深海 しんかい 帯 たい (英語 えいご :abyssal zone、もしくはabyssopelagic zone)とは、地球 ちきゅう の海 うみ を漂泳区分 くぶん 帯 たい によって区分 くぶん した際 さい に分類 ぶんるい される層 そう の1つである。深海 ふかうみ 底 そこ 層 そう や深海 ふかうみ 底 そこ 帯 たい とも言 い われる。地球 ちきゅう の深海 しんかい 底 そこ の大 だい 部分 ぶぶん は、この層 そう に接 せっ している。英語 えいご でのabyss はギリシャ語 ご で「底 そこ なしの」という意味 いみ のἄβυσσος という語 かたり に由来 ゆらい している。一般 いっぱん 的 てき に、水深 すいしん 4,000 mから 6,000 mの領域 りょういき と定義 ていぎ される。漸 やや 深層 しんそう より深 ふか く、無 む 光 ひかり 層 そう の領域 りょういき であるため、暗闇 くらやみ ・貧 ひん 栄養 えいよう ・低 てい 水温 すいおん (およそ2-4 ℃)の環境 かんきょう である[ 1] [ 2] [ 注釈 ちゅうしゃく 1] 。地球 ちきゅう の表面積 ひょうめんせき において占 し める割合 わりあい は大 おお きく、海底 かいてい がこの深 ふか さにあるのは海底 かいてい 全体 ぜんたい の約 やく 83%、地球 ちきゅう 表面 ひょうめん でも約 やく 60%を占 し める[ 3] 。4000mよりも浅 あさ い領域 りょういき は漸 やや 深層 しんそう と呼 よ ばれ、6,000mよりも深 ふか い領域 りょういき は超 ちょう 深海 しんかい 層 そう と呼 よ ばれている[ 4] 。
光 ひかり が届 とど かないため、光合成 こうごうせい により酸素 さんそ を生成 せいせい するような生物 せいぶつ が存在 そんざい しない。深海 しんかい 帯 たい や超 ちょう 深海 しんかい 帯 たい に存在 そんざい する酸素 さんそ は、主 おも に南極 なんきょく や北極 ほっきょく の極地 きょくち から流 なが れてきた、はるか以前 いぜん に氷 こおり や海水 かいすい 中 ちゅう に溶 と け混 こ んだ酸素 さんそ に由来 ゆらい している。深海 しんかい 帯 たい では、より上方 かみがた の漂泳区分 くぶん 帯 たい から分解 ぶんかい しながら沈降 ちんこう してくる大量 たいりょう の生物 せいぶつ 死骸 しがい のために、有機物 ゆうきぶつ や窒素 ちっそ 、リン、シリカなどの栄養 えいよう 塩 しお が高 こう 濃度 のうど に含 ふく まれている[ 5] 。水圧 すいあつ は最大 さいだい 76メガパスカルに達 たっ する。
漂泳区分 くぶん 帯 たい
深海 しんかい 帯 たい には太陽光 たいようこう が届 とど かないため、深海 しんかい 帯 たい に存在 そんざい する有機物 ゆうきぶつ の量 りょう は非常 ひじょう に限 かぎ られている。深海 しんかい 帯 たい にいる生物 せいぶつ の総数 そうすう (バイオマス )は、海流 かいりゅう で運 はこ ばれてきたものや、より上層 じょうそう の漂泳区分 くぶん 帯 たい からの沈降 ちんこう により供給 きょうきゅう される栄養素 えいようそ の量 りょう に大 おお きく関 かか わってくる。これは生物 せいぶつ ポンプ と呼 よ ばれ、微粒子 びりゅうし の有機 ゆうき 炭素 たんそ や溶解 ようかい 性 せい 有機 ゆうき 炭素 たんそ などの有機物 ゆうきぶつ が、大気 たいき や海洋 かいよう 表面 ひょうめん から海底 かいてい へと輸送 ゆそう されるメカニズムであると考 かんが えられている[ 6] 。具体 ぐたい 的 てき にはマリンスノー などの沈殿 ちんでん 物 ぶつ 、藻類 そうるい 、魚 さかな の排 はい せつ物 ぶつ や死骸 しがい などが考 かんが えられる。深海 しんかい 帯 たい における分解 ぶんかい 物質 ぶっしつ と分解 ぶんかい 物質 ぶっしつ の多 おお くは海底 かいてい 面 めん で起 お きているため、水中 すいちゅう よりも海底 かいてい 近 ちか くでバイオマスが増加 ぞうか する[ 7] 。また、深海 しんかい での生物 せいぶつ 量 りょう の多 おお さは、生物 せいぶつ ポンプが効率 こうりつ 的 てき に動作 どうさ しているという過程 かてい の元 もと では、海面 かいめん 近 ちか くの生産 せいさん 性 せい が高 たか い海域 かいいき でより多 おお くなると考 かんが えられている。研究 けんきゅう では、マリンスノーだけでは底 そこ 生 せい 生物 せいぶつ の栄養 えいよう を充分 じゅうぶん に供給 きょうきゅう できないことが明 あき らかになっている。また、海面 かいめん 近 ちか くで藻類 そうるい や動物 どうぶつ が大量 たいりょう 発生 はっせい すると微粒子 びりゅうし 性 せい 有機物 ゆうきぶつ も増 ふ えるため、数 すう 週間 しゅうかん で数 すう 十 じゅう 年 ねん 分 ぶん もの栄養素 えいようそ が深海 しんかい に運 はこ ばれることとなる[ 8] 。
