいの大型おおがたの帽子ぼうしである場合ばあいが多おおいのに対たいして、戦闘せんとう帽ぼうは装飾そうしょく性せいを出来できるだけ排はいし、野外やがい作業さぎょうや戦闘せんとう行動こうどうなどを意識いしきした必要ひつよう最低限さいていげんの機能きのう性せいのみを持もたせた小型こがたの帽子ぼうしである場合ばあいが多おおい。制式せいしき採用さいようされている帽子ぼうしである故ゆえに、各種かくしゅの儀礼ぎれい・行事ぎょうじの際さいにも着用ちゃくようすることが許ゆるされている場合ばあいも多おおく、このような意味いみにおける略りゃく帽ぼうは、ギャリソンキャップやベレー帽ぼうなどをはじめ、世界中せかいじゅうの軍隊ぐんたいの軍服ぐんぷくで普遍ふへん的てきに見みられるものである。

日本にっぽんにおける戦闘帽せんとうぼう

「戦闘帽せんとうぼう」という言葉ことばは、戦闘せんとう用ようの帽子ぼうしという意味いみ以外いがいにも、支ささえ那な事変じへんから太平洋戦争たいへいようせんそう(大だい東亜とうあ戦争せんそう)に掛かけて大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん及および大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐんの略りゃく帽ぼうとして制式せいしき採用さいようされた様式ようしきの帽子ぼうしを指さす用語ようごとして用もちいられることがある。

形状けいじょう

旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの戦闘せんとう帽ぼうは、上部じょうぶに向むけて細ほそくなる台形だいけいに裁断さいだんした布ぬのを2枚まい合あわせて胴どうを作つくり、天井てんじょうに紡錘形ぼうすいけいの布ぬのが張はられる独特どくとくの形状けいじょうである。正面しょうめんにはごく短みじかい目庇まびさしが付与ふよされ、顎あご紐ひもが取とり付つけられる。胴どう側がわの布地ぬのじには通気つうきの為ための小しょう穴あなが複数個ふくすうこ配置はいちされる場合ばあいが多おおく、頭あたま囲かこえの調整ちょうせいは胴どうの布地ぬのじの後頭部こうとうぶ側がわ合あわせ面めんに設もうけられた調整ちょうせい紐ひもで僅わずかではあるが行おこなえる。

帽子ぼうし自体じたいの製造せいぞう工程こうていとしてはパトロールキャップに類似るいじしているが、パトロールキャップが円筒えんとう形がたで頭頂とうちょう部ぶ周辺しゅうへんにもややスペースが確保かくほされるのに対たいして、戦闘せんとう帽ぼうは着用ちゃくよう者しゃの頭あたまにほぼ密着みっちゃくし、帽ぼう体からだ正面しょうめんにY字じ型がたの継つぎ目めを持もつ独特どくとくの形状けいじょうを呈ていする。このため丸刈まるがりや短髪たんぱつ以外いがいのヘアスタイルの場合ばあいには、着用ちゃくように難なんを生しょうじる場合ばあいもある。

機能きのう性せい

戦闘せんとう帽ぼうは旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの略式りゃくしき戦せん帽ぼうとして登場とうじょうした当初とうしょから、戦闘せんとう用ようヘルメット(九きゅう〇式しき鉄兜てつかぶと/九きゅう八はち式しき鉄てつ帽ぼう)の下したに着用ちゃくようする中ちゅう帽ぼうとして利用りようされる前提ぜんていでデザインされていた。この原則げんそくに則のっとった製法せいほうをされている戦闘帽せんとうぼうは、伏ふせ撃うちの際さいの照準しょうじゅんの邪魔じゃまにならないような極きわめて短みじかい目庇まびさしを持もち、戦闘せんとう・作業さぎょう中ちゅうや荒天こうてん下かでもズレや脱帽だつぼうが生しょうじないように丈夫じょうぶな顎あご紐ひもが設もうけられている。

