答弁とうべん取引とりひき

答弁とうべん取引とりひき（とうべんとりひき、英えい: Plea bargain）とは、刑事けいじ手続てつづきにおいて被告人ひこくにんの有罪ゆうざい答弁とうべん（自白じはく）などと引ひき換かえに訴うったえの対象たいしょうを一部いちぶの訴因そいん、または軽かるい罪つみのみに限かぎる合意ごういをいう。

なお、Plea bargain（答弁とうべん取引とりひき）に「司法しほう取引とりひき」の訳わけが当あてられることがあるが、司法しほう取引とりひきの一種いっしゅである答弁とうべん取引とりひきをそう呼よぶのは、厳密げんみつさに欠かけるという指摘してきがある。司法しほう取引とりひきには、答弁とうべん取引とりひきの他ほかに、有罪ゆうざい答弁とうべんを求もとめることなく、捜査そうさ・公判こうはんへの協力きょうりょくと引ひき換かえに、供述きょうじゅつや証言しょうげんを不利益ふりえきに利用りようしない、或あるいは、これに基もとづいて訴追そついしない、といった見返みかえりを与あたえる非公式ひこうしき刑事けいじ免責めんせきがある。

答弁とうべん合意ごうい

答弁とうべん合意ごういは、検察官けんさつかんと被告人ひこくにんとの間あいだで答弁とうべん内容ないよう（有罪ゆうざい答弁とうべんをする対象たいしょうとなる訴追そつい事実じじつ）や量刑りょうけいについて合意ごういするもの。

一定いっていの要件ようけん（例たとえばアメリカ法ほうなら「任意にんいかつ権利けんりを理解りかいした上うえでの答弁とうべん」など）を満みたしていると認みとめられた場合ばあいには、合意ごういに従したがった量刑りょうけいがなされる。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは、連邦れんぽう刑事けいじ訴訟そしょう規則きそくに規定きていがあり、また、ウクライナ、バヌアツ（被告人ひこくにんからのみ提案ていあんできる）などでも採用さいようされている。

一方いっぽう、当事とうじ者しゃが合意ごうい（「他人たにんに関かんして虚偽きょぎの事実じじつを述のべない」といった条項じょうこうなど）を遵守じゅんしゅしなかった場合ばあいには、判決はんけつの取消とりけし原因げんいんとなる。

和解わかい合意ごうい

和解わかい合意ごういは、重大じゅうだいでない犯罪はんざいや私人しじん訴追そついの犯罪はんざいについて被疑ひぎ者しゃと被害ひがい者しゃとの間あいだで刑事けいじ責任せきにんや量刑りょうけいについて合意ごういをするもの。

ウクライナなどで採用さいようされており、裁判所さいばんしょが和解わかい合意ごういを認容にんようすると、被害ひがい者しゃからは、被疑ひぎ者しゃに対たいして更さらなる処罰しょばつを求もとめることが出来できなくなる。