有田ありた忠郎ただお

有田ありた 忠郎ただお（ありた ただお、1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）6月19日にち - 2012年ねん3月11日にち）は、日本にっぽんの詩人しじん、翻訳ほんやく家か、仏ふつ文学ぶんがく者しゃ。専せん門もんはフランス詩し。西南学院大学せいなんがくいんだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ。文芸ぶんげい誌し『同どう時代じだい』同人どうじん。

人物じんぶつ

長崎ながさき県けん佐世保させぼ市し出身しゅっしん。海軍かいぐん主計しゅけい将校しょうこうだった父ちちの転勤てんきんに従したがって鎌倉かまくら、台湾たいわん、再ふたたび佐世保させぼと転々てんてんとした。長崎ながさき県立けんりつ佐世保させぼ中学校ちゅうがっこう、第だい五ご高等こうとう学校がっこうを経へて、1953年ねん九州大学きゅうしゅうだいがく文学部ぶんがくぶ仏文ふつぶん科か卒業そつぎょう。1958年ねん九州大学きゅうしゅうだいがく大学院だいがくいん第だい二に期き修了しゅうりょう、九州大学きゅうしゅうだいがく文学部ぶんがくぶ助手じょしゅ。1963年ねん北九州大学きたきゅうしゅうだいがく講師こうし、1964年ねん同どう助教授じょきょうじゅ、1968年ねん同どう教授きょうじゅ。1975年ねん西南学院大学せいなんがくいんだいがく教授きょうじゅ。1999年ねん同大どうだい学がくを退職たいしょく。

シャルル・ボードレールらの詩しが専門せんもんだが、ヴィクトル・セガレンの全訳ぜんやくやサン＝ジョン・ペルスの翻訳ほんやくでも知しられる。セガレンの詩しを邦訳ほうやくした『セガレン著作ちょさく集しゅう6 碑いしぶみ、頌、チベット』により、第だい10回かい小西こにし財団ざいだん日にち仏ふつ翻訳ほんやく文学ぶんがく賞しょうを受賞じゅしょうした。有田ありたの翻訳ほんやくは現代げんだい日本語にほんごを基もとに文語ぶんご体たいを加味かみした文ぶんで高たかく評価ひょうかされた。

2010年ねん、詩集ししゅう『光ひかりは灰はいのように』で第だい25回かい詩歌しか文学ぶんがく館かん賞しょう受賞じゅしょう。

2012年ねん3月がつ11日にち、肺炎はいえんのため死去しきょ。83歳さい没ぼつ。

主おもな著作ちょさく

• 『異質いしつのもの 感性かんせいの接点せってんを求もとめて』（牧まき神社じんじゃ） 1975
• 『夢ゆめと秘ひ儀ぎ』（書肆しょし山田やまだ） 1983
• 『有田ありた忠郎ただお詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ、日本にっぽん現代げんだい詩文しぶん庫こ52） 1992
• 詩集ししゅう『蝉せみ』（書肆しょし山田やまだ） 1983
• 詩集ししゅう『セヴラックの夏なつ』（書肆しょし山田やまだ） 1983
• 詩集ししゅう『髪かみと舟ふね』（書肆しょし山田やまだ） 1989
• 詩集ししゅう『一いち顆明珠たま』（書肆しょし山田やまだ） 1994
• 詩集ししゅう『子午線しごせんの火ひ』（書肆しょし山田やまだ） 1999
• 詩集ししゅう『光ひかりは灰はいのように』（書肆しょし山田やまだ） 2009

