(Translated by https://www.hiragana.jp/)
水波朗 - Wikipedia コンテンツにスキップ

みずろう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

みず ろう(みずなみ あきら、1922ねん10月3にち大正たいしょう11ねん) - 2003ねん平成へいせい15ねん7がつ31にち)は、日本にっぽん法学ほうがくしゃせんもんほう哲学てつがく九州大学きゅうしゅうだいがく名誉めいよ教授きょうじゅもと久留米大学くるめだいがく教授きょうじゅ[1]

人物じんぶつ

[編集へんしゅう]

はじめは河村かわむらまたかい最高裁さいこうさい判事はんじ)のした憲法けんぽうがく研究けんきゅうはじめるが、やがて憲法けんぽうがく根本こんぽんがくである公法こうほうがくのちほう哲学てつがく研究けんきゅう重心じゅうしんうつす。思想しそうてきにはトマス主義しゅぎ立脚りっきゃくするが、アルフ・ロスハンス・ケルゼンカール・ポパーひとしみずからとはことなる立場たちば思想家しそうかをもげ、批判ひはんてき書評しょひょう公刊こうかんした。

1954ねんに、大澤おおさわあきらみちびきでカトリック入信にゅうしんネオ・トミズム本場ほんばベルギー留学りゅうがくし、ジャン・ダバン師事しじ。トマス主義しゅぎ哲学てつがくほう哲学てつがく研究けんきゅうみ、帰国きこくは20世紀せいきほう哲学てつがくにおけるトマス主義しゅぎ位置いちづけと主張しゅちょう明快めいかいろんじた大著たいちょほう観念かんねん-ジャン・ダバンとその周辺しゅうへん-』を公刊こうかんした。

特技とくぎ外国がいこくで、彦根ひこねだかしょうでのだいいち外国がいこくだった中国ちゅうごくのほか、英語えいごドイツフランス語ふらんすごラテン語らてんご文献ぶんけんみこなした。スイスバーゼル世界せかいほう哲学てつがく社会しゃかい哲学てつがくかい開催かいさいされたおりには、「せっかく東洋とうようから参加さんかするというのであれば、なに日本にっぽんから話題わだいっていったほうがいいだろう」とかんがえ、故郷こきょう滋賀しがけん聖人せいじんである中江なかえ藤樹とうじゅ人間にんげん存在そんざいろんフランス語ふらんすご報告ほうこくした。藤樹とうじゅたいしては幼少ようしょうのころから尊敬そんけいねんいており、和綴わとほん入院にゅういん療養りょうようちゅう読破どくはしたほどであった。また、大学だいがく定年ていねん退官たいかんメキシコ訪問ほうもんしたことをきっかけに、本格ほんかくてきスペイン学習がくしゅうはじめた。

略歴りゃくれき

[編集へんしゅう]

[2]

著作ちょさく

[編集へんしゅう]

[2]

たんちょ

[編集へんしゅう]
  • ほう観念かんねん-ジャン・ダバンとその周辺しゅうへん-』(成文せいぶんどう、1971ねん
  • 『トマス主義しゅぎほう哲学てつがく-ほう哲学てつがくろん文選ぶんせん-』(九州大学きゅうしゅうだいがく出版しゅっぱんかい、1987ねん
  • 『トマス主義しゅぎ憲法けんぽうがく-国法こくほうがくろん文選ぶんせん-』(九州大学きゅうしゅうだいがく出版しゅっぱんかい、1987ねん
  • ホッブズにおけるほう国家こっか』(成文せいぶんどう、1987ねん12がつ
  • 基本きほんてき人権じんけん公共こうきょう福祉ふくし-日本国にっぽんこく憲法けんぽう講義こうぎ要録ようろく-』(九州大学きゅうしゅうだいがく出版しゅっぱんかい、1990ねん
  • 自然しぜんほら見知みし』(そうぶんしゃ、2005ねん

共編きょうへんちょ

[編集へんしゅう]

翻訳ほんやく

[編集へんしゅう]
  • ジャン・ダバン『ほう一般いっぱん理論りろん』(そうぶんしゃ、1961ねん
  • ジャン・ダバン『国家こっかとはなにか』(そうぶんしゃ、1975ねん
  • ジャン・ダバン『権利けんりろん』(そうぶんしゃ、1977ねん

ともやく

[編集へんしゅう]

