斉藤さいとうかおる (照明しょうめい技師ぎし)

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斉藤さいとう かおる[出典しゅってん 1][注釈ちゅうしゃく 1]さいとう かおる[出典しゅってん 2]1939ねん昭和しょうわ14ねん[出典しゅってん 3]8がつ29にち[出典しゅってん 4] - )は日本にっぽん映画えいが照明しょうめい技師ぎし東京とうきょう[出典しゅってん 5]葛飾かつしか[4]出身しゅっしん

経歴けいれき[編集へんしゅう]

1958ねん東京とうきょう都立とりつ墨田すみだ工業こうぎょう高等こうとう学校がっこう電気でんき卒業そつぎょう東宝とうほう入社にゅうしゃ[出典しゅってん 6]同年どうねんの『はだか大将たいしょう』から照明しょうめい助手じょしゅつとめる[出典しゅってん 7][注釈ちゅうしゃく 2]おも市川いちかわこん監督かんとくき、1987ねんの『映画えいが女優じょゆう』より照明しょうめい技師ぎし昇進しょうしん[出典しゅってん 6]どう作品さくひんで、だい11かい日本にっぽんアカデミーしょう優秀ゆうしゅう照明しょうめいしょう受賞じゅしょう[1]

その川北かわきた紘一こういちからのさそいで『ガンヘッド以降いこう[注釈ちゅうしゃく 3]特撮とくさつ映画えいが照明しょうめい技師ぎしつとめる[出典しゅってん 9]1999ねん定年ていねん退職たいしょく[9]、フリーとなる[3]。そのゴジラシリーズへは『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京とうきょうSOS』まで参加さんかした[5][6]

人物じんぶつ・エピソード[編集へんしゅう]

就職しゅうしょく活動かつどうでは、学歴がくれきかつかせる大手おおて企業きぎょう入社にゅうしゃ試験しけんけていたがすべてち、OBがつとめていたことから学校がっこう求人きゅうじん案内あんないていた東宝とうほう入社にゅうしゃすることとなった[4]斉藤さいとう自身じしんは、映画えいが業界ぎょうかいはいったのはたまたまであるとかたっている[4]

円谷つぶらや英二えいじ時代じだい特撮とくさつはんでは、下着したぎ持参じさん予定よていひょうしるされており、一昼夜いっちゅうや撮影さつえいのち交代こうたいのスタッフが作業さぎょうしているよこでゴザをいて仮眠かみんをとり、きて交代こうたいしたらまた撮影さつえいはいるというながれで、3、4にちいえかえれなかったという[8]。また、照明しょうめいのみ残業ざんぎょうしたらタバコが支給しきゅうされていたと証言しょうげんしている[8]

川北かわきたは、斉藤さいとう照明しょうめいについて大胆だいたんさと繊細せんさいさがあったとひょうしており、もっと印象いんしょうのこっている斉藤さいとう仕事しごととして、だいプールでの太陽たいよう表現ひょうげんげている[5]

ゴジラvsモスラ』では、斉藤さいとう提案ていあんにより夕景ゆうけいのシーンが追加ついかされた[8]一方いっぽうで、名古屋なごやのシーンでは曇天どんてんであったロケ映像えいぞう照明しょうめいわせようとしていたが、ミニチュアセットに陰影いんえいをつけるためあかるくしなければならず、失敗しっぱいであったとべている[8]。『ゴジラ×メカゴジラ』(2002ねん)でも、CGでやる予定よていであった夕陽ゆうひ照明しょうめい手掛てがけた[7]

映画えいが計算けいさんつものではなく、現場げんば処理しょりがすべてであり、それをまかされたスタッフの感性かんせい独創どくそうせい重要じゅうようだとかたっている[8]。2000年代ねんだい以降いこう作品さくひんでは、CGの使用しようえたためまち照明しょうめいなどを表現ひょうげんする必要ひつようがなくなり、ミニチュアセットでの撮影さつえい素材そざいりにちかいものとなるなど、自分じぶんたちで試行しこう錯誤さくごしたものを「表現ひょうげん」するのではなく、映像えいぞうを「再現さいげん」するかたちになっていったとべている[9]。また、撮影さつえいでうまくいったときでも「あれはCGか」というわれかたをするため、現場げんばでのやりがいもいていったといい、日本にっぽん特撮とくさつ手作てづくりのさが機械きかいされた映像えいぞう移行いこうしていったことはかなしいとかたっていた[3]

担当たんとう作品さくひん[編集へんしゅう]

テレビ作品さくひん[編集へんしゅう]

照明しょうめい助手じょしゅ作品さくひん[編集へんしゅう]

照明しょうめい技師ぎし作品さくひん[編集へんしゅう]

特撮とくさつ照明しょうめい作品さくひん[編集へんしゅう]

