紀元きげん2600年ねん記念きねん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい

紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん記念きねん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい Japan International Exposition
ポスター
イベントの種類しゅるい	特殊とくしゅ博覧はくらん会かい
通称つうしょう・略称りゃくしょう	万博ばんぱく
開催かいさい時期じき	1940年ねん3月がつ15日にち - 8月がつ31日にち予定よてい
会場かいじょう	日本にっぽん 東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し 晴海はるみ町まち・豊洲とよす・台場だいば公園こうえん 神奈川かながわ県けん横浜よこはま市し 山下やました公園こうえん
主催しゅさい	日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい協会きょうかい
来場らいじょう者しゃ数すう	目標もくひょう 4,500万まん人にん

紀元きげん2600年ねん記念きねん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい（きげんにせんろっぴゃくねんきねん にほんばんこくはくらんかい）は、1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）に日本にっぽんの東京とうきょう市し（当時とうじ）で開催かいさい予定よていであった国際こくさい博覧はくらん会かいである。 「東京とうきょう万博ばんぱく」と呼よばれることが多おおい。しかし、日にち中ちゅう戦争せんそうの激化げきかなど諸般しょはんの事情じじょうにより中止ちゅうしされた。

概要がいよう

1929年ねんに民間みんかんから万国博覧会ばんこくはくらんかいの開催かいさいが提案ていあんされ東京とうきょう府ふ・神奈川かながわ県知事けんちじ、東京とうきょう・横浜よこはま市長しちょう、商工しょうこう会議かいぎ所しょが賛同さんどうし1934年ねんに「日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい協会きょうかい」を設立せつりつ。企画きかく過程かていで皇紀こうき二に千せん六ろく百ひゃく年ねん行事ぎょうじとして1940年ねんの開催かいさい計画けいかくとした。

1937年ねんには総裁そうさいに秩父宮雍仁親王ちちぶのみややすひとしんのう、副ふく総裁そうさいに近衛このえ文麿ふみまろ総理そうり大臣だいじん、名誉めいよ会長かいちょうに吉野よしの信次しんじ商工しょうこう大臣だいじんと阪谷さかたに芳郎よしお男爵だんしゃく、協会きょうかい会長かいちょうに藤原ふじわら銀次ぎんじ郎ろう等とう協会きょうかい人事じんじを決定けっていし入場にゅうじょう者しゃ数すう4500万まん人にんの予測よそくや会場かいじょう計画けいかく委員いいん会かいの設置せっちなど具体ぐたい的てき準備じゅんびを進すすめた。

しかし1939年ねんのニューヨーク万博ばんぱく開催かいさいの申請しんせいが既すでにあり、国際こくさい博覧はくらん会かい条約じょうやくでは万国博覧会ばんこくはくらんかい種別しゅべつ（現在げんざいの「登録とうろく博覧はくらん会かい」種別しゅべつ）での開催かいさいは先さきの開催かいさいから2年ねん以上いじょうの経過けいかが必要ひつようなため同種どうしゅ別べつでの開催かいさいは困難こんなんなほか日本にっぽんが同どう条約じょうやくに未み加盟かめいなため申請しんせいが不ふ認可にんかとなる観測かんそくが立たった。その後ご在ざい仏ふつ日本にっぽん大使館たいしかんを通つうじての交渉こうしょうの結果けっか「東西とうざい文化ぶんかの融合ゆうごう」をテーマとした特殊とくしゅ博覧はくらん会かい種別しゅべつ（現在げんざいの「認定にんてい博覧はくらん会かい」種別しゅべつ）での開催かいさいが提案ていあんされ1938年ねん3月がつに世界せかい70カ国かこくへ招請しょうせい状じょうが発出はっしゅつされた。

1940年ねん（皇紀こうき2600年ねん）は、神武じんむ天皇てんのうが紀元前きげんぜん660年ねんに初代しょだいの天皇てんのうに即位そくいして2600周年しゅうねんの節目ふしめの年としであるとして、紀元きげん2600年ねんを祝賀しゅくがする行事ぎょうじのほか、様々さまざまな国際こくさい的てきイベントも招致しょうちされた。オリンピックも夏季かき大会たいかいが東京とうきょう市し（現げん・東京とうきょう都区とく部ぶ）で、冬季とうき大会たいかいが札幌さっぽろ市しで開催かいさいされることが決定けっていしていた。