論文ろんぶん

[編集へんしゅう]
  • 公共こうきょう福祉ふくし自然しぜんほう」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい19かん3ごう、1952ねん
  • 共通きょうつうぜんについて-せいトマスをにょうっての発展はってん-」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい20かん2-4合併がっぺいごう、1953ねん
  • 自然しぜんほう存在そんざいとその認識にんしきについての一般いっぱんろん」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい22かん2-4合併がっぺいごう、1955ねん
  • 主権しゅけん概念がいねん」(『ほう政治せいじ研究けんきゅう九州大学きゅうしゅうだいがく法学部ほうがくぶ創立そうりつさんじゅう周年しゅうねん記念きねんろん文集ぶんしゅう)』、1957ねん
  • ジャック・マリタン国家こっかかん主権しゅけん否認ひにんろん」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい24かん4ごう、1958ねん
  • 権利けんり基礎きそ-ジャン・ダバンの場合ばあい-」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい25かん2-4合併がっぺいごう、1959ねん
  • Das Naturrecht und das Wesen des Staates, in:J. Höffner, A.Verdross & F. Vitto(Hrsg.), Naturordnung in Gesellschaft, Staat und Wirtschaft, Wien 1960.
  • 国法こくほうがく形式けいしきてき対象たいしょう-ドイツ公法こうほう学派がくは終焉しゅうえん-」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい27かん2-4合併がっぺいごう、1961ねん
  • 「ジャン・ダバンとほう観念かんねんふたつの系列けいれつ」(『法政ほうせい研究けんきゅうだい28かん2ごう、1961ねん
  • 「イグナシオ・ブルゴアの憲法けんぽう理論りろんいち)」(『久留くるべい法学ほうがくだい1ごう、1987ねん
  • 「H・L・A・ハートと自然しぜんほう」(『自然しぜんほう-反省はんせい展望てんぼう-』、そうぶんしゃ、1987ねん
  • 日本国にっぽんこく憲法けんぽう前文ぜんぶん民主みんしゅ主義しゅぎ原理げんり」(『久留くるべい法学ほうがく別巻べっかんだい1ごう、1988ねん
  • 所有しょゆうけん存在そんざいろんエヒード制度せいど-メキシコ合衆国がっしゅうこく憲法けんぽうだい27じょうをめぐって-」(野村のむらとおるきよしへん南部なんぶメキシコ村落そんらくにおける宗教しゅうきょうほう現実げんじつ久留米大学くるめだいがく比較ひかく文化ぶんか研究所けんきゅうじょかん、1989ねん
  • 意識いしきしんカント観念論かんねんろん-青井あおい秀夫ひでお教授きょうじゅ批判ひはんこたえて-」(『ほう理論りろんだい11ごう成文せいぶんどう、1991ねん
  • 「ペレルマンの哲学てつがく-あたらしい自然しぜんほうろん?-」(『自然しぜんほう多義たぎせい』、そうぶんしゃ、1991ねん
  • Die Bedeutung der Rechtskultur, in: Werner Freistetter u. Rudolf Weiler(Hrsg.), Die Einheit der Kulturethik in vielen Ethosformen, Berlin、1993.
  • 日本国にっぽんこく憲法けんぽう解釈かいしゃくろんじゅう世紀せいき哲学てつがく」(『自然しぜんほう実践じっせん』,そうぶんしゃ、1994ねん)
  • 自然しぜんほうにおける存在そんざい当為とうい-ヨハネス・メスナーの倫理りんりがく体系たいけいそくして-」(『自然しぜんほうにおける存在そんざい当為とうい』、そうぶんしゃ、1996ねん)
  • 共同きょうどうぜん存在そんざいろんてき基礎きそづけ-ヨハネス・メスナーによる-」(『変動へんどうする世界せかいにおける共同きょうどうぜん』、南山大学なんざんだいがく社会しゃかい倫理りんり研究所けんきゅうじょ、1997ねん
  • Ontological Foundation of the Common Good Following Johannes Messner, Akira Mizunami u. Wolfgang Schmitz(Hrsg.), Das Gemeinwohl in einer sich verändernden Welt, 2. verbesserte Aufl., Wien 1998.
  • 宗教しゅうきょうてき自然しぜんほう教会きょうかい国家こっかいち)」(『自然しぜんほう宗教しゅうきょうⅠ』、そうぶんしゃ、1998ねん
  • Massengesellschaft aus der Sicht von Johannes Messner, in: Rudolf Weiner u. Akira Mizunami(Hrsg.), Gerechtigkeit in der sozialen Ordnung, Die Tugend der Gerechtigkeit im Zeitalter der Globalisierung, Berlin 1999.
  • 人間にんげん尊厳そんげん基本きほんてき人権じんけんいち)」(『人間にんげん尊厳そんげん現代げんだい法理ほうりろん』、成文せいぶんどう、2000ねん
  • 人間にんげん尊厳そんげん基本きほんてき人権じんけん)」(『ほう理論りろんだい20ごう成文せいぶんどう、2000ねん
  • 宗教しゅうきょうてき自然しぜんほう教会きょうかい国家こっか)」(『自然しぜんほう宗教しゅうきょうⅡ』、そうぶんしゃ、2001ねん
  • 「オントロギーとメスナー倫理りんりがくいち)」(『社会しゃかい倫理りんりだい13ごう南山大学なんざんだいがく社会しゃかい倫理りんり研究所けんきゅうじょ、2002ねん
  • 「オントロギーとメスナー倫理りんりがく)-アウグスティヌスについて-」(『社会しゃかい倫理りんりだい14ごう南山大学なんざんだいがく社会しゃかい倫理りんり研究所けんきゅうじょ、2003ねん
  • 「オントロギーとメスナー倫理りんりがくさん)-トマス・アクィナスについて-」(『社会しゃかい倫理りんりだい15ごう南山大学なんざんだいがく社会しゃかい倫理りんり研究所けんきゅうじょ、2003ねん
  • 「マリタンの文化ぶんか哲学てつがく」(『自然しぜんほう文化ぶんか』、そうぶんしゃ、2004ねん

所属しょぞく学会がっかい

[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]