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算術幾何数列 - Wikipedia コンテンツにスキップ

算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ

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数学すうがくにおける算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ(さんじゅつきかすうれつ、ふつ: suite arithmético-géométrique; えい: arithmetico–geometric sequence)は、いちややしき満足まんぞくする数列すうれつで、算術さんじゅつ数列すうれつおよび幾何きか数列すうれつをともに一般いっぱんする[注釈ちゅうしゃく 1]

定義ていぎ[編集へんしゅう]

ここでは任意にんいかわからだ K をひとつ固定こていする(たとえば実数じっすうからだ 複素数ふくそすうからだ )。Kをとる数列すうれつ 算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつであるとは、K適当てきとうもと a, b存在そんざいして、その数列すうれつ以下いかややしき 満足まんぞくするときにう。[1]

注意ちゅうい
途中とちゅう番号ばんごうからはじまるれつ (un)nn0 は、vp = un0+pくことにより、つね(vp)p∈ℕ なるかたちなおせる[2]。そのようなれつ (un)n n0 において上記じょうきすすむしきたすことと、(vp)p∈ℕ算術さんじゅつ幾何きかてきであることとは同値どうちになる。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

  • 算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつかい線型せんけい回帰かいき数列すうれつで、ひとし線型せんけいすすむしき かいとしてあたえられる。
  • 算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつの「公差こうさb以下いかしきあたえられる:
  • 算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつかい数列すうれつ は、おおやけ a幾何きか数列すうれつである。
  • 算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ部分ぶぶんれつ Snさんかい線型せんけい回帰かいき数列すうれつ満足まんぞくする。
  • 部分ぶぶんれつ算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつすような数列すうれつは、それ自身じしん幾何きか数列すうれつす。

一般いっぱんこう[編集へんしゅう]

a = 1場合ばあい[編集へんしゅう]

a = 1 のとき、ややしきは、 となり、これは算術さんじゅつ数列すうれつすすむしきであるから、一般いっぱんこう となる。

a ≠ 1場合ばあい[編集へんしゅう]

けば、一般いっぱんこうあたえられる(a = n = 0 のときは 00 = 1約束やくそくする)。

定義ていぎぶし注意ちゅういしたがえば、より一般いっぱんに: ける。

部分ぶぶん[編集へんしゅう]

a ≠ 1 で、つねr = b/(1 – a)くことにすれば、最初さいしょn こうだい 0-こうからだい (n − 1)-こうまで)のあたえられる。

これをもちいて、連続れんぞくするこう計算けいさんできる。うえおな仮定かていした n > p として となる。

収束しゅうそくせい[編集へんしゅう]

一般いっぱんこうおよび幾何きか数列すうれつ収束しゅうそく条件じょうけんから、算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ極限きょくげんa必要ひつようならば u0r符号ふごうも)によって決定けっていすることができる(a ≠ 1 のとき r = b/(1 – a)いたことに注意ちゅうい)。

|a| < 1 のときは、数列すうれつ極限きょくげん初期しょきなにであろうと r である。つまり、この場合ばあい収束しゅうそくせいは、完全かんぜん初期しょき条件じょうけん無関係むかんけいである。このような特徴とくちょうは(ロジスティックれつのような)線型せんけいすすむしききわめて初期しょき条件じょうけん鋭敏えいびんであることと対照たいしょうである。マルコフくさりにおいて、これはくさり安定あんていくさり収束しゅうそくすることをしめす。

応用おうよう[編集へんしゅう]

算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつは、あるしゅ人口じんこう変動へんどう変動へんどうりつ一定いってい)のモデリングとしてあらわれる。たとえば、つね10流入りゅうにゅう5%流出りゅうしゅつがあることを ける。

算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ返済へんさい計画けいかくフランス語ふらんすごばんにもあらわれる。資本しほん C をつきりつ t でりて月額げつがく M で分割払ぶんかつばらいする返済へんさい計画けいかくかんがえると、nげつのこった借金しゃっきん Rn数列すうれつ (Rn)ややしき たし、算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつす。

算術さんじゅつ幾何きか数列すうれつ状態じょうたいマルコフくさりにもあらわれる。推移すいいかくりつ行列ぎょうれつ英語えいごばん とすると、関係かんけいしき から られ、一方いっぽう であったから、代入だいにゅうして る。

ちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 定義ていぎにより、算術さんじゅつ級数きゅうすういち係数けいすう1 の、幾何級数きかきゅうすう定数ていすうこう0いちすすむしきをそれぞれつのであった。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Суконник Я. Н. Арифметико-геометрическая прогрессия // Квант. — 1975. — № 1. — С. 36—39.
  2. ^ J'intègre de Deschamps et Warusfel, tome 1, p. 127.[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]
  3. ^ J.-P. Ramis および A. Warusfel (dir.), Mathématiques : Tout-en-un pour la Licence – niveau 1, Dunod, coll. « Sciences Sup »,‎ , 2e éd. (1re éd. 2006) (lire en ligne), p. 534.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]