深海 しんかい 帯 たい の海底 かいてい 堆積 たいせき 物 ぶつ は、海底 かいてい の水深 すいしん に応 おう じて、異 こと なる成分 せいぶん により層状 そうじょう に構成 こうせい されていることが多 おお い。海底 かいてい が海面 かいめん 下 か 約 やく 4000mの場合 ばあい 、海底 かいてい は通常 つうじょう 、有 ゆう 孔 あな 虫 ちゅう などの動物 どうぶつ プランクトン の石灰 せっかい 質 しつ の殻 から や植物 しょくぶつ プランクトン で構成 こうせい されている。これらは4000mを超 こ える深 ふか さに達 たっ すると溶解 ようかい してしまうため、海面 かいめん 下 か 4000mを超 こ える深 ふか さでは、海底 かいてい にはこれらの殻 から が見 み られない。そのため、主 おも に茶色 ちゃいろ の粘土 ねんど と、死 し んだ動物 どうぶつ プランクトンや植物 しょくぶつ プランクトンから残 のこ されたシリカ成分 せいぶん が主 おも な成分 せいぶん になる[ 9] 。
このゾーンの一部 いちぶ の地域 ちいき では、生物 せいぶつ は熱 ねつ 水 すい 噴出 ふんしゅつ 孔 あな の生成 せいせい 物 ぶつ を利用 りよう して生息 せいそく している。中央 ちゅうおう 海嶺 かいれい 沿 ぞ いなどでよく見 み られる深海 しんかい 熱 ねつ 水 すい 噴出 ふんしゅつ 孔 あな には、硫化 りゅうか 水素 すいそ などの硫黄 いおう 化合 かごう 物 ぶつ が多 おお く含 ふく まれている。ここでは、光合成 こうごうせい に依 よ らない微生物 びせいぶつ の基礎 きそ 生産 せいさん が行 おこな われており、一部 いちぶ の微生物 びせいぶつ が通気 つうき 孔 あな を使用 しよう して化学 かがく エネルギーを利用 りよう して有機物 ゆうきぶつ を生産 せいさん し、底 そこ 生 せい 生物 せいぶつ の栄養 えいよう 供給 きょうきゅう を支 ささ えている[ 10] 。たとえば、これらの生物 せいぶつ の多 おお くは硫化 りゅうか 水素 すいそ を硫酸 りゅうさん 塩 しお に変換 へんかん して化学 かがく エネルギーを生成 せいせい し、そのエネルギーを利用 りよう して、栄養 えいよう として利用 りよう できるような有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ を合成 ごうせい する[ 11] 。これらの生物 せいぶつ は他 た の生物 せいぶつ に捕食 ほしょく され、生態 せいたい 系 けい の基盤 きばん の一部 いちぶ となる。
深海 しんかい 帯 たい で生息 せいそく する生物 せいぶつ は、その環境 かんきょう に適応 てきおう するように進化 しんか してきた。魚 さかな や無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ では、低温 ていおん 高 だか 圧 あつ 環境 かんきょう でも生存 せいぞん できるように進化 しんか し、また暗闇 くらやみ の中 なか で捕食 ほしょく できる手法 しゅほう を編 あ み出 だ し、上部 じょうぶ ゾーンよりも酸素 さんそ やバイオマス、エネルギー源 げん 、そして獲物 えもの が少 すく ない過酷 かこく な生態 せいたい 系 けい で繁栄 はんえい する術 じゅつ を獲得 かくとく してきた。このような資源 しげん が非常 ひじょう に少 すく なく、気温 きおん が低 ひく い水域 すいいき で生 い き残 のこ るために、多 おお くの魚 さかな や生物 せいぶつ は、代謝 たいしゃ が非常 ひじょう に遅 おそ い。そのため、上層 じょうそう よりもはるかに必要 ひつよう な酸素 さんそ 量 りょう を少 すく なく抑 おさ えている。多 おお くの動物 どうぶつ はまた、エネルギーを節約 せつやく するために動作 どうさ が非常 ひじょう にゆっくりとしている。繁殖 はんしょく のスピードも非常 ひじょう に遅 おそ く、競争 きょうそう を減 へ らすことで、エネルギーを節約 せつやく している。この水 みず 帯 たい の動物 どうぶつ は通常 つうじょう 、柔軟 じゅうなん な胃 い と口 くち を持 も っているため、餌 えさ にありつけた際 さい には可能 かのう な限 かぎ り多 おお く食 た べることができるような構造 こうぞう をしている[ 12] 。
