海うみの上うえのピアニスト

海うみの上うえのピアニスト
La leggenda del pianista sull'oceano
監督かんとく	ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本きゃくほん	ジュゼッペ・トルナトーレ
原作げんさく	アレッサンドロ・バリッコ 『ノヴェチェント』
製作せいさく	フランチェスコ・トルナトーレ
製作せいさく総そう指揮しき	ローラ・ファットーリ
ナレーター	プルイット・テイラー・ヴィンス
出演しゅつえん者しゃ	ティム・ロス プルイット・テイラー・ヴィンス メラニー・ティエリー ビル・ナン クラレンス・ウィリアムズ3世せい ピーター・ヴォーン
音楽おんがく	エンニオ・モリコーネ
撮影さつえい	ラホス・コルタイ
編集へんしゅう	マッシモ・クアリア
製作せいさく会社かいしゃ	Sciarlò メドゥーサ・フィルム
配給はいきゅう	メドゥーサ・ディストリブツィオーネ アスミック・エース/日本にほんビクター
公開こうかい	1998年ねん10月28日にち 1999年ねん12月18日にち
上映じょうえい時間じかん	170分ふん 125分ふん
製作せいさく国こく	イタリア
言語げんご	英語えいご フランス語ふらんすご イタリア語ご
製作せいさく費ひ	$9,000,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$21,007,537 16億おく円えん

海うみの上うえのピアニスト Novecento. Un monologo
著者ちょしゃ	アレッサンドロ・バリッコ
訳者やくしゃ	草皆くさかい伸子のぶこ
発行はっこう日び	1994年ねん7月がつ 1999年ねん11月
発行はっこう元もと	白水しろみず社しゃ
国くに	イタリア
言語げんご	イタリア語ご
ページ数すう	152
公式こうしきサイト	www.hakusuisha.co.jp
コード	ISBN 978-4-560-04670-8
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『海うみの上うえのピアニスト』（うみのうえのピアニスト、伊い: La leggenda del pianista sull'oceano、英えい: The Legend of 1900） は、1998年ねんのイタリアのドラマ映画えいが。監督かんとくはジュゼッペ・トルナトーレ、出演しゅつえんはティム・ロスとプルイット・テイラー・ヴィンスなど。豪華ごうか客船きゃくせんの中なかで生うまれ、生涯しょうがい船せんを降おりることのなかったピアニストの物語ものがたりで、原作げんさくはアレッサンドロ・バリッコの独白どくはく劇げき『ノヴェチェント』。

ストーリー

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの終戦しゅうせん直後ちょくご、マックス・トゥーニーは愛用あいようのトランペットを金かねに換かえるために楽器がっき屋やを訪おとずれた。彼かれはトランペットを売うった後のちになって、店主てんしゅにもう一いち度どだけトランペットを吹ふかせて欲ほしいと頼たのむ。彼かれの演奏えんそうを聴きいた店主てんしゅは、同おなじ曲きょくがピアノで刻きざまれたレコードを持もち出だし、曲きょくと演奏えんそう者しゃの名前なまえを尋たずねた。すると彼かれは、「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」と呼よばれた男おとこの物語ものがたりを語かたり始はじめる。

大西洋たいせいようを往復おうふくする豪華ごうか客船きゃくせんヴァージニアン号ごう。その上うえで産うみ捨すてられた赤あかん坊ぼうを拾ひろった黒人こくじん機関きかん士しのダニー・ブートマンは、その子こに自分じぶんの名前なまえ、捨すて置おかれていた箱はこの名前なまえ、生うまれた西暦せいれきなどから「ダニー・ブードマン・T.D.（Thanks Danny）レモン・1900」と名付なづけて大切たいせつに育そだてる。しかし、ダニーは1900が8歳さいの時ときに事故じこで帰かえらぬ人ひととなった。1900はダニーの葬儀そうぎで流ながれた音楽おんがくに惹ひかれ、ピアノを弾ひき始はじめる。

1927年ねん、成長せいちょうした1900は嵐あらしの夜よるに船酔ふなよいで動うごけないマックス（コーン）と出会であい、共ともに船内せんないでバンド演奏えんそうをすることになる。その誰だれも聴きいたことの無ない音楽おんがくの噂うわさは瞬またたく間まに広ひろがった。そんな中なか、ジャズを生うんだというピアニストのジェリー・ロール・モートンも噂うわさを聞ききつけ、ピアノ演奏えんそうによる決闘けっとうを申もうし込こんでくるが、奇跡きせきのようなピアノ演奏えんそうで1900は見事みごとにモートンを打うち負まかす。

