現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい

現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい（ACM）（ロシア語ご:ACM - Ассоциация Современной Музыки, 英語えいご:ACM - Association for Contemporary Music）は、ソビエト連邦れんぽう時代じだいに存在そんざいした作曲さっきょく家かグループである。

現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい（1923年ねん～1932年ねん）

1923年ねん、ニコライ・ロスラヴェッツにより設立せつりつ。メンバーにはアレクサンドル・モソロフ、ニコライ・ミャスコフスキー、ヴィッサリオン・シェバリーン、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、ガヴリイル・ポポーフ、ウラディーミル・シチェルバチョフ、レオニード・ポロヴィンキン、ウラディーミル・デシェヴォフ、フセヴォロド・ザデラツキー、ジョセフ・シリンガーなどがいた。

ACMは実験じっけん的てきかつ革新かくしん的てきな技術ぎじゅつと音楽おんがく語法ごほうを用もちいることで、ソビエト連邦れんぽうの音楽おんがくを発展はってんさせることを目標もくひょうとしていた。一方いっぽう、同おなじ年ねんにロシア・プロレタリア音楽家おんがくか同盟どうめい（RAPM）が設立せつりつされた。RAPMは音楽おんがくは大衆たいしゅうに向むけたものでなくてはならないという社会しゃかい主義しゅぎのイデオロギーを擁護ようごする立場たちばであったため、ACMの音楽おんがくの自律じりつ性せいという思想しそうに疑問ぎもんを持もち、両りょう団体だんたいは激はげしく対立たいりつした。

ACMは数すう多おおくの雑誌ざっしを発行はっこうしてその思想しそうを宣伝せんでんした。代表だいひょう的てきなものに1924年ねんにロスラヴェッツが発行はっこうした雑誌ざっし『音楽おんがく新聞しんぶん』や1924年ねんから1929年ねんまで発行はっこうされた機関きかん紙し『現代げんだい音楽おんがく』などがある。

またACMは国際こくさい現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい（ISCM）と緊密きんみつな関係かんけいを保たもっていた。ACMはバルトーク・ベーラ、パウル・ヒンデミット、ダリウス・ミヨー、フランシス・プーランク、エリック・サティ、クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェル、アルノルト・シェーンベルク、アルバン・ベルク、アントン・ヴェーベルン、エルンスト・クルシェネク、グスタフ・マーラーなどの西にしヨーロッパの現代げんだい的てきな作曲さっきょく家かの作品さくひんの演奏えんそうを積極せっきょく的てきに行いった。一方いっぽうで毎年まいとしのISCMの音楽おんがく祭さいでロシアの作曲さっきょく家かの作品さくひんの紹介しょうかいを行おこなった。1923年ねんと1924年ねんはセルゲイ・プロコフィエフ、1925年ねんはサムイル・フェインベルク、1926年ねんはミャスコフスキー、1927年ねんと1930年ねんはモソロフ、1931年ねんはレフ・クニッペルの作品さくひんが演奏えんそうされた。

国内こくない向むけにも現代げんだいの作曲さっきょく家かの作品さくひんを取とり上あげ、1927年ねんには十じゅう月がつ革命かくめい10周年しゅうねん記念きねんコンサートを開ひらき、ショスタコーヴィチの『交響こうきょう曲きょく第だい2番ばん』、モソロフの『鉄てつ工場こうじょう』、ロスラヴェッツのカンタータ『十じゅう月がつ』、ポロヴィンキンの『プロローグ』が演奏えんそうされた。

しかし1928年ねんから1932年ねんにかけてACMは困難こんなんな状況じょうきょうに直面ちょくめんした。1929年ねんには機関きかん紙し『現代げんだい音楽おんがく』が停刊ていかんし、1931年ねんにはミャスコフスキーとシェバリーンが学生がくせい作曲さっきょく家か創造そうぞう集団しゅうだん（Prokoll）のドミトリー・カバレフスキーとともに新しん団体だんたいの設立せつりつを呼よび掛かけるにいたった。しかもRAPMからの攻撃こうげきは強つよまる一方いっぽうだった。

1932年ねん4月がつ23日にち、共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいん会かいは「文学ぶんがくと芸術げいじゅつ団体だんたいの再編さいへんに関かんする決議けつぎ」を行おこない、すべての既存きそんの組織そしきは解体かいたいされ、党とうの直接ちょくせつの指導しどう下かに置おかれた。こうしてACMとRAPMは解体かいたいされ、新あらたにソビエト連邦れんぽう作曲さっきょく家か同盟どうめいが成立せいりつした。しかし作曲さっきょく家か同盟どうめいではRAPMの路線ろせんが採用さいようされ、社会しゃかい主義しゅぎリアリズムが公おおやけの方針ほうしんとされた。

新しん現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい（ACM-2）

ACMは1990年ねんにモスクワで復活ふっかつした。議長ぎちょうにはエディソン・デニソフが選えらばれ、エレーナ・フィルソヴァ、ディミトリー・スミルノフ、ニコライ・コルンドルフが共同きょうどう設立せつりつ者しゃとなった。その他たのメンバーにはアレクサンドル・ヴスティン、ヴラディスラフ・シューチ、ヴャチェスラフ・アルチョーモフなどがいた。ACMは国際こくさい現代げんだい音楽おんがく協会きょうかい（ISCM）に加盟かめいした。

しかし1991年ねんにソ連それんが崩壊ほうかいすると、多おおくのメンバーが西側にしがわに移住いじゅうするようになり、1996年ねんにはデニソフが死去しきょした。その結果けっかACMは2つに分裂ぶんれつした。1つはロシア作曲さっきょく家か同盟どうめいを基盤きばんとする「国際こくさい現代げんだい音楽おんがく協会きょうかいロシア支部しぶ」（RNS-ISCM）で、モスクワ現代げんだい音楽おんがくアンサンブルを運営うんえいしている。もう1つはモスクワ音楽おんがく院いんを基盤きばんとする「モスクワ現代げんだい音楽おんがくセンター」（CCMM）である。CCMMはISCMの準じゅん会員かいいん組織そしきで、新しん音楽おんがくスタジオを運営うんえいしている。

文献ぶんけん

• Frans C. Lemaire, Le destin russe et la musique, Fayard, 2005. ISBN 2-213-62457-7
• Nelson, Amy (2004). Music for the Revolution: Musicians and Power in Early Soviet Russia. Pennsylvania State University Press. ISBN 0-271-02369-4

外部がいぶリンク

• RNS-ISCM page
• CCMM page