ミッドケイマンライズ のビーベ熱 ねつ 水 すい 噴出 ふんしゅつ 孔 あな フィールドでのエビ(Rimicaris hybisae )の群集 ぐんしゅう 。エビはほぼ完全 かんぜん に盲目 もうもく であり、冷 つめ たく深 ふか い海水 かいすい と超 ちょう 臨界 りんかい 熱 ねつ 水 すい との境界 きょうかい 面 めん で生 い きている[ 13] 。
深海 しんかい 帯 たい で生育 せいいく することの他 ほか の課題 かだい は、深海 しんかい 帯 たい の深 ふか さによって引 ひ き起 お こされる圧力 あつりょく と暗闇 くらやみ である。このゾーンに生息 せいそく する多 おお くの生物 せいぶつ は、浮 う き袋 ぶくろ などの体内 たいない 空間 くうかん を最小限 さいしょうげん に抑 おさ えるように進化 しんか してきた。この適応 てきおう は、約 やく 75 MPa(11,000 psi)に達 たっ することもある極 きょく 圧 あつ から体 からだ を保護 ほご することに役立 やくだ つ。
光 ひかり の欠如 けつじょ はまた、大 おお きな目 め を持 も つことや独自 どくじ の光 ひかり を生成 せいせい する能力 のうりょく など、多 おお くの異 こと なる適応 てきおう を生 う み出 だ した。大 おお きな目 め は、どんなに小 ちい さくても、利用 りよう 可能 かのう なあらゆる光 ひかり を検出 けんしゅつ し利用 りよう することを可能 かのう にする[ 14] 。他 た の目 め の適応 てきおう として、青 あお い光 ひかり に非常 ひじょう に敏感 びんかん な目 め を進化 しんか させてきた深海 しんかい 生物 せいぶつ も多 おお く存在 そんざい する。青 あお い光 ひかり である理由 りゆう は、太陽光 たいようこう が海 うみ に差 さ し込 こ むと水 みず が赤 あか い光 ひかり を吸収 きゅうしゅう し、短波 たんぱ 長 ちょう の青 あお い光 ひかり は深 ふか い水深 すいしん まで届 とど くためである。深海 しんかい で光 ひかり が残 のこ っていた場合 ばあい 、それはおそらく青色 あおいろ 光 こう であるため、その光 ひかり を利用 りよう したい動物 どうぶつ は、青色 あおいろ の光 ひかり を敏感 びんかん に感 かん じることができるように適応 てきおう した特殊 とくしゅ な目 め をりようする。多 おお くの生物 せいぶつ は、周囲 しゅうい を感知 かんち するための他 ほか の特殊 とくしゅ な器官 きかん や方法 ほうほう を用 もち いて、この特殊 とくしゅ な目 め と組 く み合 あ わせて利用 りよう している。
独自 どくじ の光 ひかり を作 つく る能力 のうりょく は生物 せいぶつ 発光 はっこう と呼 よ ばれている。深海 しんかい 帯 たい に生息 せいそく する魚 さかな や生物 せいぶつ は、視覚 しかく のための光 ひかり を生成 せいせい するだけでなく、獲物 えもの や仲間 なかま を誘惑 ゆうわく し、同時 どうじ に自身 じしん のシルエットを隠 かく すように、この能力 のうりょく を発達 はったつ させてきた。深海 しんかい 帯 たい の生命 せいめい の90%以上 いじょう が、何 なん らかの形 かたち で生物 せいぶつ 発光 はっこう を利用 りよう していると考 かんが えられている[ 14] 。上述 じょうじゅつ の理由 りゆう から、生物 せいぶつ 発光 はっこう 性 せい の動物 どうぶつ の多 おお くは、他 た の色 いろ の光 ひかり よりもより水中 すいちゅう を透過 とうか する青色 あおいろ の光 ひかり を生成 せいせい する[ 15] 。
