法律ほうりつ効果こうか

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

法律ほうりつ効果こうか(ほうりつこうか)とは、具体ぐたいてき事実じじつ法律ほうりつ要件ようけん充足じゅうそくすることによってしょうじる、ほう規範きはんさだめる法的ほうてき効果こうかである。

法律ほうりつ効果こうか形式けいしき形態けいたい[編集へんしゅう]

通説つうせつ[編集へんしゅう]

私法しほう実体じったいほうじょう法律ほうりつ効果こうかは、権利けんり義務ぎむの「発生はっせい」「変更へんこう」「消滅しょうめつ」という形式けいしきをとるとかんがえるのが、通説つうせつてき理解りかいである。

法律ほうりつ効果こうか権利けんり義務ぎむの「取得しゅとく」「喪失そうしつ」という形式けいしき表現ひょうげんすることもある。 それは権利けんり帰属きぞく主体しゅたいがわから権利けんり義務ぎむの「発生はっせい」「消滅しょうめつ」をとらえたものとかんがえられる。

通説つうせつことなるせつ[編集へんしゅう]

法律ほうりつ効果こうかを「発生はっせい」「変更へんこう」「消滅しょうめつ」という形式けいしきではなく、「発生はっせい」「障害しょうがい」「消滅しょうめつとうという形式けいしきをとるとかんがえるものもある。このように、法律ほうりつ効果こうかに「障害しょうがい」という形式けいしきふくませるのは、証明しょうめい責任せきにん分配ぶんぱいという裁判さいばん規範きはんじょう観念かんねんほう規範きはん法律ほうりつ効果こうか内在ないざいさせてしまっており、それはほう規範きはん裁判さいばん規範きはんとしてしかとらえていないか、しくは実体じったいほうじょうほう規範きはん行為こうい規範きはん裁判さいばん規範きはん重層じゅうそう構造こうぞうからるとかいしているとしても、ほう規範きはん裁判さいばん規範きはんとしての側面そくめん強調きょうちょうしすぎるきらいがある。ほう規範きはん行為こうい規範きはんでも裁判さいばん規範きはんでもあり、行為こうい規範きはん裁判さいばん規範きはんとが重層じゅうそうてき実体じったいほう形成けいせいしているとかんがえるのが現在げんざい通説つうせつてき理解りかいであるため、この異説いせつ支持しじする見解けんかいがわには、何故なぜ裁判さいばん規範きはんとしての側面そくめん強調きょうちょうされなければならないのかというてんについて、説得せっとくてき説明せつめい要求ようきゅうされることになる。

行政ぎょうせいほうにおける法律ほうりつ効果こうか[編集へんしゅう]

法的ほうてき効果こうかまたはほう効果こうかは、行政ぎょうせいほうにおけるおも行政ぎょうせいちょう私人しじんとのあいだにおける法律ほうりつ効果こうか別称べっしょうである。たとえば、申請しんせいにおいて、私人しじん自己じこ利益りえき請求せいきゅうする意思いし表示ひょうじ行為こういをしてそれに行政ぎょうせいちょうおうじる行為こういという法律ほうりつ要件ようけんによって、私人しじんある(あ)る権利けんり義務ぎむあたえられた場合ばあい一定いってい法律ほうりつ効果こうかしょうじている。しかしながら、法令ほうれいもとづかない場合ばあいのもののような、法律ほうりつ効果こうかしょうじないたんなる申出もうしで申請しんせいとは做(な)されない。[1]申請しんせい場合ばあいだけにかぎらず行政ぎょうせい行為こういにおけるその有無うむ取消とりけし訴訟そしょう要件ようけんひとつである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽんでは行政ぎょうせい手続てつづきほうにより「法令ほうれいもとづく」申請しんせいおこなえば行政ぎょうせいちょう応答おうとう義務ぎむせられ、申請しんせいをする私人しじんには申請しんせいけん保障ほしょうされる。(稲葉いなば et al. 2018), p. 226

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 稲葉いなば, かおる人見ひとみ, つよし村上むらかみ, 裕章ひろあき前田まえだ, 雅子まさこ法的ほうてき効果こうか」『行政ぎょうせいほう』(だい4はん有斐閣ゆうひかく東京とうきょう、2018ねん、225 - 228ぺーじISBN 978-4-641-17940-0