主おもな翻訳ほんやく

• 『風ふう 詩集ししゅう』（サン＝ジョン・ペルス、書肆しょし山田やまだ） 2006
• 『鳥とり 詩集ししゅう』（サン＝ジョン・ペルス、書肆しょし山田やまだ） 2008
• 『詩しと深ふかさ』（ジャン＝ピエール・リシャール、思潮しちょう社しゃ） 1969、新装しんそう版ばん 1995
• 『終焉しゅうえんなき回帰かいき』（ドニ・ド・ルージュモン、思潮しちょう社しゃ） 1970
• 『ジャン・フォラン』（アンドレ・ドーテル編へん、思潮しちょう社しゃ） 1971
• 『見み者しゃランボー』（ロラン・ド・ルネヴィル、国文こくぶん社しゃ） 1971
• 『錬金術れんきんじゅつ』（セルジュ・ユタン、白水しろみず社しゃ、文庫ぶんこクセジュ） 1972
• 『占星術せんせいじゅつ』（ポール・クーデール、白水しろみず社しゃ、文庫ぶんこクセジュ） 1973
• 『超ちょう現実げんじつ主義しゅぎと聖せいなるもの』（ジュール・モヌロ、牧羊ぼくよう社しゃ） 1974、のち改題かいだい新装しんそう版ばん『シュルレアリスムと聖せいなるもの』（吉よし夏なつ社しゃ） 2000
• 『秘ひ儀ぎ伝授でんじゅ エゾテリスムの世界せかい』（リュック・ブノワ、白水しろみず社しゃ、文庫ぶんこクセジュ） 1976
• 『崩壊ほうかい概論がいろん』（エミール・シオラン、国文こくぶん社しゃ） 1975、のち『E・M・シオラン選集せんしゅう1』 1984
• 『エロティックと文明ぶんめい』（ルネ・ネリ、渡辺わたなべ昌美まさみ共とも訳やく、紀伊國屋きのくにや書店しょてん） 1979
• 『有害ゆうがいな物語ものがたり』（ジョイス・マンスー、白水しろみず社しゃ） 1984
• 『アルチュール・ランボー』（クロードー・エドモンド・マニー、白水しろみず社しゃ） 1982
• 『西洋せいよう歴史れきし奇き譚たん』正ただし・続つづけ（ギイ・ブルトン / ルイ・ポーウェル編著へんちょ、白水しろみず社しゃ） 1982 - 1985、のち新装しんそう版ばん 1997
• 『箱はこ舟ぶね』（ピエール・ガスカール、書肆しょし山田やまだ） 1987
• 『イシス探求たんきゅう』（ユルギス・バルトルシャイティス、国書刊行会こくしょかんこうかい、バルトルシャイティス著作ちょさく集しゅう3） 1992
• 『碑いしぶみ、頌、チベット』（ヴィクトル・セガレン、水声すいせい社しゃ、セガレン著作ちょさく集しゅう6） 2002
• 『レコンキスタの歴史れきし』（フィリップ・コンラ、白水しろみず社しゃ、文庫ぶんこクセジュ） 2000

ヘルメス叢書そうしょ

1. 『賢者けんじゃの石いしについて ・ 生いける潮しおの水先案内みずさきあんない人じん』（ラムスプリンク / デュ・マルティノー、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
2. 『闇やみよりおのずからほとばしる光ひかり』（マルク＝アントニオ・クラッセラーム、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
3. 『象形しょうけい寓ぐう意図いとの書しょ ・ 賢者けんじゃの術じゅつ概要がいよう ・ 望のぞみの望のぞみ』（ニコラ・フラメル、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
4. 『魔術まじゅつと占星術せんせいじゅつ』（アルフレッド・モーリー、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
5. 『沈黙ちんもくの書しょ ・ ヘルメス学がくの勝利しょうり』（リモジョン・ド・サン=ディディエ、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
6. 『占星術せんせいじゅつまたは天てんの聖せいなる学がく』（マルクス・マニリウス、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994
7. 『自然しぜん哲学てつがく再興さいこう ・ ヘルメス哲学てつがくの秘法ひほう』（ジャン・デスパニエ、白水しろみず社しゃ、ヘルメス叢書そうしょ）、新装しんそう版ばん 1993 - 1994

外部がいぶリンク

• 『同どう時代じだい』公式こうしきサイト