深海 しんかい 帯 たい の生物 せいぶつ が光 ひかり が極端 きょくたん に少 すく ない環境 かんきょう で生息 せいそく しているため、複雑 ふくざつ なデザインを持 も った体 からだ や明 あか るい色 いろ の体 からだ 色 しょく は必要 ひつよう とならない。ほとんどの魚 さかな 種 しゅ は透明 とうめい 、赤 あか 、または黒 くろ に進化 しんか して暗闇 くらやみ にうまく溶 と け込 こ むようになっており、明 あか るいデザインや複雑 ふくざつ なデザインの体 からだ を作 つく り維持 いじ することにエネルギーを浪費 ろうひ しない[ 14] 。
深海 しんかい 帯 たい では、微生物 びせいぶつ 、甲殻 こうかく 類 るい 、軟体動物 なんたいどうぶつ (二枚貝 にまいがい 、カタツムリ、頭 あたま 足 あし 類 るい )、さまざまな種類 しゅるい の魚 さかな など、さまざまな種類 しゅるい の生物 せいぶつ で構成 こうせい されており、未 いま だに発見 はっけん されていない動物 どうぶつ も数多 かずおお く存在 そんざい すると考 かんが えられている。このゾーンの魚 さかな 種 しゅ のほとんどは、底魚 そこうお または底 そこ 生魚 なまざかな である。底魚 そこうお とは、生息 せいそく 地 ち が海底 かいてい に非常 ひじょう に近 ちか い(通常 つうじょう は5メートル未満 みまん )、または海底 かいてい 面 めん に生息 せいそく する魚 さかな を指 さ す用語 ようご である。海底 かいてい には深海 しんかい 帯 たい の栄養素 えいようそ の大半 たいはん が降 ふ り積 つ もり溜 た まるため、ほとんどの魚 さかな 種 しゅ はこの分類 ぶんるい に当 あ てはまる。そのため、最大 さいだい のバイオマスはこの帯 おび のこの地域 ちいき に存在 そんざい している。
深海 しんかい 帯 たい の底 そこ 生 せい 生物 せいぶつ の場合 ばあい 、海底 かいてい 上 じょう の酸素 さんそ が枯渇 こかつ した水 みず から離 はな れ、より上層 じょうそう の海水 かいすい から酸素 さんそ を取 と り込 こ むことができるよう進化 しんか してきた[ 16] 。深海 しんかい 帯 たい の上部 じょうぶ で時間 じかん を過 す ごす動物 どうぶつ もおり、また更 さら に上 うえ の漸 やや 深層 しんそう の真上 まうえ で時間 じかん を過 す ごす動物 どうぶつ もいる。例 たと えば条 じょう 鰭 ひれ 綱 つな (ray-finned fish)のように、様々 さまざま な異 こと なるグループやクラスを含 ふく むような系統 けいとう が存在 そんざい する。一方 いっぽう で、軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな (サメ、エイ、ギンザメなど)については、深海 しんかい 帯 たい を主 しゅ たる生息 せいそく 地 ち とする種 たね は知 し られていない。これは、その限 かぎ られた資源 しげん やエネルギーの利用 りよう 可能 かのう 性 せい 、または他 た の生理学 せいりがく 的 てき 制約 せいやく によるものであるのかどうかは不明 ふめい である。ほとんどの軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい の種 たね は、漸 やや 深層 しんそう までしか移動 いどう しない[ 17] 。
ナガツエエソ(Bathypterois grallator ):生息 せいそく 地 ち は海底 かいてい に沿 そ っており、通常 つうじょう は海面 かいめん 下 か 約 やく 4,720mです。彼 かれ らの骨盤 こつばん 鰭 ひれ と尾鰭 おびれ には長 なが い骨 ほね の光線 こうせん が突 つ き出 で ています。彼 かれ らは長 なが い光線 こうせん の上 うえ にじっと立 た っている間 あいだ 、流 なが れに直面 ちょくめん します。近 ちか くで餌 えさ を感 かん じると、大 おお きな胸 むね 鰭 ひれ を使 つか って無 む 防備 ぼうび な獲物 えもの を口 くち に向 む けて攻撃 こうげき します。この種 たね は雌雄 しゆう 同体 どうたい で、配偶 はいぐう 者 しゃ が見 み つからない場合 ばあい 、彼 かれ らは自家 じか 受精 じゅせい することができる。
