第だい32大隊だいたい (南みなみアフリカ)

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32大隊だいたいのエンブレム
32大隊だいたいの旗はた

旧きゅう南みなみアフリカ国防こくぼう軍ぐん第だい32大隊だいたい(32 Battalion)は、白人はくじん黒人こくじん混成こんせいの軽けい歩兵ほへい大隊だいたい。旧きゅう南みなみアフリカ陸軍りくぐんの精鋭せいえい部隊ぶたいであり、日本にっぽんのメディアでは特殊とくしゅ部隊ぶたいと混同こんどうされる[1]こともある。通称つうしょうはバッファロー大隊だいたい (Buffalo Battalion) 、もしくは恐おそるべき者もの (Terrible One) 。

沿革えんかく[編集へんしゅう]

創設そうせつ、戦地せんちへの投入とうにゅう[編集へんしゅう]

記念きねん館かんに飾かざられた第だい32大隊だいたい員いんの軍服ぐんぷく

1975年ねんに南みなみアフリカ共和きょうわ国こく国防こくぼう相しょうピーター・ウィレム・ボータは、アンゴラ解放かいほう人民じんみん運動うんどう（MPLA）を支援しえんするソビエト連邦れんぽうやキューバに対抗たいこうしてアンゴラ内戦ないせんに直接ちょくせつ介入かいにゅうする方針ほうしんを決定けっていし、サバンナ作戦さくせん（英語えいご版ばん）ではアンゴラに武力ぶりょく侵攻しんこうを行おこない、MPLAと対立たいりつしたアンゴラ民族みんぞく解放かいほう戦線せんせん（FNLA）[2]やアンゴラ全面ぜんめん独立どくりつ民族みんぞく同盟どうめい（UNITA）[3]に属ぞくしたアンゴラの黒人こくじんも引ひき入いれて第だい32大隊だいたいや南西なんせいアフリカ警察けいさつ対たい不正規ふせいき戦せん部隊ぶたいを組織そしきした[4]。特とくにボータに象牙ぞうげのAK-47も贈おくる仲なかだったUNITAのジョナス・サヴィンビ議長ぎちょうと親交しんこうを結むすび[5]、南みなみアフリカ軍ぐんがUNITAを支援しえんする軍事ぐんじ作戦さくせんを連続れんぞくして実行じっこうしたクイト・クアナヴァレの戦たたかい（英語えいご版ばん）は第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん以来いらいのアフリカ大陸たいりくでの大だい規模きぼな戦闘せんとうの1つとされた[6]。第だい32大隊だいたいは、南みなみアフリカ国防こくぼう軍ぐん特殊とくしゅ部隊ぶたい旅団りょだん指揮しき官かんのヤン・ブレインバッハ（アフリカーンス語ご版ばん、英語えいご版ばん）大佐たいさ（当時とうじ）によって、対たい反乱はんらん (COIN) 作戦さくせんを目的もくてきとして率ひきいられた。黒人こくじん隊員たいいんの多おおくはアンゴラ民族みんぞく解放かいほう戦線せんせん[7]に所属しょぞくしていたアンゴラ人じんであり、アンゴラ内戦ないせんを経験けいけんして南みなみアフリカに入国にゅうこくして第だい32大隊だいたいの一員いちいんになった。白人はくじんの士官しかん、指揮しき官かんなどは南みなみアフリカ人じんが多おおかったが、アメリカ人じん、オーストラリア人じん、旧きゅうローデシア人ひと、ポルトガル人じん[7]なども少数しょうすう所属しょぞくしていた。

第だい32大隊だいたいはアンゴラ内戦ないせんやナミビア独立どくりつ戦争せんそうに投入とうにゅうされ、アンゴラでは「クトゥ・クアナヴァールの戦たたかい（英語えいご版ばん）」に参加さんかする。

南なんア国内こくないでの戦闘せんとう[編集へんしゅう]

ナミビアの独立どくりつ後ご、第だい32大隊だいたいはインカタ自由党いんかたじゆうとうとアフリカ民族みんぞく会議かいぎの対立たいりつが激はげしいタウンシップ（英語えいご版ばん）での治安ちあん維持いじ任務にんむに投入とうにゅうされた[7]。またこの間あいだ、第だい32大隊だいたいは1992年ねんにトランスヴァール州しゅう（現在げんざいのハウテン州しゅう）のポーラ公園こうえんにて群衆ぐんしゅうに発砲はっぽうし殺害さつがいしたと言いわれている。[8]

