砂すなの壁かべ

西にしサハラの砂すなの壁かべの位置いち

砂すなの壁かべ（すなのかべ）は、西にしサハラ領域りょういき内ないを南北なんぼくに貫つらぬく軍事ぐんじ的てきな境界きょうかい線せん。総そう延長えんちょうは約やく2,700km。

概要がいよう

西にしサハラの領有りょうゆうを主張しゅちょうし、同地どうちの独立どくりつを主張しゅちょうするポリサリオ戦線せんせんと対立たいりつするモロッコが、ポリサリオ戦線せんせんのゲリラ攻撃こうげきから沿岸えんがん主要しゅよう都市としを防衛ぼうえいする名目めいもくで建設けんせつした。西にしサハラの人々ひとびとからは「恥はじの壁かべ」と呼よばれている。

砂すなの壁かべはあくまで俗称ぞくしょうだが、その名なの通とおりモロッコ軍ぐんがサハラ砂漠さはらさばくの砂すなを高たかさ数すうメートルに積つみ上あげて作つくったもので、その周辺しゅうへんは鉄条てつじょう網もうと地雷じらいで防御ぼうぎょされている。

この壁かべは、イスラエルの技術ぎじゅつ者しゃと専門せんもん家かが中心ちゅうしんとなって建設けんせつされた。壁かべの総そう延長えんちょうは約やく2000kmに及および、西にしサハラの南部なんぶ国境こっきょうを経へて西にしサハラ領域りょういき内ないを南北なんぼくに縦断じゅうだん、モロッコ・アルジェリア国境こっきょうに達たっする。壁かべの西側にしがわはモロッコによる占領せんりょう地ちでモロッコ軍ぐんが監視かんし、東側ひがしがわはポリサリオ戦線せんせんによる「解放かいほう区く」で戦線せんせん側がわが監視かんししており、国際こくさい連合れんごうの停戦ていせん活動かつどうもあり、両者りょうしゃの停戦ていせんは厳守げんしゅされている。

壁かべの建設けんせつ

砂すなの壁かべ各かく工期こうき別べつ整備せいび状じょう況きょうとモロッコ (クリーム色しょく以外いがい)、ポリサリオ戦線せんせん (クリーム色しょく) の実効じっこう支配しはい地域ちいき

砂すなの壁かべの一部分いちぶぶん

砂すなの壁かべは6段階だんかいに分わけて建設けんせつされ、壁かべで防護ぼうごされた範囲はんいはモロッコの近ちかくの北部ほくぶから、次第しだいに西にしサハラの西部せいぶ・中部ちゅうぶの広ひろい範囲はんいに拡大かくだいされてきた。

• 第だい1段階だんかい（1980年ねん8月がつ - 1982年ねん6月がつ）は、アイウン、スマラ、およびブーカラーにあるリンの鉱山こうざんからなる「有用ゆうような三角さんかく地帯ちたい」を囲かこう約やく500キロメートルである。
• 第だい2段階だんかい（1983年ねん12月 - 1984年ねん1月がつ）は、アムガラを囲かこう約やく300キロメートルである。
• 第だい3段階だんかい（1984年ねん4月がつ - 1984年ねん5月がつ）は、JdriyaとHaouzaを囲かこう約やく320キロメートルである。
• 第だい4段階だんかい（1984年ねん12月 - 1985年ねん1月がつ）は、MahbesとFarciyaを囲かこう約やく380キロメートルである。
• 第だい5段階だんかい（1985年ねん5月がつ - 1985年ねん9月がつ）は、Guelta Zemmur、Bir AnzaraneとDakhlaを囲かこう約やく670キロメートルである。
• 第だい6段階だんかい（1987年ねん2月がつ - 1987年ねん4月がつ）は、Auserd、TichlaとBir Ganduzを囲かこう約やく550キロメートルである。

関連かんれん項目こうもく

• 西にしサハラ問題もんだい
• 砂すな戦争せんそう
• 軍事ぐんじ境界きょうかい線せん
• 38度ど線せん
• グリーンライン