東京とうきょう市しの月島つきしま4号ごう地ち（現在げんざいの晴海はるみ）と5号ごう地ち（現在げんざいの豊洲とよす）をメイン会場かいじょうとして開催かいさいする計画けいかくとし、勝鬨橋かちどきばしは博覧はくらん会かい開催かいさいのための整備せいびの一環いっかんで造つくられた。それ以外いがいでは台場だいば公園こうえん、横浜よこはま市しの山下やました公園こうえんも会場かいじょう予定よてい地ちとなった。予算よさん規模きぼは東京とうきょうオリンピックの約やく3094万まん円えんを上回うわまわる4450万まん円えん、道路どうろ改修かいしゅうや架橋かきょう等とうの公共こうきょう事業じぎょう費ひに1500万まん円えんを見込みこみ一部いちぶを総額そうがく3650万まん円えん規模きぼの賞金しょうきん付つき前売まえうり券けんで賄まかない1938年ねんには第だい1期き1000万まん円えん分ぶんの発売はつばいが開始かいしされた。

開催かいさい期間きかんは3月がつ15日にちから8月がつ31日にちまでの170日間にちかんを予定よていしており、国家こっか的てきイベントになるはずであった。しかし日にち中ちゅう戦争せんそうが激化げきかしたため、資源しげんが使つかわれることを危惧きぐした軍部ぐんぶの反対はんたい、および参加さんか国こくの減少げんしょうが確実かくじつになったことなどで、1938年ねん7月がつ15日にちに延期えんきが決定けっていし、実質じっしつ的てきな中止ちゅうしとなった。なお延期えんき決定けってい後ごも入場にゅうじょう券けん付属ふぞくの宝たからくじ抽選ちゅうせんが行おこなわれたり、万国博ばんこくはく協会きょうかいの会誌かいし「万博ばんぱく」は海外かいがいの万博ばんぱく視察しさつ報告ほうこくや日本にっぽんで開催かいさいする万博ばんぱくのあり方かたを考かんがえる記事きじを掲載けいさいする形かたちで1944年ねん頃ごろまでの発行はっこうが確認かくにんされている。

主おもな施設しせつ

東京とうきょう会場かいじょう4号ごう地ち

「精神せいしん文化ぶんかに関かかわる荘厳そうごんな日本にっぽん建築けんちく」を中心ちゅうしんとした。

• 事務じむ局きょく - 唯一ゆいいつ完成かんせいし開催かいさい延期えんき後ごは傷病しょうびょう兵へい収容しゅうよう所しょ「東京とうきょう第だい一いち陸軍りくぐん病院びょういん月島つきしま分ぶん院いん」に転用てんようし戦災せんさいで消失しょうしつ。
• 肇はじめ国こく記念きねん館かん - テーマ館かん、計画けいかく当初とうしょは「建国けんこく記念きねん館かん」。
• 生活せいかつ館かん・社会しゃかい館かん
• 保健ほけん衛生えいせい館かん・体育館たいいくかん
• 教育きょういく館かん
• 美術館びじゅつかん
• 文芸ぶんげい館かん
• 科学かがく館かん
• 経済けいざい館かん・資源しげん館かん・海外かいがい発展はってん館かん
• 鉱山こうざん館かん
• 土木どぼく建築けんちく館かん
• 通信つうしん交通こうつう館かん・観光かんこう館かん
• 発明はつめい館かん・印刷いんさつ出版しゅっぱん及写真しゃしん館かん
• 映画えいが館かん
• 武徳たけのり殿どの
• 野外やがい演芸えんげい場じょう

東京とうきょう会場かいじょう5号ごう地ち

洋風ようふう建築けんちくを想定そうていした「自由じゆうな近代きんだい的てき建築けんちく様式ようしき」を中心ちゅうしんとした。

• 農業のうぎょう館かん・林業りんぎょう館かん
• 水産すいさん館かん・食料しょくりょう館かん
• 蚕糸さんし館かん
• 紡績ぼうせき館かん
• 化学かがく工業こうぎょう館かん・製作せいさく工業こうぎょう館かん
• 航空こうくう館かん
• 機械きかい館かん・電気でんき館かん
• 野外やがい大だい演劇えんげき場じょう
• 外国がいこく館かん
• 賛同さんどう国こく特設とくせつ館かん
• 外国がいこく私設しせつ陳列ちんれつ館かん
• 野外やがい音楽おんがく堂どう
• 演芸えんげい館かん

