空そらの風景ふうけい

『空そらの風景ふうけい』（そらのふうけい）は大野おおの潤子じゅんこによる少女しょうじょ漫画まんが。全ぜん5巻かん。同おなじシリーズとして『しずくの風景ふうけい』がある。

概要がいよう

ある県けんにある、サッカーの強豪きょうごうである青あお藍あい（せいらん）高校こうこうサッカー部ぶに集たかった少年しょうねん少女しょうじょ達たちのストーリー。「しずくの風景ふうけい」を含ふくめると、約やく12年間ねんかんに渡わたって在籍ざいせきした彼かれらの視点してんで試合しあいや日常にちじょうを見みつめて行いく。

登場とうじょう人物じんぶつ

ここにはストーリーにも大おおきく関かかわる『しずくの風景ふうけい』での登場とうじょう人物じんぶつも挙あげる。

神崎かんざき正ただし悟さとる（かんざき しょうご）1984年ねん入部にゅうぶ

3年ねん時じにはキャプテンを務つとめる。卒業そつぎょう後ごは筑波大学つくばだいがくに入学にゅうがく、全日本ぜんにほんに選えらばれるなど、優秀ゆうしゅうな選手せんしゅ。

そのルックスから女性じょせいにはかなりもてるが、本人ほんにんには全まったく興味きょうみは無なかった。趣味しゅみはお菓子かし作つくりで、「試合しあいに集中しゅうちゅうできるから」と、よく休やすみの日ひにはお菓子かし等とうを焼やいては部ぶに差さし入いれしていた。但ただし副ふくキャプテンの意向いこうで、それはマネージャーからの差さし入いれとしていたが、卒業そつぎょう時じの打うち上あげで本人ほんにんが暴露ばくろ、部ぶはパニックと化かす。

後のちに従妹じゅうまいと結婚けっこん。女おんなの子こが一人ひとり。

竹原たけはら秀樹ひでき（たけはら ひでき）1985年ねん入部にゅうぶ

優秀ゆうしゅうな正せい悟さとると修おさむ宏ひろしとの間あいだに立たたされ苦悩くのうの中なか、3年ねん時じにキャプテンを務つとめる。

大学だいがく卒業そつぎょう後ごは青あお藍あいでコーチを1年ねん勤つとめた後のち監督かんとくへ就任しゅうにん。2度目どめの全国ぜんこく制覇せいはを達成たっせいする。

清水しみず 修おさむ宏ひろし（しみず のぶひろ）1986年ねん入部にゅうぶ

『しずくの風景ふうけい』での主人公しゅじんこうであり、当時とうじは1年生ねんせい。正せい悟さとる以来いらいの1年生ねんせいレギュラーとして期待きたいされ悩なやむ。

『空そらの風景ふうけい』での最初さいしょのキャプテン。「青あお藍あいの生いき仏ぼとけ」と言いわれる程ほど穏おだやかな性格せいかくで人望じんぼうも厚あついが、怒おこる時ときは怒おこる。3年ねんの冬ふゆに、初はじめて全国ぜんこく制覇せいはを達成たっせいする。

後のちに藤枝ふじえだと結婚けっこん。

藤枝ふじえだ カオル（ふじえだ かおる）1986年ねん入部にゅうぶ

清水しみずとは中学ちゅうがくからずっとサッカー部員ぶいんとマネージャーの関係かんけい。当初とうしょは友人ゆうじんに引ひきずられ、サッカーのサの字じも知しらずにマネージャーをしていたが、試合しあいに夢中むちゅうになる彼かれらにいつしか協力きょうりょくしたいと思おもうようになっていった。

涙なみだもろい清水しみずと、涙なみだがすぐに出でない自分じぶんとを比較ひかくして「同病どうびょう相しょう哀あわれむ」と当初とうしょは思おもっていたが、いつしか彼かれを意識いしきしだしていく。

五十嵐いがらし 彰あきら（いがらし あきら）1987年ねん入部にゅうぶ

3年ねん時じにはキャプテンを務つとめる、ディフェンダー。無口むくちでポーカーフェイスだが、試合しあい時じには的確てきかくな判断はんだんを下くだす。

祖父そふは染物そめものの工房こうぼうを開ひらいているが、本人ほんにんはサッカーで大学だいがくへ進学しんがくする為ため継つげない事ことは意識いしきしていた。

夏木なつき 清貴きよたか（なつき きよたか）1987年ねん入部にゅうぶ

五十嵐いがらしとは幼馴染おさななじみ。面倒めんどう見みが良よく、人望じんぼうがあって副ふくキャプテンにも指名しめいされたがサッカーの技術ぎじゅつはイマイチだった為ため、自分じぶんから2年生ねんせいに譲ゆずる。3年ねんの最後さいごの大会たいかいにもベンチ入いりすら出来できず、一時いちじは退すさ部ぶを決意けついするが周まわりの説得せっとくで踏ふみとどまる。

神崎かんざき 篤志あつし（かんざき あつし）1988年ねん入部にゅうぶ

正せい悟さとるの弟おとうと。偉大いだいな兄あににコンプレックスを抱かかえ、一時いちじはサッカーを離はなれていた。

全国ぜんこく制覇せいはをできなかった正せい悟さとるを見返みかえす為ため青あお藍あい入学にゅうがく。麗子れいこの事故じこで、皮肉ひにくにも正せい悟さとるという「立たちはだかる壁かべ」を乗のり越こえることが出来できた。医者いしゃへの紹介しょうかい状じょうを書かいてもらいに正せい悟さとるの元もとへ訪おとずれ和解わかいする。2年ねん時じには副ふくキャプテンを、3年ねん時じにはキャプテンを務つとめる。編あみ物ものが趣味しゅみ。

