石窟せっくつ庵あん

石窟せっくつ庵あん
所在地しょざいち	慶尚北道けいしょうほくどう慶州けいしゅう市し進すすむ峴洞999
位置いち	北緯ほくい35度ど47分ふん42秒びょう 東経とうけい129度ど20分ふん57秒びょう
本尊ほんぞん	釈迦如来しゃかにょらい
創建そうけん年ねん	774年ねん 新しん羅ら（恵めぐみ恭きょう王おう10年ねん）
開基かいき	金きむ大城おおしろ
別称べっしょう	石窟せっくつ寺てら

石窟せっくつ庵あん
阿おもね閦如来にょらい座像ざぞう
各種かくしゅ表記ひょうき
ハングル：	석굴암
漢字かんじ：	石窟せっくつ庵あん
発音はつおん：	ソックラム
日本語にほんご読よみ：	せっくつあん
ロろーマ字まじ：	Seokguram

石窟せっくつ庵あん（ソックラム、석굴암）は、大韓民国だいかんみんこくの慶尚北道けいしょうほくどう慶州けいしゅう市しにある仏教ぶっきょう遺跡いせき。吐含山やまの麓ふもとにある。

元々もともとは「石仏いしぼとけ寺てら」と呼よばれており、「石窟せっくつ庵あん」と呼よばれるようになったのは、再さい発見はっけん・修復しゅうふくされた日本にっぽん統治とうち時代じだい以降いこうである。

1962年ねん12月20日にち、大韓民国だいかんみんこく国宝こくほう第だい24号ごうに指定していされた。また、1995年ねんに石窟せっくつ庵あんから約やく4キロメートルほど離はなれた仏国寺ぶっこくでらとともに、「石窟せっくつ庵あんと仏国寺ぶっこくでら」として世界せかい遺産いさん（文化ぶんか遺産いさん）に登録とうろくされた。

概要がいよう

建立こんりゅうと放置ほうち

新しん羅らの景けい徳王とくおうと恵めぐみ恭きょう王おうの時代じだいの宰相さいしょうだった金きむ大城おおしろ（700年ねん - 774年ねん）が自分じぶんの父母ちちははのために「石仏いしぼとけ社しゃ」を建立こんりゅうした、と高こう麗うらら時代じだいの『三さん国こく遺のこ事こと』に記しるされており、石仏いしぼとけ社しゃが仏国寺ぶっこくでらの位置いちに近ちかいことから石窟せっくつ庵あんのことであると考かんがえられている。751年ねん（景けい徳王とくおう10年ねん）に建立こんりゅうが開始かいしされ、774年ねん（恵めぐみ恭きょう王おう10年ねん）に完成かんせいした。その後ご、1392年ねんから儒教じゅきょうを中心ちゅうしんとした朝鮮ちょうせん時代じだいが500年ねん以上いじょう続つづき、朝鮮ちょうせんの仏教ぶっきょうは弾圧だんあつを受うけたため、慶州けいしゅうは貴族きぞくの関心かんしんから遠とおざかることになる。 しかし、朝鮮ちょうせん粛宗29年ねん(1703)、英えい祖そ34年ねん(1758)に石窟せっくつ庵あんを補修ほしゅうしたという記録きろくがあり、丁ひのと時じ翰(1625~1707)の紀行きこう文ぶんである<山中さんちゅう日記にっき>、1733年ねんに描えがかれた<嶠南名勝めいしょう帖じょう>に石窟せっくつ庵あんの全ぜん室しつが登場とうじょうするなど、朝鮮ちょうせん後期こうきまで維持いじされたものと見みられる。

しかし、仏国寺ぶっこくでらが没落ぼつらくし、廃寺はいじになった後のち、石窟せっくつ庵あんも忘わすれられる。

発見はっけんと日本にっぽんによる補修ほしゅう

発見はっけんされた当時とうじの石窟せっくつ庵あん

石窟せっくつ庵あん

韓国かんこく内ないの位置いち

1909年ねん、郵便ゆうびん配達員はいたついんが配達はいたつのため吐含山やまの峠とうげを越こえようとしたところ、突然とつぜん豪雨ごううに見舞みまわれ山中さんちゅうの洞窟どうくつに逃にげ込こんだ。その洞窟どうくつの中なかに偶然ぐうぜん仏像ぶつぞうを発見はっけんした。当時とうじの石窟せっくつ庵あんは崩壊ほうかい寸前すんぜんで、倒壊とうかいの恐おそれがあった。天井てんじょうが抜ぬけ落おち、仏像ぶつぞうに直接ちょくせつ雨あめが当あたり、周囲しゅういの仏像ぶつぞうの配置はいちもすでに不明ふめいで、全体ぜんたいの半分はんぶん以上いじょうが土どに埋うずもれていた。そのため、日本にっぽん統治とうち時代じだいの1913年ねんから1915年ねんにかけ、日本にっぽんにより三さん度どにわたる大だい規模きぼな修復しゅうふく工事こうじが行おこなわれた。工事こうじには当時とうじとしては最新さいしんの技術ぎじゅつであるセメントが使つかわれた。

