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緩衝かんしょう地帯ちたい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

緩衝かんしょう地帯ちたい(かんしょうちたい、英語えいご: Buffer Zone)とは、地政学ちせいがく用語ようごのひとつで、大国たいこくおおきな文化ぶんかかくはさまれた諸国しょこく地域ちいきのこと。このような地帯ちたいはさむことで、対立たいりつする国家こっかあいだ衝突しょうとつをやわらげる効果こうか期待きたいできる。

このほか、住宅じゅうたく工業こうぎょうへだてる帯状おびじょう緑地りょくちたい野生やせい動物どうぶつ生息せいそく周辺しゅうへん禁止きんし地区ちく[1]世界せかい遺産いさん文化財ぶんかざい周辺しゅうへん開発かいはつ制限せいげんされた区域くいき[2]などの意味いみもちいられることもある。

地政学ちせいがく用語ようごとしての概説がいせつ

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1980年代ねんだい初頭しょとうチェコスロバキアにおける前線ぜんせん地帯ちたいへの侵入しんにゅう警告けいこくする標識ひょうしき。「危険きけん! 緩衝かんしょう地帯ちたい 許可きょかをとって進入しんにゅうせよ」とある。

大国たいこくにとって、自国じこく境界きょうかいからの距離きょりがあればあるほど、自国じこく影響えいきょうりょく低下ていかするならば、影響えいきょうりょく行使こうしできる範囲はんいは、競合きょうごう大国たいこく影響えいきょうりょくまさ範囲はんいとしておのずとさだまるとされる。ある緩衝かんしょう地帯ちたい大国たいこく影響えいきょうりょくおよぶようなオーバーラップ地域ちいきがある場合ばあいにどちらの勢力せいりょくけんであるのか、またはどちらに優位ゆうい地域ちいきなのか曖昧あいまい間隔かんかくいきとなりやすい。そのため複数ふくすう影響えいきょうりょくおよぶようなオーバーラップ地域ちいき軍事ぐんじてき紛争ふんそう地域ちいきになりやすい。

しかし、紛争ふんそう結果けっかとしてどちらの支配しはいけんまれるかさだかでない場合ばあいおおく、大国たいこく軍事ぐんじてき行動こうどうする場合ばあい意思いし決定けってい逡巡しゅんじゅんせざるをない不透明ふとうめい地域ちいきとしてとらえられやすい。どちらかの勢力せいりょく明確めいかくぞくさない曖昧あいまい地域ちいきはさむことで、大国たいこくあいだ衝突しょうとつやわらげる意味合いみあいがある。ぎゃくに、そうした紛争ふんそう結果けっか不透明ふとうめいさが軍事ぐんじてき積極せっきょくてき野心やしん実力じつりょくしゃ心理しんりをたきつける場合ばあいおおく、安全あんぜんどころか紛争ふんそう地域ちいきになりやすいという側面そくめんもある。とりわけ、世界せかい大国たいこくにとって緩衝かんしょう地帯ちたいとして認識にんしきされているのが東欧とうおう東南とうなんアジアであるとされ、東西とうざい冷戦れいせんにおいて、資本しほん主義しゅぎ経済けいざいけん共産きょうさん主義しゅぎけん境目さかいめであったこれらの地域ちいきは、つねべいきょくがた秩序ちつじょ体制たいせいなかでしばしば政治せいじてき動揺どうようまねいた地域ちいきでもある。

イギリスマッキンダーべいえいなどの海洋かいよう国家こっかたいする脅威きょういとして、ドイツソビエト連邦れんぽう膨張ぼうちょう警鐘けいしょうらし、どくあいだ膨張ぼうちょう歯止はどめをかける緩衝かんしょう地帯ちたいもうけることを提唱ていしょうし、緩衝かんしょう地帯ちたい戦略せんりゃくてきもちいる理論りろんとなえたことでられている[3]

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • ジョン・オロッコリンちょ滝川たきがわ義人よしひとやく地政学ちせいがく事典じてん』(東洋とうよう書林しょりん、2000ねん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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