ある日ひ、レコード会社かいしゃが1900の音楽おんがくを世間せけんに広ひろめようと録音ろくおんにやってきた。1900はろくに話はなしも聴きかず演奏えんそうを始はじめる。この時とき、何気なにげなく窓まどに目めをやると美うつくしい女おんながそこに見みえた。彼かれはすぐに恋こいに落おちてしまい、演奏えんそうした音楽おんがくには愛あいが溢あふれていた。録音ろくおんが終おわると、1900は契約けいやくを破棄はきしてレコードを持もち去さる。

1900が何なにも行動こうどうできずにいると、彼女かのじょが船ふねを降おりる時ときがやってくる。1900は勇気ゆうきを出だして会話かいわをするが、レコードを渡わたすことは人ひとごみで果はたすことはできなかった。1900はレコードを割わり砕くだき、ゴミ箱ごみばこに捨すててしまう。

彼女かのじょに会あいに行いくために1900はついに船ふねを降おりることを決意けついする。仲間なかまたちが見送みおくる中なか、1900は階段かいだんをゆっくりと降おりていった。しかし、途中とちゅうで立たち止どまり、何なにも言いわずに船ふねの上うえに戻もどってきてしまう。それから月日つきひは経たち、マックスも船ふねを降おり、1900だけが船ふねに残のこり続つづけた。

1946年ねん、楽器がっき屋やの店主てんしゅから、戦争せんそうで朽くち果はてたヴァージニアン号ごうを解体かいたいするために、船ふねにダイナマイトが仕掛しかけられたと知しらされたマックスは、船内せんないにまだ1900が残のこっていることを必死ひっしで訴うったえ、強引ごういんに入船いりふねする。自みずからがゴミ箱ごみばこから拾ひろい上あげ、後のちに楽器がっき屋やの店主てんしゅが入手にゅうしゅしたレコードを借かり出だして。

しかし、いくら探さがしても船内せんないに1900の姿すがたは無なく、レコードを流ながしても応答おうとうは無ない。諦あきらめかけたその時とき、マックスは暗くらがりに人影ひとかげを見みつける。1900の姿すがただった。マックスは船ふねから降おりて一緒いっしょに音楽おんがくをしたいと説得せっとくするが、1900が船ふねから降おりられない理由りゆうを聞きかされると、返かえす言葉ことばが無なかった。

マックスが船ふねを降おりた後のち、船ふねは爆ばく音おんと共ともに海うみに沈しずんでいった。話はなしを聞きき終おえた楽器がっき屋やの店主てんしゅは、去さり行いくマックスにトランペットを返かえして見送みおくる。

キャスト

役名やくめい	俳優はいゆう	日本語にほんご吹替
		VHS・DVD版はん	Blu-ray版はん	テレビ東京てれびとうきょう版はん	機内きない上映じょうえい版ばん
1900	ティム・ロス	三木みき眞一郎しんいちろう	日野ひの聡さとし	宮本みやもと充たかし
マックス	プルイット・テイラー・ヴィンス	玄田げんだ哲章てっしょう	小松こまつ史ふみ法ほう	玄田げんだ哲章てっしょう	牛山うしやま茂しげる
少女しょうじょ	メラニー・ティエリー	樋浦ひうら茜あかね子こ	新田にった恵めぐみ海うみ	小林こばやしさやか
ダニー	ビル・ナン	長島ながしま雄一ゆういち	山寺やまでら宏一こういち	長島ながしま雄一ゆういち
ジェリー・ロール・モートン	クラレンス・ウィリアムズ3世せい	土師はじ孝也たかや	井上いのうえ和彦かずひこ	磯部いそべ勉つとむ
店主てんしゅ	ピーター・ヴォーン	納谷なや悟朗ごろう	柴田しばた秀勝ひでかつ	滝田たきた裕介ゆうすけ
港みなと長ちょう	ニール・オブライエン		菊池きくち康弘やすひろ
機械きかい工こうのメキシコ人じん	アルベルト・ヴァスケス	相沢あいざわ正輝まさき
農夫のうふ	ガブリエレ・ラヴィア	伊藤いとう和晃かずあき	西垣にしがき俊作しゅんさく
その他た	N/A	伊藤いとう和晃かずあき 黒田くろだ弥生やよい 浅野あさのまゆみ 岡本おかもと章子あきこ 火野ひのカチコ 多た田野でんや曜平 後藤ごとう哲夫てつお 長ちょう克巳かつみ 落合おちあい弘治こうじ	佐々木ささき祐介ゆうすけ 中務なかつかさ貴幸たかゆき 高橋たかはしちんねん 御子みこ神かみ孝次たかじ 浅井あさい晴美はるみ かとう有ゆう花はな
演出えんしゅつ		蕨わらび南みなみ勝之かつゆき	サイトウユウ
翻訳ほんやく		中村なかむら久世くぜ	石田いしだ淳子じゅんこ
調整ちょうせい		佐藤さとう隆一りゅういち
制作せいさく		ビデオテック	チャンスイン