韓国かんこくによる補修ほしゅう

朝鮮ちょうせん戦争せんそう前後ぜんごの混乱こんらん期きに再ふたたび放置ほうちされたが、1961年ねんから1963年ねんにかけて韓国かんこくの文化財ぶんかざい管理かんり局きょくの主導しゅどうで補修ほしゅう工事こうじが行おこなわれた。湿度しつどの問題もんだいを改善かいぜんするため、後部こうぶをさらにセメントで塞ふさぎ、全面ぜんめんをガラス張がらすばりにして人工じんこう的てきに除じょ湿しめしたが、見物けんぶつ客きゃくから排出はいしゅつされる二酸化炭素にさんかたんそなどによる花崗岩かこうがんの損傷そんしょうが指摘してきされることとなった。また、1961年ねんに建たてられた木造もくぞうの前まえ室しつも換気かんきを妨さまたげる要素ようそとされる。また、「仏像ぶつぞうの配置はいちは日本にっぽんがデタラメに並ならべた」として、仏教ぶっきょうの経典きょうてんに照てらし合あわせ、独自どくじの並ならべ替がえを行おこなった。しかしその補修ほしゅう後ご、発見はっけん当時とうじの石窟せっくつ庵あんの写真しゃしんおよび事前じぜん調査ちょうさの詳細しょうさいな配置はいち図ずが見みつかり、日本にっぽんが行おこなった補修ほしゅう・配置はいちが正ただしかったことが発覚はっかくした。しかし配置はいちは今いまなお復元ふくげんされていない。

現在げんざい

石窟せっくつ入口いりくちはガラス板ばんで覆おおわれ、内部ないぶに入いれなくなっている。そのため一般いっぱん者しゃは前まえ室しつからガラス越ごしに見学けんがくする。石窟せっくつの周囲しゅういには、分解ぶんかい移動いどう後ごの杜撰ずさんな作業さぎょうにより配置はいちする場所ばしょがわからなくなった石材せきざいが展示てんじされている。

韓国かんこくでは「本尊ほんぞんとなる仏像ぶつぞうは2体たいあった、1体たいは日本にっぽんに盗ぬすまれた」と考かんがえられていたが、学術がくじゅつ的てきな調査ちょうさの結果けっか、これは誤あやまりであり最初さいしょから仏像ぶつぞうは1体たいであったことが報告ほうこくされた。

中央日報ちゅうおうにっぽうのアン・ヘリ論説ろんせつ委員いいんによると、韓国かんこくでは2019年ねんにテレビバラエティ番組ばんぐみで韓国かんこく史し講師こうしによる「石窟せっくつ庵あんは1000年ねん以上いじょうに完璧かんぺきに保存ほぞんされてきたが、日本にっぽんが嫉妬しっとしてセメントとコンクリートを塗ぬって傷きずつけた」という虚偽きょぎの主張しゅちょうが放送ほうそうされ、日本にっぽんは嫉妬しっとで盲目もうもくになり石窟せっくつ庵あんを傷きずつけた野蛮やばん国家こっかとして韓国かんこく大衆たいしゅうの袋叩ふくろだたきにされたが、講師こうしや放送ほうそう局きょくが訂正ていせいや謝罪しゃざいをしたという話はなしは聞きかなかったという。アン論説ろんせつ委員いいんは、韓国かんこくでは「何なんでも反日はんにち」はいつもこのように免罪めんざい符ふを受うけてきたが、韓国かんこく国民こくみんの愚民ぐみん化かを招まねいていると批判ひはんした。

関連かんれん項目こうもく

• 石窟せっくつ庵あんと仏国寺ぶっこくでら（世界せかい遺産いさん）
• 大韓民国だいかんみんこくの世界せかい遺産いさん

外部がいぶリンク

• 石窟せっくつ庵あん紹介しょうかい（日本語にほんご）