李り祐ゆう

李り 祐ゆう（り ゆう、生年せいねん不ふ詳しょう - 貞さだ観かん17年ねん4月がつ6日にち（643年ねん4月がつ29日にち））は、中国ちゅうごくの唐とうの太ふと宗そう李り世よ民みんの五ご男なん。斉ひとし王おうに立たてられたが、乱らんを起おこして自殺じさつさせられた。字じは賛さん。

経歴けいれき

李り世よ民みんと殷いん徳とく妃ひの間あいだに生うまれた。武徳ぶとく8年ねん（625年ねん）、宜むべ陽ひ王おうに封ふうじられ、その年としのうちに楚すわえ王おうに進すすんだ。貞さだ観かん2年ねん（628年ねん）、燕つばめ王おうに徙封された。貞さだ観かん10年ねん（636年ねん）、斉ひとし王おうに改あらため封ふうされ、斉ひとし州しゅう都みやこ督ただしに任にんじられた。貞さだ観かん11年ねん（637年ねん）、斉ひとし州しゅうに赴任ふにんした。貞さだ観かん12年ねん（638年ねん）、入朝にゅうちょうし、病やまいを理由りゆうに長安ながやすに留とどまった。母方ははかたの伯父おじの殷いん弘ひろ智さとしが太ふと宗むね死後しごのことを憂慮ゆうりょして、燕つばめ弘信ひろのぶを李り祐ゆうに推薦すいせんして側近そっきんにつけ、剣士けんしを集あつめさせた。貞さだ観かん15年ねん（641年ねん）、李り祐ゆうは斉ひとし州しゅうに帰かえった。

太ふとし宗むねは諸王しょおう府ふの長ちょう史しや司馬しばには、必かならず硬骨こうこつの者ものを用もちいて、王おうに過失かしつがあれば上聞じょうぶんさせていた。李り祐ゆうは狩猟しゅりょうを好このみ、側近そっきんには昝君謩・梁りょう猛虎もうこといった狩猟しゅりょう仲間なかまたちを任用にんようしていた。長ちょう史しの薛大鼎かなえはたびたび李り祐ゆうを諫めたが、き入きいれられなかった。太ふとし宗むねは李り祐ゆうの行状ぎょうじょうが改あらたまらないので、薛大鼎かなえの代かわりに権けん万まん紀きをつけた。権けん万まん紀きは法ほうにもとづいて李り祐ゆうを捕縛ほばくし、昝君謩・梁りょう猛虎もうこらをしりぞけた。権けん万まん紀きは李り祐ゆうに謝罪しゃざいの上書うわがきを出ださせたので、太ふとし宗むねは喜よろこんで権けん万まん紀きに褒美ほうびを与あたえた。李り祐ゆうは権けん万まん紀きが労ろうをねぎらわれたのに、自分じぶんだけ責ぜめを受うけたのでますます不満ふまんを抱だいた。権けん万まん紀きが李り祐ゆうに出国しゅっこくさせず、しつこく李り祐ゆうの罪つみを朝廷ちょうていに報告ほうこくしたので、李り祐ゆうの怒いかりは爆発ばくはつした。貞さだ観かん17年ねん（643年ねん）、李り祐ゆうは燕つばめ弘ひろし亮あきららと謀はかって、権けん万まん紀きを射殺しゃさつし、遺体いたいをばらばらにした。城中じょうちゅうの男子だんし15歳さい以上いじょうのものをことごとく動員どういんして起おこり兵へいし、私的してきに官位かんいを発給はっきゅうしてばらまいた。しかし人心じんしんは定さだまらず、夜中よなかに逃亡とうぼうするものが続出ぞくしゅつした。

李り勣と劉りゅう徳いさお威たけしの討伐とうばつを受うけ、杜もり行ぎょう敏さとしの活躍かつやくで城門じょうもんは開ひらかれ、李り祐ゆうは捕とらえられて長安ながやすに送おくられた。内侍ないし省しょうで自殺じさつさせられ、位くらいは庶人に落おとされ、国くに公こうの礼れいで葬ほうむられた。

伝記でんき資料しりょう

• 『旧きゅう唐とう書しょ』巻まき76 列伝れつでん第だい26「庶人祐ゆう伝でん」
• 『新しん唐とう書しょ』巻まき80 列伝れつでん第だい5「庶人祐ゆう伝でん」