編成へんせい[編集へんしゅう]

第だい32大隊だいたいの編成へんせい図ず
  • アルファ中隊ちゅうたい
  • ブラボー中隊ちゅうたい
  • チャーリー中隊ちゅうたい
  • デルタ中隊ちゅうたい
  • エコー中隊ちゅうたい
  • フォックストロット中隊ちゅうたい
  • ゴルフ中隊ちゅうたい
  • 武器ぶき支援しえん部隊ぶたい
81mm迫撃はくげき砲ほうや対戦たいせん車しゃ砲ほう、機関きかん銃じゅうによる支援しえんを担当たんとうする。
  • 偵察ていさつ部隊ぶたい(Recce Wing)
偵察ていさつが主おもな任務にんむで、白人はくじんは顔かおを黒くろく塗ぬって黒人こくじんに偽装ぎそうしながら敵対てきたい者しゃの情報じょうほう収集しゅうしゅうにあたっていた。

装備そうび[編集へんしゅう]

第だい32大隊だいたいは通常つうじょうの小しょう火器かきの他ほかに120mm迫撃はくげき砲ほうや90mm対たい戦車せんしゃ砲ほう 。ラーテル歩兵ほへい戦闘せんとう車しゃや20mm対空たいくう機関きかん砲ほうを設置せっちしたブッフェル装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそう車しゃなどを保有ほゆうしていた。

また小しょう火器かきも南みなみアフリカ製せいだけでなく、AK47[9]、PKM軽けい機関きかん銃じゅう[10]、RPG7[11]など敵てき側がわから鹵獲ろかくした共産きょうさん圏けん製せいの武器ぶきを所持しょじしている写真しゃしんもある。

隊員たいいんたちのその後ご[編集へんしゅう]

第だい32大隊だいたいはアパルトヘイト終了しゅうりょう後ごの1993年ねんに解体かいたいされ、黒人こくじん隊員たいいんらはポムフレット[12]という辺境へんきょうの村むらで家族かぞくと共ともに固かたまって生活せいかつし、治安ちあんの悪わるい都市とし部ぶで働はたらく警備けいび員いん[13]やエグゼクティブ・アウトカムズのような民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃの社員しゃいんとして生計せいけいを立たてている。

2002年ねんには、サイモン・マンとニック・ドゥトワらを現場げんば指揮しき官かんとしてマーク・サッチャーが計画けいかくしたクーデター計画けいかくに第だい32大隊だいたい出身しゅっしん者しゃらが参加さんかし、赤道せきどうギニアの空港くうこうで逮捕たいほされる事件じけんが発生はっせいした。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 柘植つげ久ひさ慶けい「スペシャル・フォース　最強さいきょうの特殊とくしゅ部隊ぶたい」ほか
  2. ^ De Lancey, Blaine (November 1992). "…meanwhile, in South Africa, the bloody capitalist-apartheid regime remains…". Syracuse University.
  3. ^ Herbstein, Denis;Evenson, John (1989). The Devils Are Among Us:The War for Namibia. London:Zed Books Ltd. pp. 28, 61–92. ISBN 978-0862328962.
  4. ^ Stapleton, Timothy (2013). A Military History of Africa. Santa Barbara:ABC-CLIO. pp. 251–257. ISBN 978-0313395703.
  5. ^ “Apartheid Leader's Museum Exhibit Fails to Exert Its Old Draw”. ロサンゼルス・タイムズ (1998年ねん1月がつ23日にち). 2019年ねん2月がつ16日にち閲覧えつらん。
  6. ^ Mills, Greg;Williams, David (2006). Seven Battles that Shaped South Africa. Cape Town:Tafelberg. ISBN 978-0-624-04298-3.
  7. ^ a b c "THE TERRIBLE ONES"
  8. ^ The Terrible Ones: South Africa’s ’32 Battalion’
  9. ^ Picture 73
  10. ^ Picture 69
  11. ^ Picture 85
  12. ^ “South Africa - Pomfret”. 2007年ねん1月がつ3日にち閲覧えつらん。
  13. ^ RSSセキュリティ社しゃで働はたらく元もと第だい32大隊だいたいの警備けいび員いん。

リンク[編集へんしゅう]

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