受賞じゅしょうれき[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 斎藤さいとうかおるとも表記ひょうき[8][9]
  2. ^ このまえ見習みならいとして『たび姿すがたねずみ小僧こぞう』にも参加さんかしている[4]
  3. ^ 厳密げんみつには、『ガンヘッド』のクランクインがおくれたため、おなじく川北かわきたはんによるテレビドラマ『五稜郭ごりょうかく』がはつ特撮とくさつ照明しょうめいとなった[出典しゅってん 8]斉藤さいとうによれば、特撮とくさつスタッフとの顔合かおあわせも意図いとして川北かわきたから参加さんかすすめられたという[4]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i ゴジラだい百科ひゃっか 1990, p. 100, 「ゴジラ・スタッフ名鑑めいかん」、最新さいしんゴジラだい百科ひゃっか 1991, p. 97, 「ゴジラスタッフ名鑑めいかん
  2. ^ a b c 東宝とうほうSF特撮とくさつ映画えいがシリーズSPECIAL EDITION 1999, p. 71, 「インタビュー 斉藤さいとうかおる特殊とくしゅ技術ぎじゅつ 照明しょうめい)」
  3. ^ a b c d e f g h i FCGMG 2002, p. 59, 「INTERVIEW05 斉藤さいとうかおる
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 平成へいせいゴジラ大全たいぜん 2003, pp. 103–104, 「やぶこれいち『ゴジラVSビオランテ』 照明しょうめい斉藤さいとう かおる
  5. ^ a b c d e f g h 平成へいせいゴジラパーフェクション 2012, p. 107, 「平成へいせいゴジラの特撮とくさつ3 照明しょうめい
  6. ^ a b c d e f g h i VSビオランテコンプリーション 2015, p. 25, 「GODZILLA VS BIOLLANTE staff Message 斉藤さいとうかおる
  7. ^ a b c d e f g h i 3しきりゅうコンプリーション 2016, p. 43, 「STAFF MESSAGE 斉藤さいとうかおる
  8. ^ a b c d e f 東宝とうほうSF特撮とくさつ映画えいがシリーズ7 1993, pp. 137–143, 「特撮とくさつスタッフ座談ざだんかい
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n 平成へいせいゴジラクロニクル 2009, pp. 244–245, 「だい7しょう 平成へいせいゴジラシリーズをつくったおとこたち 斎藤さいとうかおる

出典しゅってん(リンク)[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Gakken MOOK(Gakken
    • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラだい百科ひゃっか監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき責任せきにん編集へんしゅう 川北かわきた紘一こういち、Gakken〈Gakken MOOK〉、1990ねん1がつ1にち 
    • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA 最新さいしんゴジラだい百科ひゃっか監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき責任せきにん編集へんしゅう 川北かわきた紘一こういち、Gakken〈Gakken MOOK〉、1991ねん12月1にち 
  • 東宝とうほうSF特撮とくさつ映画えいがシリーズ(東宝とうほう
    • 『ゴジラVSモスラ』東宝とうほう出版しゅっぱん商品しょうひん事業じぎょうしつ東宝とうほうSF特撮とくさつ映画えいがシリーズVOL.7〉、1993ねん1がつ15にちISBN 4-924609-43-9 
    • 『GODZILLA 2000 MILLENIUM』東宝とうほう 出版しゅっぱん商品しょうひん事業じぎょうしつ東宝とうほうSF特撮とくさつ映画えいがシリーズ SPECIAL EDITION〉、1999ねん12月11にち 
  • 西川にしかわしん日本にっぽん特撮とくさつ映画えいが列伝れつでん 1 ゴジラきょう時代じだい講談社こうだんしゃ、2000ねんISBN 978-4-06-334265-9 
  • 『ゴジラ×メカゴジラ』朝日あさひソノラマファンタスティックコレクション〉、2002ねん12月30にちISBN 4-257-03668-0 
  • 平成へいせいゴジラ大全たいぜん 1984-1995』編著へんちょ 白石しらいし雅彦まさひこ、スーパーバイザー 富山とみやま省吾しょうご双葉社ふたばしゃ双葉社ふたばしゃ大全たいぜんシリーズ〉、2003ねん1がつ20日はつかISBN 4-575-29505-1 
  • 平成へいせいゴジラ クロニクル』川北かわきた紘一こういち 特別とくべつ監修かんしゅうキネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、2009ねん11月30にちISBN 978-4-87376-319-4 
  • 平成へいせいゴジラパーフェクション』監修かんしゅう川北かわきた紘一こういちアスキー・メディアワークス〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2012ねん2がつ10日とおかISBN 978-4-04-886119-9 
  • コンプリーションシリーズ(ホビージャパン
    • 『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015ねん12月16にちISBN 978-4-7986-1137-2 
    • 『ゴジラ×3しきりゅう〈メカゴジラ〉コンプリーション』ホビージャパン、2016ねん12月21にちISBN 978-4-7986-1353-6 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]