放蕩ほうとう

放蕩ほうとう（ほうとう）とは、自分じぶんの思おもうままに振ふる舞まうこと。やるべきことをやらず、飲酒いんしゅや遊あそびにうつつをぬかすこと。

概説がいせつ

放蕩ほうとうとは自分じぶんの思おもうままに振ふる舞まうことであり、やるべきことをやらず自分じぶんのやりたい放題ほうだいにして、家いえの財産ざいさんなどを蕩尽とうじんすること（使つかい尽つくしていくこと）である。特とくに、酒さけにふけったり、女おんな遊あそびにふけることを指さすことが多おおい。

放蕩ほうとうを繰くり返かえす人ひとは「放蕩ほうとう者しゃ」「放蕩ほうとう息子むすこ」「放蕩ほうとう児じ」などと呼よばれている。

上記じょうきの呼称こしょうで呼よばれた人ひと、呼よばれている人ひとは数すう限かぎりなくいるのではあるが、過去かこの人物じんぶつの具体ぐたい例れいを幾いく人にんか挙あげると、たとえばアンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレックや薩摩さつま治郎じろう八はちなどがそう呼よばれることがある 。

放蕩ほうとうを題材だいざいとした作品さくひん

新約しんやく聖書せいしょの「ルカによる福音ふくいん書しょ」には「放蕩ほうとう息子むすこのたとえ話はなし」（放蕩ほうとう息子むすこの帰還きかん）がおさめられており、西洋せいようの人々ひとびとがprodigal（放蕩ほうとう）と聞きくと真まっ先さきに思おもい出だすのがこの話はなしである。この話はなしは多おおくの作家さっかにインスピレーションを与あたえ続つづけている。例たとえば『ロンドンの放蕩ほうとう者しゃ』（16世紀せいき末まつ～17世紀せいき初頭しょとうの作品さくひん）がそれであり、レンブラント（1606 - 1669）も「放蕩ほうとう息子むすこの帰還きかん」を題材だいざいにした作品さくひんを描えがき、アンドレ・ジッド（1869 - 1951）も同名どうめいの作品さくひんを書かいた。また、ジェフリー・アーチャーの『ロスノフスキ家かの娘むすめ』（1982）もこの喩たとえ話ばなしから着想ちゃくそうを得えているなど、枚挙まいきょにいとまがない。

関連かんれん項目こうもく

• 放蕩ほうとう一代記いちだいき（18世紀せいきのウィリアム・ホガースが描えがいた一連いちれんの作品さくひん）
• 放蕩ほうとう児じの遍歴へんれき（放蕩ほうとう一代記いちだいきにインスピレーションを得えてイーゴリ・ストラヴィンスキーがつくったオペラ）
• 権威けんい主義しゅぎ
• ニート

関連かんれん文献ぶんけん

• 玉崎たまさき紀子のりこ「女おんな放蕩ほうとう者しゃのなりゆき」『中京大学ちゅうきょうだいがく教養きょうよう論叢ろんそう』第だい41巻かん第だい1号ごう、中京大学ちゅうきょうだいがく、2000年ねん10月がつ10日とおか、831-851頁ぺーじ、NAID 110004645184。