明日あした果はて 麗子れいこ（あすか れいこ）1988年ねん入部にゅうぶ

女子じょしサッカーではかなり名なの知しれた選手せんしゅだったが、修おさむ宏ひろしに憧あこがれ部員ぶいんとして男子だんしサッカー部ぶに入部にゅうぶする。当初とうしょこそ篤志とくしとは反発はんぱつしあうが、いつしかいいコンビとなり、共ともに朝練あされんに参加さんかするようになっていた。

1年ねんの夏なつ、篤志とくしの目めの前まえで弟おとうとを庇かばって交通こうつう事故じこに遭あい左ひだり膝ひざを損傷そんしょう、選手せんしゅ生命せいめいの危機ききに立たたされる。その後ごはカオルを手伝てつだいマネージャーをしていた。

正せい悟さとると篤志とくしの協力きょうりょくで冬ふゆに再さい手術しゅじゅつをするが、元もとの走はしりは戻もどらなかった。大学だいがく卒業そつぎょう後ごは青あお藍あい高校こうこうの教師きょうしとなり、サッカー部ぶコーチとなる。

紫むらさき村むら 綺あやぎぬ（しむら あや）1989年ねん入部にゅうぶ

麗子れいこの中学ちゅうがく時代じだいの後輩こうはいで、愛称あいしょうは「姫ひめ」。男おとこギライで引ひっ込こみ思案じあんだが、麗子れいこの勧すすめでマネージャーとなる。

男子だんしだらけの中なかなかなか馴染なじめずにいたが、夏木なつきの優やさしさに打うち解とけていく。夏木なつきが部ぶを辞やめると言いい出だした時とき、真まっ先さきに署名しょめい活動かつどうを提案ていあんした。

藍あい那な 友則とものり（あいな とものり）1990年ねん入部にゅうぶ

サッカーの腕うではイマイチだったが、明あかるくリーダーシップがあった。3年ねん時じには副ふくキャプテンを務つとめる。

中学ちゅうがく時代じだいは陸上りくじょう部ぶに所属しょぞくし、杲と同おなじ中学ちゅうがくだったため彼女かのじょの事ことを知しっていた。

紺屋こんや 友和ともかず（こうや ともかず）1991年ねん入部にゅうぶ

サッカー選手せんしゅとしては一流いちりゅうで、1年ねんでレギュラーに選えらばれる程ほどの実力じつりょく者しゃだったが、1年ねん夏なつに心臓しんぞうに疾患しっかんがある事ことが発覚はっかく。一時いちじは辞やめようかと思おもったが仲間なかま達たちに励はげまされ、マネージャーの形かたちで残のこる。

激はげしい運動うんどうを禁止きんしされてはいるが、アドバイスの為ため練習れんしゅう中ちゅうには時々ときどきグラウンドに立たつ事こともある。

羽鳥はとり 杲（はとり あき）1991年ねん入学にゅうがく

2年生ねんせいの時とき車くるまに轢ひかれそうになったところを偶然ぐうぜん浩二こうじに助たすけられる。

それ以来いらい浩二こうじを意識いしきしだすが、彼かれが心底しんそこサッカーを楽たのしまず、腕うでにつけたミサンガに込こめた念ねんを知しり、その呪縛じゅばくから解とき放はなとうと無理矢理むりやりミサンガを引ひきちぎる。

高校こうこう卒業そつぎょう後ごは大学だいがくへ進学しんがく、その後ごも何なにかと応援おうえんへやってくる。

明日あした果はて 浩二こうじ（あすか こうじ）1992年ねん入学にゅうがく

麗子れいこの弟おとうとで、ポジションはキーパー。小学生しょうがくせいの時とき自分じぶんを庇かばって姉あねが選手せんしゅ生命せいめいを絶たたれた事ことをずっと悔くやんでいた。そんな姉あねの代かわりに青あお藍あいのユニフォームを着きてフィールドに立たつ。そんな願ねがいをミサンガに込こめていたが、杲によってその思おもいから解放かいほうされる。

3年ねんの時ときにはキャプテンを任まかされ、2度目どめの全国ぜんこく制覇せいはに大おおきく貢献こうけんした。

高こう塔とう 譲ゆずる（たかとう ゆずる）1992年ねん入部にゅうぶ

浩二こうじ・光彦みつひことは小学生しょうがくせい時代じだいからの付つき合あいで、唯一ゆいいつの彼女かのじょ持もち（彼女かのじょは別べつの学校がっこうで、紺屋こんやの妹いもうと）。入部にゅうぶ時じはキーパーで浩二こうじとポジションを争あらそったが、後のちにスイーパーに転向てんこうする。負まけん気きが強つよく、他人たにんに「譲ゆずる」自分じぶんの名前なまえが嫌きらいで、彼女かのじょ以外いがいには下したの名前なまえでは呼よばせない。

白瀬しらせ 光彦みつひこ（しらせ みつひこ）1992年ねん入部にゅうぶ

浩二こうじ・譲ゆずるとは小学生しょうがくせい時代じだいからの付つき合あい。中学ちゅうがく時代じだいはかなり名なの知しられたフォワードで、1年ねんの全国ぜんこく大会たいかいの時ときには徹底てっていマークされつぶされる。故ゆえに3年ねん時じの最後さいごの大会たいかい前まえにはコーチと相談そうだんの上うえ、個人こじんメニューで体力たいりょく強化きょうかを計はかった。

家いえは医者いしゃで大学だいがくは医学部いがくぶを条件じょうけんに青あお藍あいに入学にゅうがく、故ゆえに勉強べんきょうは人一倍ひといちばい頑張がんばった。一時いちじは杲に気きがある雰囲気ふんいきを見みせていたが、浩二こうじとのPK戦せんに負まけた事ことで身みを引ひく。