• VHS・DVD版ばん：2000年ねん8月がつ16日にち発売はつばいのVHSに初はつ収録しゅうろく。
• Blu-ray版ばん：2020年ねん11月18日にち発売はつばいの「4Kデジタル修復しゅうふく版ばん Blu-ray」に初はつ収録しゅうろく。
• テレビ東京てれびとうきょう版ばん：初回しょかい放送ほうそう2001年ねん12月31日にち『年末ねんまつ特別とくべつロードショー』

スタッフ

• 監督かんとく・脚本きゃくほん: ジュゼッペ・トルナトーレ
• 原作げんさく: アレッサンドロ・バリッコ『ノヴェチェント』
• 作曲さっきょく・編曲へんきょく・指揮しき: エンニオ・モリコーネ
• 撮影さつえい監督かんとく: ラホス・コルタイ
• 美術びじゅつ: フランチェスコ・フリジェッリ
• 衣装いしょう: マウリツィオ・ミレノッティ
• 装飾そうしょく: ブルーノ・チェザーリ
• キャスティング: ファブリツィオ・サージェンティ・カステラーニ、ヴァレリー・マカフェリー、ジェレミー・ツィンマーマン
• 編集へんしゅう: マッシモ・クアリア
• 製作せいさく調整ちょうせい: ピエトロ・ノタリアーニ、フランチェスコ・トルナトーレ
• 視覚しかく効果こうかスーパーバイザー: デイヴィッド・ブッシュ
• プロダクションマネージャー: リカルド・ネリ
• ロケーションスーパーバイザー (外国がいこく): ウォルター・マッシ
• 製作せいさく総そう指揮しき: ローラ・ファットーリ

作品さくひんの評価ひょうか

映画えいが批評ひひょう家かによるレビュー

Rotten Tomatoesによれば、41件けんの評論ひょうろんのうち高こう評価ひょうかは54%にあたる22件けんで、平均へいきん点てんは10点てん満点まんてん中ちゅう6.2点てんとなっている。 Metacriticによれば、28件けんの評論ひょうろんのうち、高こう評価ひょうかは16件けん、賛否さんぴ混在こんざいは10件けん、低てい評価ひょうかは2件けんで、平均へいきん点てんは100点てん満点まんてん中ちゅう58点てんとなっている。

受賞じゅしょう歴れき

• 第だい57回かいゴールデングローブ賞しょう (アメリカ)
  • 最優秀さいゆうしゅう作曲さっきょく賞しょう受賞じゅしょう (エンニオ・モリコーネ)
• 第だい4回かいゴールデン・サテライト賞しょう (アメリカ)
  • 最優秀さいゆうしゅう作曲さっきょく賞しょうノミネート (エンニオ・モリコーネ)
  • 最優秀さいゆうしゅう美術びじゅつ監督かんとく・美術びじゅつデザイン賞しょうノミネート (フランチェスコ・フリジェッリ、ブルーノ・チェザーリ)
• 第だい44回かいダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞しょう (イタリア)
  • 最優秀さいゆうしゅう作品さくひん賞しょうノミネート
  • 最優秀さいゆうしゅう監督かんとく賞しょう受賞じゅしょう (ジュゼッペ・トルナトーレ)
  • 最優秀さいゆうしゅう美術びじゅつ賞しょう受賞じゅしょう (フランチェスコ・フリジェッリ)
  • 最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょうノミネート (ジュゼッペ・トルナトーレ)
  • 最優秀さいゆうしゅう音楽おんがく賞しょう受賞じゅしょう (エンニオ・モリコーネ)
  • 最優秀さいゆうしゅう撮影さつえい賞しょう受賞じゅしょう (ラホス・コルタイ)
  • 最優秀さいゆうしゅう衣装いしょうデザイン賞しょう受賞じゅしょう (マウリツィオ・ミレノッティ)
  • 最優秀さいゆうしゅう編集へんしゅう賞しょうノミネート (マッシモ・クアリア)
  • 審査しんさ員いん賞しょう受賞じゅしょう (ジュゼッペ・トルナトーレ)