横浜よこはま会場かいじょう

• 海洋かいよう館かん
• 水産すいさん館かん
• 水族館すいぞくかん

前売まえうり券けん

1938年ねん3月がつ10日とおかから15日間にちかん第だい1回かい前売まえうり券けん100万まん枚まいを大人おとな12枚まい綴つづり1冊さつ10円えんで販売はんばいし、延期えんき決定けってい後ご1939年ねん4月がつ1日にちから20日間にちかん日本交通公社にほんこうつうこうしゃで払はらい戻もどしを受うけ付つけ80%が払はらい戻もどしされた。

その後ご1970年ねんの日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかいに際さいしては「1940年ねん万博ばんぱくの際さいの社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい協会きょうかいと、1970年ねん万博ばんぱくの際さいの財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい協会きょうかいは別個べっこで、債権さいけん債務さいむの引ひき継つぎは無ない」「閣議かくぎ決定けってい公告こうこくでの次期じき開催かいさい時じ有効ゆうこうの文言もんごんは紀元きげん2600年ねん記念きねん祝賀しゅくが行事ぎょうじとしての物もので、現在げんざいでも有効ゆうこうとは考かんがえられない」「当時とうじの入場にゅうじょう券けんは払はらえ戻もどが行おこなわれており、民法みんぽう第だい168条じょうによって債権さいけんは消滅しょうめつしたものと考かんがえられる」といった理由りゆうから1940年ねん万博ばんぱくの入場にゅうじょう券けんは通用つうようしないという結論けつろんが出だされたものの、「当時とうじ国債こくさいと同おなじムードで販売はんばいされかなり高額こうがくだった」「戦争せんそうの激化げきかで所持しょじ者しゃの移動いどうが激はげしく、払はらえ戻もど請求せいきゅうが出来できなかった人ひとが多おおい」等とうの理由りゆうから何なんらかの形かたちで優遇ゆうぐうすべきという意見いけんが出だされ、1966年ねん8月がつの常任じょうにん理事りじ会かいにて優遇ゆうぐう措置そちが決定けってい。「当時とうじの金額きんがくはかなり高たかく、購入こうにゅう者しゃは万国博ばんこくはくの良よき理解りかい者しゃであると見みられる」との理由りゆうで積極せっきょく的てきな招待しょうたいを行おこなうとして、12枚まい綴つづり入場にゅうじょう券けん1冊さつに付つき大人おとな1枚まいまたは小人こども2枚まいの優待ゆうたい入場にゅうじょうを認みとめ、交付こうふ印しるしを押おし本ほん券けんを返却へんきゃくする形かたちとした。

また2005年ねんの2005年ねん日本にっぽん国際こくさい博覧はくらん会かい（愛あい・地球ちきゅう博はく）でも、会期かいき中ちゅうの4月がつより1970年ねん万博ばんぱくを踏襲とうしゅうし12枚まいつづり1冊さつに付つき2枚まいと交換こうかんする形かたちで使用しよう可能かのうとし、券面けんめん番号ばんごう確認かくにん後ごに招待しょうたい券けんが発行はっこうされ、回数かいすう券けんそのものは番号ばんごうを控ひかえた上うえで返却へんきゃくされた。

日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかいでは3,077枚まい、2005年ねんの日本にっぽん国際こくさい博覧はくらん会かいでは48冊さつ（96枚まい）使用しようされたという。

関連かんれん項目こうもく

• 1940年ねん東京とうきょうオリンピック
• 皇紀こうき2600年ねん奉祝ほうしゅく曲きょく
• 紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん
• 紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん頌歌
• 亜細亜大あじあだい博覧はくらん会かい
• 日本にっぽん大だい博覧はくらん会かい

外部がいぶリンク

• 紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん記念きねん日本にっぽん万国博覧会ばんこくはくらんかい概要がいよう - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション