竹中たけなか重しげる固かた

竹中たけなか重しげる固かた

竹中たけなか 重しげる固かた（たけなか しげかた、文政ぶんせい11年ねん8月がつ8日にち（1828年ねん9月16日にち） - 明治めいじ24年ねん（1891年ねん）1月がつ24日にち）は、江戸えど幕府ばくふ後期こうきの旗本はたもと。従したがえ五ご位い下か遠江とおとうみ守まもる、丹後たんご守もり。号ごうは春山はるやま（しゅんざん）。

生涯しょうがい

出自しゅつじ

旗本はたもと・竹中たけなか元幸もとゆきの長男ちょうなんとして生うまれる。父ちち元もと幸こうの死後しごに家督かとくを相続そうぞくするが、のち、本家ほんけである旗本はたもと交代こうたい寄合よりあい（美濃みの不破ふわ郡ぐん岩手いわて5000石せき）・竹中たけなか重明しげあきの養嗣子ようししとなる。文久ぶんきゅう元年がんねん（1861年ねん）、家督かとく相続そうぞく。元治もとはる元年がんねん（1864年ねん）に大番組おおばんぐみ入いりし、幕府ばくふ陸軍りくぐん創設そうせつ後ごは陸軍りくぐん奉行ぶぎょうとして天狗てんぐ党とう征伐せいばつや長州ちょうしゅう征伐せいばつで活躍かつやくする。慶応けいおう3年ねん（1867年ねん）、若年寄わかどしより並なみ陸軍りくぐん奉行ぶぎょうに就任しゅうにんした。

戊辰戦争ぼしんせんそう

慶応けいおう4年ねん（1868年ねん）、鳥羽とば・伏見ふしみの戦たたかいでは主戦しゅせん派はとして旧きゅう幕府ばくふ軍ぐんを率ひきいて官軍かんぐんと戦たたかったことで元もと将軍しょうぐん徳川とくがわ慶喜よしのぶと共ともに官位かんい剥奪はくだつされる。一時いちじは出家しゅっけしたものの、のちに純忠じゅんちゅう隊たいを結成けっせいし、彰あきら義ぎ隊たいの支部しぶ隊たいとして再ふたたび官軍かんぐんと交戦こうせんした。彰あきら義ぎ隊たいの敗退はいたい後ごは輪はなわ王寺おうじ宮みやを奉ほうじて奥羽おううを転戦てんせんし、のちに蝦夷えぞ共和きょうわ国こくの海陸かいりく裁判所さいばんしょ頭取とうどりに就任しゅうにんした。明治めいじ2年ねん（1869年ねん）、箱はこ館かん戦争せんそう終結しゅうけつ前まえに英国えいこく汽船きせんで東京とうきょうへ向むかい、5月28日にち、養父ようふ竹中たけなか図書としょの薦すすめにより投降とうこうした。

晩年ばんねん

明治めいじ2年ねん（1869年ねん）8月がつ15日にちに死し一等いっとうを減げんじられ、福岡ふくおか藩主はんしゅ黒田くろだ長ちょう知ちへの永なが預あずかの判決はんけつが申もうし渡わたされた。竹中たけなか家かは重おも固かたの行動こうどうのために改易かいえきとなり、6000石せきの所領しょりょうを没収ぼっしゅうされていたが、前ぜん当主とうしゅ黄き山さん（重明しげあき）に対たいして改あらためて300石せきの所領しょりょうが与あたえられ、家名かめい断絶だんぜつは免まぬかれた。

明治めいじ4年ねんに福岡ふくおか藩はん預あずかりの身みから養父ようふ預あずかりの身みに変更へんこうされたのを経へて、翌年よくねん1月がつに正式せいしきに罪つみを許ゆるされた。養父やぶ重明しげあきとともに北海道ほっかいどうに入植にゅうしょくした。明治めいじ5年ねん（1872年ねん）、士族しぞくの困窮こんきゅうを憂うれいて北海道ほっかいどう殖産しょくさん事業じぎょうに関かんする建白けんぱく書しょを提出ていしゅつ。明治めいじ6年ねん（1873年ねん）に東京とうきょう府ふに出仕しゅっししたが、明治めいじ8年ねん（1875年ねん）に辞職じしょく。その後ごは実弟じってい元もと賀がが経営けいえいする蓬よもぎ英えい社しゃに入社にゅうしゃし、殖産しょくさん事業じぎょうに尽力じんりょくした。

重明しげあきが一度いちど帰農きのうしていた関係かんけいで竹中たけなか家かは平民へいみん編入へんにゅうになっていたが、明治めいじ14年ねんに士族しぞくへの昇格しょうかくが認みとめられた。

明治めいじ24年ねん（1891年ねん）、死去しきょ。享年きょうねん64。菩提寺ぼだいじは東京とうきょう都と港みなと区くの泉岳寺せんがくじ。

備考びこう

• 先祖せんぞは戦国せんごく時代じだいの軍師ぐんし・竹中たけなか重治しげはる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 松田まつだ敬之たかゆき『〈華族かぞく爵位しゃくい〉請願せいがん人名じんめい辞典じてん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2015年ねん（平成へいせい27年ねん）。ISBN 978-4642014724。