また台湾たいわん以南いなん地域ちいきでは、酷暑こくしょ下かでの熱中ねっちゅう症しょうなどの防止ぼうしの為ために帽ぼう垂たれ布ぬの(ぼうたれぬの)と呼よばれる布地ぬのじが顎あご紐ひも固定こてい部ぶから後頭部こうとうぶにかけて取とり付つけられた場合ばあいもあり、結果けっかとしてこのような機能きのう性せいを持もつ戦闘帽せんとうぼうは、それ自体じたいが旧きゅう日本にっぽん軍ぐんを意識いしきさせうる極きわめて特徴とくちょう的てきな外見がいけんを有ゆうすることとなった。

近年きんねん市販しはんされているものの中なかには、必かならずしもこの原則げんそくに則のっとらないデザインのものも見みられ、見栄みばえを重視じゅうしした長ながい目庇まびさしや実際じっさいの使用しようを余あまり意図いとしていない布製ぬのせいの装飾そうしょく的てきな顎あご紐ひもが装着そうちゃくされている場合ばあいもある。採用さいよう団体だんたいの意向いこうにより帽ぼう体からだ正面しょうめんに徽章きしょうが取とり付つけられる場合ばあいも多おおく、階級かいきゅうを判別はんべつする為ためのストライプが帽ぼう体たいの円周えんしゅう方向ほうこうに複数ふくすう本ほん設もうけられる場合ばあいもある。

戦前せんぜん・戦中せんちゅうの使用しよう例れい

日本にっぽん陸軍りくぐん

詳細しょうさいは「軍服ぐんぷく_(大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん)」を参照さんしょう

日本にっぽん陸軍りくぐんにおいては従前じゅうぜんより鉄てつ帽ぼう着用ちゃくよう時じの中ちゅう帽ぼうとして一部いちぶで使用しようされていたが、昭和しょうわ5年ねん制式せいしきより略りゃく帽ぼうとして正式せいしきに採用さいようされた。材質ざいしつは当初とうしょはラシャ製せいで、通気つうき穴あなは左右さゆう両側りょうがわに3個こ。五ご芒すすき星ぼしの帽章ぼうしょうが取とり付つけられた。下士官かしかん兵へい用ようは星ほし形がたの帽章ぼうしょうが直接ちょくせつ縫ぬいつけられたが、将校しょうこう用ようは星ほしの下したに台地だいち布ぬのが設もうけられる場合ばあいもあった。顎あご紐ひもは多おおくの場合ばあい皮革ひかくないしゴム引びき布製ぬのせいで、両りょう端はしが帽子ぼうしにボタンで固定こていされた。南方なんぽう戦線せんせんでは帽ぼう垂たれ布ぬのを装備そうびする場合ばあいも多々たた見受みうけられた。帽ぼう垂たれ布ぬのには固定こてい用ようのコハゼが数すう枚まい縫ぬい付つけられており、これを帽子ぼうしの側面そくめんにあらかじめ設もうけたかがり縫ぬいループに差さし込こみ、さらに顎あご紐ひも固定こていボタンとサイズ調整ちょうせいひもを用もちいて固定こていされた。帽ぼう垂たれ布ぬのの代かわりに私物しぶつの手てぬぐいを使つかう例れいも見みられた。戦局せんきょくが悪化あっかするにつれ、布地ぬのじの材質ざいしつはラシャから混紡こんぼう、最終さいしゅう的てきには木綿もめん製せいにまで簡素かんそ化かされた。

日本にっぽん海軍かいぐん

詳細しょうさいは「軍服ぐんぷく (大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん)」を参照さんしょう