• 第だい54回かいナストロ・ダルジェント賞しょう (イタリア)
  • 最優秀さいゆうしゅう製作せいさく賞しょう受賞じゅしょう
  • 最優秀さいゆうしゅう作品さくひん監督かんとく賞しょう受賞じゅしょう (ジュゼッペ・トルナトーレ)
  • 最優秀さいゆうしゅう美術びじゅつ賞しょう受賞じゅしょう (フランチェスコ・フリジェッリ)
  • 最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょう受賞じゅしょう (ジュゼッペ・トルナトーレ)
  • 最優秀さいゆうしゅう衣装いしょうデザイン賞しょう受賞じゅしょう (マウリツィオ・ミレノッティ)
  • 特別とくべつ賞しょう受賞じゅしょう (エンニオ・モリコーネ)
• 第だい12回かいヨーロッパ映画えいが賞しょう (ヨーロッパ)
  • 最優秀さいゆうしゅう撮影さつえい監督かんとく賞しょう受賞じゅしょう (ラホス・コルタイ、『太陽たいようの雫しずく』に対たいしても)
• 第だい7回かいキャメリメージ国際こくさい撮影さつえい技術ぎじゅつ映画えいが祭さい (ポーランド)
  • ゴールデン・フロッグ賞しょうノミネート (ラホス・コルタイ)
• Guild of German Art House Cinemas賞しょう (ドイツ)
  • 外国がいこく映画えいが賞しょう銀賞ぎんしょう受賞じゅしょう (ジュゼッペ・トルナトーレ)

その他た

• イタリアで公開こうかいされたオリジナル版ばんの上映じょうえい時間じかんは170分ふん。アメリカなどで公開こうかいされた120分ふん版ばんはファイン・ライン・フィーチャーズによるもので、タイトルやクレジットが英語えいごになっている。日本にっぽんで公開こうかいされたのもファイン・ライン版ばんで、米べい伊い合作がっさくとされているのはそのためである。日本にっぽんでは本ほん作さくのオリジナル版ばんのDVD化かはされていない。2020年ねんに日本にっぽんで劇場げきじょう公開こうかい版ばんの4Kデジタル修正しゅうせい版ばんとオリジナル版ばんが公開こうかいされBlu-rayでもリリースされた。
• イタリア盤ばんのサウンドトラックは収録しゅうろく曲きょく数すうが多おおい。通常つうじょうの国際こくさい盤ばんには、踊おどるようにピアノを弾ひく場面ばめんで流ながれる「マジック・ワルツ」などが収録しゅうろくされていない。
• ヴァージニアン号ごうという船ふねは実際じっさいにあり、1904年ねんに完成かんせいし、1954年ねんごろに廃はい船せんとなった。また、船ふねの撮影さつえいにはスタジオのセットのほかに貨物かもつ船せんを改造かいぞうしたものが使つかわれた。
• 作中さくちゅうに登場とうじょうするピアニスト、ジェリー・ロール・モートンは実在じつざいの人物じんぶつである。
• ピアノの演奏えんそうシーンは、ティム・ロス本人ほんにんによるものではあるが、演奏えんそう自体じたいはプロのピアニストによる別べつ撮とりである。

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト - ウェイバックマシン（2007年ねん8月がつ14日にちアーカイブ分ぶん）（日本語にほんご）
• 公式こうしきウェブサイト - ウェイバックマシン（2002年ねん10月がつ16日にちアーカイブ分ぶん）（英語えいご）
• 海うみの上うえのピアニスト - allcinema
• 海うみの上うえのピアニスト - KINENOTE
• La leggenda del pianista sull'oceano - オールムービー（英語えいご）
• La leggenda del pianista sull'oceano - IMDb（英語えいご）