ジュウモンジダコ :このタコは通常 つうじょう 、他 た の既知 きち のタコよりも深 ふか い3,000〜4,000メートルの深 ふか さに生息 せいそく する。彼 かれ らは頭 あたま の上 うえ の羽 は ばたく耳 みみ のように見 み えるひれを使 つか って、海底 かいてい から浮 う かんで食 た べ物 もの を探 さが す。彼 かれ らは腕 うで を使 つか って方向 ほうこう を変 か えたり、海底 かいてい に沿 そ って這 ば ったりする。深海 しんかい 帯 たい の激 はげ しい圧力 あつりょく に対抗 たいこう するために、この種 たね は進化 しんか の過程 かてい で墨袋 すみぶくろ を失 うしな った。彼 かれ らはまた、ストランドのような構造 こうぞう 化 か された吸盤 きゅうばん を使用 しよう して、捕食 ほしょく 者 しゃ 、食物 しょくもつ 、および彼 かれ らの環境 かんきょう の他 ほか の側面 そくめん を検出 けんしゅつ するのを助 たす ける。
フクメンイタチウオ 属 ぞく (Bassozetus ):フクメンイタチウオよりも深 ふか くに生息 せいそく する魚 さかな は知 し られていない。フクメンイタチウオの生息 せいそく 地 ち の深 ふか さは、海面 かいめん 下 か 8,370メートルにもなる。この動物 どうぶつ の腹 はら 鰭 ひれ は、感覚 かんかく 器官 きかん として機能 きのう する特殊 とくしゅ な二股 ふたまた のバーベルのような器官 きかん である。
Coryphaenoides armatus :この深海 しんかい 帯 たい の居住 きょじゅう 者 しゃ は、800メートルから4,000メートルの深 ふか さに住 す んでいることが知 し られている。目 め は非常 ひじょう に大 おお きいが、口 くち は小 ちい さい。一 いち 度 ど だけ繁殖 はんしょく して、その後 ご 死 し ぬ、一回 いっかい 繁殖 はんしょく 性 せい の種 たね であると考 かんが えられている。これは、生物 せいぶつ がエネルギーを節約 せつやく し、健康 けんこう で強 つよ い子供 こども を持 も つ可能 かのう 性 せい が高 たか い方法 ほうほう と見 み なされている。この繁殖 はんしょく 戦略 せんりゃく は、深海 しんかい 帯 たい などの低 てい エネルギー環境 かんきょう で非常 ひじょう に役立 やくだ つ可能 かのう 性 せい がある。
Pseudoliparis swirei :マリアナスネイルフィッシュまたはマリアナハダルスネイルフィッシュは、西太平洋 にしたいへいよう のマリアナ海溝 かいこう のハダル深度 しんど で見 み られるクサウオの一種 いっしゅ である。これは、6,198〜8,076 m(20,335〜26,496フィート)の深 ふか さ範囲 はんい から知 し られており、7,966 m(26,135フィート)での捕獲 ほかく も含 ふく まれる。これは、海底 かいてい で捕獲 ほかく された魚 さかな の記録 きろく である可能 かのう 性 せい がある。
他 た のすべての自然 しぜん 界 かい と同様 どうよう に、気候 きこう 変動 へんどう は悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼします。ゾーンの深 ふか さのために、地球 ちきゅう の気温 きおん の上昇 じょうしょう は他 た の世界 せかい ほど速 はや くまたは劇的 げきてき にゾーンに影響 えいきょう を与 あた えないが、ゾーンは依然 いぜん として海洋 かいよう 酸性 さんせい 化 か に悩 なや まされている。また、プラスチックなどの汚染 おせん 物質 ぶっしつ も、このゾーンに存在 そんざい する。プラスチックは、これらの生物 せいぶつ が移動 いどう したり、デトリタスのように見 み えるものを食 た べたり食 た べようとしたりするように進化 しんか したため、多 おお くの生物 せいぶつ が栄養素 えいようそ の代 か わりにプラスチックを取 と り込 こ んでしまうため、深海 しんかい 帯 たい に特 とく に悪 わる い影響 えいきょう を与 あた える可能 かのう 性 せい がある。海洋 かいよう 酸性 さんせい 化 か と汚染 おせん の両方 りょうほう が、深海 しんかい 帯 たい に存在 そんざい する小 ちい さなバイオマスをさらに減少 げんしょう させている。