日本にっぽん海軍かいぐんにおいては昭和しょうわ12年ねん制式せいしきから、艦内かんない帽ぼうとしてほぼ同おなじ形状けいじょうの略りゃく帽ぼうが採用さいようされた。材質ざいしつは木綿こわた製せいで、通気つうき穴あなは陸軍りくぐんと同おなじく左右さゆう両側りょうがわに3個こが標準ひょうじゅんだが、通気つうき孔あなを持もたないものもみられる。当初とうしょは第だい1種しゅ軍装ぐんそう(濃紺のうこん)と第だい2種しゅ軍装ぐんそう(白色はくしょく)の二に色しょくが制定せいていされ、のちに第だい3種しゅ軍ぐん装用そうよう(緑色みどりいろ)も加くわえられた。帽章ぼうしょうは准じゅん士官しかん以上いじょうは錨いかりの中央ちゅうおうに桜さくらを配はいしそれを抱いだき茗荷みょうがで囲かこう形状けいじょう。下士官かしかんは錨いかりの中央ちゅうおうに桜さくらのみを配はいし、兵へいは錨いかりのみとされた。また、陸軍りくぐんと異ことなり士官しかんは2本ほん、下士官かしかんは1本ほんのストライプが帽章ぼうしょうを横切よこぎるように円周えんしゅう状じょうに配置はいちされ、階級かいきゅうを識別しきべつする目印めじるしとなった。あご紐ひもは多おおくの場合ばあい布製ぬのせいで、両りょう端はしが帽ぼう体たいに直接ちょくせつ縫ぬい付つけられた。

国民こくみん服ふく

昭和しょうわ15年ねん以降いこう、国民こくみん服ふくとして一般いっぱんの成年せいねん男子だんしにも戦闘せんとう帽ぼう様式ようしきの帽子ぼうしの着用ちゃくようが推奨すいしょうされた。国民こくみん服ふくは生徒せいとの通学つうがく服ふくとしても指定していされたため、帽ぼう体からだ正面しょうめんに校章こうしょうを取とり付つけて学校がっこう制帽せいぼうとしても使用しようされた。戦中せんちゅうから戦後せんご間まもなくを舞台ぶたいにした映像えいぞう作品さくひんの多おおくで、民間みんかん人じんや復員ふくいん兵へいなどが着用ちゃくようしている姿すがたを多おおく目めにすることができる。

また、戦時せんじ中ちゅう当時とうじのプロ野球やきゅうにおいても、試合しあい用ようユニフォームとして従来じゅうらいの野球やきゅう帽ぼうに代かわり戦闘せんとう帽ぼうが採用さいようされていた時期じきがある。

その他たの国々くにぐに

旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの占領せんりょう地ちにて発足ほっそくした現地げんち人じんを中心ちゅうしんに構成こうせいされた武装ぶそう組織そしき(インドネシアのPETA 郷土きょうど防衛ぼうえい義勇軍ぎゆうぐんなど)、或あるいは満州まんしゅう国軍こくぐんなど一部いちぶの同盟どうめい国軍こくぐんにおいて、日本にっぽん式しきの戦闘帽せんとうぼうが正式せいしき装備そうびとして用もちいられた例れいがあった。

戦前せんぜん・戦中せんちゅうの戦闘帽せんとうぼう

北京ぺきんに入城にゅうじょうする陸軍りくぐん部隊ぶたい、アサヒグラフ1937年ねん9月がつ号ごう表紙ひょうし。この時代じだいには官かん帽ぼう型がた制帽せいぼうは戦場せんじょうからは姿すがたを消けしつつあった。
鉄てつ帽ぼうの下したに戦闘せんとう帽ぼうを被こうむる陸軍りくぐん重じゅう擲弾筒てきだんとう手しゅ 1942年ねん5月がつ
帽ぼう垂たれ布ぬのを装着そうちゃくした戦闘帽せんとうぼうを被こうむり、ティモール島とう・豪ごう海軍かいぐん HMAS モレスビー艦上かんじょうでの降伏ごうぶく交渉こうしょうに臨のぞむ戒田達たち一いち陸軍りくぐん大佐たいさ(戦車せんしゃ第だい4連隊れんたい連隊れんたい長ちょう)。
将校しょうこう仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを被こうむる岡村おかむら寧やすし次じ陸軍りくぐん大将たいしょう
海軍かいぐん第だい一種いっしゅ軍装ぐんそう仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを被こうむる大西おおにし瀧たき治郎じろう海軍かいぐん中将ちゅうじょう
海軍かいぐん第だい二に種しゅ軍装ぐんそう仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを被こうむる江間えま保たもつ海軍かいぐん大尉たいい（空母くうぼ瑞みず鶴づる艦かん爆ばく隊たい分隊ぶんたい長ちょう）
海軍かいぐん第だい三種さんしゅ軍装ぐんそう仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを被こうむる斎藤さいとう正久まさひさ台たい南みなみ空そら司令しれい
昭和しょうわ15年ねん以降いこう着用ちゃくようが奨励しょうれいされた国民こくみん服ふく。右側みぎがわの乙おつ号ごうの帽子ぼうしが戦闘せんとう帽ぼう形式けいしき。
民間みんかん人じんの着用ちゃくよう例れい（手前てまえ中央ちゅうおうの二に名めい）。戦闘帽せんとうぼう型がたの帽子ぼうしは、国民こくみん服ふく着用ちゃくよう時じに限かぎらず使用しようされた。
民間みんかん人じんの着用ちゃくよう例れい。女性じょせいトラック運転うんてん手しゅ。
戦闘帽せんとうぼうを被こうむり、木き銃じゅうを手てに軍事ぐんじ教練きょうれんに励はげむインドネシア青年せいねん道場どうじょう（後ごのPETA）の青年せいねん達たち
日本にっぽん式しきの戦闘帽せんとうぼうを採用さいようした満州まんしゅう国こく軍ぐん

