眷属けんぞく

眷属けんぞく（けんぞく）は、眷愛隷属れいぞく（けんあいれいぞく）、眷顧けんこ隷属れいぞく（けんこれいぞく）の略りゃく。主おもに以下いかのものを指さす。

• 親族しんぞく、同族どうぞく。
• 従者じゅうしゃ、配下はいか、家子いえこ、所ところ従したがえ等ひとしの隷属れいぞく身分みぶんの者もの。
• 眷属けんぞく神しん（けんぞくしん）（けんぞくしん）。

眷属けんぞく神しん

眷属けんぞく神しんとしての「眷属けんぞく」は、本来ほんらい、神かみの使者ししゃをいう。多おおくはその神かみと関連かんれんする動物どうぶつ（想像そうぞう上じょうの動物どうぶつを含ふくむ）。動物どうぶつの姿すがたを持もつ、又または動物どうぶつにみえる、超ちょう自然しぜん的てきな存在そんざいを意味いみすることもある。日本にっぽんの神道しんとうにおける例れいとしては、蛇へびや狐きつね、龍りゅうなど。神かみに代かわって神かみの意志いしを伝つたえるなどする、神かみ使しとよばれる。神かみと同様どうように人間にんげんを越こえる力ちからを持もつため「眷属けんぞく神しん」とされ、眷属けんぞく神しんを祀まつる神社じんじゃもある。神社じんじゃによっては入いり口くちに随神かんながら門もんが置おかれることがあり、左右さゆうに守まもり神がみとして神像しんぞうあるいは御幣ごへいが配置はいちされている。この随神かんながらは狛犬こまいぬと同おなじく必かならずしも崇拝すうはい対象たいしょうではないが、簡易かんいな賽銭さいせん箱ばこが置おかれることもある。

仏典ぶってんでは、仏ふつに対たいする様々さまざまな菩薩ぼさつなどを指さして用もちいられ、薬師やくし仏ふつにおける十じゅう二神にかみ将すすむや不動明王ふどうみょうおうの八はち大だい童子どうじ、千手観音せんじゅかんのんの二に十じゅう八はち部ぶ衆しゅなどを指さす。

日本にっぽんでは本地垂迹ほんじすいじゃく説せつの発生はっせいとともに日本にっぽん古来こらいの神祇じんぎが仏ふつ、菩薩ぼさつとして再編さいへんされ、本地ほんじ仏ほとけを持もつ親おや神しん、大おおきな神格しんかくに付属ふぞくする小ちいさな神格しんかくを眷属けんぞく神しんとした。代表だいひょう的てきなものとして王子おうじ神しんがあげられる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 宮本みやもと袈裟けさ雄ゆう「眷属けんぞく」『日本にっぽん史し大だい事典じてん 2』平凡社へいぼんしゃ 1993年ねん ISBN 978-4-582-13102-4
• 萩原はぎはら龍夫たつお「眷属けんぞく神しん」『日本にっぽん歴史れきし大だい事典じてん 1』小学館しょうがくかん 2000年ねん ISBN 978-4-09-523001-6