人間 にんげん によって引 ひ き起 お こされるもう一 ひと つの問題 もんだい は乱獲 らんかく である。深海 しんかい 帯 たい の近 ちか くでは生物 せいぶつ を釣 つ ることができる漁業 ぎょぎょう はありませんが、それでも害 がい を及 およ ぼしている。深海 しんかい 帯 たい は、日光 にっこう が届 とど かず生態 せいたい 系 けい に必要 ひつよう な基礎 きそ 生産 せいさん が不足 ふそく しているため、海底 かいてい に沈 しず む上部 じょうぶ ゾーンからの死 し んだ生物 せいぶつ に栄養素 えいようそ の多 おお くを依存 いぞん している。すなわち、海洋 かいよう 表層 ひょうそう に生息 せいそく する魚 さかな や動物 どうぶつ が大量 たいりょう に捕獲 ほかく されることで、深海 しんかい 帯 たい に到達 とうたつ する死骸 しがい の頻度 ひんど と量 りょう も減少 げんしょう することになる。
深海 しんかい 帯 たい の将来 しょうらい 的 てき な問題 もんだい として、世界 せかい 各地 かくち で計画 けいかく が進 すす められている深海 しんかい 採鉱 さいこう 作業 さぎょう が挙 あ げられる。深海 しんかい の鉱物 こうぶつ を採掘 さいくつ することによる生態 せいたい 学 がく 的 てき な危険 きけん 性 せい が多 おお く、深海 しんかい 帯 たい の非常 ひじょう に脆弱 ぜいじゃく な生態 せいたい 系 けい にとって壊滅 かいめつ 的 てき なダメージを与 あた える可能 かのう 性 せい が懸念 けねん されている。鉱業 こうぎょう は深海 しんかい 帯 たい だけでなく海 うみ 全体 ぜんたい の汚染 おせん 量 りょう を増加 ぞうか させ、生息 せいそく 地 ち と海底 かいてい を物理 ぶつり 的 てき に破壊 はかい する可能 かのう 性 せい もある。この産業 さんぎょう は、深海 しんかい 帯 たい とその他 た の海 うみ の住民 じゅうみん にとって迫 せま り来 く る脅威 きょうい といえる[ 18] 。
^ 水 みず は一般 いっぱん 的 てき な物質 ぶっしつ とは異 こと なり、4 ℃付近 ふきん の液体 えきたい の状態 じょうたい が最 もっと も密度 みつど が高 たか く、重 おも い。湯 ゆ を入 い れて放置 ほうち した浴槽 よくそう の底部 ていぶ には冷 ひ えた水 みず が溜 た まることも知 し られているように、温度 おんど の高 たか い水 みず は密度 みつど が低 ひく い。しかし一方 いっぽう で、水 みず の固体 こたい である氷 こおり が、水 みず に浮 う くことがよく知 し られているように、水 みず は温度 おんど が凝固 ぎょうこ 点 てん に近付 ちかづ くと、再 ふたた び密度 みつど が低下 ていか する。
^ Nelson, Rob (April 2007). “Abyssal ”. The Wild Classroom. 25 March 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Deep Sea Biome ”. Untamed Science. 31 March 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Interesting Facts About The Abyssal Zone ”. sciencestruck.com. 2020年 ねん 12月25日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Abyssal ”. Dictionary.com . 18 April 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Deep Sea Biome ”. Untamed Science (October 2013). 31 March 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Glover (2010). “Temporal Change in Deep-Sea Benthic Ecosystems: A Review of the Evidence From Recent Time-Series Studies”. Advances in Marine Biology 58 : 10–12. doi :10.1016/S0065-2881(10)58001-5 .