戦後せんごの使用しよう例れい

昭和しょうわ20年ねんの終戦しゅうせん以降いこう、各種かくしゅの戦闘帽せんとうぼう、特とくに陸軍りくぐん様さまの国防こくぼう色しょくのものは戦後せんご数すう年ねん以内いないに^[1]急速きゅうそくに市井しせいからは姿すがたを消けしていった。その形状けいじょうその物ものが旧きゅう日本にっぽん軍ぐんを想起そうきさせる面めんもあるためか、各国かっこくの軍帽ぐんぼうがファッションとして着用ちゃくようされるようになった今日きょうにおいても、ファッション的てきな側面そくめんから日本にっぽんの旧きゅう軍ぐん型がたの戦闘帽せんとうぼうを着用ちゃくようする若者わかものはほとんど見受みうけられない。しかし、官公庁かんこうちょうの防災ぼうさい服ふくなどの装備そうび品ひんとして、戦闘帽せんとうぼう型がたの略りゃく帽ぼうは今日きょうも一部いちぶの用途ようとでは用もちいられ続つづけている。

自衛隊じえいたい

詳細しょうさいは「制服せいふく (自衛隊じえいたい)」を参照さんしょう

陸上りくじょう自衛隊じえいたいでは警察けいさつ予備よび隊たい・保安ほあん隊たい時代じだいのごく初期しょきに、戦闘帽せんとうぼう形式けいしきの作業さぎょう帽ぼうが採用さいようされた例れいがあったが、陸上りくじょう自衛隊じえいたい発足ほっそく後ごは略りゃく帽ぼうはベレー帽ぼう、作業さぎょう帽ぼうはアメリカ製せい野戦やせん帽ぼうと同どう形式けいしきのもの（初期しょきは八角はっかく帽ぼう（英語えいご版ばん）、後のちに丸まる天たかし帽ぼうに形状けいじょうが変かわる）に置おき換かえられた。戦闘せんとう用ようヘルメットも米べい軍ぐん貸与たいよのM1ヘルメットを経へて66式しき鉄てつ帽ぼうへ移行いこう、これらの鉄てつ帽ぼうは樹脂じゅし製せいの中ちゅう帽ぼう(ライナー)を着用ちゃくようする前提ぜんていのものであったため、各かく隊員たいいんが私物しぶつで布製ぬのせいの中ちゅう帽ぼう(汗取あせとり帽子ぼうし)を用意よういする場合ばあいを除のぞいては略りゃく帽ぼうや作業さぎょう帽ぼうを直接ちょくせつ鉄てつ帽ぼうの下したに被こうむることは行おこなわれなくなった。

