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染織せんしょく

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染織せんしょくから転送てんそう

染織せんしょく(せんしょく)とは、ぬのひとし繊維せんい製品せいひん生産せいさんする技術ぎじゅつおよび工芸こうげいである。語源ごげんとしてはぬのを「める」ことと「」ことの総称そうしょうであるが、ひもとげひとしふくまれる。英語えいごテキスタイル・アート(テキスタイル技法ぎほう、textile arts)に相当そうとうする概念がいねんともえるが、ひがしアジアでは伝統でんとうてきぬの生産せいさんおも織物おりものによっていたため、日本語にほんごの「染織せんしょく」には編物あみもの不織布ふしょくふ技法ぎほうふくまれない場合ばあいもある。より広義こうぎ布帛ふはく生産せいさん技法ぎほうかたりとして「繊維せんい工芸こうげいとうがある[1]

ハリリコレクション日本にっぽん美術びじゅつ英語えいごばん日光にっこう東照宮とうしょうぐう染織せんしょく」(1890ねん)

染織せんしょく工芸こうげいもしくは工業こうぎょうぞくし、すぐれた染織せんしょくひん美術びじゅつひん認識にんしきされる。また、世界せかい各地かくち多種たしゅ多様たよう染織せんしょく様式ようしきがあり、衣装いしょうひとしかたち民族みんぞく文化ぶんか象徴しょうちょうする場合ばあいがある。染織せんしょくせんもんおこなひとを「染織せんしょく」とぶ。

染織せんしょく染色せんしょく機織はたおり工程こうていけた場合ばあい

  1. まっためない
  2. いと繊維せんい)をめてからる(さきめ)
  3. 布地ぬのじってからめる(こうめ)

の3しゅ分類ぶんるいできる。

さきめはいと段階だんかいめ、そのめたいともちいてりあげる。無地むじのものもあるが、いろいと配置はいち計算けいさんしてげることで、様々さまざま模様もようすことができる(にしきかすり西陣織にしじんおり博多織はかたおりなど)。しま格子こうし模様もようも、さきめによって実現じつげんされる。いと配置はいち精密せいみつ計算けいさん設計せっけい実行じっこうしなければならないため、ジャカード織機しょっき登場とうじょうするまでは、職人しょくにんたか技術ぎじゅつ手法しゅほうであり、複雑ふくざつなものは非常ひじょう手間てま時間じかんがかかり、一般いっぱんてきにはこうめより価格かかくたかい。江戸えど時代じだい日本にっぽんでは、しまちょうという見本みほんちょうつくられ、かく家庭かてい問屋とんや継承けいしょうされていた。

こうめは、めていないいとげた織物おりものしろ生地きじ)を、染料せんりょうけたり、型紙かたがみふでなどをもちいて捺染なっせんする(更紗さらさ友禅染ゆうぜんぞめなど)。たんに「もの」というときこうめを場合ばあいおおい。模様もようのないめのみの生地きじ、あるいはその生地きじ仕立したてた着物きものいろ無地むじという。和服わふくにおいて、仕立したてたとき模様もようつづくようにめるものを(えば)という。手間てまがかかるため高価こうかであり、江戸えど初期しょきごろまでは、公家くげ武家ぶけ上流じょうりゅう階級かいきゅうしか着用ちゃくようできなかったが、中期ちゅうきごろから富裕ふゆう商人しょうにん町人ちょうにんそうにもひろがった。「ひいながた」(ひながた)とばれる、いまのデザイン・カタログにあたるものがつくられ、人々ひとびとはそのなかからこのみの模様もようえらび、あるいはあつらえたいちてんぶつ注文ちゅうもんした。

なお、たとえば、京都きょうと丹後たんごさん繻子しゅすこうめ、京都きょうと西陣にしじんさん繻子しゅすさきめというように、同種どうしゅかたでも産地さんちによってめの手順てじゅんことなることがある。

おも染織せんしょく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 角山つのやま幸洋ゆきひろ染織せんしょく」『日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]