^ Linardich, C; Keith, DA (2020). “M2.4 Abyssopelagic ocean waters” . In Keith, D.A.; Ferrer-Paris, J.R.; Nicholson, E. et al.. The IUCN Global Ecosystem Typology 2.0: Descriptive profiles for biomes and ecosystem functional groups . Gland, Switzerland: IUCN. doi :10.2305/IUCN.CH.2020.13.en . ISBN 978-2-8317-2077-7 . https://global-ecosystems.org/explore/groups/M2.4
^ “Marine biology: Feast and famine on the abyssal plain ”. ScienceDaily . Monterey Bay Aquarium Research Institute (November 11, 2013). 23 October 2017 閲覧 えつらん 。
^ “Deep Sea Biome ”. Untamed Science (October 2013). 31 March 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Karl, D.M.; Wirsen, C.O.; Jannasch, H.W. (March 21, 1980). “Deep-sea primary production at the Galapagos hydrothermal vents”. Science 207 .
^ “Animals of the Abyssal Ecosystem ”. Sciencing (9 March 2018). 2019年 ねん 5月 がつ 1日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Animals of the Abyssal Ecosystem ”. Sciencing (9 March 2018). 2019年 ねん 5月 がつ 1日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Shukman, David (2013年 ねん 2月 がつ 21日 にち ). “Deepest undersea vents discovered” (英語 えいご ). BBC News . https://www.bbc.com/news/science-environment-21520404 2020年 ねん 5月 がつ 19日 にち 閲覧 えつらん 。
^ a b c “Deep Sea Biome ”. Untamed Science (October 2013). 31 March 2009時 じ 点 てん のオリジナル よりアーカイブ。2009年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “The unique visual systems of deep sea fish ”. Phys.org . 2019年 ねん 5月 がつ 1日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “4 Feeding At Depth”. Fish Physiology 16 : 115–193. (1997). doi :10.1016/S1546-5098(08)60229-0 . ISBN 9780123504401 .
^ “The absence of sharks from abyssal regions of the world's oceans” . Proceedings. Biological Sciences 273 (1592): 1435–41. (June 2006). doi :10.1098/rspb.2005.3461 . PMC 1560292 . PMID 16777734 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1560292/ .
^ “Dining in the Deep: The Feeding Ecology of Deep-Sea Fishes”. Annual Review of Marine Science 9 (1): 337–366. (January 2017). Bibcode : 2017ARMS....9..337D . doi :10.1146/annurev-marine-010816-060543 . PMID 27814034 .