海上かいじょう自衛隊じえいたいでは略りゃく帽ぼうとして戦闘帽せんとうぼう形式けいしきの帽子ぼうしが制定せいていされており、航空こうくう自衛隊じえいたいにおいても作業さぎょう帽ぼうとして制定せいていされている。ただし、海上かいじょう・航空こうくう共どもに、顎あご紐付ひもつきのパトロールキャップや、アポロキャップ型かたで部隊ぶたいごとに独自どくじ製造せいぞうされる部隊ぶたい識別しきべつ帽ぼう(スコードロンキャップ)で代用だいようされる事ことが多おおくなっている。

警察けいさつ

警察官けいさつかんの略りゃく帽ぼうとして紺色こんいろのものが採用さいようされており、事件じけん捜査そうさの現場げんば映像えいぞうなどで目めにする機会きかいが多おおい。あご紐ひもの両りょう端はしは旧きゅう海軍かいぐん戦闘せんとう帽ぼうのように、帽ぼう体たいに縫ぬい付つけられている。出動しゅつどう服ふく着用ちゃくよう時じの階級かいきゅう章しょうを兼かねており、白線はくせんの本数ほんすうや太ふとさによって階級かいきゅうがひと目めでわかるようになっている。また、右翼うよく系けい団体だんたいが機動きどう隊たいのものと同型どうけいの出動しゅつどう服ふくを「行動こうどう服ふく」ないし「隊たい服ふく」と称しょうして着用ちゃくようする例れいもあるため、合あわせて警察けいさつと同おなじ略りゃく帽ぼうを被こうむっていることがある。

消防しょうぼう

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうが規定きていする消防しょうぼう吏員りいん服ふく制せい基準きじゅん^[2]において、戦闘帽せんとうぼう形式けいしきの略りゃく帽ぼうが採用さいようされている。同おなじく消防しょうぼう団だん向むけの消防しょうぼう団だん員いん服ふく制せい基準きじゅん^[3]においても同様どうようの略りゃく帽ぼうが採用さいようされている^{[注釈ちゅうしゃく 1]}。

鉄道てつどう員いん

JRグループでは、国鉄こくてつ時代じだいより整備せいび士し・機関きかん士し向むけの作業さぎょう帽ぼうとして戦闘せんとう帽ぼうに類似るいじした形状けいじょうの帽子ぼうしが用もちいられている。民営みんえい化か後ごもJR貨物かもつの機関きかん士しは従来じゅうらい通どおり同おなじ形式けいしきの帽子ぼうしを着用ちゃくようしている。

船員せんいん

漁船ぎょせんや商船しょうせんの乗組のりくみ員いんの中なかには、船内せんない帽ぼう(船員せんいん帽ぼう)として錨いかりマークのついた旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐん仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを着用ちゃくようする者ものが一定いってい数すう見みられ、港湾こうわん周辺しゅうへんに立地りっちする船員せんいん向むけの衣料いりょう品ひん店てんなどでも販売はんばいされている。こうした船員せんいん向むけ商品しょうひんはストライプ2本ほんの士官しかん仕様しようのレプリカが多おおい。近年きんねんの映像えいぞう作品さくひんでは、スタジオジブリのアニメーション「崖がけの上うえのポニョ」において、商船しょうせん船長せんちょうである主人公しゅじんこうの父親ちちおややその部下ぶかの船員せんいん達たちが白色はくしょくでストライプの無ない兵へい仕様しようの戦闘帽せんとうぼうを「船員せんいんの帽子ぼうし」として着用ちゃくようしている姿すがたを見みることができる。

戦後せんごの戦闘帽せんとうぼう

1950年ねん、旧きゅう軍ぐん型がたの戦闘帽せんとうぼうを着用ちゃくようし、初はつの朝礼ちょうれいに臨のぞむ警察けいさつ予備よび隊たい
1952年ねん、噴煙ふんえんを上あげる明神みょうじん礁を見みつめる日本にっぽん船舶せんぱくの船員せんいん。船員せんいん帽ぼうとして海軍かいぐん型がたの戦闘帽せんとうぼうを着用ちゃくようしているのが分わかる。
2008年ねん、G8サミット警護けいごの為ために戦闘帽せんとうぼう型がたの略りゃく帽ぼうを被こうむり警備けいびに当あたる機動きどう隊員たいいん